スマートバリュー、EBITDA大幅改善 4億2,000万円へ転換し4Q黒字化見込み
2026年6月期第2四半期決算説明
渋谷順氏(以下、渋谷):株式会社スマートバリュー取締役兼代表執行役社長の渋谷です。本日は株式会社スマートバリュー2026年6月期第2四半期の決算説明会をご視聴いただきありがとうございます。さっそく、説明を進めますので、どうぞよろしくお願いします。
会社概要

初めて当社をお知りになる方もいらっしゃるかと思いますので、あらためて会社概要をご紹介します。当社は昭和時代に町工場として創業し、現在で創業98年目を迎えています。2028年には創業100年を迎える企業です。
沿革

その過程で業態を変えてきましたが、2015年に東京証券取引所JASDAQ市場に上場し、現在はスタンダード市場に上場しています。
モビリティ・サービスとスマートベニューの2つのセグメントで事業を推進しています。沿革としては、長い歴史がありますが、2015年の上場時には携帯電話販売代理店事業と自治体向けソフトウェアのSaaS事業を中核としていました。
しかしながら、2020年には携帯電話販売代理店事業を譲渡し、昨年2025年には自治体向けソフトウェアのSaaS事業も譲渡しました。長らく当社の屋台骨を支えてきた事業ポートフォリオを入れ替える取り組みを現在実施しています。
現在は、祖業である自動車関連のモビリティ事業を、フィジカルなIoTサービスとして展開しています。これに加え、新たな事業としてスマートベニュー事業を展開しています。
スマートベニュー事業は、スタジアムやアリーナを中心としたスポーツやエンターテインメントに加え、フィジカルなまちづくりとICTを組み合わせた地方創生を目指す事業です。この2本柱を軸に、事業を推進していくための転換を進めているところです。
中長期的に目指す世界観

現在、このような事業ポートフォリオへの変更を進めている背景には、弊社が中長期的に目指す世界観があります。弊社のミッションは「歴史に残る社会システムを創る!」です。
人口減少の時代を迎え、地方の疲弊も進む中で、私たちは全国の自治体と会話を重ねています。その中で特に感じるのは、自治体経営やまち経営の限界です。21世紀においては、人口減少が続く中で、自治体だけがまちづくりの主体者としてすべてを担うわけではありません。
民間企業や市民のみなさま、そして学術系が一緒になって、まちの未来を構築していかなければならない時代になってきたと考えています。
また、その上でデータに基づき、「スマートシティモデル」と私たちが呼ぶ事業構造をまち全体で築き上げていくことが、非常に重要であると思っています。
生成AIの急速な進化に伴い、ソフトウェアのみを提供するSaaS事業は、AIによって駆逐される日が近いと考えています。
しかし、その中で重要なのは、私たち人間が生きるこのフィジカルなまち社会において、データやICT、AIを活用しながら効率的に地域を運営し、地域全体をマーケティングしていく仕組みを構築することです。この中で、時には熱狂や感動、共感といった感性にも踏み込むことが求められます。これがまち経営に必要であると考えています。
交流人口を増やし、消費や回遊性を高めることで地域経済を活性化し、自分たちのまちに共感を持つ主体を育て、シビックプライドにつなげていきます。
さらに、モビリティ・サービス事業においては、人々の移動や安全・安心の効率化・無人化を図り、スマートベニュー事業では、スポーツやエンターテインメントの領域で感動や共感を創出しながら、より多くの人にまちを訪れてもらい、交流人口を増やします。
この結果、生成された価値が地域で循環する仕組みを構築し、これが21世紀の社会インフラであり、都市OSであり、「スマートシティモデル」であると私たちは考えています。
この仕組みが歴史に残る社会システムになるのではないかと思います。一見壮大に見えますが、社会実装はすでに可能な段階まで来ています。今後はしっかりと実践し、経済的な価値と社会的意義を両立させるビジネスモデルを作り上げていきたいと考えています。
セグメント情報と事業構成

