【IRアナリストレポート】メディカルシステムネットワーク（4350）

～薬局のネットワーク事業で業界 No.1、地域薬局支援部門を拡大～

ポイント
・1Qは減益スタートとなったが、今2026年3月期は増益に転換しよう。医薬品ネットワーク部門などの薬局支援4部門が、地域薬局部門の収益をカバーしてくることによる。前期は、処方箋枚数の減少、仕入価格の上昇、人件費の上昇、医薬品物流部門への投資などが負担となり、薬局支援部門は順調であったが、コスト増をカバーできなかった。

・今期は、中期計画の最終4年目に当たるが、営業利益目標の65億円には届かない。薬局支援部門は伸びてきたが、地域薬局部門の収益の落ち込みが想定を上回っている。薬局支援部門のネットワークはしっかり育ってきているので、次期計画においては、ここを成長ドライバーとして顕在化できるかどうかがカギとなろう。

・今期は、薬局支援4部門で、1）医薬品ネットワーク12000件（+997件）、2）医薬品製造販売9000店（+1819店）、3）医薬品物流3700件（+2128件）、4）デジタルシフト6850店（+830店）を目指す。1Qは順調であった。

・薬局支援4部門のネットワーク効果の新たな追求に期待したい。実際、医薬品ネットワークで1.5万件、フェルゼンファーマ1.5万店、つながる薬局2万店、医薬品物流1万件を目指す中で、このサプライチェーンをいかに付加価値の高いバリューチェーンに変えていけるか。地域薬局の500店は、そのモデル店として機能を発揮できるのか。

・MSNWの企業価値は市場で十分認識されていない。薬局事業（地域薬局部門）の売上規模が大きい割に、収益性が低い。自力での内部成長性が高くないとみられている。次の4カ年計画では、薬局支援部門を軸に、営業利益で+20～+45億円の改善が見込めよう。2030年3月期の営業利益で55～80億円が視野に入ろう。

・ネットワークの和集合が積集合に転換していくとともに、付加価値の向上が図れ、生産性と収益性がついてくることになろう。次の10年では、薬局支援が本業となる企業を目指すことになろう。薬局支援部門が業績をリードするスピードが早まってくれば、株式市場での評価も高まってこよう。

目次
1.特色薬局に独自のネットワークシステムを築く
2.強み薬局のネットワークで圧倒的トップを確立
3.中期経営方針新たなプラットフォームによる企業価値創造に向けて
4.当面の業績2026年3月期は増益に転換へ
5.企業評価医薬品ネットワーク部門を柱とした連携効果に期待

メディカルシステムネットワーク <4350>

企業レーティング	B
株価 （2025年8月20日）	482円
時価総額	148億円 （30.64百万株）
PBR	0.87倍
ROE	8.1％
PER	10.8倍
配当利回り	2.5％
総資産	71775百万円
純資産	16256百万円
自己資本比率	22.5％
BPS	552.8円

（百万円、円）

決算期	売上高	営業利益	経常利益	当期純利益	EPS	配当
2017.3	88865	2113	2109	571	19.3	10.0
2018.3	93977	3163	3250	1022	34.5	10.0
2019.3	98232	1428	1501	462	15.3	10.0
2020.3	105241	1615	1560	-895	-29.5	10.0
2021.3	104257	3429	3479	2198	72.5	10.0
2022.3	106685	3852	4313	2394	79.4	12.0
2023.3	109551	3163	3355	1610	53.4	12.0
2024.3	115361	3832	3825	1860	61.9	12.0
2025.3	122387	3154	3162	1262	43.2	12.0
2026.3（予）	125500	3400	3200	1300	44.5	12.0
2027.3（予）	132000	4000	3800	1700	58.2	14.0

（2025.6ベース）

（注）ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。
　
企業レーティングの定義：当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A：良好である、B：一定の努力を要する、C：相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/medelikarusisutemuneltutowa-ku202508.pdf

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