ゼロ、通期営業利益103億円目標を据え置き 上期は減益も計画通りの折り返し、下期で増益に転換

投稿:2026/02/27 15:00

2026年6月期第2四半期決算説明会

髙橋俊博氏(以下、髙橋):株式会社ゼロ代表取締役社長の髙橋俊博です。本日はお忙しい中お越しいただき、誠にありがとうございます。私から上半期の実績および下半期の計画、さらに中期経営計画の折り返し地点における今後の計画についてお話しします。

いつも質問時間が短くなりがちですので、今回は説明を簡潔にまとめる予定です。日本陸送協会の会長である北村も同席しているため、業界や我がグループに関するご質問をなんなりといただければと思います。よろしくお願いします。

エグゼクティブサマリー

エグゼクティブサマリーとして、5つの分野についてお話しします。

まず、1つ目のマーケットの状況としては、新車需要が非常に低迷しました。特に私どもは、もともと日産自動車の輸送会社としてスタートしました。直近の売上収益において日産自動車が占める割合は8.7パーセントでした。

しかし、新車メーカーの元請け部分では、2025年6月期より約2割の大幅な減少が見られました。このような状況はある程度想定していましたが、想定を超える落ち込みになりました。

もし、日産自動車のみを対象としていたら、間違いなく事業が存続できなかっただろうと考えています。今回のことを振り返ると、「リスク分散できていてよかった」と感じます。以上が、マーケットの状況です。

2つ目として、このような状況を受け、従来どおりの輸送にとどまらず、新たな輸送方法の検討を進めました。輸送力が絞られていく中で、メーカーには運びきれない車両が生じてくることを踏まえ、これらをフルに活用した輸送方法の検討に着手しています。

「もう少し先の港まで持っていったらどうか」「船ではなく、陸を走ったらどうか」など、特にこれまでは海上輸送の見直しをほとんど行ってこなかったため、今回を機に見直すこととしました。

また、値上げ要請が相次ぐ中で、より効率的な輸送方法や船会社との価格交渉やコスト削減策、さらにはキャリアカーをどのように最大限活用するかについて模索しました。

さらに、時間がある時にはお客さまを訪問する機会を増やそうと考え、営業本部に同行する機会を作るようにしました。その中で「他社に比べて品質は問題ないけれども、少し納期が長いよね」と言われる場面も何度かありました。

そのため、納期管理を徹底すべく、お預かりした商品車がどこで何日間滞留しているのかを把握し、滞留日数が長引いている場合は「なぜ何日間も止まっているのか」「なぜ前倒しして運べないのか」と確認を行いました。

雪や台風などの気象リスクが発生した場合にも対応できるよう、なるべく早めに輸送を進めることを心がけています。さらに、滞留日数を削減することで、必要な敷地面積も適正に見直すことが可能になります。以上が、2つ目の取り組みとして行ってきた内容です。

3つ目は先行投資についてです。これは人材だけでなく、システムへの投資も大幅に行っています。現在は3年間の中期経営計画のちょうど折り返し地点となりますが、15億円から20億円を想定しています。すでに半分以上をシステム投資に充てている状況です。

足元の状況を見ると、システム投資の償却期間が5年程度と短いため、P/L上で大きなインパクトがありますが、将来を見据えた積極的な投資を進めているとご理解ください。

4つ目は、今期において非常に残念なことですが、2025年8月と9月に相次いで、当社キャリアカーで火災が発生しました。

この問題についてメーカーサイドと協議を重ね、火災を起こした型のキャリアカーについて一斉点検を実施しました。安全が十分に確認できない限り、キャリアカーを稼働させない方針としています。

対象となるキャリアカーは全部で54両あり、基本的にはまだ走行可能な状態ですが、順次新しいものに入れ替え、そのタイミングで減損処理を行う予定です。

火災の発生原因ははっきりとわからない状況ではありますが、「まだ使えるから使う」のではなく、同じ型のキャリアカーが燃えていることから、なんらかの構造的な問題がある可能性もあると考えています。

本来であれば、複数のメーカーが対応できる状況が望ましいですが、国内で1つのメーカーしかないため、そのメーカーと二人三脚で改善、改革を進め、修理や今後の対応、再発防止策を実施せざるを得ない状況です。

このような中で、同じ型のキャリアカーについてはすべて廃棄し、新しいものに入れ替えていく方針です。ただし、一斉に行うと輸送業務に支障が出るため、安全を確認しながら順次入れ替えていく計画です。

最後に5つ目として、中期経営計画がちょうど折り返し地点に来たため、今後どのようなことを進めていくのかについて、お話ししたいと思います。

アジェンダ

本日は、4つの項目についてお話しします。まず1つ目は、2026年6月期中間決算概要です。

外部環境:新車・中古車販売・登録・輸出台数推移

まず、新車のマーケットについてです。スライドは2022年、2023年、2024年、2025年の売上推移を示しており、グラフ内の一番濃い色が今期の数値を表しています。

第1四半期の新車マーケットの売上は、2025年6月期第1四半期と比較して減少しました。第2四半期においても同期と比較して減少しています。

一方で、中古車の登録に関しては、第1四半期は2025年6月期第1四半期と比較してマーケット登録台数が増加しました。しかし、第2四半期では減少傾向にあります。

基本的に、新車が売れないと中古車マーケットも上昇しないため、今後新車マーケットがいかに盛り上がるかが鍵となります。

スライド左下に示しているのは新車の輸出台数です。こちらも第1四半期、第2四半期ともに、2025年6月期と比較して減少しています。一方で、右下の中古車の輸出台数は、1年前と比較していずれも増加しています。

業績推移(四半期)