セグメント情報と事業構成です。ご説明したとおり、モビリティ・サービスでは「CASE時代」と呼ばれる100年に一度の自動車産業の大きな転換期において、コネクティッドやシェアリングといった自動車の動態データをしっかりと管理・運用・分析しながら、ソリューションを展開しています。IoT系のサービスを展開していくことがモビリティ・サービスの内容となります。
もう1つはスマートベニュー事業です。すでに神戸において収容人数1万1,000人の大規模多目的アリーナの運営を開始しています。毎週のように約1万人の方々にご来場いただき、熱狂や共感をつくり上げながら、この方々のデータを取得し、分析しています。
スポーツやエンターテインメントの世界において、人々が共感や熱狂を楽しむ場をつくりながら、その場に集う多くの方々のデータを取得し、交流人口を増やし、地域に価値を創出する活動をすでに実践しています。
また、このような「スマートシティモデル」を、私たちの子会社であるノースディテールでも運用しています。スマートベニュー事業は非常に複合的で難易度が高く見えるかもしれませんが、日本国内では現時点で、弊社以外にここまで取り組めている会社はまだありません。
欧米ではこれに近いビジネスモデルが登場しています。これらを参考にしつつ、私たちはまちの活性化にしっかりとつなげていきたいと考えています。
2026年6月期第2四半期エグゼクティブサマリー

2026年6月期第2四半期の実績をご説明します。まずはサマリーです。スマートベニュー事業がようやく立ち上がりました。4から5年にわたり準備を進めてきた結果、大幅な増収増益を実現しています。
モビリティ・サービス事業も順調に推移しています。売上高は6億2,700万円、前年同期比107パーセントとなりました。セグメント利益は1億3,100万円で、前年同期比128.8パーセントと、利益率を改善しながら安定的に推移しています。
新しくスタートしたスマートベニュー事業は、売上高が22億300万円となり、前年同期比で536.6パーセントの結果となりました。セグメント損失は1,200万円で、前年同期の1億700万円の損失から大幅に改善しました。
連結全社では、売上高が28億3,000万円で、前年同期比156.7パーセントとなりました。セグメント損失は4,900万円で、まだ上期の段階では赤字ではありますが、前年同期の1億5,200万円の損失からは大幅な改善が見られました。
今回、業績予想の修正を発表しましたが、中間純損益が悪化しています。ただし、これは営業利益よりも下の部分であり、リース会計基準の適用による支払利息の計上が3億7,400万円ありました。
また、本社を移転することとなり、その際の減損損失が6,800万円発生しました。さらに、繰延税金資産の一部取り崩しで1億5,700万円を計上し、キャッシュアウトを伴わない数字の悪化や損失が含まれています。
一方で、本業の状況を示すEBITDAは、前年同期の8,200万円の赤字から大幅に改善し、4億2,000万円の黒字となりました。本業でのキャッシュも大幅に増加しており、私たちとしては非常に前向きに捉えています。
今回、通期の連結業績予想を修正しました。通期の予想は、売上高が59億3,600万円で、前年同期比136.1パーセント、営業利益は2億6,100万円です。前年同期は4億4,000万円の赤字でしたので、この数字だけを見ると大幅な増収増益となります。
しかしながら、当初の業績予想で掲げていた数字には届きませんでした。これは、先ほどお伝えした上期の営業外損失の計上などが影響しており、この結果を受けて通期の業績予想を修正しています。
来期に向けての下期の見通しについてですが、通期の業績予想において、特に第4四半期(2026年4月から6月)には、四半期単位での黒字転換がようやく見えてきました。
スマートベニュー事業の立ち上がりは、想定よりも時間がかかりました。これについては理由が明確であり、致し方なかったと考えています。
この国ではほぼ前例のない事業を民設で行っていますので、多くの困難がありましたが、ようやく黒字転換が見えてきた点は来期に向けての好材料だと思います。
以上が、今回の中間決算で発表した内容の概要です。
2026年6月期第2四半期業績サマリー

実際の数値についてです。昨年の第2四半期にはデジタルガバメント事業が含まれており、売上高は8億900万円、営業利益は7,600万円でしたが、この事業は譲渡により消滅しています。
デジタルガバメント事業の譲渡により状況を改善しつつ、モビリティ・サービス事業は継続的に進めた結果、今回は6億2,700万円の売上がありました。セグメントの営業利益は1億3,100万円で、堅調に増収増益を達成しています。
スマートベニュー事業に関しては、昨年同期ではまだ立ち上げ前の段階でしたが、今期は売上高を22億円まで増加させることができました。
管理部門の経費においても、デジタルガバメント事業の譲渡を踏まえた本社移転は、管理コスト削減を狙った取り組みです。この後も各種対策を進めましたが、昨年同期では2億2,300万円だった費用を、今年は1億6,700万円まで削減できました。
その結果、売上高は28億3,000万円、営業損失は4,900万円、経常損失は4億9,800万円、中間純損失は6億2,700万円となりました。
2026年6月期第2四半期業績サマリー

