*17:09JST ロココ Research Memo(9):人材投資の継続とServiceNow事業等の成長により収益拡大を目指す
■ロココ<5868>の今後の見通し
2. 成長戦略
同社は今後の成長戦略として、1) 成長の源泉となるエンジニアの採用・育成強化、2) 高成長が続くServiceNow事業のさらなる成長、3) コンサルティングビジネスの展開、4) 顔認証システムの研究開発強化によるソリューション事業の収益力向上の4点を掲げ、新規顧客の獲得及び既存顧客のクロスセル・アップセルに取り組みながら成長を目指す方針だ。
(1) エンジニアの採用・育成強化
エンジニアの採用強化施策として、新卒採用の早期化対応とインターンシップ制度の活用による早期戦力化を進めるほか、キャリア採用についても引き続き強化する。新卒採用については2025年春の35名に続き、2026年春は50名と過去最高水準を計画している。また、キャリア採用についても60歳以上まで募集範囲を広げ積極的に採用を進める方針だ。老朽化したITシステムはCOBOL※でプログラミングされているため、COBOLに精通したベテランのエンジニアが今後は必要になってくると見ている。2024年12月末時点で558名体制となっているが、今後も年間1割程度のペースで増員するものと見られる。
※ 1959年に事務処理用に開発されたプログラミング言語で、プログラミングの主流言語の1つ。
さらに、採用したエンジニアについては各種技術資格の取得を推進し、スキルアップを図ることで高付加価値または高単価案件を獲得していくほか、働き方改革や職場環境の改善に取り組むことで定着率の維持向上を図る。
(2) ServiceNow事業の強化
ServiceNow事業については既述のとおり、大企業のDXニーズを追い風に旺盛な需要が続いている状況にある。またServiceNowの会長兼CEOが日本経済新聞社の取材で「今後日本市場に20億ドルの投資を行う」とコメントしていることもあり、当面は年率2ケタ台の高成長が続く見通しだ。このため参入企業が増加し、競争が激しくなることも予想されるが、同社は数多くの開発実績とノウハウを蓄積し、顧客満足度の高いサービスを提供するEliteパートナーに認定されている強みを生かし、認定資格取得者の育成を進める方針だ。ServiceNow事業は年率2ケタ成長を続け、収益をけん引していくものと期待される。
(3) コンサルティングビジネスの展開
企業が抱えるITシステムの「2025年の崖」問題※をビジネスチャンスと捉え、今後はコンサルティングビジネスを展開することによって企業のDXを推進し、多角的なサービス展開によるワンストップサービスの実現を目指す。
※ 経済産業省が2018年に発表したDXレポートにおいて、企業のDXを阻害している要因として、既存システムの複雑化・老朽化・ブラックボックス化を挙げ、既存システムが残る場合に2025年以降に予想される経済損失は最大で年間12兆円にのぼる可能性があると指摘し、「2025年の崖」問題と言及した。最近では、大手ERPベンダーのSAPが既存システムのサポート終了期限を2025年から2027年まで延期したこともあり、2027年問題とも呼ばれている。
大企業についてはここ数年、DX投資が活発に行われているが、中堅及び中小企業においては経営者のITシステムに対する理解が不足していることやDX人材が社内に不足していることもあって、老朽化した既存ITシステムの見直しが進んでいない企業が多い。こうしたなか、同社では売上規模200〜1,000億円の中堅企業をターゲットに、銀行と連携しながら経営トップに対するコンサルティング営業を行い、ITシステム刷新の重要性とその効果について訴求し、受注獲得につなげていく戦略だ。IT投資に必要となる資金計画については銀行で提案する。
(4) 顔認証システムの研究開発強化
顔認証システムについて、同社では入退場管理システムを中心に各種ソリューションを展開しているが、さらなる品質の向上と競争力強化を目的に、ポーランドに研究開発拠点を開設した。顔認証システムの研究開発は従前、国内で5人のチームで行ってきた。ポーランドは国家主導でIT人材育成政策を推進してきたこともあり優秀なIT人材が多く、今後現地で2〜3名のエンジニアを採用し、顔認証技術の精度向上などに国内の研究開発チームと共同で取り組んでいく。
現状でもイベントの入退場管理などに導入されるなど競合大手と性能はほぼ同水準だが、高速動作する被写体などの精度にはまだ改善余地があるようで、研究を進めながら性能を高めていく。また、音声認証などその他の生体認証システムの開発なども進めるほか、将来的には「ServiceNow」の技術者も育成する考えだ。顔認証も含めた生体認証システムは様々な用途での利用が考えられ、潜在的な成長ポテンシャルが大きいほか、限界利益率の高いビジネスだけに売上が拡大すれば利益面へのインパクトも大きく、今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 成長戦略
