オルカン投資をやめて89%のリターンを達成した新ポートフォリオの全貌 長期的視点での投資戦略
2年前に「オルカン投資をやめる」という判断を下した岡元兵八郎氏が、その結果を実際の運用データで検証したところ、新興国やイノベーション分野に比重を置いたポートフォリオはオルカンを上回るリターンとなりました。投資判断の背景や哲学、市場環境の振り返りと今後の展望までを整理し、解説します。(※2025年12月17日収録のマネックス証券YouTube動画に基づく内容です)
オルカンを売却し、新たなポートフォリオへ

岡元兵八郎氏:マネックス証券のハッチこと岡元兵八郎です。2023年に、「YouTube」で「【つみたて投資】投資のプロが全世界株式オルカンをやめた理由」というタイトルの動画を投稿しました。それまで積立投資を続けてきたMSCI オール・カントリー・ワールド指数(ACWI)、いわゆるオルカンをすべて売却し、その資金を別の投資信託へ振り替えるという判断をしました。
今回は、この判断は果たして正しかったのか、それとも失敗だったのかをあらためて振り返り、感情や印象ではなく、実際の数字をもとに検証していきたいと思います。
なお、この動画はオルカンを否定するものでもなければ、特定の商品を勧めるものでもありません。自分が下した投資判断を時間を置いて検証するプロセスをみなさまに共有します。

僕はオルカンを売った後、オルカンの代わりにS&P500、NASDAQ100といった米国株を代表する株価指数に加えて、米国を中心とする世界の巨大テクノロジー企業、成長企業10社で構成される株価指数に連動するFANG+や、AI、ロボティックス、宇宙、FinTech、メタバース等のテーマに投資をすることにしました。
現時点では、スライドに記載している12銘柄の投資信託に積立投資を行っています。
パフォーマンスの比較検証

では、その結果、僕のポートフォリオのパフォーマンスはどうなったのでしょうか? 僕が積立投資を行った金額の約358万円が、2025年11月末の段階では約678万円になっており、プラス89パーセントのリターンです。
一方で、もしオルカンに投資をしていたらどうでしょうか? 2023年にオルカンをすべて売却したことを反映し、約380万円でのスタートとなっています。この約380万円は、2025年11月末には約620万円になっており、リターンとしてはプラス64パーセントです。
リターンの比較をすると、オルカンを売り分散されたファンドに投資したほうが、リターンが高かったということが言えます。
リターンに差が生まれた理由その1・特定地域への投資比率アップ

では、なぜリターンにこのような差が生まれたのでしょうか? 理由は大きく2つあります。
1つ目の理由は、国別の配分の違いです。オルカンの配分は先進国へ89パーセント、新興国へ11パーセントとなっています。つまり、オルカンに投資をすると、現時点では自動的に投資元本の89パーセントを先進国へ、11パーセントを新興国へ投資をすることになります。
僕が毎月投資を行っている積立投資の配分は、先進国(ほとんどが米国)へ42パーセント、新興国へ32パーセント、そしてテーマ型のファンドへ26パーセントです。オルカンでは新興国の配分が11パーセントを占めているだけですが、僕は32パーセントの資金を新興国へ投資しています。僕のポートフォリオは、新興国への投資が高いウェイトを占めているのが特徴です。
以前の動画でもご説明しましたが、長期的には新興国が成長の面で優位であり、先進国の株式市場のリターンを大きく上回ると考えています。

こちらのスライドにはS&P500、NASDAQ100、オルカン、MSCIエマージング・マーケット・インデックス(MSCI新興国指数)の2025年のパフォーマンスを円建てで示しています。S&P500は2025年12月12日までにプラス16パーセント、NASDAQ100はプラス21パーセント、オルカンはプラス19パーセントの上昇に対し、新興国はプラス27パーセントと、他の主要株価指数のリターンを大きく上回っています。
ただ、僕の投資の考え方は「2025年に新興国株が上がりそうだから投資をする」というものではありません。これから10年、20年先といった長期的なスパンで見た時に、新興国は構造的に成長すると考えているためです。