今期第2四半期の業績サマリーにおいて、営業外の部分がどのようになっているのかというお話です。経常利益に影響を与える要因として、リース会計基準の適用に伴い支払利息3億7,400万円を計上しました。
また、中間純利益は、本社移転に伴う固定資産の減損6,800万円、法人税の調整額として繰延税金資産の一部取り崩しで1億5,700万円の損失を計上した結果、このような数字となりました。
こちらをご理解いただければ幸いです。
営業利益の増減

営業利益の増減をご説明します。昨年同期の赤字額は1億5,200万円でした。デジタルガバメント事業の売上がなくなった一方で、スマートベニュー事業の売上が大きく貢献し、売上高は10億2,300万円の増収となっています。
この売上規模を安定して確保できるようになってきたことを、非常にポジティブに捉えています。
原価はデジタルガバメント事業の原価がなくなった一方で、スマートベニュー事業の原価が計上されたため、合計で9億3,700万円減少しました。
人件費はデジタルガバメント事業の譲渡により1億8,400万円削減できましたが、その他の販売管理費が1億6,600万円増加したため、最終的には4,900万円の営業赤字となりました。
連結業績概要

連結全社の業績の詳細です。売上高28億3,000万円のうち、もともとICTサービスとして提供していたクラウドサービスの売上高は、デジタルガバメントがなくなり、今回はモビリティ・サービスだけとなったため5億1,200万円、MRRは3億3,600万円となっています。
物販は大幅に減らしています。一方で、スマートベニュー事業であるアリーナ運営とプロスポーツ運営は19億1,800万円、ラボ/受託開発およびスマートシティモデルの開発は2億8,400万円と、大幅な増収を達成しています。
セグメント別売上高・営業利益

モビリティ・サービス事業についてです。後ほど詳しくご説明しますが、3G通信停波に伴う解約などの影響を織り込みつつ、これは想定どおりの結果です。ご覧いただくとわかるように、物販を大幅に縮小させることができました。
クラウドIoTサービスに一本化する中で、利益率が向上してきた点は、私たちにとって明るい材料と考えています。また、MRRも着実に積み上がってきており、今後もこれを堅調に継続していきたいと思っています。
セグメント別売上高・営業利益

スマートベニュー事業は、先ほどの説明のとおりですので、スライドをご覧ください。
2026年6月期第2四半期 経営指標サマリー

経営指標のサマリーです。EBITDAは、当初マイナスだったところから4億2,000万円へと増加しました。キャッシュポジションは昨年同期の16億4,300万円から、今期は34億7,400万円に増加しています。また、固定資産投資は現在大幅に減少しています。
総資産には、先ほど触れたアリーナの建築費用をリース会計適用によりオンバランス計上しているため、資産と負債の両方に計上され、233億円という大きな金額となっています。
この結果、自己資本比率が非常に悪化していますが、これは意図したものです。私たちはまず、目の前のEBITDAとキャッシュポジションをしっかりと確保し、固定資産の償却を着実に進めることが重要だと考えています。
2026年6月期第2四半期末 連結貸借対照表

B/Sです。昨年度6月期末との比較になります。現預金が減少しているのは、有利子負債や法人税の支払い、自己株式の買い付けや配当の支払いを行ったためです。
一方、有形固定資産の償却は順調に進んでいます。その他に大きなトピックはありませんが、私たちの想定どおりの進展になってきたと考えています。
2026年6月期 通期業績見通しサマリー

先ほどもお話しした通期の業績見通しに移ります。通期では、昨年、デジタルガバメント事業を譲渡したため、売上高17億4,300万円、セグメント利益1億6,900万円がなくなっています。
一方で、モビリティ・サービス事業は堅調に推移しています。一部、売上が多少減少していますが、これは物販の要素を今回減らしたためであり、大きな影響はないと考えています。
スマートベニュー事業の売上高は48億5,700万円、セグメント利益は3億8,000万円となり、期末での増収増益を目指しています。また、管理部門の費用は、昨年度と比較して1億6,000万円程度の削減ができています。
この結果、通期連結全社では売上高が59億3,600万円、営業利益が2億6,100万円、上期での減損損失や債務の取り崩しなどを踏まえると、経常利益が6億3,400万円の赤字、当期純利益は7億8,900万円の赤字を現時点で想定しています。
2026年6月期 通期業績見通しサマリー(四半期推移)

