タイミー Research Memo(2):「スキマバイト」市場の先駆者。東京証券取引所グロース市場にスピード上場
配信元:フィスコ
投稿:2026/01/22 13:02
*13:02JST タイミー Research Memo(2):「スキマバイト」市場の先駆者。東京証券取引所グロース市場にスピード上場
■会社概要
1. 会社概要と沿革
タイミー<215A>は、日本における「スキマバイト」(スポットワーク)市場の先駆者であり、サービス利用率・求人掲載数において業界首位の企業である。同社は「一人ひとりの時間を豊かに」をビジョンに掲げ、「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」をミッションとして事業を展開している。「タイミー」提供開始後の初年度の実績となった2019年10月期に83百万円だった売上高が、2025年10月期に34,289百万円まで急成長したベンチャー企業である。
創業来同社を率いるのは代表取締役の小川嶺(おがわりょう)氏である。小川氏が学生時代のアルバイト経験から着想した、履歴書並びに面接を不要とし、給与の即日入金を可能とするプラットフォームモデルを軸に、2018年8月より「タイミー」の提供を開始した。
2019年10月期には、総額23億円(3億円及び20億円)の資金調達を実施した。これを原資としてテレビ広告を中心とした積極的なマーケティング活動が、その後の急成長の端緒となった。その後も2020年10月期に6億円、2021年10月期には40億円の資金調達を継続し、全国への拠点展開と営業組織の拡充を推進し、クライアントは順調に増加した。
プラットフォームの拡大においては、物流・小売・飲食の各業界に強固なネットワークを有する事業会社からの出資を受けたことが、クライアント基盤の安定的な成長に寄与した。2024年7月には、東京証券取引所グロース市場への上場を果たした。また、2025年8月には、物流倉庫領域の請負業務に強みを持つスキマワークスの全株式を取得し、連結子会社化した。
2. 市場動向とシェア
スポットワーク市場は、「タイミー」の浸透とともに急速に拡大を続けている。同社が公表した市場機会の推計によれば、スポットワーク領域の潜在市場規模は2025年度に526億円、2030年度には1,180億円(CAGR18%)に上ると予測されている。同社の2025年10月期売上高は342億円であり、当該市場における主要なシェアを占めている。
特筆すべきは、同社がターゲットとする「既存人材サービス市場」の規模である。人材派遣市場(9,194億円)、求人広告市場(2,150億円)、人材紹介市場(8,442億円)の合計は約2兆円に達し、スポットワーク市場は依然としてこれら既存領域(主に非正規雇用)への侵食・代替の途上にある。各業界における慢性的な労働力不足を背景に、単発・短期の労働力活用は、従来の求人・派遣モデルに代わる新たなインフラとして定着しつつある。また、生活コストの上昇や社会情勢の先行き不透明感を背景に、収入を増やすため空いた時間に仕事をするスポットワーカー側の事情も市場の成長のドライバーとなっている。なお同社は、非正規雇用市場に対しては「タイミー」及び多様な付加ソリューション(受入負荷軽減プロジェクト、長期採用サポート機能など)、正規雇用市場に対しては「タイミーキャリアプラス」で市場を開拓している。
競争環境においては、同社はサービス利用率及び求人掲載数において業界首位のポジションを保持している。マーケットシェア推計においても、2位以下の競合企業と比較して独占的なシェアを維持しており、先行者利益に伴う高い認知度と、求人掲載数及びワーカー数の拡大がもたらすネットワーク効果が参入障壁として機能している。活発であった新規参入が一巡し、淘汰が進む局面においても、既存の人材サービス予算を吸収する形でさらにシェアを拡大させる蓋然性が高い。
3. ワーカー基盤と潜在的な成長余力
同社の登録ワーカー数は約12.7百万人に上っているが、月間アクティブワーカー(月に1回以上稼働したワーカー)数は約0.3百万人と、登録者全体の2.4%にとどまっている。一方で、月間アクティブユーザー(月に1回以上アプリを起動したユーザー)数は約2.5百万人に上り、実際に稼働したワーカーの約8倍に相当する人数がアプリ上で求職活動を行っている状況にある。
現在の日本の労働市場における非正規労働者数(21.2百万人)並びに副業意向を持つ正規労働者数(15.3百万人)を合わせた潜在ターゲット層は36.5百万人に及ぶ。深刻な人手不足という外部環境下において、求人案件の質的・量的拡充が進むことで、これら潜在層のマッチング成立が加速する蓋然性は高い。
スポットワーク市場の内部成長という観点においても、既存の登録資産(登録ワーカー)が十分に稼働しきっていない現状は、今後の同社の収益拡大における極めて大きなポテンシャルがあると評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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1. 会社概要と沿革