こちらのチャートは先進国株と新興国株、それぞれの指数におけるEPS(1株当たり純利益)の長期的な予想を示しています。僕が「ChatGPT」を使って作成し、MSCI先進国・新興国の長期実質EPS成長の予想、IMFやOECDのデータを使用して予想を立てたものです。
もし先進国と新興国のEPSがこのチャートのように長期的に成長していくと仮定するのであれば、当然、長期的な株価リターンにも大きな差が出てくると考えるのが極めて自然ではないでしょうか。
株価は短期的には需給や投資家のセンチメントで左右されますが、長期的にはほぼ例外なく利益成長に収斂していきます。これは、これまでの株式市場の歴史が示していることです。だからこそ、将来のEPS成長率に差があると考えるのであれば、現時点で資産配分を調整しておく意味があります。そう考え、僕は今、新興国への投資ウェイトを高めているのです。
正直、僕にとって、短期的に上昇するか下落するかや、その年のパフォーマンスがどうかは二次的な要素です。重要なのは、長期の成長トレンドに対して、今の自分の資産配分がどうなっているのかです。その視点から見た時に、先進国に比べて新興国の比率が低すぎると感じています。そのため、時間をかけて意図的にウェイトを高めているのです。
余談ですが、僕は現在MSCI新興国指数、インド、ベトナム、中国などのファンドへの投資を行っていますが、将来的にはアフリカの株式市場が有望だと考えています。もし将来的にアフリカの株式市場に投資をするファンドが出てくれば、投資をしてみたいと思っています。
リターンに差が生まれた理由その2・イノベーションへの投資

2つ目の理由は、僕のポートフォリオはイノベーションの進化に賭けているからです。つまり、テクノロジー分野ではNASDAQ100、FANG+などのファンドを通じてすでにテクノロジー株が多く含まれていますが、加えて宇宙開発、ロボティックス、AI、FinTech、メタバースなどイノベーションに関連するテーマ型ファンドにも投資をしています。
このようなファンドは、2025年にはオルカンを上回るリターンを得ており、僕のポートフォリオのトータルリターンに大きく貢献しています。
以上が、僕のポートフォリオがオルカンより高いリターンを得ることができた理由です。
投資哲学とファンド選びの考え方
みなさまにお伝えしたいことがあります。僕は決してオルカンが嫌いなわけではありません。オルカンは分散投資を手軽に行える素晴らしいファンドで、特に投資初心者には非常に適しています。
しかし、投資は単純なものではありません。みなさま自身の世界観をもとに投資をするべきだと思っています。例えば、日本経済の将来性をどう考えるか、ご自身の価値観を反映させた投資を行っていただきたいのです。
オルカンのような分散型ファンドも良い選択肢ではありますが、僕のように特定の地域やテーマに注目して投資をする方法も有効だと考えています。今回の検証結果から、オルカンを売却し、より集中した投資を行ったことが、僕にとっては成功だと言える結果であったと思います。

しかし、投資戦略は一人ひとり異なるため、僕のような投資の仕方に違和感がある方もいるかもしれません。そして、違和感があることは間違っていません。
大切なのは、みなさまがご自分の投資哲学に基づいて戦略を立てることです。今回の動画が投資方法を考える上でお役に立てば幸いです。
もう1つお伝えしたいのが、今回ここで取り上げたファンドの中にはアクティブファンドも含まれているということです。
一般的にアクティブファンドは、S&P500やオルカンのようないわゆるパッシブファンドと比べて運用経費が高いのが普通で、一部の投資家の方々には敬遠されていることがあります。
しかし、「経費が高いから買わない」という判断が必ずしも正しいかというと、僕はそう思っていません。これは、決して僕が証券会社に所属しているからではありません。
これまで非常に長い間、実際にアクティブファンドを運用されている米国のファンドマネージャーの方々と接点を持ってきました。アクティブファンドは、単に指数と違う動きをしているだけではなく、投資銘柄の選択のための調査や分析、継続的な運用判断にコストがかかっているのです。
もちろん、すべてのアクティブファンドが良いとは思いません。中にはコストに見合った価値を提供できていないファンドもあります。ただ「コストが高いからダメ、パッシブファンドだから正解」と、そこだけで判断してしまうのは少し単純すぎるのではないかと思っています。
大切なのは、そのファンドがどんな運用方針を持っているのか、誰が運用しているのか、どのような過去のパフォーマンスを積み重ねてきたのかです。みなさまでしっかり確認した上でファンドを選びましょう。
アクティブファンドへの投資は、「考えなくていい投資」ではなく、「考えることを前提にした投資」だと思っています。
2025年の総括と2026年の展望

