*15:36JST グローバルS Research Memo(6):既存事業の深化、成長ドライバーの育成、収益構造の強化により持続成長目指す
■中長期の成長戦略
グローバルスタイル<7126>は既存事業の競争力を一段と高めつつ、新たな需要領域やチャネルを取り込むことで持続的な収益成長の実現を目指している。同社はオーダースーツ市場において、国内有数の生地品揃え、価格競争力、ファッション性を兼ね備えた独自のポジションを確立しており、これまで培ってきた強みを基軸として多面的な成長戦略を展開していく。
(1) 来店客数の拡大
関東圏を中心に、全国の政令指定都市や大都市近郊への新規出店を積極的に進めることで、新規顧客の獲得と既存顧客の利便性向上を図る。年間ベースで3~5店舗ずつ新規出店を進めつつ、店舗を単なる販売拠点にとどまらない、オーダーメイドのプロセスそのものを楽しめる体験型空間として進化させることで、来店頻度の向上やリピート需要の創出につなげていく。
(2) インバウンド需要の取り込み
同社は2025年7月より全店舗で免税及び国際配送サービスを開始し、訪日客が購入しやすい環境を整備した。欧米ではオーダースーツの価格が日本の数倍に達するケースも多く、比較的手頃な価格で高品質なスーツを提供できる点は大きな競争力となる。また、自社サイトの英語表記対応や英語での接客が可能なスタッフの配置を進めるなど受け入れ体制の強化も進展しており、日本品質のオーダースーツという付加価値を訴求することで、これまで十分に取り込めていなかった訪日客需要を新たな収益源として育成する狙いである。
(3) 商品戦略
同社は生地を企画段階から厳選し、幅広い価格帯とデザインを用意することで、多様な顧客ニーズへの対応力を高めている。高いファッション性とお買い得感を両立させるという強みを維持しつつ、品質面への継続的な投資を通じて価格以上の価値を提供していく。また、新商品の開発やラインナップの拡充により、新規顧客層の開拓と需要の裾野拡大を図る。これらの商品戦略を下支えしているのが、同社が確立してきた「SPAモデル」である。企画から生産、販売までを一気通貫で手掛ける垂直統合型モデルで、生産委託工場との強固な関係を構築している。店頭で得られた顧客ニーズを迅速に商品企画へ反映することでスピーディーな商品開発と安定供給を実現している。
(4) 物流の効率化
エネルギー価格の高騰に伴う物流費上昇への対応が重要な経営課題となっている。同社は効率的かつコストを最小化する物流網の構築に取り組んでおり、生産委託工場から店舗への商品の流れを見直し、顧客に商品をよりスムーズに引き渡せる体制の整備を進めている。物流業務全般の改善を通じてコスト抑制とサービス品質を両立させることで、SPAモデルとの相乗効果による収益性の維持及び向上が期待される。
(5) 人的基盤の強化
オーダースーツは人的サービスの比重が高く、接客品質が顧客満足度を大きく左右する。同社は教育・研修体制を強化し、顧客ニーズを的確に捉えた提案ができる人材の育成に注力しており、体験価値の向上を通じたブランド力の強化を目指している。
(6) マーケティング
インターネット広告やSNSを活用したネットマーケティングを軸として、オンラインと実店舗を連動させたオムニチャネル戦略を推進している。デジタル施策による集客を実店舗売上につなげることで、効率的な顧客獲得と売上拡大を図るとともに、顧客データの蓄積・活用によって中長期的な競争力を強化していく。
(7) 新たな成長ドライバーの育成
レディースオーダースーツの販売強化やオンラインオーダーサービスの拡充が新たな成長ドライバーとして期待される。女性の働き方の多様化を背景に女性向けビジネスウェアの潜在需要は大きいと見られ、商品企画や接客体制、店舗環境の改善を通じて需要開拓を進める。オンラインオーダーについても、コンテンツ充実やシステム連携の強化により利便性と運営効率を高め、商圏の制約を超えた顧客獲得を目指す。
以上を踏まえると、同社の成長戦略は足元の競争優位性を堅持しながら事業の厚みと広がりを同時に高めていく、バランスの取れた内容といえる。同社はオーダースーツ市場において豊富な生地展開、価格競争力、ファッション性を兼ね備えた独自のポジションを確立しており、計画的な新規出店による商圏拡大は来店客数の底上げに寄与すると見込まれる。加えて、訪日客向けの国際配送サービスや英語接客体制の整備は、インバウンド需要の回復・拡大局面において収益機会を着実に取り込む布石といえる。商品面ではSPAモデルを基盤とした迅速な商品開発と供給体制が、顧客ニーズの変化に柔軟に対応する力となっており、物流改革と組み合わせることで原価上昇局面でも収益性を維持しやすい構造が形成されつつある点を評価したい。さらには、人的投資やネットマーケティングの強化は、体験価値とブランド力の向上を通じた中長期的な顧客基盤の拡充につながる可能性が高い。レディースオーダーやオンラインサービスなど新たな成長ドライバーも市場環境を踏まえれば現実味があり、戦略の着実な実行による安定成長と収益基盤の一段の強化を期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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グローバルスタイル<7126>は既存事業の競争力を一段と高めつつ、新たな需要領域やチャネルを取り込むことで持続的な収益成長の実現を目指している。同社はオーダースーツ市場において、国内有数の生地品揃え、価格競争力、ファッション性を兼ね備えた独自のポジションを確立しており、これまで培ってきた強みを基軸として多面的な成長戦略を展開していく。
