物価高を乗り切る投資術、要注目の「外食優待」付きバリュー株7選 <株探トップ特集>

配信元:株探
投稿:2026/01/14 19:30

―金利上昇で割安株に資金シフトの機運、株高と家計防衛の一石二鳥を狙う―

 年末年始の休暇期間に、家族そろって外食に出かけた人は多いはずだ。物価高を背景としたメニュー価格の上昇度合いに驚いた人もいたに違いない。家計防衛の観点で消費者からの支持を集めているのが株主優待である。今回の株探トップ特集では、バリュー株の見直しが進む足もとの相場環境を踏まえ、外食優待付きの割安株にスポットライトを当てる。

●外食専業以外にも広がる物色候補

  外食産業の企業では、自社サービスを体験してもらえる株主優待を実施している場合が多く、個人株主から人気を博している。例えば、外食産業の雄である日本マクドナルドホールディングス <2702> [東証S]の予想PER(株価収益率)は28倍近く、実績PBR(株価純資産倍率)は3.1倍を超える。自社店舗での優待食事券の存在がバリュエーション面での評価を押し上げている。

 優待食事券とは別に、全国のマクドナルドで利用できる商品券「マックカード」を株主優待として提供している企業もある。マックでお得に食事をするのなら、優待食事券でもマックカードでも同じことだ。「マックカード」は、全国の約3000店のマクドナルドで利用できる。また、「全国共通お食事券ジェフグルメカード」は、外食産業関連で最大規模の団体である日本フードサービス協会を母体に、全国約3万5000店舗の加盟店で金券として利用することができる。

 これらを優待品目とするのは外食専業の企業だけではない。外食から事業の多角化を進めた企業や、外食産業向けに製品・サービスを提供している企業も存在する。主力事業の業績動向には注意が必要だが、株主優待を実施する外食専業と比較して、株価指標的に割安感のある銘柄が多い。

 機関投資家は株主優待について換金できるものは換金している。個人投資家もこれは同じだが、そのまま優待として利用すれば換金時のディスカウントを受けることはない。ある意味で個人投資家に有利な制度と言える。本稿では、株価指標の割安度を計る指標としてPBRに注目している。PERのもとになる純利益は、期によって変動が大きく、配当利回りのもとになる配当金は、ある程度は経営者の裁量によって決められるのに対し、PBRのもとになる純資産(自己資本)は、相対的に変動性が小さく、頑強だと考えられるからだ。世に出回る「バリュー株指数」の基準としてもPBRは重要な指標であり、機関投資家の常識としては、「低PBR=バリュー株」、「高PBR=グロース株」と分類されていることも背景にある。

●「裏マック優待」のスターゼンなどに注目

 スターゼン <8043> [東証P]は、全国畜産協同組合を母体に設立された食肉卸売業の老舗・大手で、日本全国から海外にも事業展開している。日本マクドナルド1号店からビーフパティを納入しており、その縁もあって3月期末を基準に200株以上600株未満の株主にマックカード1000円分の優待を実施する裏マクドナルド優待銘柄である。600株以上ではマックカードではなく自社商品からの選択となる。国内の食肉消費量は低成長ながら、海外市場での和牛人気は高まっており、豪州産「Wagyu」の肥育も拡大している。26年3月期を最終年度とする現行中期経営計画は超過達成が見込まれ、昨秋には次期中期5カ年計画も発表済みだ。海外を中心とした成長投資と収益性向上により、ROE(自己資本利益率)10%以上、DOE(株主資本配当率)3%を目指している。今期予想ROEは8.8%で、PBR0.8倍台という水準には割安感がある。

 鈴茂器工 <6405> [東証S]は、充填機械から米飯加工機械、包装資材などに展開、国内の小型寿司ロボットでシェア80%を占め、海外市場開拓も進めている。3月期末を基準として100株以上の株主を対象に、ジェフグルメカードを保有株式区分に応じて500~1万円分贈呈している。26年3月期からスタートした新中期3カ年計画では、海外市場展開の加速と新工場竣工による生産性向上によってROE12%を目標としている。大手寿司チェーン向け需要一巡や製造原価上昇による業績影響が懸念され、足もと株価は冴えない状況だが海外市場の成長性は高い。PBRは1.1倍台。短期業績の底打ちが確認できれば株価再評価の余地は大きい。