スライドは、当社の売上収益および営業利益の推移を示しています。第1四半期の売上収益は2025年6月期第1四半期を上回る結果となりましたが、第2四半期は下がりました。詳細は後ほどご説明します。

営業利益は、第1四半期、第2四半期ともに2025年6月期の同期を下回る結果となりました。なお、2026年2月12日に決算発表資料を開示した際、株価が大幅に下落しました。

これは2025年6月期との比較において下がったことが要因ですが、私どもとしては、上期の実績はほぼ予算どおりに推移したと認識しています。

したがって、ある程度想定した範囲内の結果でしたが、市場では対前年を重視する見方がされるため、株価が大幅に下落したと考えています。こちらは、また後ほどご説明します。

業績概要

スライドは、先般発表した内容です。売上収益は2025年6月期より約31億円減少し、営業利益は約5億円減少しました。ただし、通期の見通しの修正は行っていません。先ほどもお伝えしたとおり、ほぼ予算どおりに上期で折り返したという状況です。

業績概要

内訳としては「売上収益」「営業利益」「上場維持」「重大事故撲滅に向けた取り組み」の4つになります。これらの詳細は後ほどご説明します。

営業利益に関しては、今期は車両輸送の経路の見直しを行っています。営業本部が同じ1台を受注する際に、利益率を重視しようという考えです。私自身も、売上高よりも残る利益額のほうが重要であると社内で伝えています。

売上を2倍に増やすことは、2027年6月期にでも容易に実現可能だと考えていますが、利益を残すことが重要であるため、1つひとつ中身を確認し「これは意味ある輸送なのか」を考え、取り組みを進めています。

後ほど詳しくご説明しますが、車両輸送以外の領域は非常に順調に推移しています。また、前回もご説明したとおり、無事に2025年8月をもって、上場維持基準を達成することができました。

また、2025年8月と9月に同じメーカーのキャリアカーが火災を起こすという事態が発生しました。メーカーと提携し、現在稼働している54両すべての車両の緊急点検が完了しています。安全が確認されたキャリアカーのみを動かしていますが、新規に買い替えできるタイミングで入れ替えを進める予定です。

みなさまに大変ご迷惑をおかけしましたが、2025年10月1日にJR高山線において、我がグループ子会社であるゼロ・プラス中部のキャリアカーが特急列車と接触する事故が発生しました。幸い死亡事故には至りませんでしたが、負傷された方がいらっしゃり、本当に大変申し訳なく思っています。

このような状況を受け、踏切事故対策本部を設置し、全従業員に対して再度指導を徹底しました。有事対応を知識として理解していても、有事に的確に対応できるかどうかを含め、あらためて徹底したところです。

一歩間違えば会社存亡に関わる出来事であり、背筋の凍る思いをしました。業績を伸ばすことも必要ですが、私自身も今一度、原理原則である「お客さまの大切な車を事故なくきちんと運ぶ」ということを徹底した上で、経営と運営に努めていかなければならないと思っています。

事業構成(セグメント売上収益)

スライドは、2026年6月期上期の売上収益658億円の内訳を示しています。ポートフォリオ上は、1パーセントから2パーセントの変動はありますが、ほぼ1年前と同様の構成です。

国内自動車関連事業には、自動車、バイク、各種特殊車両、オークションの構内作業などが含まれ、売上収益全体のおよそ半分を占めています。

ヒューマンリソース事業は、ドライバーや軽作業員を派遣するカテゴリです。幼稚園やホテルなどに運転手を派遣しており、売上収益全体の18パーセントを占めています。

また、港湾荷役事業、運輸・倉庫事業、不動産事業を行っている一般貨物事業の売上収益が全体の5パーセントです。

さらに、海外関連事業として、マレーシアへの中古車輸出と中国における新車輸送の売上収益が全体の26パーセントを占めています。全体としては、2025年6月期とほぼ同じ比率で推移しています。

業績分析(売上収益)

売上収益について、2025年6月期に比べてどこがどのように減少したのか、少し丁寧にご説明したいと思います。スライドで赤字表記となっている国内自動車関連事業と海外関連事業が大きく減少しました。

海外関連事業としては、マレーシアへの中古車の輸出があります。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、マレーシア政府が「中古車を年間35,000台輸入してもいい」という券(以下、AP:輸入許可証)を発行しています。

マレーシア政府が国産の新車を保護する目的で輸入車を1年超5年未満の車に制限しています。その中で、我がグループは現地で需要の大きい「アルファード」と「ヴェルファイア」に特化して輸出を行っています。

このAPが上半期、カレンダーイヤーで1月から6月にかけて早い段階で多く使用されると、後半の11月や12月には不足し、年末にかけて船積みが失速する事態が起こります。そのため、「年明けに買うから、ワールドウインドウズが日本国内で在庫として持っておいてよ」という状況になり、その影響が12月に顕著に現れました。

これに関連して、後ほどバランスシートをご説明しますが、この分がバランスシート上の棚卸資産として突発的に跳ね上がりました。ただし、2026年1月には予定どおりAPが発給され、その部分が一気に輸出されたため、上期における売上高の落ち込みを取り戻せている状況です。

大きく課題として捉えているのは、国内自動車関連事業です。売上収益が2025年6月期第2四半期と比較して約7億円減となっています。これは我がグループの中核事業であり、この部分で約7億円減少したということです。

まず1つ目は新車のマーケットです。私どもがメインで輸送している日産自動車を中心に車両が大幅に減少しました。

基本的には出荷地をベースに輸送戦力が配置される傾向があります。ただし、ある程度は日産の計画を把握しているため「わかっているのであれば、キャリアカーを移動させるべきだ」ということを私は繰り返し指示しています。