みなさまの2025年の米国株の投資のパフォーマンスはどうだったでしょうか? ちょうど1年前を振り返ってみると、「米国株はバリュエーションが高いから売ったほうが良い、投資はしないほうが良い」という意見が散見されました。2025年はトランプ大統領の「米国第一(America First)」のスローガンと共に、サプライズでトランプ関税の大幅な引き上げもあり、米国株は4月に大きく調整されました。
しかし、その後の米国株は急ピッチで上昇に転じ、年末に向けて大きな調整もなく上昇を継続してきました。そして2025年12月11日にS&P500は市場最高値を更新しました。S&P500は2025年で3年連続の上昇となります。
つまり「ステイ・インベステッド(Stay Invested)」です。投資を続けてマーケットに居続けた人、より正確に言うと「恐怖に耐えて投資を継続した人」が最も正しかった1年だったと言えると思います。
僕は現在に対し、投資家にとって良い時代でもあり、悪い時代でもあると思っています。なぜなら、インターネットの普及で米国株の株式市場についての情報が溢れているためです。これはとても良いことです。
しかし、なぜ悪い時代かと言うと、いわゆる「ノイズ」と呼ばれる不必要な情報も数多く含まれているためです。SNSや「YouTube」では、「マーケットは暴落する」「AIはバブルで弾ける」などの投資心理を過度に煽るような発言が見られます。
不思議なもので、ポジティブな話よりネガティブな意見の方が人間の心を動かしやすいと感じており、結果、売ってはいけないところで売ってしまうという現象が起きやすいように思います。
2025年の4月が良い例だったのではないでしょうか。さまざまなネガティブなニュースが出る中、「暴落の始まりだ」という論調のコメントがあると、みんな売ってしまいたくなります。売ってしまった方も少なくないかもしれません。その時に米国株の長期的な将来性を信じ、売らなかった投資家の方々は大正解だったわけです。
僕は米国株は長期的なブルマーケットの真っただ中にあると思っており、2026年も米国株は上昇すると信じています。僕の2026年末のS&P500のターゲットは7,700ポイントです。年末のS&P500が7,000ポイントとして、約10パーセントのリターンを見込んでいます。これは2027年の予想EPSである351ドルの約22倍のPER(株価収益率)となります。
2026年に米国株が上昇すると4年連続での上昇となりますが、果たして4年連続で上昇するのでしょうか?

1942年以降の長期データを見ると、S&P500が4年以上連続して上昇したケースは過去に5回ほどあります。したがって、統計的にも十分に起こり得る展開だと言えます。
2026年の上昇ドライバーは、企業業績です。2026年のS&P500のEPSは前年比でプラス14パーセントの伸び、2027年も現時点でプラス15パーセントの伸びという予想になっています。
EPSが2桁成長を続け、それに金融環境が緩和的である局面において、米国株に割高の傾向はあるものの、株価が上昇を継続してもまったく不思議ではないと思っています。
この2桁の利益成長を支えているのがAI関連の設備投資です。節目節目でネガティブなニュースが出ていますが、AIは米国経済全体にとって構造的な追い風となっており、普及の進展は企業の生産性を高め、実質経済成長率を押し上げ、そして最終的には企業の利益率の改善にもつながると考えています。

営業利益率については、2025年は約17パーセントでしたが、2026年になると約19パーセントになり、2027年になると約20パーセントへ改善することが見込まれています。このような利益率の上昇が企業の稼ぐ力を押し上げていく展開が、これからも続くと考えています。
もちろん、リスクがないわけではありません。2026年もさまざまな予期せぬイベントが起き、調整する局面も出てくると思います。ただ、みなさまに知っていただきたいのは、S&P500は長い歴史の中で、平均して1年間に3回は5パーセントの調整を、そして1年に1回は10パーセントの調整を行っているということです。
米国株に投資をすると、「年に1回、10パーセント下がる」のは普通だということをぜひ覚えておいてください。
(※「キャンペーンプログラムのお知らせ」「番組紹介」「ご意見・ご感想」のパートについては割愛します)
資産形成 成功の秘訣

最後に、僕が毎回お話しをしている資産形成の成功の秘訣です。
1つ目はできるだけ長期で投資を行うことです。2つ目は定時定額で投資を行うこと(ドルコスト平均法)です。3つ目はマーケットが上がっても下がっても止めないことです。継続は力なりです。
この3つのポイントが大切です。
成績公開!ハッチの米国つみたて投資

僕の最新の成績を公開します。スライドに2025年12月10日までのデータを示しています。これまでに366万4,314円を投資し、2025年12月10日の段階で692万8,495円になっています。上昇率は89パーセントです。
今回もご視聴ありがとうございました。
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