【QAあり】ディジタルメディアプロフェッショナル、2025年度に次世代エッジAI推論チップ量産開始予定 10兆円以上の市場で成長加速
会社概要
山本達夫氏(以下、山本):代表取締役会長兼社長CEOの山本です。株式会社ディジタルメディアプロフェッショナルの説明を始めます。よろしくお願いします。
当社は、GPU専業の会社として2002年に創業しました。GPUとは、Graphics Processing Unitの略称です。
おそらく投資家のみなさまはNVIDIAという会社をよくご存じかと思いますが、当社も、NVIDIA社と同様にGPUの技術を開発してきた会社です。2016年頃からはAI(人工知能)にも軸足を持って事業を展開しており、その点もNVIDIA社とは非常に似通っています。
ただし、NVIDIA社はどちらかというとデータセンターのAI、学習分野でのAI、あるいはハイエンドPCのグラフィックスを中心にビジネスを行っています。
それに対して当社は、例えば自動車や、産業機器のような分野での組み込みの低消費電力のGPU、つまり小型の機器に力を入れています。また、AIに関しても、我々は「エッジAI」という、デバイス側のAIを効率よく動かす、推論分野でのAIに注力しています。NVIDIA社とはそのような違いがあります。
GPUは全世界レベルで見ても非常に高度な技術です。例えばGPUの技術を有している会社は、米国ではNVIDIA社、AMD社、Intel社、あるいはApple社、ヨーロッパではイギリスのARM社やImagination Technologies社のような会社になります。そして、日本でGPUの技術を持つ唯一の会社が当社です。GPUは非常に高度な技術で、これをベースにいろいろなAI技術の開発も行われていると考えていただければよいかと思います。
当社は東京都中野区に本社があります。2002年に創業し、2011年には東証マザーズ(現東証グロース)に上場しています。社員は約65名で、現在、本社とベトナムの開発センターの2拠点で会社を運営しています。
業績推移
山本:業績について少しお話しします。上場当時は、任天堂のゲーム機向けのIPライセンスビジネスが主体でしたが、その後、アミューズメント向けのLSI開発・販売、また近年はAIに注力しています。
スライドのグラフに記載したとおり、2021年頃、コロナ禍の影響で少し落ち込みがありましたが、その後、アミューズメント分野、製品事業の伸長により、業績は大幅に向上してきています。
また、2025年3月期は新たな事業として、次世代のエッジAI推論チップ開発に着手しています。これが来期から量産に入り、今後の長期的な成長エンジンになっていくと考えています。
DMPのパーパス
山本:当社のパーパスは「Making the Image Intelligent」で、「画像を知能化する」というものです。
画像の知能化 - 現実世界の問題解決
山本:画像を知能化することによって解決できる社会課題としては、例えば、農業機械の自動化、自律化あるいは省力化です。または、昨今かなり話題になっているドローン等によるインフラの点検、あるいは自動車の安全運転に関する技術、AR、VR、メディカルなどです。非常に多岐にわたる分野で、画像の知能化が社会課題解決につながる重要な技術になっていきます。
DMP事業内容
山本:当社の業績を振り返ってみると、創業以来、スライドに「IPライセンス」と記載したGPUのライセンス事業を展開してきています。例としては、「ニンテンドー3DS」、そしてテレビ、プリンター、デジタルカメラ等です。デジタルカメラの分野では、当社のGPUが日本のほとんどのメーカーに採用されています。
その後、AIプロセッサーのIPライセンスを開始しており、GPUと合わせ、これまでにお客さまが出荷した当社IP搭載の機器の台数は約2億台に達しています。
2016年頃からはAIの開発を本格化し、セーフティ、安全運転支援分野で、例えばデンソーテン向けにソフトウェアプラットフォームの展開を行っています。最近では、AIを使った非常に先進的なロボットの開発および販売を行っています。
スライド右上に記載した「ファブレス半導体」は、事業の中で非常に大きな部分を占めている、アミューズメント向けのSoC(System on Chip)といわれる半導体「RS1」があるほか、エッジAI推論チップが今後の大きな成長につながっていくと考えています。
DMPの強み
山本:当社の強みは、ドメイン最適化を可能にする専門性です。当社はアルゴリズム、ソフトウェア、ハードウェアに一体的に取り組むことにより、お客さまのドメインに対して最適な技術を開発する専門性を持っています。
これをもとに、これまでGPUの開発、画像コンピューティング、あるいはAIのテクノロジーを開発しており、実際のビジネスとしては、GPU、AIのIP、知財のライセンス等で約2億台の顧客機器出荷実績があります。
それ以外に、SoC、半導体の開発・製造・出荷を行っています。分野としては、AI等を使った分野として最も成長性のあるロボティクスの分野に注力しています。
関本圭吾氏(以下、関本):御社の強みについてうかがえればと思います。不勉強で申し訳ありませんが、やはりGPUといえばNVIDIA社というイメージがあると思うのですが、御社は彼らと違い、どのような知見がお客さまに評価されているのでしょうか? 特にデジタルカメラなどではコストパフォーマンス、消費電力、あるいは処理の速度なのか、このあたりはどのように考えればよいのか教えてください。