そうすることで、我がグループが得意とする中古車やリース車両など、他の車の輸送体制へシフトしていくべきだと考えています。しかし、この対応が追いつかなかったことは非常に残念な結果です。

一方で中古車の台数は確保し、さらに粗利を意識した活動を行った結果、中古車自体の売上収益と利益は向上しています。また、ゼロ・プラス・メンテナンスを子会社化したことで、車両輸送だけでなく整備関連事業も取り込んでいます。

国内自動車関連事業全体としては、2025年6月期と比較して新車市場が大きく落ち込んだことが非常に大きな影響を与えたと考えています。

ヒューマンリソース事業では、まず低採算や逆ザヤになっている取引をすべて見直し、契約を更新しました。一方で新しい運転手を雇うことは非常に困難であり、採用には多大な広告費がかかっています。

ゼログループとしては、採用はジャパン・リリーフに集約し、採用した人材を宝として大切に育成していこうと考えています。一度採用して終わりではなく、長く活躍し続けてもらうことが重要です。

ゼログループ全体には約1万人の従業員がおり、またグループ内にはさまざまな仕事があるため、1つの契約が終わっても、次の仕事をしてもらうというように、適材適所で配置していければと考えています。

そのような中で、採用を一本化し、ドライバーや派遣スタッフを多く採用できたことが1つの成功例となり、売上収益を押し上げた要因だと考えています。

一般貨物事業では、倉庫関連で新たなビジネスを立ち上げました。また、海外事業においてCKD事業関連で利用していた倉庫が事業撤退に伴い使わなくなったため、子会社で倉庫業を行う九倉にて有効活用するようにしました。

九倉でお客さまを集めて運用を行っており、その部分が売上収益の押し上げに寄与しています。さらに、港湾荷役も順調に推移しています。

海外関連事業は、先ほどお話ししたワールドウインドウズの件と、中国における日産自動車の件です。東風日産から新車が発表されました。久しぶりに2025年6月期を超える台数を記録し、売上収益アップにつながりました。

業績分析(営業利益)

営業利益についてです。先ほどもご説明したように、海外関連事業に関しては第2四半期に仕入れた分の売上が1月に計上されるため、特に問題はないと考えています。

ヒューマンリソース事業は、少し落ち込んでいます。最低賃金の引き上げに伴いコストが増加しているため、もう一段、料金改定を同時に進めていく必要があると考えています。

また、「運転ドットコム」というサイト上で物流企業と人材をマッチングするサービスを運営していましたが、当初のビジネスプランにまったく合わず、黒字化の見通しも立たないため、撤退しました。

これに伴い減損が発生したため、ヒューマンリソース事業全体として売上収益は伸びたものの、営業利益はマイナスとなっています。ただし、これは一過性のものであり、今後は解消される見込みです。

一般貨物事業は非常に順調に推移しています。

この下期において大きな課題となっているのは国内自動車関連事業です。

まず1つは経路の見直しを行っています。具体的には、船の利用方法や陸上輸送の運用方法の改善に取り組んでいます。キャリアカーが空いているならなるべく陸で走るように、と考えています。

また、海上輸送の利用に関しても、陸上輸送と比較してもリーズナブルな航路を活用できるなら問題ありませんが、いつも使用しているという理由で高い船に積む必要はありません。コスト削減やボリュームディスカウントの活用、船会社との交渉も行い、年間で億円単位の利益を生み出しています。

一方で、マイナス要素としては、先ほどもお伝えしたとおり、新車需要の低迷があります。また、給与改定も挙げられます。給与改定はドライバーだけでなく、間接部門の社員も対象となっており、大幅に見直しを行いました。

この影響額の当初見通しは2桁億円規模に達していますが、これは質の高いメンバーを確保するための措置であり、2025年7月よりスタートしています。退職率も下がってきており、この施策には効果があったと感じています。

また、システム投資についても取り組んでいます。今期だけを考えると実施をためらうところですが、5年後、10年後を見据えた上で、積極的に投資を行うべきだと判断し、現在、コーポレート戦略本部長である伊達主導のもとで進めています。

さらに、システムの専門家を何人か迎え入れ、チームを構築している段階です。

2024年問題の影響により、時間制約も厳しくなってしまったことからドライバーの方がなかなか働きづらい状況です。そのため、分業制を導入せざるを得ず、キャリアカーに載せる車を1ヶ所に集める人、キャリアカーに車を載せる人、キャリアカーを運転する人と、それぞれの役割ごとにコストが非常にかかっています。

これは、世の中の時流でやむを得ないと判断しており、それなりのコストをかけて対応しています。

キャリアカーの車両費や整備費も値段が上がってきています。また、今回のように臨時の整備費として一時的な費用も発生しています。

このような状況のため、2025年6月期第2四半期に比べて業績は下がっていますが、今後挽回できる見込みであるもの、一過性のもの、今後改革を進めていくものというように、各要因にそれぞれ対応していきたいと思っています。

バランスシートの状況

バランスシートの状況についてです。2025年6月期期末に比べて棚卸資産が約47億円増加しているのは、先ほどもお話しした、ワールドウインドウズにおける車の輸出によるものです。

毎年年末にかけて、APが不足するため船積みできませんが、1月になって発給されると、一気に輸出が進むかたちとなります。船枠の有無によって多少タイミングが前後する場合がありますが、今期は順調に流れています。

2026年6月期 通期見通し

今期、下期に向けてどうなるのかという点が、みなさまが関心を寄せていることかと思います。2025年6月期の営業利益は102億円でした。実際のところ目標額を下げたいという思いもありましたが、経営を任されている以上、右肩上がりの成長を確保する信念を持って取り組んでいます。