先ほどお話しした四半期単位での数字の見通しです。第2四半期までは実績値、第3四半期と第4四半期は今回発表した業績予想の数字となっています。現在、非常に直近の段階まで来ているため、確度の高い数字になってきたと思います。
スライドをご覧いただくと、第2四半期では営業外損失を計上した関係で最終利益が悪化しています。ただし、それを踏まえても、本業の営業段階においては、第1四半期から第3四半期まで順調に進捗し、徐々にかたちが整ってきています。
第3四半期の1月と2月は少し閑散期に当たるものの、これを乗り越えて、最後の4月から6月にかけての第4四半期で、最終利益までしっかり黒字に転換できる見通しがようやく見えてきたというのが現状です。第4四半期で非常に重要な黒字転換を実現したいと考えています。
営業利益の増減

通期の営業利益の増減です。昨年度6月期の営業利益は4億4,000万円の赤字でしたが、スマートベニュー事業の増収により売上高を15億7,400万円増加させることができました。しかしながら、原価も13億400万円増加しています。
ただし、人件費を4億700万円削減し、販売管理費も2,400万円削減した結果、営業利益は2億6,100万円まで増加しました。
連結業績概要

連結業績の詳細です。クラウドサービスはデジタルガバメント事業の売却によって売上高が8億9,400万円に減少しましたが、ソフトウェアのみのSaaS事業が非常に厳しい状況にあることを実感していました。
そのため、このタイミングで事業を譲渡し、価値をさらに高められる企業に引き継いでいただいたことは、私たちとして1つのかたちであったと考えています。
一方、モビリティ・サービス事業は、自動車の動態や人の流れに基づく、IoTを活用したフィジカルなサービスであり、AIによる完全な代替が難しい領域です。
AIの活用は可能でも、すべてを置き換えることは難しい範囲であるため、こちらは継続的に堅調に進めていきます。その結果、現在クラウドサービスの売上高は8億9,400万円となり、モビリティ・サービス事業に一本化された状況です。
スライドをご覧いただくとおわかりのとおり、物販を大幅に減少させました。物販は利幅の非常に小さいビジネスだったため、大幅な減少を実現した一方で、スマートベニュー事業におけるアリーナ運営・プロスポーツ運営、ラボ/受託開発、スマートシティモデルでは大幅な増収を達成しました。
その結果、営業利益を2億6,100万円まで増加させることができました。
セグメント別売上高・営業利益

モビリティ・サービス事業は先ほどお伝えしたとおり、3G通信停波の影響もあり、厳しい市場環境ではあります。しかしその中でも堅調に推移し、利幅の小さい物販を減少させたことにより利益率を改善できた点は非常に良かったと考えています。
セグメント別売上高・営業利益

スマートベニュー事業の数字は、先ほどご説明したとおりですので、スライドをご覧ください。
2026年6月期 通期経営指標サマリー

EBITDAについてご説明します。今回のEBITDAは13億1,400万円まで伸ばすことができました。昨年度6月期には19億9,300万円まで達しましたが、こちらにはデジタルガバメント事業の売却要素が含まれており、一時的に大きくなっています。通常の状況で比較する場合、今回の13億1,400万円という数字は非常にわかりやすいかと思います。
キャッシュポジションは、一時的にデジタルガバメント事業の譲渡により41億円まで増加しましたが、その後、税金の支払いや配当の支払いなどを含めて現在は30億円となっています。この水準を基準にしながら、今後の経営を進めていきたいと考えています。
固定資産投資は、現在ほぼ行っておらず、今後は投資した固定資産をしっかり活用し、利益を生み出すタイミングに入っていると考えています。
一方で、自己資本比率が非常に低下しているため、これをどのように改善していくかが課題です。この点については、本業の営業活動によって着実に一歩一歩回復させていくことが重要だと考えています。
今年度の下期、そして来年度から再来年度にかけてが、当社にとって非常に重要な期間になると見込んでいます。
ここまでが業績、もしくは通期業績予想のご説明となります。この後は、セグメント別の事業説明やトピックス、KPIなどをご説明します。
モビリティ・サービス:事業概要

吉川航平氏:株式会社スマートバリュー執行役の吉川です。私からはモビリティ・サービスの事業概要、KPI、そしてトピックスについてご報告します。
モビリティ・サービス事業は、これまで主に2つのプロダクトを展開してきました。1つがテレマティクス「CiEMS(シームス)シリーズ」です。このサービスは、白ナンバーの営業車両を対象に、企業の車両管理におけるさまざまなリスクを軽減するツールとして提供しています。
もう1つはカーシェアリングのプラットフォーム「Kuruma Base(クルマベース)」です。これは、車と駐車場があれば手軽にカーシェアや無人レンタカーを実現できるサービスです。主にレンタカー事業者の有人店舗を無人化する支援を行っています。
こうしたプロダクトを2つ展開しながら、右の図に示している車両データのセンシング技術、走行データの蓄積・分析のノウハウ、それらのデータを可視化・サービス化する実績を積み重ねてきました。
こうした実績を基に、今後の事業として、蓄積された走行データのオープン化、特に商用車データの利活用に注力していきたいと考えています。
モビリティ・サービス:KPI

