<8304>あおぞら銀行の不良債権処理にアベノミクス効果
同社は元日債銀として一定の存在感があった。もともとは日本不動産銀行として設立され、不動産抵当貸付が主務だった。
バブル崩壊に伴って破綻し、外資が買収。現在の筆頭株主はアメリカのサーベラス。大株主にはチエース・マンハッタン、ゴールドマンサックスなどが名前を連ねる。
かつて、不動産に強みがあった基盤がバブル崩壊で土地価格の下落によって裏目に出た格好だが、今、また、アベノミクス&クロトン相場で不動産がインフレに強みを発揮する資産として注目を集めるほか、TPP参加推進ともなれば、アメリカ資本の効率的運用の一環で同社の不良債権処理に何らかのプラス要因があるかもしれない。
フアンダメンタル面では予想年配当12.82円。現株価での配当利回りを計算すると約4.50%。
現株価が予想一株純利益の何倍まで買われているかを見る指標PERは連結ベースで12倍台。
純資産の何倍まで買われているかを見る指標PBRでは0.8倍である(1倍割れは割安といえる=株価と純資産との比較で株価のほうが安い状態を示しているため、純資産に歩み寄ればもう少し上値があってもいいという考え方から)。
業績は不良債権処理にかかる与信管理にまつわるコスト上昇で経常は減益だが、ある意味、商売のタネを整備しているコストなのでいずれ、費用対効果も生まれよう。
株価格付はUBSが中立判断ながら目標株価を1月8日250円から3月1日に275円に引き上げ。ゴールドマンサックスは300円の目標株価を昨年末から変えていない。
信用倍率が3月1日時点で16.1倍から利確をはさみながらゆっくり展開する可能性があるが、浮動株比率が5.3%とややタイトなので、高く買わず、じっくり安値を指値で拾う方法が無難といえる。
直近時系列データで見るとこのところの安値は270~290円台で次第に280円台を割らなくなっている。買値の参考にして欲しい。
目標株価をどのあたりに置くかは投資株数によるがリーマンショック前の水準を一つの目安とするなら330円あたりがあってもおかしくないのではないか(ヤフー大チャートの画像をアップしたので研究されたい)