さまざまな要因が絡み、スタートは102億円ではなく、75億円程度からのスタートとなりますが、右肩上がりの成長をなんとか実現するために、103億円を目標に設定しています。上期の業績は44億円であり、下期では59億円以上を達成しなければ、103億円には届かない状況となっています。

【ご参考】業績推移(上期/下期)

下期の見通しについてお話しします。長い間、我がグループを見ていただいている方はご存じかもしれませんが、ゼログループは基本的に上期と下期で偏重があり、常に下期のほうが売上収益、営業利益ともに高い傾向にあります。

概算では、上期と下期でおよそ45対55、もしくはそれよりも少し上期が低い水準になると考えています。

自動車の売上は3月にピークを迎えるため、この時期に数字が大きく伸びてきます。そのため、上期と下期の偏重が顕著であることが1つの傾向です。スライドからもおわかりいただけるように、売上収益も上期よりも下期の方が高い結果となっています。

営業利益においても、2019年6月期以外はすべて下期のほうが高い傾向にあります。これは物流の流れによるものです。2019年6月期は、CKD事業の立ち上げにより大きな損失が発生し、それを下期に計上したため、この年だけが唯一逆転しています。

しかし基本的には、上期よりも下期のほうが利益は高く、比率に多少の変動はあるものの、ならすと概ね40対60、または45対55といった割合になります。修正を据え置いた理由の1つとして、このように例年の傾向に沿って計画どおりに推移している点が挙げられます。

2026年6月期 通期見通し

修正を据え置いたもう1つの理由は、粗利を重視したビジネスに取り組んでいる点です。現在、グループを挙げて不採算事業の徹底的な見直しを進めており、国内外問わずすべて確認しています。

基本的に「赤字は悪だ」ということを社内で共有しています。もちろん黒字化が見込めるビジネスは、足元で赤字でも問題ないと考えています。ただし、基本的には半年後、どれほどかかっても1年後に黒字化が見込めないビジネスは行うべきではありません。

みなさまからお預かりした資金をもとに会社経営を行っており、従業員のことを責任もって考え、利益が見込めないビジネスは行わず、見通しの立つかたちで確実に収益化していく必要があると常に考えています。

さらに、今後はROIC経営を進めるよう求められているため、期待の利回り以下の事業は基本的に撤退または見直しを進めています。

同じ戦力を活用する場合も、「この1台のキャリアカーはどう運用すれば利益が最大化するのだろうか」と、可能な限り丁寧に取り組み、引き続き粗利を意識していきます。また、同様に経路の見直しについても「何か無駄はないだろうか」と考え、改善に取り組んでいきます。

繰り返しになりますが、赤字事業からの撤退を進めており、将来が見込めない事業からは迅速な撤退を実践しています。マーケット自体が急速に変化しているため、そちらにシフトし、将来に向けた準備を進めるべきだと考えています。

さらに、「ゼロに任せたら何でもやってくれる」という体制を作りたいと考えています。多くのお問い合わせをいただいていますが、私どものフットワークが悪い状況です。

例えば、動かない車や事故車に対し「ゼロでは運べません」としていますが、それでもお問い合わせいただいており、非常にもったいない状況だと考えています。

このようなことも「ゼロに問い合わせをすると、何でも解決してくれる」というようなビジネスを今後検討していきたいと思います。私どもには全国に80社のパートナーがいるため、パートナーを活用するなど、あらゆるビジネスをやっていこうと考えています。

「タイヤがついているビジネスはすべてやっていく」という思いで周辺ビジネスを取り込んでいきたいと考えています。

品質への原点回帰

品質へのこだわりに全力で取り組んでいます。

ゼログループが目指す姿

このような中、「ゼログループが目指す姿」ということで、すべてにおいて「やはりゼロが一番だ」と認められる会社にしたいという思いで取り組んでいます。

中期経営計画の骨子

スライドは、1年半前に立てた3ヶ年計画です。「営業品質」「物流品質」「人的品質」「財務品質」という4つのカテゴリで、それぞれテーマを4つずつ策定し、これを順次実現していこうとしています。

そして、この3ヶ年、すなわち36ヶ月が終了した際に、これらをすべて完了させることで、連結売上高1,500億円以上、営業利益100億円以上の揺るぎない企業に成長させていこうという目標を掲げて進めてきました。

中期経営計画の骨子(進捗状況)

現在折り返し地点で、どこまで達成できたのかという点についてご説明します。完了しているものとしては「株主還元方針の見直し」が挙げられます。すでに着手しているものは11項目あります。

赤色の部分についても取り組んでいますが、黄色に分類される項目に力を入れつつ、中期経営計画期間後半の重要なテーマとして赤色の部分に注力していきます。お客さまの期待に応える、さらには期待を超えるサービスをよりしっかりと構築し、業界でダントツのゼログループを目指していきたいと考えています。

また、拠点のあり方についても見直していきます。現在日産自動車をベースにした拠点が複数ありますが、日産追浜工場も閉鎖されると発表されているため、私どもとしても「どこにどうあるべきなのか」をしっかりと検討し、拠点の構え方を考えていきます。

コストに関しては、適正化を進めるとともに、適正な料金を請求する仕組みを構築していきたいと考えています。

できたこと・着手していること―営業品質

丁寧にご説明すると時間を要するため、ポイントを絞ってご説明します。

すでにさまざまな取り組みを進めています。お客さまは多くの期待を持って、私どもに電話をされます。「空港内の車は運べないか?」「事故車は運べないか?」など、さまざまなご要望を伝えてくださいます。