2つのプロダクトの契約数推移をご説明します。まず、「CiEMS」の契約数です。「CiEMS」については、運転日報の自動化や交通事故の削減といった取り組みにより、昨年末、2025年6月期には2万8,663台まで伸長させることができました。
一方で、今期末の2026年6月期については、2万6,792台となり、一時的に契約数が減少する見込みです。この要因として、3G通信の停波の影響が大きいと見ています。この点については次のトピックスでご報告します。
モビリティ・サービス:CiEMS

トピックスです。まず、TOPICS 1ですが、株式会社アクティオとテレマティクスを活用した業務用車両管理のDXを推進してきました。このような建機レンタル事業者との取り組みに加え、金融機関向けの運用も着実に伸長しており、新規獲得台数は増加傾向にあります。
一方、TOPICS 2については、3G停波が2026年3月に迫っており、これによりサービス解約の大きな影響が見込まれています。この3Gサービスの終了により、当社の現行サービス「CiEMS 3G」とその端末が使用できなくなることが背景にあります。
こうした影響により、サービスの終了・解約に伴う影響が見込まれています。しかし、当社ではLTEモデルへの新たな契約提案を積極的に推進しています。
後継機である「CiEMS Plus」(LTEモデル)への切替に加え、アルコールチェック対応アプリ「CiEMS Report」を組み合わせ、複合的な提案を行っています。
そのため契約台数は一時的に減少を予想していますが、このLTEモデルへの端末切替により、一部で売上の特需が発生する見通しです。
契約数の減少は、今回の3G停波に起因する不可避な現象であると捉えています。とはいえ、新規台数自体は順調に獲得できており、今後もこのプロダクトを進化させていきたいと考えています。
モビリティ・サービス:KPI

「Kuruma Base」の契約数です。昨年、建機レンタル事業者向けのサービス展開を開始し、契約数が878件から現在は1,000件を突破するまでに拡大しました。
今期末には1,200件まで拡大する予定であり、ストック収益の強固な基盤がしっかりと伸長しています。
モビリティ・サービス:Kuruma Base

「Kuruma Base」のトピックスです。まず、TOPICS 1として、建機レンタルの無人化サービスについてお話しします。こちらは、アクティオ、レントに続き、株式会社ワキタにも提供を開始しました。
このサービスは、現在、有人で運営している店舗を無人化し、鍵の受け渡しを行うことで、24時間365日の車の貸し出しと返却を実現しています。
次に、TOPICS 2をご紹介します。こちらは自治体との事例です。徳島市と2年間の実証事業を経て、公用車シェアリングの事業化と運営を開始することができました。
このサービスでは、平日は公用車として職員に利用していただき、休日は地域住民や観光客が利用するシェアカーとして、また災害時には緊急用車両として活用することを想定しています。このように、車という1つの資産をさまざまなかたちで有効活用するモデルを構築しています。
こうした背景を受け、「Kuruma Base」の契約管理台数が1,000契約に達し、無人化の建機レンタルのヤードは50拠点を突破しました。このような状況を踏まえ、今期末には1,200契約まで拡大を進めたいと考えています。
モビリティ・サービス:今後の事業展開

成長戦略です。これまでに2つのプロダクトを進めてきましたが、特に「CiEMS」サービスで培ったコネクテッド技術や、データを取得する技術領域を、商用車のデータ利活用にも注力していきたいと考えています。
商用車のデータ取得についてです。左の図をご覧ください。一般的な位置情報を取得するだけでなく、車の深いデータ(CAN)の情報も積極的に取得していく考えです。
具体的には、車速、燃料消費量、EVの場合はバッテリーの充電残量や劣化状況、さらには車の故障状態を読み取るコードなどを取得し、それらをクラウドに集約していきます。
また、これらのデータをオープン化することで、右の図に示したデータの活用例のように、さまざまな用途が可能になります。
1つ目の例として、故障の予兆検知と稼働率の最大化があります。故障を示すコードを正確に読み取ることで、車両のコンディションを遠隔地にいる管理者が把握できるようになります。こうした車の故障の予兆を読み取ることで、車のダウンタイムを減らすことができると考えています。
また、バッテリーの充電残量や劣化状況をデータ化することで、商用車のEVシフトを進める際の導入サポートが可能になると考えています。
さらに、車両データを収集することで、日常点検の効率化や車両管理の台帳化を含むオペレーション全体の効率化にも注力していきたいと考えています。
こうしたデータの活用を進めながら、物流事業者の課題解決を目指していきたいと考えています。
モビリティ・サービスセグメントの事業報告は以上です。
スマートベニュー:事業の概要

