*12:02JST 戸田工業 Research Memo(2):創業200周年を誇る老舗の化学素材メーカー
■会社概要
1. 会社概要
戸田工業<4100>は1823年(文政6年)、戸田生三氏によって、建築の木材塗料や紺染めの下地、漆器、番傘の着色、陶磁器(赤絵の釉薬)などに用いられる弁柄(酸素と鉄が結びついた化合物)の製造を目的に岡山県で創業した。2023年に創業200周年を迎えた老舗化学素材メーカーである。同社は、酸化鉄で培った微粒子合成技術を深化させ、磁性酸化鉄、磁石材料、誘電体材料、LIB用材料など、先端的な材料を提供している。
同社の経営理念は、酸化鉄で培った微粒子合成技術を深化させながら、永遠に生々発展させること。誠実・信頼を基盤とし創造力と製造力を結集させ、魅力ある独創性に富んだ新素材およびソリューションを通じて、広く社会に貢献することである。経営方針としては、以下4点を掲げている。
(1) 設立100年を超えても発展し続け、社会に貢献できる「もの作り企業」としての経営基盤を確立する
(2) Only1技術を磨き、付加価値の高い製品とソリューションを提供し続ける
(3) グローバルで必要不可欠な存在となり、グループの企業価値を向上させる
(4) 従業員と家族の幸福を求め、ステークホルダーから常に信頼される存在となる
同社グループは、2025年3月期末において子会社15社(TAM解散前)、関連会社4社及びその他の関係会社1社で構成され、連結従業員は2025年3月末で1,067名となっている。
2. 沿革
同社のこれまでの社歴における主なターニングポイントは以下のとおりである。
(1) 湿式合成法の確立と公害問題への対応(1960年代)
創業以来の乾式法による公害問題を解決するため、京都大学と連携し、水溶液中で化学反応を行う「湿式合成法」を確立した。これにより公害を克服しただけでなく、粒子の精密制御が可能となり、その後の高機能材料開発の技術基盤となった。
(2) 湿式合成法の応用(磁気記録材料、1960年代後半以降)
湿式合成法を応用し、着色顔料から磁気記録材料(オーディオ・ビデオテープ用磁性粉等)の製造へ大きく事業拡大を進めた。顔料メーカーから電子素材メーカーへと脱皮する転機となり、その後長らく同社の主力事業として成長をけん引した。
(3) アナログからデジタルへの移行と多角化(1990年代~2000年代)
アナログ市場の縮小とデジタル化を見越し、培った技術を酸化鉄以外の無機材料へ展開する多角化を推進した。新規事業となるリチウムイオン電池材料や、現在の成長領域である誘電体材料(MLCC用等)などの開発に着手し、次世代の収益源を育成した。
(4) 事業ポートフォリオマネジメントの強化(現在)
中期経営計画「Vision2026」において「事業ポートフォリオマネジメントの強化」を掲げ、成長事業、収益基盤事業、次世代事業、再生・転換事業の4分類での経営管理を開始。AIサーバー向けなどで伸びる成長領域(誘電体材料等)へ集中投資を行う一方、不採算事業(TAM等)の整理・撤退を明示した。足元では構造改革により収益性が大きく改善し、黒字化及び再成長を視野に入れている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦 健太郎)
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1. 会社概要
戸田工業<4100>は1823年(文政6年)、戸田生三氏によって、建築の木材塗料や紺染めの下地、漆器、番傘の着色、陶磁器(赤絵の釉薬)などに用いられる弁柄(酸素と鉄が結びついた化合物)の製造を目的に岡山県で創業した。2023年に創業200周年を迎えた老舗化学素材メーカーである。同社は、酸化鉄で培った微粒子合成技術を深化させ、磁性酸化鉄、磁石材料、誘電体材料、LIB用材料など、先端的な材料を提供している。
同社の経営理念は、酸化鉄で培った微粒子合成技術を深化させながら、永遠に生々発展させること。誠実・信頼を基盤とし創造力と製造力を結集させ、魅力ある独創性に富んだ新素材およびソリューションを通じて、広く社会に貢献することである。経営方針としては、以下4点を掲げている。
(1) 設立100年を超えても発展し続け、社会に貢献できる「もの作り企業」としての経営基盤を確立する
(2) Only1技術を磨き、付加価値の高い製品とソリューションを提供し続ける
(3) グローバルで必要不可欠な存在となり、グループの企業価値を向上させる
(4) 従業員と家族の幸福を求め、ステークホルダーから常に信頼される存在となる
同社グループは、2025年3月期末において子会社15社(TAM解散前)、関連会社4社及びその他の関係会社1社で構成され、連結従業員は2025年3月末で1,067名となっている。
2. 沿革
同社のこれまでの社歴における主なターニングポイントは以下のとおりである。
(1) 湿式合成法の確立と公害問題への対応(1960年代)
創業以来の乾式法による公害問題を解決するため、京都大学と連携し、水溶液中で化学反応を行う「湿式合成法」を確立した。これにより公害を克服しただけでなく、粒子の精密制御が可能となり、その後の高機能材料開発の技術基盤となった。
(2) 湿式合成法の応用(磁気記録材料、1960年代後半以降)
湿式合成法を応用し、着色顔料から磁気記録材料(オーディオ・ビデオテープ用磁性粉等)の製造へ大きく事業拡大を進めた。顔料メーカーから電子素材メーカーへと脱皮する転機となり、その後長らく同社の主力事業として成長をけん引した。
(3) アナログからデジタルへの移行と多角化(1990年代~2000年代)
アナログ市場の縮小とデジタル化を見越し、培った技術を酸化鉄以外の無機材料へ展開する多角化を推進した。新規事業となるリチウムイオン電池材料や、現在の成長領域である誘電体材料(MLCC用等)などの開発に着手し、次世代の収益源を育成した。
(4) 事業ポートフォリオマネジメントの強化(現在)
中期経営計画「Vision2026」において「事業ポートフォリオマネジメントの強化」を掲げ、成長事業、収益基盤事業、次世代事業、再生・転換事業の4分類での経営管理を開始。AIサーバー向けなどで伸びる成長領域(誘電体材料等)へ集中投資を行う一方、不採算事業(TAM等)の整理・撤退を明示した。足元では構造改革により収益性が大きく改善し、黒字化及び再成長を視野に入れている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦 健太郎)
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