そのため、いただいたお問い合わせに応えられることはもちろん、問い合わせそのものがありがたいことであり、あらゆる車に対応できる会社を目指したいと考えています。車両の管理についてもきちんと行っていきます。

また、11月にプレスリリースも出していますが、1月から日本最大の自動車オークション会社である株式会社ユー・エス・エスのUSS東京とUSS横浜で業務をスタートしました。おかげさまで、順調に混乱もなく滑り出しています。一番のピークは3月となるため、その体制としては、ジャパン・リリーフで人員を集め、ソウイングが構内運営を担当します。

そして、この体制を私どもが取り仕切ることになります。これらが可能になることで、今後の輸送においても非常に円滑化されると考えており、全体のストーリーを組んだ上で今回のUSS構内運営業務の獲得に至った次第です。今後、輸送においても効率化が進むだろうと考えています。

また、株式会社ユー・エス・エスおよび株式会社ユー・エス物流とは、四半期に一度話し合いの場を設け、私自ら課題を共有し解決に努めていきます。必要に応じて相手からも提案したいことがあれば、遠慮なくお伝えいただきたいと考えています。

このような体制をしっかり組んだ上で、二人三脚でこの業界に向き合っていくことが大事だと考えています。

今後もグループシナジーを活用し、あらゆるグループを通じてお客さまのニーズに対応していきます。そのため、タイヤのついたビジネスにおいて新たなニーズがあれば、そのような会社を買収する、もしくは取り込むことも十分に考えられると考えています。

できたこと・着手していること―物流品質

物流品質についてです。物流品質においては、戦力であるドライバーの確保が非常に重要であると考えています。「人を集めた者が勝つ」という認識を持って取り組んでおり、その一環としてドライバーの給与制度を整備しています。

さらに、ドライバーの離職防止を目指し、離職状況を輸送会社の社長の評価項目に組み込んでいます。100人が辞めて新たに100人を採用するのでは意味がなく、いかに100人のドライバーが辞めずにとどまるかが重要です。これはコストや事故にも影響してくるため、このような取り組みを行っています。

また、エリアごとに協力会社と話し合いを重ねています。各社、得意不得意がある中で、不得意なところをどのように補強するかを一緒に考えることで戦力を補強している状況です。

そして拠点ごとに、例えば東名阪のどこに拠点を設ければよいのかと考えたり、適正なキャリアカーの両数のあり方について検討したりしています。「1両なくなったから1両ください」ではなく「1両なくなったものの、補充は不要かもしれない」というかたちで進めたいと考えています。

先ほどもお話しした海上輸送についても、イチから見直す取り組みをしっかりと進めていきたいと考えています。

ドライバーの勤務時間の関係もあり、特にオークション関連や多くの距離を走った車両の傷のチェックに関しては、ドライバーをはじめ非常に苦労しています。傷の見落としについて指摘されても、雨の日や雪の日、夜遅い時間にドライバーが小さな傷まで見つけることは非常に困難です。

そのため、この件に関してお客さまにご理解いただき、基準をかなり簡素化しました。このことにより、ドライバーの負担が大幅に軽減されるとともに、お客さまからのクレーム件数を抑えることができました。

現在、クレームの件数はかなり減少していますが、私の想定範囲内にはまだ収まっていないため、さらなる徹底改善が必要だと考えています。

また、安全体制についても本部体制を変更して取り組んでいるところです。

デジタル投資として、あらゆる取り組みをなるべくシステム化することで対応しています。

できたこと・着手していること―人的品質・財務品質

人的な部分に関しては、先ほどお伝えしたとおりです。離職率への対応として、班制度の導入や社長の評価制度を試みています。

また、広告について、「ゼロって何の会社?」「車両輸送って何をするの?」がご理解いただけるよう工夫しています。一般貨物においては、ヤマト運輸や赤帽(全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会)などのイメージがつきやすいものの、車両輸送は検索してもあまり情報が出てこないといった課題があります。

そのため、現在、毎週あるいは2週間に1回ほどの頻度で、さまざまな記事を掲載し、広報活動を活発化しています。ドライバーに関する話題やドライバーに焦点を当てた内容を掲載し、「車両輸送がどんな仕事なのか」「ドライバーたちがこんなに頑張っている」とアピールすることを意識してメディアに露出させています。

現在では「ゼロで働いてみようかな」という方は、Google検索していただくと、体験談や「こんな仕事をしています」という生の声を目にすることができるようになっています。ブランディングとして「ゼロって見たことあるよね」という施策を進めています。

また、ドライバーの採用に関しては、入社後に短期間で退職してしまうケースがあります。事故の発生にもつながるため、このような状況を改善し、どうすれば継続して働いてもらえるかを検討しています。

さらに、ラストワンマイルに関するホスピタリティ教育にも取り組んでいます。マイカー輸送を含むラストワンマイルの輸送では、ドライバーが自らお客さまの車の運転を行うケースがありますが、これまでは十分な社員教育が行われていませんでした。

そこで、身だしなみをはじめ、爪の手入れや言葉遣い、鍵の受け渡しの方法など、細かい点にも注意を払った教育を開始しています。この取り組みにより、全体のサービス品質の向上を目指しています。

財務品質については、先ほどお話ししたとおりです。

後半期間の取り組み

後半の1年半で私が目指したいのは、まず、先ほども申し上げましたが、あらゆるニーズに対応することと、グループ全体の連携をさらに強化したいということです。

今はそれぞれに若干の壁があるため、それを打ち破り、「もっともっと取れるのに」というビジネスモデルを取りに行きたいと考えています。

また、正しい価格体系をもう一度作り上げたいと考えています。これは単に値上げという話ではなく、必要に応じて値上げもあれば値下げもあるという内容です。かかったコストに対して適正な価格をしっかりと構築したいということです。