 ニイタカ <4465> [東証S]は、洗剤・洗浄剤から感染対策製品、固形燃料、ヘルスケアなどに展開。5月末と11月末を基準として、100株以上1000株未満を保有する株主にジェフグルメカード500円分の優待を実施している。1000株以上の場合は期末優待で5000円相当のギフト旅行券、中間優待で5000円相当のジェフグルメカードまたは自社グループ製品詰め合わせとなる。主力製品の業務用洗剤では外食産業の売上高、固形燃料ではホテル・旅館の宿泊客数と連動する特徴がある。コロナ禍では感染症対策製品が拡大したが、コロナ後には主力製品が伸びている。外食・宿泊業界ともに人手不足が顕著で、衛生・安全対策の重要性も高まっているため、同社ソリューションの浸透余地は大きい。今期から始まった新中期3カ年計画では、収益性向上(28年5月期目標ROE8%以上)と株主還元強化(同DOE3%以上と機動的自社株買い)を掲げている。PBRは1倍を下回っている。

●親子上場銘柄の不二家も要マーク

 不二家 <2211> [東証P]は、製菓事業を主力にレストランを運営。12月期末を基準として100株以上の株主を対象に、同社グループ店舗で利用できる株主優待券を保有株式区分に応じて3000~6000円分配布している。飲食での利用以外に店舗での菓子購入にも使える。原材料高騰とコストアップによって採算が悪化していたが、値上げや新製品投入、生産性向上などが寄与しつつあり業績は回復基調。今年1月からは新キャラクター「ペコちゃんポコちゃんとゆかいな仲間たち」が登場するなど、キャラクターグッズ販売も強化する方針だ。PBRは1.1倍台。持ち株比率54%の親会社である山崎製パン <2212> [東証P]の動向も気になるところだ。

 アークランズ <9842> [東証P]はホームセンター大手で、とんかつ専門店「かつや」や唐揚げ専門店「からやま」など外食事業にも展開。2月末と8月末を基準として100株以上を保有する株主を対象に、保有株式区分に応じて株主優待券を1100~1万1000円分配布している。優待券はホームセンターだけではなく、外食店舗でも使用可能。小売・外食ともに新規出店コスト増加や原価上昇が利益を圧迫しており、26月2月期の利益予想は下方修正されたが、PB(プライベートブランド)商品拡充や店舗運営効率化などの対応を進めている。競合の激しいホームセンターを主力とするため、PBRは0.9倍台にとどまっている。

 ダスキン <4665> [東証P]は、清掃・衛生用品などのレンタル・サービスが主力で、ミスタードーナツなど外食も兼営、フランチャイズ方式で展開している。3月末と9月末を基準に100株以上の株主に株主優待券1000円分、300株以上で2000円分を配布している。保有期間が3年以上になれば増額される。優待券はレンタル・サービスだけではなく、ミスタードーナツや資本・業務提携先のモスフードサービス <8153> [東証P]の店舗でも利用できる。フード事業は好調で、今期からスタートした3カ年中期経営方針ではROE7%以上を目標に掲げ、株主還元はDOE3%または配当性向60%と積極的だ。PBRは1.3倍。訪販事業の収益性向上に期待したい。

 リオン <6823> [東証P]は民間研究機関を発祥とする補聴器の国内最大手。聴力検査機、音響・振動計測器、微粒子計測器に事業展開し、近年では半導体クリーンルーム向けの微粒子計測機器が伸びている。3月期末を基準に100株以上を保有する株主を対象に、補聴器の割引券とともに保有株式数の区分に応じてジェフグルメカードを500~1万円分贈呈。保有期間が3年以上で増額される。中期的にROE10%以上、累進配当・配当性向30%以上の目標を掲げている。PBRは1.0倍台にとどまっている。

株探ニュース
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