渋谷:スマートベニュー事業の概要をご説明します。スライドに写真を掲載していますが、2025年春に1万1,000人収容の大規模多目的アリーナを、神戸市ウォーターフロントエリアに設置完了しました。現在、毎週1万人を超える方々にご来館いただいており、年間では100万人以上のご来場を達成しています。
この事業モデルは、NTTドコモ、NTT都市開発、そして当社の3社でコンソーシアムを形成して進めています。NTTグループとは現在も非常に良好な関係を維持しながら、事業推進を行っています。
ご存知のとおり、NTTドコモは東京の国立競技場や愛知県の「IGアリーナ」など、さまざまなプロジェクトに幅広く参画されています。こうした流れが大きな市場を形成すると想定されるなか、関西・神戸の私たちの事業にもご参画いただき、非常に大きな支援をいただいています。
また、このアリーナをスマートシティの基盤として位置づけています。ここにご来場される方々の交流人口の増加に伴い、データ連携の推進にも取り組んでいます。この点については、また後ほど詳しくご説明します。
スマートベニュー:事業収益の構造

事業収益構造をご説明します。今期の売上高48億5,700万円の内訳となります。まず、貸館と記載している部分が30パーセントを占めています。これは、いわゆるアリーナ施設を貸し出すビジネスです。
従来の多くのアリーナやホールは基本的に公共施設であるため、貸館ビジネスのみを行っているのが一般的です。当社では、この比率を全体の30パーセントまで縮小しました。
ただし、この30パーセントでアリーナの稼働率を80パーセント強にすることを目指し、推進しています。非常に大きな経済圏を形成するビジネスとなりますので、基盤をしっかりと構築することが重要だと考えています。
2つ目は協賛、いわゆるスポンサーやネーミングライツのようなもので、これが25パーセントを占めています。当社のアリーナは「GLION ARENA KOBE」という名称で、ジーライオングループにネーミングライツを取得していただいています。
ご存じのとおり、国立競技場の三菱UFJフィナンシャル・グループ、近日では秩父宮ラグビー場の三井住友フィナンシャルグループなど、さまざまな企業がネーミングライツを取得しています。このような協賛ビジネスも、しっかりと運営していく必要があると考えています。
3つ目は自主興行です。これは当社自身が実施しているBリーグのバスケットボールの試合や音楽イベントなどが該当し、チケット収入を自ら獲得するモデルとなります。
人が多く集まることで、ホスピタリティやフード&ビバレッジ、テナント・物販といった付加的な事業の収入を得ることができます。最終的に、受託開発やスマートシティの運用モデルなどを含め、全体で14パーセントほどを占めており、総売上高は48億5,700万円となっています。
スマートベニュー:事業の特徴(民設民営アリーナとして)

アリーナの特徴をご説明します。現在ご覧いただいている写真は、私たちが自主興行として運営しているバスケットボールの試合会場の様子です。この写真からもおわかりいただけるように、毎週のようにこのような光景を実現し、8,000人から1万人近くの方々にご来場いただき、楽しんでいただいています。
関西エリアでは、待望の1万人収容アリーナとして期待されています。これまでは大阪城ホールが唯一の施設でしたが、このアリーナが加わることで2つ目の収容施設となり、多くの引き合いをいただいています。
また、このアリーナは神戸およびその近隣を含めた300万人以上の人口後背地を持ち、ターミナル駅から徒歩圏内のウォーターフロントに位置しています。そのため、非常にすばらしい立地条件の下で建設されました。
そして、行政だけが行うハコモノのビジネスではなく、コンテンツやコミュニティ、さらにはデジタルの創発まで統合的に実現し、ベニューをいかに社会的価値に昇華させていくかを推進している事業です。もちろん、国内初の環境配慮の実践も達成しており、このアリーナと近隣で使用されるエネルギーは、100パーセント再生可能エネルギーによる電力で運用されています。
先ほどの説明にあったスマートシティモデルの実社会への実装なども含め、これらすべてを民設で実施している点が、このアリーナの大きな特徴であると考えています。
スマートベニュー:トピックス➀

