~原薬と製剤の領域拡大でターンアラウンドをめざす~
ポイント
・今2026年5月期の業績は4年ぶりに増益に転換しよう。1Qは増益スタートとなった。前期は製剤の製品構成の変化や試験研究費の増加などが影響したが、今期は選定療養制度によるジェネリックへの置換が高まってくることに加えて、第10製剤工場の生産が上がってくるので、生産性の向上も期待できよう。
・中期3ヵ年計画の1年目が計画を下回ったので、3年目の目標を見直した。2027年5月期のEBITDA(償却前営業利益)を110億円から100億円へ下げた。それでも来期は増益テンポが高まってこよう。先行投資の効果が表面化してくることによる。
・今年1月に子会社の大桐製薬(中国)は、中国で疼痛治療剤の承認を取得し、5月から出荷が始まった。日本のCDMO(医薬品開発製造受託機関)が中国市場向けのジェネリック製剤の承認を取得し、中国国内の自社工場で製造・販売する初の事例で、画期的といえよう。2つ目の承認も9月に得ており、来期には業績への貢献が見込めよう。
・ダイトは、医薬品の中で、原薬と製剤の2つの領域を手掛ける。売上比率は、45:54でほぼ半々である。原薬から製剤までの一貫生産体制を有している。原薬と製剤では、製剤の方の収益性が高いが、売上安定性は原薬の方が高い。
・ダイトの強みは、第1は、原薬から製剤までを一貫生産し、両分野の知見をオペレーション全体に活かしている。第2は、中国との連携を確立し、世界最大の原薬生産、輸出国である中国に拠点を有し、供給力を確保している。第3は、業界トップクラスの品質保証体制を有し、企業文化として、品質管理基準(GMP)に適合する仕組みを確保している。
・松森社長が主導する「DTP2027」(DaitoTransformationPlan2027)で、シン・ダイトの確立を目指している。1)ジェネリックの安定供給に向けた新コンソーシアム構想、2)長期滞留在庫の削減、3)中国でのジェネリック事業の立上げ、4)オーファンドラッグでのノーベルファーマとのアライアンスなどが次第に成果を上げてこよう。来期以降の回復に弾みがついてくるので、ターンアラウンドのピッチに注目したい。
1.特色 原薬と製剤の2本柱
2.強み ジェネリックの品質管理の定評
3.中期経営計画 新中期計画「DTP2027」で3年目に飛躍
4.当面の業績 今期は増益に転換、来期から本格回復へ
5.企業評価 PBR1.0倍超えに向けて
| 企業レーティング | B |
|---|---|
| 株価 (2025年11月4日) |
1246円 |
| 時価総額 | 375億円 (30696千株) |
| PBR | 0.72倍 |
| ROE | 4.4% |
| PER | 16.2倍 |
| 配当利回り | 3.2% |
| 総資産 | 78838百万円 |
| 純資産 | 522215百万円 |
| 自己資本比率 | 66.2% |
| BPS | 1741.3円 |
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 税引き利益 | EPS | 配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2017.5 | 37984 | 3832 | 3878 | 2656 | 106.2 | 16.5 |
| 2018.5 | 39875 | 4161 | 4244 | 3041 | 121.6 | 16.5 |
| 2019.5 | 41134 | 4547 | 4641 | 3513 | 140.4 | 19.0 |
| 2020.5 | 44991 | 5357 | 5462 | 3944 | 154.9 | 23.0 |
| 2021.5 | 40007 | 5908 | 6067 | 4246 | 155.5 | 23.0 |
| 2022.5 | 43464 | 6553 | 6729 | 4668 | 167.7 | 30.0 |
| 2023.5 | 45101 | 5207 | 5169 | 3600 | 113.8 | 30.0 |
| 2024.5 | 46895 | 3894 | 3923 | 3295 | 105.0 | 30.0 |
| 2025.5 | 50643 | 2619 | 2705 | 1908 | 62.7 | 35.0 |
| 2026.5(予) | 52500 | 3000 | 3000 | 2300 | 76.7 | 40.0 |
| 2027.5(予) | 56000 | 4500 | 4500 | 3000 | 100.0 | 45.0 |
(2025.8ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2021.5期より新会計基準。 2023年 9月末基準で 1:1の分割、 2025年 5月末基準で 1:2の株式分割を実施。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/daito202511.pdf
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