*12:57JST 名工建設---JR東海向け工事を強固な事業基盤として安定成長、株価は割安水準
名工建設<1869>は、1941年に名古屋鉄道局管内の土木・建築工事の請負を目的として名鐵工業として設立された。東海旅客鉄道(JR東海)<9022>が、同社株式の8.5%を保有する筆頭株主である。目指す企業像は「安全と技術の名工」「社員が誇れる企業」であり、現在は名証メイン市場に上場している。建設事業と兼業事業を展開している。建設事業では土木・建築工事を中心に道路、鉄道、上下水道、学校、病院、工場、事務所、マンションなど幅広い施工実績を有する。兼業事業では、日本郵便との共同事業によるJPタワー名古屋の賃料収入のほか、不動産売買・賃貸を行っている。同社最大の強みは軌道保守工事を中心とする鉄道関連工事であり、同社売上の約53%をJR東海向け工事が占める。軌道保守における担当エリアは固定されており、東海道新幹線では東京・新大阪間の約6割、在来線ではJR東海管内の約7割の保守を担う。耐震補強工事のSMIC(スミック)工法などの独自技術を開発・実用化しており、技術力の高さも競争優位性となっている。
建設業界では公共投資が堅調で、民間設備投資も持ち直しの動きが見られる。一方、建設コスト上昇や人材確保が課題となっている。原材料費は高止まりが続き、労務費の上昇が継続しているものの、同社では価格転嫁を進めており、堅調に利益を出している。
2025年3月期は、売上高93,170百万円(前期比8.1%増)、営業利益6,386百万円(同18.9%増)、経常利益6,912百万円(同18.8%増)、当期純利益5,184百万円(同28.7%増)であった。前期からの豊富な工事繰越額を背景に建築工事を中心に増収となり、販売用不動産の売却やJPタワー名古屋の安定賃料収入により兼業事業売上高も増加した。利益面では、完成工事高の増加と工事利益率の改善が奏功して完成工事総利益が増加したほか、売上の伸びに比べて販管費の増加を抑制できたことも寄与した。当期純利益は投資有価証券売却益472百万円の計上により、大幅増益となった。
2026年3月期中間期は、売上高43,933百万円(前年同期比9.0%増)、営業利益2,671百万円(同1.8%減)、経常利益3,034百万円(同0.4%増)、当期純利益2,076百万円(同1.1%増)であった。主に民間の建築工事の増加により増収となった。利益面では、販管費の増加が売上総利益の増加を上回り営業利益は減益となった。ただし、受取配当金の増加により経常利益以下は増益となった。
2026年3月期通期では、売上高98,000百万円(前期比5.2%増)、営業利益6,500百万円(同1.8%増)、経常利益7,000百万円(同11.3%増)、当期純利益5,200百万円(同0.3%増)を予想している。売上は、大型工事の進捗により主に完成工事高で増収を見込んでいる。一方、利益面では、採算性と工事内容を熟考した選別受注と工事原価の圧縮に積極的に取り組んだ結果、増益を見込んでおり、上方修正を実施した。
2024年4月からスタートした3ヶ年の中期経営計画では、最終年度の2027年3月期に受注高95,000百万円、売上高95,000百万円、営業利益6,000百万円を目標としている。スローガンは「挑戦、未来へ 4つのC」とし、「信頼(Confidence)」「競争力(Competitiveness)」「実行力(Capability)」に「挑戦(Challenge)」の強化に取り組む。企業基盤の強化と持続的成長を目指し、2029年3月期に売上高1,000億円、2034年3月期に同1,200億円をマイルストーンとして掲げている。
主要施策としては、JR東海向け工事を確実に遂行し、基盤の維持・強化を図る。その上で、関東・関西へのエリア拡大により中部以外での成長を推進する。拠点整備やリソース拡充に向けたM&Aにも前向きに取り組む方針である。人的資本投資では、2026年4月に愛知県春日井市に研修センターを開所予定である。日本最大級の木造建築研修施設であり、実習用線路を備え、実践的な技術育成を図る。加えて、従業員のエンゲージメント向上も狙いとしている。さらに、建設現場での4週8休100%達成を目指すほか、DXツールの活用により業務効率化を進める。さらに、光ファイバ変位検測システム(DIMRO)やSMIC工法などの技術開発及び導入を推進する。加えて、リニア中央新幹線事業では、走行試験に関連する土木構造物のメンテナンス工事や高架橋などの施工実績があり、今後も積極的に参画していく方針である。
