雇用統計強くて当たり前??

著者:柳澤浩
投稿:2014/04/04 13:30

強すぎると利上げ観測強まりリスクオフも・・・・・

 本日発表予定の米3月雇用統計は、2月までの悪天候の影響が剥落すると見られており、非農業部門雇用者数の予想平均が20万人と強めの数字となっています。市場では、この予想よりも更に強い数字が出てもおかしく無いとまで考えている人が多い様に思われ、23万人程度の数字となる可能性も取り沙汰されています。

 逆に、強めの予想が当たり前だと考えられている為、平均である20万人増を少しでも下回ると、ネガティブ・サプライズとなります。その場合、ドルは一時的に反落する事となり、103円台前半までは急落する可能性がありそうです。それでも、最近のドルの上昇ピッチが速く、買いそこなっている投資家や輸入企業等が多い事を勘案すると、ドルが大きく調整にさらされる可能性も低そうです。

 一方、25万人増以上のかなり強い数字となった場合ですが、此方は、一時的には、104円台後半までドルが急伸する可能性がありますが、米国債利回りが、中短期ゾーンから長期ゾーンまで押し並べて上昇するものと思われ、利上げ開始時期予想の前倒しにより、次第に米国株相場にも下落圧力となる可能性が高そうです。

 そうなると、株価の下落を睨みながら、ドル円は上げ幅を縮小する動きとなるでしょうから、結局、104円台前半で落ち着き処を探す展開となりそうです。又、非農業部門雇用者数が多少強くても、失業率が上昇していたり、労働参加率が低下していたりすると、総合的には強い数字とは判断されない為、ドルが下落する事になる可能性にも注意したい処です。
柳澤浩
(株)FXプライム byGMOチーフアナリスト
配信元: 達人の予想