今週のポイント
自民党総裁選では、高市前経済安保相が勝利して新たな総裁に選出されました。市場では高市新総裁は“積極的な財政”や“緩和的な金融政策”を志向しているとみられており、豪ドル/円やメキシコペソ/円などの対円の通貨ペアは引き続き堅調に推移する可能性があります。
RBNZ(NZ中銀)の政策会合が8日に開かれます。市場では利下げ幅について見方が分かれているため、RBNZの政策決定に豪ドル/NZドルやNZドル/米ドルが反応しそうです。
10日にはカナダの9月雇用統計が発表されます。雇用統計の結果を受けてBOC(カナダ中銀)の先行きの金融政策に対する市場の見方が変化するかに注目です。
メキシコの9月CPI(消費者物価指数)が9日に発表されます。BOM(メキシコ中銀)は9月25日の会合で0.25%利下げすることを決定し、声明では「政策金利のさらなる調整を検討する」と改めて表明。市場では、次回11月6日の会合で0.25%の追加利下げが行われるとの観測があります。9月のCPIが市場予想を上回る結果になれば、追加利下げ観測が市場で後退するとともにメキシコペソにとってのプラス材料になりそうです。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.11000NZドル~1.15000NZドル>
豪ドル/NZドルは9月30日に一時1.14132NZドルへと上昇し、22年10月以来およそ3年ぶりの高値をつけました。市場では、RBA(豪中銀)の追加利下げ観測が後退する一方で、RBNZ(NZ中銀)の積極的な利下げ観測が高まっており、それが足もとの豪ドル/NZドルの上昇要因と考えられます。
RBNZの政策会合が8日に開かれます。市場は利下げが行われることをほぼ確実視しています。会合における最大の焦点は、どの程度の利下げが行われるのか。利下げ幅について市場の見方は分かれており、OIS(翌日物金利スワップ)によると、3日時点で市場が織り込む利下げ幅の確率は、0.25%が約6割、0.50%が約4割です。仮に利下げ幅が0.25%ならば、NZドルが堅調に推移して豪ドル/NZドルには下落圧力が加わると考えられます。
RBNZの声明や会合の議事要旨にも目を向ける必要がありそう。それらでは、11月会合以降の金融政策についてどのようなヒントが示されるかに注目です。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.38000カナダドル~1.40500カナダドル>
10日にカナダの9月雇用統計が発表されます。雇用情勢はBOC(カナダ中銀)の金融政策判断に影響を与えると考えられるため、カナダの雇用統計の結果に米ドル/カナダドルが反応しそうです。
BOCは9月17日の政策会合で0.25%利下げすることを決定。政策金利を2.75%から2.50%へと引き下げました。BOCは利下げする理由を「(カナダ)経済が減速し、インフレの上振れリスクが低下していることから、今後のリスクをより均衡させるため」と説明。マックレム総裁は会合後の会見で「リスクが一段と傾く場合、さらに行動する用意がある」と述べ、追加利下げに含みを持たせました。
市場では、BOCは次回10月29日の会合で0.25%の追加利下げを行うとの見方が大勢。OIS(翌日物金利スワップ)によると、3日時点で市場が織り込む10月の利下げ確率は約6割です。カナダの雇用統計が市場予想と比べて強い結果になれば、BOCによる追加利下げ観測が後退するとともにカナダドルにとってのプラス材料になりそう。その場合、米ドル/カナダドルは軟調に推移すると考えられます。
米国のシャットダウン(政府機能の一部停止)のゆくえにも注目です。シャットダウンが続く場合、米ドル/カナダドルの上値を抑える要因(米ドルにとってのマイナス材料)になりそうです。
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