QPSホールディングス、2Qは通期業績予想に対し計画どおり推移 複数機の新規衛星打上げも黒字を確保
2026年5月期 第2Q業績のハイライト

大西俊輔氏(以下、大西):本日は株式会社QPSホールディングスの2026年5月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。代表取締役社長CEOの大西です。それでは、2026年5月期第2四半期の取り組みについてご報告します。
まずは事業進捗についてです。当社子会社のQPS研究所は、開発や調査研究の分野で着実に取り組みを進めています。第2四半期においては、「衛星コンステレーション案件」の落札や海外向けサービス提供体制の拡充を進めるなどの進展がありました。
衛星コンステレーション案件の概要を紹介します。本案件は、防衛省のニーズに最適化するために複数の国内スタートアップが保有・運用する衛星が一体となって迅速かつ安定的に画像を提供する事業です。
そのためには、衛星のみならず、複数企業が運営している衛星を統合管理して防衛省に撮像の機会を可視化・提案するITシステム、迅速かつ安定的に衛星データと通信をするための国内外の地上局アンテナ等が必要不可欠です。
これらを整備・運用・維持管理することで、防衛省の目指す「衛星画像を活用した情報収集能力の強化」を実現するものです。引き続き各プロジェクトの進捗をしっかり管理し、成果を生み出すことに力を入れていきます。これらの活動は、売上だけでなく会社の将来を支える土台づくりにもつながっており、今後の成長に向けた大切なステップとなっています。
次に衛星の打ち上げと運用状況についてです。今期はQPS-SAR衛星を合計6機打ち上げる予定です。衛星の数を増やすことで、より多くのデータを提供できる体制を整えています。すでに4機の衛星を打ち上げており、2026年1月14日時点の運用状況は、初期運用中2機、定常運用中6機、定常運用に向けた調整中1機の合計9機を運用しています。
また、複数機の新規衛星打上げという積極的な投資を進めながらも、宇宙戦略基金の交付金を営業外収益として計上し、第2四半期は黒字を確保しました。
最後に収益と投資の考え方についてです。現在、需要の高まりに応えるために、先を見据えた投資を計画的に行っています。一方で、子会社であるQPS研究所にてシンジケートローン62億円を新規に契約予定であり、財務基盤の安定性を確保しています。
2026年5月期 第2Q累計 実績詳細

第2四半期累計は前年同期比では減収となったものの、「防衛領域における衛星コンステレーション関連案件」の落札や海外市場への展開準備など、複数の重要案件が着実に進行しています。また、今期から防衛省向け開発案件の開発売上が発生しています。
結果として、累計売上高は9億1,500万円を達成しています。今後も既存のプロジェクトを着実に進めるとともに新しい案件の獲得にも力を入れ、売上のさらなる拡大を目指していきます。
なお、通期の業績計画は第4四半期に成果や収益が集中する構成となっていますので、第2四半期の実績はその一部となります。通期目標の達成に向けて確実に歩みを進めていきます。
原価と費用の状況についてご説明します。コンステレーション体制の構築に伴い、コストが増加しました。また、通信費や製造設備の費用、さらに開発・調査研究に関連する費用が製造原価として計上されたこともあり、昨年度と比べて売上原価が上昇しています。
一方、販管費は、事業拡大に向けた体制強化の一環として採用活動を進めており、人件費が増加しています。
なお、本年は業績予想に対して計画どおりに推移しています。
2026年5月期 第2Q累計 事業収益

三輪洋之介氏:2025年5月期第2四半期累計の事業収益について、取締役CFOの三輪よりご説明します。今年度の累計事業収益は、前年同期比約5億円増加の17.5億円となり、通年では72億円になる見通しです。
画像データ販売について、今年度は内閣府主導の「スターダストプログラム」を中心に、各省庁の行政課題に対応するデータ提供に注力し、当初想定の進捗を達成していますが、画像データ販売の売上高は前年同期を約3億4,300万円下回る結果となりました。主な売上差異は、2025年5月期のスターダストプログラムによる売上が第2四半期に集中していたためとなります。
また、内閣府のスターダスト予算は、各省庁の直接調達に切り替わる過渡期にあります。現在は防衛省をはじめとする各省庁との協議が進行しています。
開発・調査研究について、今期収益の柱である防衛省向けの開発案件は、36機の衛星コンステレーションとは別に開発と製造が進められています。この案件では、光通信やオンボードデータ処理など、次世代宇宙技術の確立を目指しています。売上高は前年同期比で約1,400万円上回る結果となりました。
補助金等について、1月14日に開示していますとおり、宇宙戦略基金による補助金8億3,500万円を第2四半期に計上しました。
主な官公庁案件による事業拡大イメージ