同社は今後の成長戦略として、1) 成長の源泉となるエンジニアの採用・育成強化、2) 高成長が続くServiceNow事業のさらなる成長、3) コンサルティングビジネスの展開、4) 顔認証システムの研究開発強化によるソリューション事業の収益力向上の4点を掲げ、新規顧客の獲得及び既存顧客のクロスセル・アップセルに取り組みながら成長を目指す方針だ。
(1) エンジニアの採用・育成強化
エンジニアの採用強化施策として、新卒採用の早期化対応とインターンシップ制度の活用による早期戦力化を進めるほか、キャリア採用についても引き続き強化する。新卒採用については2025年春の35名に続き、2026年春は50名と過去最高水準を計画している。また、キャリア採用についても60歳以上まで募集範囲を広げ積極的に採用を進める方針だ。老朽化したITシステムはCOBOL※でプログラミングされているため、COBOLに精通したベテランのエンジニアが今後は必要になってくると見ている。2024年12月末時点で558名体制となっているが、今後も年間1割程度のペースで増員するものと見られる。
※ 1959年に事務処理用に開発されたプログラミング言語で、プログラミングの主流言語の1つ。
さらに、採用したエンジニアについては各種技術資格の取得を推進し、スキルアップを図ることで高付加価値または高単価案件を獲得していくほか、働き方改革や職場環境の改善に取り組むことで定着率の維持向上を図る。
(2) ServiceNow事業の強化
ServiceNow事業については既述のとおり、大企業のDXニーズを追い風に旺盛な需要が続いている状況にある。またServiceNowの会長兼CEOが日本経済新聞社の取材で「今後日本市場に20億ドルの投資を行う」とコメントしていることもあり、当面は年率2ケタ台の高成長が続く見通しだ。このため参入企業が増加し、競争が激しくなることも予想されるが、同社は数多くの開発実績とノウハウを蓄積し、顧客満足度の高いサービスを提供するEliteパートナーに認定されている強みを生かし、認定資格取得者の育成を進める方針だ。ServiceNow事業は年率2ケタ成長を続け、収益をけん引していくものと期待される。
(3) コンサルティングビジネスの展開
企業が抱えるITシステムの「2025年の崖」問題※をビジネスチャンスと捉え、今後はコンサルティングビジネスを展開することによって企業のDXを推進し、多角的なサービス展開によるワンストップサービスの実現を目指す。
※ 経済産業省が2018年に発表したDXレポートにおいて、企業のDXを阻害している要因として、既存システムの複雑化・老朽化・ブラックボックス化を挙げ、既存システムが残る場合に2025年以降に予想される経済損失は最大で年間12兆円にのぼる可能性があると指摘し、「2025年の崖」問題と言及した。最近では、大手ERPベンダーのSAPが既存システムのサポート終了期限を2025年から2027年まで延期したこともあり、2027年問題とも呼ばれている。
大企業についてはここ数年、DX投資が活発に行われているが、中堅及び中小企業においては経営者のITシステムに対する理解が不足していることやDX人材が社内に不足していることもあって、老朽化した既存ITシステムの見直しが進んでいない企業が多い。こうしたなか、同社では売上規模200〜1,000億円の中堅企業をターゲットに、銀行と連携しながら経営トップに対するコンサルティング営業を行い、ITシステム刷新の重要性とその効果について訴求し、受注獲得につなげていく戦略だ。IT投資に必要となる資金計画については銀行で提案する。
(4) 顔認証システムの研究開発強化
顔認証システムについて、同社では入退場管理システムを中心に各種ソリューションを展開しているが、さらなる品質の向上と競争力強化を目的に、ポーランドに研究開発拠点を開設した。顔認証システムの研究開発は従前、国内で5人のチームで行ってきた。ポーランドは国家主導でIT人材育成政策を推進してきたこともあり優秀なIT人材が多く、今後現地で2〜3名のエンジニアを採用し、顔認証技術の精度向上などに国内の研究開発チームと共同で取り組んでいく。
現状でもイベントの入退場管理などに導入されるなど競合大手と性能はほぼ同水準だが、高速動作する被写体などの精度にはまだ改善余地があるようで、研究を進めながら性能を高めていく。また、音声認証などその他の生体認証システムの開発なども進めるほか、将来的には「ServiceNow」の技術者も育成する考えだ。顔認証も含めた生体認証システムは様々な用途での利用が考えられ、潜在的な成長ポテンシャルが大きいほか、限界利益率の高いビジネスだけに売上が拡大すれば利益面へのインパクトも大きく、今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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