さらに、自社とパートナーである協力会社の役割分担についても、エリアや運送方法、どのような車両を輸送してもらうのかなどを含めて見直していきたいと考えています。

拠点に関しては、2024年問題への対応や残業を前提としない現在の働き方見据えると、従来の拠点配置では対応が難しくなっています。以前は問題なかったが、現在はさらに手前に拠点を設ける必要があるなどの課題があるため、残りの1年半で一気に取り組みたいと考えています。

また、採用については、以前からお伝えしているとおり、グループ全体での採用を進めていきたいと思います。加えて、各職務に応じた教育、特に現場系のリーダーの育成にも注力していきたいと考えています。

現場で将来の経営層となるべき人材を、今から教育していきたいと考えています。この点について、すでに人事部門に急ぐよう指示しています。

これを可能な限り早く進め、人材との意見交換や考え方の共有を実施していきたいと思います。現場の実行者である彼らとの時間を設けることが重要だと考えています。

引き続き、IR活動をしっかりと行いながら業績を向上させ、適切な配当を提供することをお約束します。

重大事故撲滅に向けた取り組み

重大事故撲滅に向けた活動についてです。当社では日常点検を実施しているものの、再徹底を図るべく、出発前にすべてのキャリアカーで点検を行っています。

また、不具合が見つかったキャリアカーについては、ゼロ・プラス・メンテナンスを通じて、問題が完全に解消されるまで稼働させない方針を徹底しており、メーカーや関係省庁とも緊密に連携を図っています。

さらに、踏切事故への対応として、その重大性を再認識した上で、運転時の各種チェックや指導を改めて徹底しています。

以上で私の説明を終わりにします。少し駆け足となりましたが、みなさまからのご質問の時間をなるべく多く設けられればと思います。ありがとうございます。

質疑応答:中期経営計画における新サービスの展望について

質問者:営業品質の項目にある「顧客の期待値を超えるサービス」は、今後の中期経営計画においても特に力を入れる部分だと思われます。例えばUSSに関連する業務など、車周辺でニーズがあり、コスト的にも採算が取れるものを検討されているのではないかと考えています。

この中期経営計画期間中に新しいサービスとしてある程度具体的なかたちが見えそうなものについて、現時点でわかる範囲で教えていただければと思います。

髙橋:私は営業の会議で「セブンイレブンって毎週新商品何個出るか知っている? 毎週のように50件から100件ほどの案件が出ていると聞くけれども、ゼロはこの1年間に何個の新商品が出ましたか? 恥ずかしいよね」という話をします。

お客さまと話せば話すほど、「こんなことやってくれたらいいね」「こういうのがあったらいいね」とさまざまなニーズが出ているのを実感しています。

先ほどお話ししたように、車両の滞留日数について調査を行っています。これは、私どもの都合で輸送できずに滞留している場合もありますが、お客さまが当社を実質的に駐車場として利用しているケースもあります。

例えば、A地点からB地点まで50キロの距離があり、荷物を取りに行くのは今日で、届けるのは来週月曜日というスケジュールの場合、当社を駐車場のようなかたちで利用され1週間荷物を預けられるということがあります。これはお客さまにとって非常に便利なサービスです。

このようなケースでは、当社が駐車場代として料金を請求することも可能でしょうし、さまざまな請求方法が考えられます。それでも、お客さまはおそらく荷物を当社で保管しておいてほしいと考えると思います。

このようにお話をさせていただく中で、さまざまな商品性や可能性が非常に多く見出されます。例えば、「今日発注して今日持ってきてほしい」というお客さまもいらっしゃいます。それを実現しているのは、ゼロ・プラス IKEDAです。

今日や明日の注文を受けて運ぶというのがゼロ・プラス IKEDAのビジネスです。しかし、ゼロでは現在そのような受注の形態は行っていません。

したがって、このような新しいビジネスは作ることができますし、今期中にかたちにするには、のんびりしていられないと思っています。どんどん新しいものを作りたいと考えています。

質疑応答:給与制度の見直しや教育、研修施策による従業員の変化について

質問者:給与制度の見直しについて、さまざまな場面でご説明いただいています。給与制度だけでなく、教育や研修に関するお話もありましたが、モチベーションや「ここはこういうふうに変わってきた」などについて、可能な範囲で具体的にお聞かせいただければと思います。

髙橋:給与制度に関しては、当社ではこれまでボーナスを固定額で設定し、それを16分割した額を毎月の給与に加えていました。そして残った4ヶ月分は2回のボーナス時に支給するというかたちをとっていました。

これを16分割から12分割に変更したことで、月額給与が上がりました。この変更により、私たちとしては残業代の基準となるベース給与が上昇したほか、退職金も大幅に増加する結果となりますが、ベースを高くすることが現時点では非常に重要だと思っています。

現在、ドライバーや一般職を含め、ベース給与がおそらく1.2倍から1.3倍程度変わっています。これは非常に大きな変化だと考えています。当然のことながら、会社の負担も相当に大きくなっています。

また、まだ大幅には導入できていませんが、業績が良かった場合には業績連動賞与を支給する制度を、正社員を対象に導入しています。

契約社員や派遣社員は、現在、現場で評価を行っています。私が彼らの立場だった場合、やはりがんばっても評価されないと意欲を失ってしまうと考えるため、各センター長に評価を任せています。

特に繁忙期である3月には多く人員が投入されるため、全員を評価します。評価が良かった方には、「契約社員から正社員になりませんか」「プロのドライバーを目指しませんか」「キャリアアップしませんか」といったかたちで次のステップを用意しています。

当社では、小型車の運転を見て「君は丁寧だからいいよ」と評価し、徐々に大きなトレーラーの運転へと進むキャリアステップを用意しています。このように、しっかりと評価を行い、時給差を設けるだけでなく、正社員への道や、大型トレーラー運転へのキャリアステップを設けて開始しています。

したがって、現場ではそれなりにモチベーションが上がってきていると思います。

質疑応答:物流拠点の新設や移転、拡張に関する計画について

質問者:運び方と拠点のあり方を見直していくというお話でした。特にこの拠点の新設、移転、拡張について、先ほど2024年問題対応の件で少しご説明がありましたが、差し支えない範囲で具体的にどのような考え方で進めていくのか、あらためてご解説いただけますでしょうか?