官公庁案件による事業拡大のイメージについてご説明します。2025年6月から12月にかけて複数の官公庁案件を受注し、事業の拡大と衛星コンステレーションの進展を加速させています。開示ができない数値を除き、補助金を加えた事業収益ベースでの受注残は338億円になります。ただし、JAXA基金については毎年行われるStage Gateなどの審査で承認をいただくことが前提となります。
スライドの②政府機関向け画像データ提供について、2025年7月、スカパーJSAT社との契約により、政府機関向けSAR画像データ提供業務を受注しました。契約金額は約3.5億円、2026年3月末までの提供を予定しています。
スライドの③衛星コンステレーションの整備・運営等事業について、2025年12月、協力会社6社とともに本件を落札し、2026年2月に契約締結を予定しています。本事業では、各社が持つ専門性を最大限に活かすことが必要であり、最適な参画形態を検討した結果、代表3社によるSPCを設立し、当社の子会社である株式会社QPS研究所を含む4社は技術協力の立場から本事業への貢献を行います。これにより、全参加企業がそれぞれの強みを発揮し、本事業の円滑な推進を支えていくこととなります。
2026年2月、落札者は本事業を目的とする特別目的会社(SPC)を設立予定となります。同月、SPCは防衛省と事業契約(5年契約)を締結予定です。なお、契約金額については事業契約締結をもって確定するため、現段階での見込金額の公表やご質問への回答は控えさせていただきます。事業期間については、2026年2月から2031年3月末までを予定しています。
スライドの⑨宇宙戦略基金について、当社子会社であるQPS研究所は、過去の適時開示で国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構による宇宙戦略基金事業に採択された旨をお知らせし、2027年3月までの当初交付金額84億6,500万円を開示しています。
このたび、2027年4月以降の支援上限額212億円について、JAXAより公表可能となる旨の通知を受領しましたので、2026年1月14日付で追加の経過開示を行っています。なお、支援上限額については、今後ステージゲート審査等により変動し得るものとなっています。
加えて、記載の積み上げ棒グラフは実際の数値を反映したものではなく、将来的に拡大していくイメージとなっていますのでご承知おきください。今後も政府機関との連携を強化しながら、国内外のニーズに応える体制を整えていきます。
事業拡大イメージ

大西:事業拡大のイメージについて大西よりご説明します。衛星の運用機数を増やすとともに、売上拡大を目指す方針です。国内官公庁案件に継続して取り組みつつ、国内民間や海外機関への販売経路の拡大に注力していきたいと考えています。
SAR画像データの取得実績と今後の見通し

次に、今後のスケジュールについてご説明します。現在、初期運用中、調整中の衛星を含めて、軌道上で9機の衛星を運用しています。また、5号機については、サービスの提供再開に向け、不具合に対する対策と最終的な調整作業を行っています。
一方、10号機と11号機については2025年9月より、12号機については11月より販売用の画像データ提供が可能になる定常運用を開始しています。
コンステレーション構築計画

