注目指標の多様化で強弱交錯も

著者:菊川弘之
投稿:2014/04/04 16:55

NY金とのダブルチェックでダマシを避けたい

 3月の米雇用統計に対する事前予想は、非農業部門雇用者数が前月比+20万人、失業率は6.6%予想。これまで米マクロ経済指標の上値を抑えていた記録的な寒波の影響がなくなることから、非農業門雇用者数の大幅増加が期待され、市場はこの強気予想を織り込みながら本日を迎えています。

 前回の米連邦準備制度理事会(FRB)で、フォワードガイダンスから失業率6.5%達成でのゼロ金利解除と言う項目が外されており、失業率に対する市場の関心は低下していると思われ、非農業部門雇用者数にいつも以上に関心が集まりそうです。

 非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回った場合は、ドル買い・NY株高(史上最高値更新)で反応するでしょうが、事前予想範囲内であれば、NY株式・ドル円共に利喰いの動きが引けにかけて優勢になるかもしれません。FRBが注目する指標が、失業率と非農業部門雇用者数だけでなくなった事から、他の指標の数字次第では後付的に強気・弱気が交錯する可能性には注意。今週、かなり強気数値が織り込まれているので、サプライズで反応が大きくなるとすれば、ネガティブサプライズの場合だろう。

 ドル円との逆相関の動きを見せているNY金だが、時間外で1290ドル台まで値を戻している。1300ドル近辺にある200日移動平均線の攻防もドル円の値動きと並行して注目したい。雇用統計を受けてドル円は乱高下する可能性はあるが、騙しを避けるためにもNY金の値動きをダブルチェックするのは有効となろう。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想