髙橋:先ほども少しご説明しましたが、当社は日産陸送からスタートし、日産自動車の車両輸送が事業の100パーセントを占めていました。そのため、設立当初は日産自動車の敷地内に会社がありました。

それから40年が経過し、MBOを経て現在では創業65年を迎えています。現在は日産自動車の出資比率はなくなり、売上収益に占める割合も一桁台まで減少した状況です。そのため、日産自動車の敷地外へ移転することも検討しましたが、現在まで変えることなく対応していました。

果たしてこのままで良いのかと考えたときに、例えば、USS東京では、毎週非常に多くの台数が取引されています。ご存じかもしれませんが、その敷地は東京ドーム16個分の広さがあります。

端から端まで2キロメートルから3キロメートルほどもある広大な敷地で、そこから毎週約2万台、月に換算すると約10万台もの車が搬出されています。さらに、搬入もあり、搬出入の規模が極めて大きく、1つのメーカー拠点よりもはるかに大規模であるといえます。

加えて、週に限られた日数しか搬出入ができないことも課題です。メーカーは毎月計画的に搬出が行われますが、オークションでは需要が急増することもあり、すぐに搬出してほしいという顧客ニーズがあらゆる拠点にあります。

そのため、これまでとは大きく変わった物流の流れに対応するべく、まずは「物流はどこで発生し、どこに納めるのか」という新たな物流のマップ作成に取り組みたいと考えています。

このような状況では、自ずと東名阪が重要な拠点となると思われます。以前は、東京から名古屋間は日帰りで十分に運行できました。しかし現在は事情が異なり、例えば川崎から名古屋へ向かっても、労働時間の制約などにより当日中に戻ることができません。

渋滞が発生すれば、なおさら時間超過となってしまいます。このような環境変化を踏まえると、拠点の在り方そのものを見直す必要があるのではないかと考えています。

現在はハブ拠点の整備を進めながら、いわばコンパスで円を描くように、「どこに拠点があれば効率的か」を一つひとつ検討している段階です。拠点の形態については、自社拠点に限らず、パートナーである協力会社の活用も含めて柔軟に考えています。

現在、これに着手しており、下期にかけて具体的に進めていく方針です。

質疑応答:自動車メーカーによる物流改善の動きへの対応について

質問者:自動車陸送全般の話になりますが、日本自動車工業会(以下、自工会)では、佐藤会長の新体制のもとで「新7つの課題」という方針を打ち出しています。

この中で「サプライチェーンの改善をやっていこうじゃないか」という話があり、特に完成車物流において「業界の標準基盤のようなものを作ったほうがいいのではないか」という議論が始まっています。

このような自動車メーカー側の物流改善の動きについて、御社としてどのように受け止めているのか、また、もしあれば期待感についてお聞かせいただけないでしょうか。

髙橋:こちらは日本陸送協会の会長である北村よりご説明します。

北村竹朗氏(以下、北村):代表取締役会長の北村です。まず、日本陸送協会は設立から61年目を迎えており、いわゆる仮ナンバー、回送ナンバーを取得するために設立された協会です。自動車メーカーが主導して成長させた協会でもあります。

ご存じのとおり、自動車メーカーは完全に系列化されたグループ体制を持っています。先ほど髙橋からも説明があったように、もともとは日産陸送からスタートし、その後、ゼロとなりました。

現在、メーカーと元請会社の間に資本関係がないのはゼロだけです。例えばトヨタ自動車の場合は、トヨタ輸送が請け負っています。

今回、「新7つの課題」の最後にサプライチェーンの話が出てきて、ここで完成車輸送の効率化についての話が初めて出ましたが、我々にとっては非常におもしろい話です。

ただし、佐藤会長が言及した「工場と販売会社を結びつける。行きは満載だが、帰りは空という状態を解消しましょう」については、物流はそれほど単純ではありません。工場で車が完成すると、そのままディーラーに直接届くケースと、そうでないケースがあります。

なぜ直接運ばれないケースがあるかというと、途中でオプションをつける会社が存在するためです。その結果、1台の車が最低でも2回運ばれることになります。その過程で輸送会社が変更される場合もあります。

「届けた後に何かほかのものを載せましょう」という提案は非常に大変な問題だと思います。しかし、メーカーがこれを提唱し始めたことは、私たちにとって非常に興味深いですし、他にも効率化できる方法があるのではないかと考えています。

これは先週出た話であり、現在協会としては自工会に「一度意見交換をする場を持たせてほしい」とアプローチをしています。なお、2025年4月に法律が改正され、「新車の輸送に関してどういう課題があるのか」という整理を行い、自工会とは何度か打ち合わせを重ねています。

今回の提唱は、その延長線上で出ているのではないかと感じています。もっとおもしろいテーマがたくさんあるため、そのような話をしながら検討したいと思います。現在、我々はそれ以上の情報を持っていないため、具体的な話には至りませんが、さまざまなことが可能だと考えています。

例えば、先ほど中継地やハブについての話がありましたが、これを業界全体で取り組むのが最善だと思います。トヨタ自動車は名古屋市を中心に出荷され、日産自動車は関東地区から出荷されます。例えば、両社の中間地点にハブを作り、そこに集めてしまえばよいという案も考えられます。

このような話を含め、効率化のネタはまだ多くあると感じているため、基本的に、今回の発表を非常に歓迎しています。現時点でお伝えできるのはここまでですが、今後進展がありましたらあらためてご報告します。

質疑応答:共同輸送体制の実現可能性と業界効率化への影響について

質問者:先ほどの質問に関連しては、さまざまな問題があると思いますが、何年後くらいに共同輸送体制が構築される見込みでしょうか? 

