~超硬小径エンドミルで業界No.1、新たな市場開拓へ~
・11月に東証プライム市場からスタンダード市場に変更した。9月末時点でみて、プライム市場の適合基準はすべて満たしていたが、本業に集中した方がよいと判断した。当社は、もともと規模を追求していない。高収益、高効率経営を目指している。エンドミルの高性能製品では、世界トップクラスである。
・今期の会社計画を下方修正した。営業利益を1740百万円から1310百万円へ引き下げた。米国関税政策で、輸出向け金型関連が影響を受け、新車開発案件も想定より回復が遅れていることによる。国内の自動車関連は下期も大きく好転しないとみており、中国では政府から自国製工具への切り替え圧力が強まっている。
・新製品の開発では、アジャイル型の開発に舵を切っている。顧客ニーズに合わせて開発に当たってきたが、このペースを上げている。製品開発戦略を強化しているので、新製品に対するプライシングについては、性能・効果に見合って対応していくことになろう。
・中国向けについては、中国産工具の利用が進むとしても、高性能、高効率の加工を必要とする領域については、日進工具のエンドミルには追い付けない。よって、高級品分野で一定の需要は確保できよう。
・トランプ関税が確定して以降、金型に動きがみられるので、来期の自動車関連は回復に入るとみてよい。売上高経常利益率20%を目標にしている。今期は15%レベルに低下するが、需要が回復してくれば、早晩20%に戻すことは十分見込めよう。
・インドは有望で、ここの市場開拓に力を入れている。自動車関連から半導体関連の電子部品、産業用の精密部品などへのシフトが一段と進むことになろう。AI向けデータセンターが増大し、発電用の設備需要も大きく伸びるので、用途の広がりが期待できる
・配当は、継続的増配が続いており、今2026年3月期は30円を予定している。今後ともフリーキャッシュフローが積み上がってくる。いずれ大型設備投資が必要になるとしても、内部資金で十分充当できよう。キャッシュを過度に積み上げないという点で、自社株買いや継続的な増配が実行されている。
目次
1.特色 超硬小径エンドミルで業界トップ
2.強み 一貫した集中と差異化で攻める
3.中期経営戦略 ユニークな精密・微細加工技術で内外の新市場を開拓
4.当面の業績 市場の回復待ちで、今2026年3月期も減益計画
5.企業評価 競争力を強化し、高収益へ復帰をめざす
| 企業レーティング | B |
|---|---|
| 株価 (2025年12月1日) |
843円 |
| 時価総額 | 211億円 (25百万株) |
| PBR | 1.15倍 |
| ROE | 5.1% |
| PER | 22.4倍 |
| 配当利回り | 3.6% |
| 総資産 | 19930百万円 |
| 純資産 | 18580百万円 |
| 自己資本比率 | 92.3% |
| BPS | 736.2円 |
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017.3 | 8825 | 2013 | 2026 | 1420 | 56.8 | 20.0 |
| 2018.3 | 9767 | 2685 | 2733 | 1903 | 76.1 | 22.5 |
| 2019.3 | 10476 | 2879 | 2894 | 1970 | 78.8 | 22.5 |
| 2020.3 | 9531 | 2219 | 2231 | 1545 | 61.8 | 22.5 |
| 2021.3 | 8100 | 1512 | 1712 | 1214 | 48.6 | 17.5 |
| 2022.3 | 9524 | 2111 | 2156 | 1522 | 60.9 | 22.5 |
| 2023.3 | 9656 | 2108 | 2131 | 1475 | 59.2 | 22.5 |
| 2024.3 | 9040 | 1867 | 1908 | 1320 | 53.0 | 27.5 |
| 2025.3 | 9431 | 1767 | 1779 | 1264 | 50.8 | 30.0 |
| 2026.3(予) | 9140 | 1310 | 1330 | 940 | 37.7 | 30.0 |
| 2027.3(予) | 9500 | 1500 | 1500 | 1030 | 42.1 | 30.0 |
(2025.9ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。 2017年 1月に 1:2、2021年 4月に 1:2の株式分割を実施。2022.3期以前の EPS、配当は修正ベース。 2017.3期は 2部上場記念配 (5円)、 2018.3期は 1部上場記念配 (5円)、2024.3期は創業 70周年記念配(2.5円)を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/niltusinnkougu202512.pdf
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