(1) 来店客数の拡大
関東圏を中心に、全国の政令指定都市や大都市近郊への新規出店を積極的に進めることで、新規顧客の獲得と既存顧客の利便性向上を図る。年間ベースで3~5店舗ずつ新規出店を進めつつ、店舗を単なる販売拠点にとどまらない、オーダーメイドのプロセスそのものを楽しめる体験型空間として進化させることで、来店頻度の向上やリピート需要の創出につなげていく。
(2) インバウンド需要の取り込み
同社は2025年7月より全店舗で免税及び国際配送サービスを開始し、訪日客が購入しやすい環境を整備した。欧米ではオーダースーツの価格が日本の数倍に達するケースも多く、比較的手頃な価格で高品質なスーツを提供できる点は大きな競争力となる。また、自社サイトの英語表記対応や英語での接客が可能なスタッフの配置を進めるなど受け入れ体制の強化も進展しており、日本品質のオーダースーツという付加価値を訴求することで、これまで十分に取り込めていなかった訪日客需要を新たな収益源として育成する狙いである。
(3) 商品戦略
同社は生地を企画段階から厳選し、幅広い価格帯とデザインを用意することで、多様な顧客ニーズへの対応力を高めている。高いファッション性とお買い得感を両立させるという強みを維持しつつ、品質面への継続的な投資を通じて価格以上の価値を提供していく。また、新商品の開発やラインナップの拡充により、新規顧客層の開拓と需要の裾野拡大を図る。これらの商品戦略を下支えしているのが、同社が確立してきた「SPAモデル」である。企画から生産、販売までを一気通貫で手掛ける垂直統合型モデルで、生産委託工場との強固な関係を構築している。店頭で得られた顧客ニーズを迅速に商品企画へ反映することでスピーディーな商品開発と安定供給を実現している。
(4) 物流の効率化
エネルギー価格の高騰に伴う物流費上昇への対応が重要な経営課題となっている。同社は効率的かつコストを最小化する物流網の構築に取り組んでおり、生産委託工場から店舗への商品の流れを見直し、顧客に商品をよりスムーズに引き渡せる体制の整備を進めている。物流業務全般の改善を通じてコスト抑制とサービス品質を両立させることで、SPAモデルとの相乗効果による収益性の維持及び向上が期待される。
(5) 人的基盤の強化
オーダースーツは人的サービスの比重が高く、接客品質が顧客満足度を大きく左右する。同社は教育・研修体制を強化し、顧客ニーズを的確に捉えた提案ができる人材の育成に注力しており、体験価値の向上を通じたブランド力の強化を目指している。
(6) マーケティング
インターネット広告やSNSを活用したネットマーケティングを軸として、オンラインと実店舗を連動させたオムニチャネル戦略を推進している。デジタル施策による集客を実店舗売上につなげることで、効率的な顧客獲得と売上拡大を図るとともに、顧客データの蓄積・活用によって中長期的な競争力を強化していく。
(7) 新たな成長ドライバーの育成
レディースオーダースーツの販売強化やオンラインオーダーサービスの拡充が新たな成長ドライバーとして期待される。女性の働き方の多様化を背景に女性向けビジネスウェアの潜在需要は大きいと見られ、商品企画や接客体制、店舗環境の改善を通じて需要開拓を進める。オンラインオーダーについても、コンテンツ充実やシステム連携の強化により利便性と運営効率を高め、商圏の制約を超えた顧客獲得を目指す。
以上を踏まえると、同社の成長戦略は足元の競争優位性を堅持しながら事業の厚みと広がりを同時に高めていく、バランスの取れた内容といえる。同社はオーダースーツ市場において豊富な生地展開、価格競争力、ファッション性を兼ね備えた独自のポジションを確立しており、計画的な新規出店による商圏拡大は来店客数の底上げに寄与すると見込まれる。加えて、訪日客向けの国際配送サービスや英語接客体制の整備は、インバウンド需要の回復・拡大局面において収益機会を着実に取り込む布石といえる。商品面ではSPAモデルを基盤とした迅速な商品開発と供給体制が、顧客ニーズの変化に柔軟に対応する力となっており、物流改革と組み合わせることで原価上昇局面でも収益性を維持しやすい構造が形成されつつある点を評価したい。さらには、人的投資やネットマーケティングの強化は、体験価値とブランド力の向上を通じた中長期的な顧客基盤の拡充につながる可能性が高い。レディースオーダーやオンラインサービスなど新たな成長ドライバーも市場環境を踏まえれば現実味があり、戦略の着実な実行による安定成長と収益基盤の一段の強化を期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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