タイミー<215A>は、日本における「スキマバイト」(スポットワーク)市場の先駆者であり、サービス利用率・求人掲載数において業界首位の企業である。同社は「一人ひとりの時間を豊かに」をビジョンに掲げ、「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」をミッションとして事業を展開している。「タイミー」提供開始後の初年度の実績となった2019年10月期に83百万円だった売上高が、2025年10月期に34,289百万円まで急成長したベンチャー企業である。
創業来同社を率いるのは代表取締役の小川嶺(おがわりょう)氏である。小川氏が学生時代のアルバイト経験から着想した、履歴書並びに面接を不要とし、給与の即日入金を可能とするプラットフォームモデルを軸に、2018年8月より「タイミー」の提供を開始した。
2019年10月期には、総額23億円(3億円及び20億円)の資金調達を実施した。これを原資としてテレビ広告を中心とした積極的なマーケティング活動が、その後の急成長の端緒となった。その後も2020年10月期に6億円、2021年10月期には40億円の資金調達を継続し、全国への拠点展開と営業組織の拡充を推進し、クライアントは順調に増加した。
プラットフォームの拡大においては、物流・小売・飲食の各業界に強固なネットワークを有する事業会社からの出資を受けたことが、クライアント基盤の安定的な成長に寄与した。2024年7月には、東京証券取引所グロース市場への上場を果たした。また、2025年8月には、物流倉庫領域の請負業務に強みを持つスキマワークスの全株式を取得し、連結子会社化した。
2. 市場動向とシェア
スポットワーク市場は、「タイミー」の浸透とともに急速に拡大を続けている。同社が公表した市場機会の推計によれば、スポットワーク領域の潜在市場規模は2025年度に526億円、2030年度には1,180億円(CAGR18%)に上ると予測されている。同社の2025年10月期売上高は342億円であり、当該市場における主要なシェアを占めている。
特筆すべきは、同社がターゲットとする「既存人材サービス市場」の規模である。人材派遣市場(9,194億円)、求人広告市場(2,150億円)、人材紹介市場(8,442億円)の合計は約2兆円に達し、スポットワーク市場は依然としてこれら既存領域(主に非正規雇用)への侵食・代替の途上にある。各業界における慢性的な労働力不足を背景に、単発・短期の労働力活用は、従来の求人・派遣モデルに代わる新たなインフラとして定着しつつある。また、生活コストの上昇や社会情勢の先行き不透明感を背景に、収入を増やすため空いた時間に仕事をするスポットワーカー側の事情も市場の成長のドライバーとなっている。なお同社は、非正規雇用市場に対しては「タイミー」及び多様な付加ソリューション(受入負荷軽減プロジェクト、長期採用サポート機能など)、正規雇用市場に対しては「タイミーキャリアプラス」で市場を開拓している。
競争環境においては、同社はサービス利用率及び求人掲載数において業界首位のポジションを保持している。マーケットシェア推計においても、2位以下の競合企業と比較して独占的なシェアを維持しており、先行者利益に伴う高い認知度と、求人掲載数及びワーカー数の拡大がもたらすネットワーク効果が参入障壁として機能している。活発であった新規参入が一巡し、淘汰が進む局面においても、既存の人材サービス予算を吸収する形でさらにシェアを拡大させる蓋然性が高い。
3. ワーカー基盤と潜在的な成長余力
同社の登録ワーカー数は約12.7百万人に上っているが、月間アクティブワーカー(月に1回以上稼働したワーカー)数は約0.3百万人と、登録者全体の2.4%にとどまっている。一方で、月間アクティブユーザー(月に1回以上アプリを起動したユーザー)数は約2.5百万人に上り、実際に稼働したワーカーの約8倍に相当する人数がアプリ上で求職活動を行っている状況にある。
現在の日本の労働市場における非正規労働者数(21.2百万人)並びに副業意向を持つ正規労働者数(15.3百万人)を合わせた潜在ターゲット層は36.5百万人に及ぶ。深刻な人手不足という外部環境下において、求人案件の質的・量的拡充が進むことで、これら潜在層のマッチング成立が加速する蓋然性は高い。
スポットワーク市場の内部成長という観点においても、既存の登録資産(登録ワーカー)が十分に稼働しきっていない現状は、今後の同社の収益拡大における極めて大きなポテンシャルがあると評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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