*09:40JST 西部ガスホールディングス:電力・不動産事業が牽引、収益多角化で増益基調を確立
西部ガスホールディングス<9536>は、北部九州を中心に都市ガス供給を主軸としつつ、電力・不動産・LPGなどエネルギー関連事業を多角的に展開する地域密着型の総合エネルギー企業である。連結子会社45社、持分法適用関連会社5社を有し、安定した顧客基盤とインフラ網を活かした収益構造を構築している。ガス事業が売上高の過半を占める一方、電力販売の拡大や分譲マンションなど非ガス領域の比率を高め、業績の安定性を強化している。昨年公表した中期経営計画では「資本コスト経営」への転換を掲げ、8月には初となる「統合報告書」を発行するなど情報開示を拡充し、ガス・電力・不動産の三本柱で持続的成長を目指す姿勢をより明確にしている。
同社の強みは、第一に北部九州全域に広がる約100万戸の顧客基盤である。福岡・長崎・熊本等で地域に根ざし、安定した需要を確保している。第二に、ひびき基地を中心とした供給体制だ。LNGタンク増設により30~40万トンの潜在需要獲得を狙うほか、本年3月のひびき発電所の運転開始により電力の安定調達も確立する。 第三に、不動産事業の安定性である。約1,000戸の賃貸住宅等の賃貸資産が収益を下支えしており、今後はROE向上を重視し成長を図る。これらが中長期的な利益成長の基盤となっている。
2026年3月期第3四半期(2025年4~12月)の連結業績は、売上高190,037百万円(前年同期比8.2%増)、営業利益7,391百万円(同141.4%増)と大幅な増益を達成した。主力のガス事業は、原料費調整による単価下方調整の影響で減収となったものの、ひびきLNG基地の減価償却費減少等により営業利益3,329百万円と前年同期の赤字から黒字転換した。電力・その他エネルギー事業は販売量の増加等により営業利益1,238百万円(同47.0%増)と急伸し、不動産事業も分譲マンションの販売戸数増加が寄与し営業利益3,391百万円(同24.7%増)と好調を維持している。不動産セグメントでは海外事業の評価損(982百万円)が発生したが、国内事業の伸長で十分に吸収した。これら堅調な推移を受け、通期予想を上方修正し、売上高260,000百万円(前期比2.2%増)、営業利益11,500百万円(同9.2%増)を見込む。
今後の成長見通しとしては、グループ中期経営計画「ACT2027」に基づき、ガスエネルギー事業の強化と事業多角化を推進する。 中核のガス事業では、ひびきLNG基地増強(2029年度上期運開)を見据え、昨年4月に専門営業部隊を新設した。北部九州に集積する半導体・自動車・化学工業等の新規需要を、導管に加えタンクローリーも駆使して今後10年間で27万トンの販売量獲得を目指す。 併せて、ひびき発電所(2026年3月運転開始)による電力事業の競争力強化や、不動産開発、脱炭素化への投資も着実に進める。これらを実現する基盤として、同社は人的資本投資を「企業価値拡大の核」と位置づけており、特に成長領域である電力・不動産・デジタル分野における専門人材の確保と育成を強化していく方針だ。 2025年~2027年度の合計経常利益380億円、2027年度にはROE8%を目標としており、持続的成長への道筋を明確にしている。
株主還元については、中期経営計画にて年間配当金70円を下限に設定している。今期も中間配当35円を実施済みで、期末35円の年間計70円を予定している。中長期的な業績を見極めつつ追加還元も検討する方針である。具体的には、昨年4月に自己株式取得を発表し、1月30日付で予定していた上限20億円まで取得完了したほか、約200億円の政策保有株式を半減させ、創出した資金の一部を還元原資に充てる計画だ。足元のPBRは0.8倍、配当利回りは2.9%となっており、投資妙味が高いといえる。また、昨年12月に追加還元の一環として、株主優待制度の新設も発表している。
総じて、電力・不動産の拡大により収益多角化が進み、ひびきLNG基地増強や発電所稼働を契機に成長基盤は一段と強化されつつある。地域密着のエネルギー企業として脱炭素・安定供給・資本効率の三立を掲げる同社の中長期戦略に、今後も注目したい。
<NH>
同社の強みは、第一に北部九州全域に広がる約100万戸の顧客基盤である。福岡・長崎・熊本等で地域に根ざし、安定した需要を確保している。第二に、ひびき基地を中心とした供給体制だ。LNGタンク増設により30~40万トンの潜在需要獲得を狙うほか、本年3月のひびき発電所の運転開始により電力の安定調達も確立する。 第三に、不動産事業の安定性である。約1,000戸の賃貸住宅等の賃貸資産が収益を下支えしており、今後はROE向上を重視し成長を図る。これらが中長期的な利益成長の基盤となっている。
2026年3月期第3四半期(2025年4~12月)の連結業績は、売上高190,037百万円(前年同期比8.2%増)、営業利益7,391百万円(同141.4%増)と大幅な増益を達成した。主力のガス事業は、原料費調整による単価下方調整の影響で減収となったものの、ひびきLNG基地の減価償却費減少等により営業利益3,329百万円と前年同期の赤字から黒字転換した。電力・その他エネルギー事業は販売量の増加等により営業利益1,238百万円(同47.0%増)と急伸し、不動産事業も分譲マンションの販売戸数増加が寄与し営業利益3,391百万円(同24.7%増)と好調を維持している。不動産セグメントでは海外事業の評価損(982百万円)が発生したが、国内事業の伸長で十分に吸収した。これら堅調な推移を受け、通期予想を上方修正し、売上高260,000百万円(前期比2.2%増)、営業利益11,500百万円(同9.2%増)を見込む。
今後の成長見通しとしては、グループ中期経営計画「ACT2027」に基づき、ガスエネルギー事業の強化と事業多角化を推進する。 中核のガス事業では、ひびきLNG基地増強(2029年度上期運開)を見据え、昨年4月に専門営業部隊を新設した。北部九州に集積する半導体・自動車・化学工業等の新規需要を、導管に加えタンクローリーも駆使して今後10年間で27万トンの販売量獲得を目指す。 併せて、ひびき発電所(2026年3月運転開始)による電力事業の競争力強化や、不動産開発、脱炭素化への投資も着実に進める。これらを実現する基盤として、同社は人的資本投資を「企業価値拡大の核」と位置づけており、特に成長領域である電力・不動産・デジタル分野における専門人材の確保と育成を強化していく方針だ。 2025年~2027年度の合計経常利益380億円、2027年度にはROE8%を目標としており、持続的成長への道筋を明確にしている。
株主還元については、中期経営計画にて年間配当金70円を下限に設定している。今期も中間配当35円を実施済みで、期末35円の年間計70円を予定している。中長期的な業績を見極めつつ追加還元も検討する方針である。具体的には、昨年4月に自己株式取得を発表し、1月30日付で予定していた上限20億円まで取得完了したほか、約200億円の政策保有株式を半減させ、創出した資金の一部を還元原資に充てる計画だ。足元のPBRは0.8倍、配当利回りは2.9%となっており、投資妙味が高いといえる。また、昨年12月に追加還元の一環として、株主優待制度の新設も発表している。
総じて、電力・不動産の拡大により収益多角化が進み、ひびきLNG基地増強や発電所稼働を契機に成長基盤は一段と強化されつつある。地域密着のエネルギー企業として脱炭素・安定供給・資本効率の三立を掲げる同社の中長期戦略に、今後も注目したい。
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