株主還元については、累進配当の継続を基本方針とし、安定収益を確保しながら株主資本の充実や設備投資に向けて内部留保を行う。2025年3月期の年間配当金は42.0円(配当性向20.4%)を実施し、2026年3月期は54.0円(同26.2%)と前期比12.0円の大幅増配を予定している。現 中期経営計画最終年度である2027年3月期に配当性向30%程度を目標とする。自己株式の取得は現時点では未検討であるが、今後の課題として認識している。PBRは0.55倍程度であり、企業価値と資本効率の観点から割安水準にある。株主対応やIR活動を通じた資本効率改善により、投資妙味が高まると考えられる。
<KM>
建設業界では公共投資が堅調で、民間設備投資も持ち直しの動きが見られる。一方、建設コスト上昇や人材確保が課題となっている。原材料費は高止まりが続き、労務費の上昇が継続しているものの、同社では価格転嫁を進めており、堅調に利益を出している。
2025年3月期は、売上高93,170百万円(前期比8.1%増)、営業利益6,386百万円(同18.9%増)、経常利益6,912百万円(同18.8%増)、当期純利益5,184百万円(同28.7%増)であった。前期からの豊富な工事繰越額を背景に建築工事を中心に増収となり、販売用不動産の売却やJPタワー名古屋の安定賃料収入により兼業事業売上高も増加した。利益面では、完成工事高の増加と工事利益率の改善が奏功して完成工事総利益が増加したほか、売上の伸びに比べて販管費の増加を抑制できたことも寄与した。当期純利益は投資有価証券売却益472百万円の計上により、大幅増益となった。
2026年3月期中間期は、売上高43,933百万円(前年同期比9.0%増)、営業利益2,671百万円(同1.8%減)、経常利益3,034百万円(同0.4%増)、当期純利益2,076百万円(同1.1%増)であった。主に民間の建築工事の増加により増収となった。利益面では、販管費の増加が売上総利益の増加を上回り営業利益は減益となった。ただし、受取配当金の増加により経常利益以下は増益となった。
2026年3月期通期では、売上高98,000百万円(前期比5.2%増)、営業利益6,500百万円(同1.8%増)、経常利益7,000百万円(同11.3%増)、当期純利益5,200百万円(同0.3%増)を予想している。売上は、大型工事の進捗により主に完成工事高で増収を見込んでいる。一方、利益面では、採算性と工事内容を熟考した選別受注と工事原価の圧縮に積極的に取り組んだ結果、増益を見込んでおり、上方修正を実施した。
2024年4月からスタートした3ヶ年の中期経営計画では、最終年度の2027年3月期に受注高95,000百万円、売上高95,000百万円、営業利益6,000百万円を目標としている。スローガンは「挑戦、未来へ 4つのC」とし、「信頼(Confidence)」「競争力(Competitiveness)」「実行力(Capability)」に「挑戦(Challenge)」の強化に取り組む。企業基盤の強化と持続的成長を目指し、2029年3月期に売上高1,000億円、2034年3月期に同1,200億円をマイルストーンとして掲げている。
主要施策としては、JR東海向け工事を確実に遂行し、基盤の維持・強化を図る。その上で、関東・関西へのエリア拡大により中部以外での成長を推進する。拠点整備やリソース拡充に向けたM&Aにも前向きに取り組む方針である。人的資本投資では、2026年4月に愛知県春日井市に研修センターを開所予定である。日本最大級の木造建築研修施設であり、実習用線路を備え、実践的な技術育成を図る。加えて、従業員のエンゲージメント向上も狙いとしている。さらに、建設現場での4週8休100%達成を目指すほか、DXツールの活用により業務効率化を進める。さらに、光ファイバ変位検測システム(DIMRO)やSMIC工法などの技術開発及び導入を推進する。加えて、リニア中央新幹線事業では、走行試験に関連する土木構造物のメンテナンス工事や高架橋などの施工実績があり、今後も積極的に参画していく方針である。
株主還元については、累進配当の継続を基本方針とし、安定収益を確保しながら株主資本の充実や設備投資に向けて内部留保を行う。2025年3月期の年間配当金は42.0円(配当性向20.4%)を実施し、2026年3月期は54.0円(同26.2%)と前期比12.0円の大幅増配を予定している。現 中期経営計画最終年度である2027年3月期に配当性向30%程度を目標とする。自己株式の取得は現時点では未検討であるが、今後の課題として認識している。PBRは0.55倍程度であり、企業価値と資本効率の観点から割安水準にある。株主対応やIR活動を通じた資本効率改善により、投資妙味が高まると考えられる。
<KM>
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