トピックスは2つあります。大阪・関西では万博が開催されており、私たちのアリーナと万博会場を「IOWN」と呼ばれるNTTグループの次世代通信技術で接続しました。この「IOWN」が持つ「高速・大容量」や「低遅延」といった特徴を活用し、ライブビューイングを実現させたことで、非常に好評なイベントとなりました。
このように新しい技術をNTTグループと共に作り上げ、新しい観戦体験を創造する取り組みもスタートしています。
スマートベニュー:トピックス➁

バスケットボールが私たちの自主興行ですが、最近ではバレーボールなど、さまざまなアリーナスポーツにも取り組んでいます。先日、バレーボールのオールスターゲームを私たちのアリーナで開催し、テレビでも放映されました。
このように、多くのアリーナスポーツが行われており、今後は大相撲の開催も予定されています。このアリーナを舞台にさまざまなコンテンツを関西、特に神戸に誘致できていることは非常に意義深い取り組みだと考えています。
この先は先ほどのスマートシティモデルに関するご説明として、子会社ノースディテールの取締役である大野がご説明します。
スマートベニュー:スマートシティモデル

大野隆也氏:株式会社ノースディテール取締役の大野です。よろしくお願いします。私からは、ICT技術を活用したスマートシティモデルを体現するために、現在行っている取り組みの具体的な内容についてご説明します。
具体的な取り組み内容に入る前に、前提となる「Smartest Arena」という考え方について1点触れさせてください。
私たちが考える「Smartest Arena」は、ハードとソフトの一体運営に加え、デジタルとソーシャルを掛け合わせることで相乗効果を生み出す力を持ったアリーナのことを指し、これを「Smartest Arena」と呼んでいます。
それから、「Smartest Arena」をある種の起爆剤として活用し、街における回遊性の向上や賑わいの創出を目的とした取り組みを進めています。
では、この4つの観点のうち、デジタルとソーシャルに焦点を当て、具体的な取り組み内容についてお話しします。
まず、このページではソーシャルの部分に関してご説明します。表題にもあるように、我々は「Commons Tech KOBE」と名付けたコミュニティプラットフォームを神戸のまちを舞台に設立し、運用を開始しました。
すでにこの取り組みにご賛同いただいた方々もいらっしゃいます。まちの事業者は40社を超える数となっており、日々このまちの事業者と連携しながら、賑わい創出に資する施策を展開しています。
スマートベニュー:スマートシティモデル

デジタルの領域をご説明します。この領域では、主にアクション1からアクション4までの4つの指針を推進しています。
まず中心となるのは公式アプリの存在です。この公式アプリは、「TOTTEI PAY」をはじめ、スタンプラリー、ミッション、マイル、クーポンなどの取り組みにおいて重要な機能を搭載しています。
さらに、CRMやビーコン技術と組み合わせることで、ユーザーの属性データに加え、購買データや移動データなどをリアルタイムで収集することを可能にしています。最終的には、アクション4においてBIツールを活用し、データの集計や分析へとつなげています。
現在構築中の部分も含めて、将来的にはイベント時にどのような消費や需要が生まれるのかを予測する需要予測の分析を可能にする方針です。
また、ユーザーのリアルタイムデータを収集することで、どのような属性や趣味・嗜好を持つ方か、ふだんどのような買い物をしているか、さらに、その方が今日どのようなルートを通って今どこにいるかといった、ユーザーの現時点の状況に対するリアルタイムなアプローチやおすすめ、マーケティングを実現する目標を掲げています。
これらをすべて人の手で行うのは難しいため、AI技術を活用しながら実現する構想を描いています。
では、これらの取り組みを踏まえ、開業から10ヶ月が経過した今、どのような実績や事例が生まれているのかをご説明します。
スマートベニュー:スマートシティモデル

左側には10ヶ月間の実績値を示しています。右側には、これまで行ってきた事例の中から主だったものを事例紹介として掲載しています。
ソーシャルおよびデジタルの両領域において、引き続き日々試行錯誤を重ねつつ、仕組みを構築しながら取り組みを進めています。
しかし、この10ヶ月間では、送客実績と呼べる事例を着実に生み出してきたと考えています。また、神戸・三宮の賑わい創出に少なからず寄与できているのではないかと考えています。
今後の展開ですが、これまでは人の流れや人を送り出す、回遊に焦点を当てて取り組んできました。
最終的には消費や経済効果をしっかり視野に入れ、アリーナでの熱狂をまちの消費へとつなげていくことを目指し、これらを念頭に取り組んでいきたいと考えています。
さらに、後続のスタジアムアリーナの計画が全国に多数あることも認識しています。神戸と同様の課題を抱える地域もあると認識しており、この神戸モデルを必要とする地域に向けて、今後は横展開も視野に入れながら推進していきたいと考えています。
従業員の状況