また、それがある程度完成した場合、業界の効率性や利益への寄与度がどの程度改善するかについて、もしイメージがあればお聞かせください。

北村:今「共同輸送」という言葉が出ましたが、この共同輸送の定義を明確にするところから始めなければ、具体的な回答は難しいと思います。

実際、共同輸送は一部では実現しています。例えば、東日本大震災の際に、東北復興のためにトヨタ自動車が盛岡市に生産工場を建設した事例があります。

東北で生産する場合、通常は仙台市が選ばれそうですが、復興のために盛岡市に工場を作りました。盛岡市で生産された車は、仙台市へ卸されています。そして、その帰りに、私たちが扱っている日産自動車の荷物を運ぶという流れになります。

具体的には、仙台市から盛岡市に日産自動車の新車を運び、その後トヨタ自動車の工場に寄り、トヨタ自動車の新車を持ち帰ります。これが、最も簡単な共同輸送の一例です。

繰り返しになりますが、「共同輸送って何を意味するか」という概念を紐解くことが重要だと考えています。今、自工会が提案しているのは、新車を販売会社に届けた後、帰りに近くの工場で荷物を拾い、次へ運ぶという方法です。これも1つの共同輸送のかたちだと思います。

したがって「どのように紐解いていって、どこからやっていくのだろう」ということが重要になると思います。そして、現在話題になっている方法が、最も難易度が高いと思います。

新車に関しては取り組みやすい状況ですが、一番課題が大きいのは、中古車の共同輸送であり、非常に難しいと思います。それだけ複雑であると考えています。

しかし、せっかく可能性が見えてきたため、新車については、「共同輸送」という言葉が適切かどうかはさておき、積極的に進めていくべきだと思います。それによって効率化が必ず生まれますが、我々としては、その効率化を輸送費としてメーカーにすべて還元しては意味がないと考えています。

その効率化を活用してさらなる投資を行う、もしくはドライバーに還元するかたちにしなければ、効果が薄いのではないかと思います。そこは入口としてしっかり線引きをすべきだと考えています。

質問者:先ほど、名古屋市と関東地区の間にハブを作るといった例を挙げてお話しされましたが、自工会に提案するお考えですか? 

北村:共同で進める際に、日本陸送協会として最初に取り組みたいのは、路上の荷扱いを解消することです。

北海道でトヨタ自動車が実施している事例として、各メーカーが店舗の統廃合を進める中で、北海道ではいくつかの販売会社を集約し、店舗を閉鎖する一方で、トレーラーが入れるように1ヶ所を残しました。そして、その場所に各店舗が自ら取りに行く方式に変えたのです。

これはトヨタ自動車ほどの規模があれば可能ですが、他のメーカーでは実現が難しいと思います。そのため、業界として共同のハブや倉庫といった施設を用意すれば、各社がそこに荷物を運び込むだけで済むようになります。

このような取り組みから始めるのがよいと考えています。この方が、輸送の観点から見ると非常に役に立ちます。

質疑応答:M&A多角化の方向性について

司会者:「M&A多角化の方針においては、EC物流などの車関連とは遠いものも新ビジネスとして取り込む可能性はあるのでしょうか?」というご質問です。

髙橋:先ほども少し触れましたが、基本的に我がグループは、タイヤが付いているビジネスに特化していきたいと考えています。そのため、一般貨物、特にEC物流へはあまり進出するつもりはありません。

あくまでも車両輸送およびそこから派生した周辺ビジネスについて、お客さまからの「こんなのがあったらいいのに」「これをやってくれたらありがたいのに」に応えるビジネスをどのように広げていくかを重視しています。

すべて自社で行う方法も1つですし、パートナーと組んでそのパートナーに任せるという選択肢もあると考えています。基本的には、お客さまの期待を裏切らないビジネスモデルを構築していきたいと思います。

質疑応答:2026年6月期下期の増益見込みについて

司会者:「上期業績がほぼ想定どおりであれば、下期は2025年6月期下期よりも6億円ほど営業利益が増益になる計画となりますが、大幅増益の背景は何でしょうか?」というご質問です。

髙橋:タイミングも含めて、お話しできることとできないことがありますが、先ほどお話ししたように、上期はほぼ計画どおりで、下期は59億円の目標達成を目指します。

そのために上期に準備してきた案件の中には、すでに始まっているものもあり、これから始まる予定のものもあります。

わかりやすい例を挙げれば、海上輸送の見直しです。これだけでもかなりの物量があり、億円単位で変化する部分となっています。

さらに、放射線検査料も含まれます。こちらは2025年7月から「もうゼロは払いません」と宣言しました。未だに船会社では支払われているところもあるようですが、ここだけでも2025年6月期と比べて億円単位のインパクトがあると考えています。

これらを含めて、いろいろ仕込んできた要素があるため、2025年6月期と比較するとキャッチアップする見込みです。

配信元: ログミーファイナンス

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