山本:大変良いご質問だと思います。基本的には「低消費電力で高性能」がキーポイントになります。
また、実際のシリコンというのは半導体の大きさがコストに直接反映されてきます。当社は小さなシリコンで消費電力が低く、性能が高いところが、NVIDIA社等に比べた場合の大きな特長です。
また、我々のビジネスモデルの強みは、それぞれのドメインの、例えばデジタルカメラやゲーム機などの民生機器や産業機器、お客さまのドメイン・分野に対して最適化を行うことです。そのドメイン・分野にとって重要な部分を最適化していきます。
例えば、コストが重要なお客さまもいますし、性能が重要なお客さま、または消費電力が最も重要なお客さまもいます。我々の消費電力、性能、コストのバランスを、お客さまの優先順位に合わせて最適化していくことが、我々のビジネスモデルの非常に強いところです。
関本:なるほど。やはりNVIDIA社の汎用品とは違い、ものに合わせて、というところですね。
山本:おっしゃるとおりです。完全な汎用品と、ドメインに特化したものという違いがあります。
製品事業
山本:製品事業についてお話しします。ファブレス半導体事業ではアミューズメント向けのGPUチップ、ロボティクス事業ではAI搭載のピッキングシステム「Cambrian Vision System」を販売しています。それぞれについて、簡単にご説明します。
RS1 アミューズメント向けSoC
山本:まず、アミューズメント向けSoC「RS1」は、DMP独自のGPUを使った、業界初のリアルタイムの3Dグラフィックスチップです。これは、我々が任天堂にライセンスしたGPUをベースにし、そこから2世代、3世代も進化した3Dのグラフィックスエンジンを搭載しています。
非常に高性能な動画エンジンも搭載しています。この動画エンジンは、アミューズメント業界特有のものです。非常にハイスピードな、モンスター級のエンジンを積んでいます。これらを合わせることによって、アミューズメント業界に最適な製品を生み出しています。
パチスロ業界では、シェア1位のサミーと2位のユニバーサルエンターテインメントの2社をはじめ、サミーとユニバーサルエンターテインメントの合弁会社であるジーグ社があり、こちらで業界向けの標準筐体を作っています。
そこの筐体に当社のグラフィックスチップが入っており、これが、サミー、ユニバーサルエンターテインメント以外のお客さまにも拡販が進み、この業界でシェアを拡大させています。
この業界に関しては、「成長していないのでは」というご意見もありますが、依然として非常に大きな市場です。スライドの写真のようなパチンコ・パチスロ台は年間150万台ぐらい作られています。
当社はその中で、非常に高い技術を使って最適化することによって、この業界において、性能、機能のみならず、お客さまのコスト削減に大きく貢献しています。今後もかなり長い期間において、この分野は当社に大きな収益をもたらしていきます。そのような収益エンジンになっています。
Cambrian Vision System
山本:「Cambrian Vision System」についてです。これはロボットのピッキングシステムです。
スライドの写真を見るとおわかりになると思いますが、中央にカメラがついています。産業用ロボット、あるいは協働ロボットのアームにカメラをつけて、実際に物を見ながら作業するというものです。ここにAIを導入しました。
当社ではなくCambrian社というイギリスのベンチャー企業のシステムですが、そこの技術・製品を導入して、当社が日本で総代理店として独占的に販売しています。これはAI、そして実はゲームの技術を大いに使っており、それを産業用のロボットに使うことによって、非常に高い性能を実現しています。
これに関しては、最近「フィジカルAI」という言葉が出てきています。おそらく専門的な言葉ですので、みなさまはご存じないかもしれませんが、これがどのように革新的なのかお話しします。
まず、ロボットが作業する環境を仮想空間の中に作ります。これは「デジタルツイン」と呼ばれていますが、仮想空間の中に、ロボットとその環境、そしてロボットが作業する対象物などをすべて入れてしまいます。これはまさにゲームの世界です。その中で、コンピューターを使い、いろいろと条件を変えてシミュレーションします。
ロボットが仮想空間の中で物を取りに行ったりする作業、その時の外乱光などの環境をすべてシミュレーションして、そのような作業をロボットに教え、トレーニングします。そうすると、ロボットが現場に設置された時に、すぐに作業が始まります。そもそもすでにすべてトレーニングしていますので、どのような外乱光が入ってきても、窓から西日が差してきても、ロバストに動きます。
他のロボットビジョンでは、設置してから調整に入り、そこからキャリブレーションしていくため、立ち上げるのに数日から数週間かかるケースが多いのですが、「Cambrian Vision System」の場合は、AIのトレーニングとゲームの技術を融合し、フィジカルAIという最新の技術を使うことによって、多彩な作業を人間のようにこなすことができます。
Cambrian Vision System
山本:市場についてはスライドに記載のとおりです。
Cambrian Vision System 優位性