渋谷:最後に、Appendixをご説明します。まず、従業員の状況です。デジタルガバメント事業の譲渡に伴い、現在の従業員数は200人弱となっていますが、適正な人数で運営できていると考えています。また、離職率も非常に低い水準で推移しており、順調に運営できていると思います。
人的資本に関する取り組み(両立支援)

人的資本に関する取り組み(両立支援)ですが、さまざまな両立支援の取り組みを推進しており、制度もうまく運用できていると考えています。
人的資本に関する取り組み(健康経営)

同様に、「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」も獲得していますので、このような取り組みも従業員のウェルビーイングに大きく寄与しているのではないかと考えています。
DE&Iの取り組み

DE&Iの取り組みをご覧ください。これまでお話しした内容を実践する中で、このような取り組みも行っています。
サステナビリティへの取り組み

サステナビリティの基本方針です。
サステナビリティへの取り組み

活用している電力はすべて再生可能エネルギーで賄うなど、環境負荷削減への取り組みを積極的に実施しています。
コーポレートガバナンス

コーポレートガバナンスの取り組みとして、指名委員会等設置会社として監督と執行の分離を行っています。小さな会社ですが、長年にわたり取り組んできた結果、現在ではかなりフィットしていると考えており、良いガバナンスの状況を築けていると認識しています。
情報セキュリティへの取り組み

ISO27001認証を取得し、これにより情報セキュリティに取り組んでいます。
DXへの取り組み

DXへの取り組みです。業務プロセスの改善や、業務プロセスそのものにもAIを導入するなど、業務効率化を進めています。Appendixは以上です。
渋谷氏からのご挨拶
これで本日の決算説明は終了となります。今回、業績予想の修正なども公表していますが、時間軸においては、国内で初めて行う事業を試行錯誤しながら進めている段階のため、やや遅れが生じている部分もあります。
しかしながら、作り上げている環境や市場創造の取り組みは、苦労しつつも形ができつつあると考えています。そのため、当社が現在ポートフォリオを入れ替え、厳しい状況の中で事業を推進していることについて、ご理解をいただくのが難しい部分もあるかもしれませんが、社内は非常に前向きかつポジティブに事業に取り組んでいます。
株式会社スマートバリューは、今期、下期、そして来期、再来期に向けて、極めて重要な時期を迎えます。引き続き、みなさまのご支援を心よりお願い申し上げます。ありがとうございました。
質疑応答:アリーナの集客安定化の施策について
司会者:「スマートベニュー事業のアリーナ集客はどこかでいったん落ち着くことが想定されますが、集客を安定化させるための施策はどのようなことが想定されますでしょうか? 最初だけ盛り上がり、右肩下がりになってしまうことの懸念はどのように取り除かれますでしょうか?」というご質問です。
渋谷:スマートベニュー事業ですが、開業から現在までの10ヶ月間は、どちらかといえば様子見の要素があったと思います。このアリーナが本当に使いやすいものかどうか、お客さまの動きや流れを含めて、評価いただけるものかどうかを見極める期間だったためです。
例えば、音楽であれば音響の質や、設営や撤収にどの程度時間がかかるのかといった点など、さまざまな観点からお客さまにご評価いただいていた時期だったと思っています。
現在ではご利用いただいているみなさまと細かい会話を重ねる中で、ようやくある程度の評価をいただける段階に至ったのではないかと感じています。
私たちが先ほど「数字も元に戻ります」「黒字転換します」とお話ししていたのも、結局、キャンセルのできない予約の数が非常に充実してきており、この下期から来年、再来年に向けた予約を、現在2027年分まで獲得しています。
この予約数は非常に良い流れで進んでおり、今後の盛り上がりや観客動員の基盤となる根拠になっています。これが着実に積み上がってきていることは、私たちにとってプラスだと考えています。
他のアリーナの状況を見る限り、今後については観客動員がさらに増加し、高い水準で安定するだろうと考えています。この点は将来の数字にも影響を与える部分ではありますが、しっかりと構築していきたいと考えています。
関連銘柄
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