最後に今後のコンステレーション構築計画をご説明します。2026年5月期は、合計6機の衛星を打上げ、2028年5月期までに24機体制の完成を目指します。打ち上げは国内外の複数のロケット事業者と連携し、柔軟なスケジュールで進行しています。
36機体制の完成により、世界中のほぼどこでも平均10分から20分間隔で観測可能な体制を実現予定です。機数の増加に合わせて、災害対応、インフラ監視、安全保障、環境モニタリングなど、幅広い分野での活用が可能となる見込みです。
以上で、2026年5月期第2四半期の決算説明を終了します。
質疑応答①
Q:防衛省PFI事業について、2月の本契約締結以降に説明会の開催計画はありますか?
A:内容が確定次第、適切なタイミングで必要な情報を開示し、四半期決算説明会などの公式な場を通じて詳細を説明する予定です。現時点では、契約に向けた関連手続きが進行中であり、投資家のみなさまに正確かつ透明性の高い情報を提供するため、確定情報をもって順次説明を行っていく方針です。
質疑応答②
Q:海外展開や防衛省以外の官公庁向け営業活動、受注の引き合い状況についてアップデートはありますか?
A:海外向け展示会出展や商談活動を継続的に実施しており、国内外・官公庁・民間の各市場に専任で対応できる体制整備を進めています。組織拡充により社内の連携が強化され、提案力の向上が図られています。また、衛星機数の増加に伴い観測頻度や提供可能領域が拡大することで、顧客ニーズに応えられる幅が広がり、来期以降の案件化がより加速する見通しです。
質疑応答③
Q:防衛省PFI事業に伴う代理店手数料の見直し改善方針について教えてください。
A:当社グループはお客さまへの迅速かつ安定したデータ提供を最優先としており、そのため代理店の活用を行っています。PFI事業においても、同様に迅速なデータ提供体制を維持することが重要であり、最適な流れと役割分担を踏まえて進めていく方針です。手数料の在り方については、事業特性や運用効率を総合的に勘案し、適切なかたちで調整を図っていきます。
質疑応答④
Q:グローバル市場におけるQPSホールディングスのポジションと立ち上がりが見込まれる地域について教えてください。
A: 案件獲得に向けて、衛星データの提供頻度と迅速性を高めるための体制整備を進めており、グローバル市場での競争力向上を図っています。地域としては米国・欧州・アジアなど幅広い地域と接触しており、各地域の需要動向やパートナーシップの可能性を踏まえ、最適な市場から順次展開していく方針です。特に、地球観測需要が高まる地域では、当社の高頻度観測能力が強みとして発揮できると見込んでいます。
質疑応答⑤
Q:年間の打上げペースは年間6機から変化はありますか? 加速の条件は何でしょうか?
A:2028年5月期に24機体制、さらに早期の36機体制の達成を目指し、年間打上げ計画を策定しています。打上げペースの加速化については、製造能力の増強、ロケットの確保、人員体制の強化、費用面の最適化など複数の要素を総合的に判断する必要があります。これらの条件が整うことで、より高頻度の打上げが可能となり、コンステレーションの拡充を加速できると考えています。まずは、計画に基づく打上を着実に実施していくことを最優先としています。
質疑応答⑥
Q:欧州市場の見通しはどうですか?
A:欧州においても地球観測需要は旺盛であり、衛星データの活用領域は拡大していますが、全領域を1社でカバーすることは現実的ではありません。当社としては、自社コンステレーションの特長を活かし、欧州市場においても適切なかたちで貢献していく方針です。また、欧州企業や官公庁との連携機会も進めており、需要に応じた柔軟なサービス提供を進めていきます。
質疑応答⑦
Q:官公庁との直接契約が期待できますか?
A:詳細は開示を控えますが、スターダストプログラムを通じて複数省庁での活用実績が蓄積されており、これらの成果を踏まえて順次直接調達に向けた検討が進んでいます。今後も各省庁との連携を深め、より効率的なデータ提供体制の構築を目指します。
質疑応答⑧
Q:防衛省PFI事業の進捗に際して課題と感じていることは何ですか?
A:安定的な履行には24機または36機体制の確立が最重要であり、衛星製造および打上げの着実な遂行が不可欠です。特に、製造ラインの強化やロケット打上げ枠の確保は事業全体の進捗に直結するため、優先度の高い課題として取り組んでいます。また、運用体制の強化やリスク管理の高度化も並行して進めています。
質疑応答⑨
Q:宇宙戦略基金の後半2年間の助成額が前半より大きい理由は何ですか?
A:後半期間に多くの衛星の製造・打上げ費用を充当する計画であるため配分が厚くなっています。
質疑応答⑩
Q:シンジケートローン62億円で何年度までの資金調達が完了していますか?
A:概ね来年度いっぱいの資金手当を実施しており、本ローンは来年度以降に立ち上がる衛星約3機の製造・打上げ費用に充当される見込みです。これにより、コンステレーション拡大に向けた中期的な資金基盤が強化され、事業計画の確実な遂行につながると考えています。
質疑応答⑪
Q:2年から3年後に、海外・民間市場を含めた合算売上高はどの程度を見込んでいますか?
A:具体的な数値は非開示であるものの、当面は防衛省向け事業が収益の中心となる見込みです。その一方で、国内官公庁および民間市場を基盤として事業領域を拡大し、これらの安定的な需要を踏まえながら、海外市場への展開を段階的に強化していく方針です。特に、衛星機数の増加に伴う観測頻度の向上や提供領域の拡大により、海外および民間企業からの利用機会が広がることが期待されており、中期的には海外売上比率の上昇が事業成長の重要なドライバーになると考えています。
※質疑応答部分は、企業提供の要旨になります。
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