コニシ Research Memo(2):国内トップクラスの接着剤・シーリング材メーカー

配信元:フィスコ
投稿:2025/12/19 12:02
*12:02JST コニシ Research Memo(2):国内トップクラスの接着剤・シーリング材メーカー ■事業概要

1. 主要な事業セグメント
コニシ<4956>は、「ボンド」「化成品」「工事事業」の3セグメント及びその他で事業を展開している。2025年3月期の売上高比率は、ボンド54.4%、化成品27.2%、工事事業18.3%、その他0.1%となっている。営業利益(調整前)の比率ではボンドが64.6%、化成品が12.7%、工事事業が21.2%、その他1.5%となっている。化成品の営業利益の比率が低いのは、同事業が仕入販売を行う商社事業であるのに対して、ボンド及び工事事業は自社で製造・販売・エンジニアリング等を行っているためである。

(1) ボンド
ボンドでは、主に一般家庭用、住宅・建材用、産業資材用の各種接着剤、シーリング材及びワックス・両面テープ等の製造・販売を国内外で行っている。また、子会社のサンライズ(株)では、主に戸建て用の建築用シーリング材や自動車用シール材・接着剤を製造・販売している。ウォールボンド工業(株)は、壁紙用接着剤の製造・販売を行っている。

(2) 化成品
化成品では石油化学製品、合成樹脂、工業用薬品全般、電子機能性材料の仕入販売を行っており、主たる業務は商社的な事業である。

(3) 工事事業
工事事業の主たる業務は子会社のボンドエンジニアリング(株)、コニシ工営(株)※、近畿鉄筋コンクリート(株)、角丸建設(株)、中信建設(株)が手掛ける工事請負事業である。主に官公庁、鉄道会社、道路公団等から発注された道路、鉄道、トンネル、橋梁などの補修・改修・補強工事を請負う。接着剤メーカーとしてのノウハウや経験を生かした独自の工法を活用し、工事事業子会社が補修・改修・補強工事を専門で行っていることが特徴である。

※ 北海道を地盤とする連結子会社。

(4) その他
2025年3月期までは主に本社ビルの賃貸による不動産賃貸業をその他事業として計上していたが、2026年3月期から収益を営業外収益に計上しているため、事業セグメントから外している。

2. 市場シェアと競合企業
主力製品である合成接着剤においては生産量ベースでの市場シェアは10%強の水準と推計され、ここ数年はわずかながら上昇トレンドにある。また、金額ベースのシェアは12~13%(建設用シーリング材を除く)と推計され、国内では数量・金額ともトップシェアとなっている。

主な競合企業は、一般家庭用ではセメダイン(株)、住宅関連用では主にアイカ工業<4206>、(株)オーシカなどがある。建設用シーリング材ではシーカ・ハマタイト(株)、サンスター技研(株)などと競合する。建設・土木用のうち、接着剤ではショーボンドマテリアル(株)が競合となるが、実際の工事現場では子会社のボンドエンジニアリングがショーボンド建設(株)と競合する格好となっている。また、工場生産用ではレゾナック・ホールディングス<4004>、ヘンケルジャパン(株)やオーシカ等が競合大手である。また、エレクトロニクス製品の生産用ではセメダインや(株)スリーボンドと競合するが、両面テープまで広げると日東電工<6988>やスリーエム ジャパン(株)が競合企業として挙げられる。

3. 特色、強み
(1) ブランド力
同社の最大の強みは「ボンド」の持つブランド力である。一般家庭用の「ボンド木工用」から建築用・産業用の「ボンド」まで、多くの人が「ボンド」の名を知っている。

(2) 製品ラインナップ
製品ラインナップが豊富なことも同社の特色である。幅広い製品ラインナップを揃えているため、需要先も土木、建設、住宅、自動車、電機など多岐にわたっている。そのため、業績は特定の業種や製品に左右されにくく、企業としての収益基盤は安定している。これも同社の強みである。

(3) 接着剤専業メーカーとしての強み
多くの競合企業(セメダインを除く)は接着剤の専門メーカーではなく、化学品メーカーが多い。言い換えれば、競合企業にとって接着剤は本業ではなく1つの事業でしかない。これに対して同社は接着剤専業メーカーであるため、顧客からの信頼は厚い。これも同社の特色であり、強みと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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配信元: フィスコ

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