山本:「Cambrian Vision System」の特徴についてです。我々の競合としては、日本でも非常に大きな産業機械用のメーカーがあるほか、最近は中国の会社が入ってきています。汎用の金属加工品や樹脂、プラスチックの加工品のようなものは、競合企業のビジョンシステムでもできます。
一方で、スライドの図の上記3つ、1ミリ以下の部品などの微小物、光沢物、あるいは透明物をロボットが扱うことは、今まではほぼ不可能と考えられていました。しかし、Cambrian社のAI技術を使うことによって、これらがピッキング可能となり、認識して作業ができるようになりました。
これは非常に革新的なことで、当社の認識では、世界でもこれらの作業ができるのはこのビジョンシステムのみという状態になっています。
Cambrian Vision System
山本:適用範囲としては、このようなピック&プレースという作業、またはケーブルを差す作業、あるいは、例えばガス漏れ検査などの各種検査、さらに組み立て作業などができます。その中で、透明部品のピッキングのデモをお見せします。
Cambrian Vision System
(動画始まる)
山本:今、動画が流れていますが、透明の小さな部品をCambrian社のピッキングシステムが、ピッキングしているところです。このような透明の小さい部品を正確にピッキングすることが可能になっています。
次の動画は、ケーブルハンドリングです。自動車向けが主なのですが、自動車の中のコネクタを見つけ、ケーブルを挿して、このようにルーティングしていき、さらに最終的にはコネクタに挿すことができます。
(動画終わる)
実はこれは非常に難しい作業で、今まで自動車メーカーが最も悩んでいたところです。非常にたくさんの人手がかかりますが、これができるようになったことで、日本の自動車業界はかなり興奮している状況です。当社は、日本のすべての大手自動車メーカーとお話をしています。
Cambrian Vision System
山本:この「Cambrian Vision System」を使って、花王の小田原工場の動的セル生産システムを構築しています。花王の透明の化粧ボトルなどを扱う工程です。こちらもビデオの再生をお願いします。
(動画始まる)
今動いているロボットは、「Cambrian Vision System」で透明ボトルをピッキングしています。このようなところの作業に使われています。
(動画終わる)
半導体向けIP(Intellectual Property)
山本:半導体向けIPのライセンスビジネスについてお話しします。こちらを詳しくご説明する前に、IPライセンスモデルについて、おそらく初めてお聞きになる投資家の方もいらっしゃると思いますので、どのようなものか少しお話しします。
IPライセンスビジネスとは
山本:1つの例ですが、スライドの一番左側にあるのがお客さまの製品です。例えば実際に我々のお客さまである任天堂のゲーム機、あとはデジタルカメラ、あるいはテレビです。
このような製品の中には、100パーセントの確率でメイン基板が入っており、その上にSoCというシステムが集積された非常に大きな半導体が載っています。ここにCPUなどいろいろなものが入っています。
SoCは、例えば半導体メーカー、あるいはお客さまが直接開発されることもありますが、その中の必要な機能、例えばGPU(グラフィックス)やAI(人工知能)の機能は、当社が設計しており、設計したブロックを提供します。
これは回路図と考えていただいてもよいのですが、我々が回路を作り、それを駆動するソフトウェアをバンドルしてお客さまに提供し、お客さまが当社のそのようなプロセッサーをSoCの中に入れ込むことでシステムができます。
ビジネスモデルとしては、当社が最初に技術を提供した時に、初期ライセンスということでライセンス料をもらい、その後は、お客さまの製品が量産に入った時に1台売れるたびに、一定の金額が入ってくるという仕組みです。当社のお客さまの中には、長いお客さまでもう15年以上、当社とライセンスビジネスを契約していただいています。
何年かに1回はSoCを改変していくため、そのたびに新しい技術を提供して、また量産のロイヤリティが発生し、さらに新しい技術を、というサイクルを繰り返していきます。非常に長期的なビジネスで、お客さまとも非常に密な関係を持っています。
関本:ライセンスビジネスについてもう少しうかがいたいのですが、御社で作ってライセンスするのは非常に利益率などが高いビジネスなのかと思ったのですが、そのような認識でよいものでしょうか?
山本:例えば、海外で最も有名なライセンスビジネスの会社はARM社です。ARM社はソフトバンクの傘下にあり、IPOした会社ですが、GPUではなくCPUをライセンスしており、このような民生機器の95パーセント以上がARM社のCPUを使っています。
我々とまったく同じビジネスモデルです。ARM社がCPUのブロックを提供し、お客さまがそれをSoCの中に搭載するのと同様に、我々はGPUを提供します。そのようなかたちのビジネスです。
半導体向けIP(Intellectual Property)
山本:我々は、AIプロセッサー「A3000V2」と、ずっと扱ってきているGPU、カメラ関係のステレオビジョンという特殊なIP、以上3つをライセンスしています。
AI推論プロセッサーIP
山本:当社のAIプロセッサーを使った1つの例として、TVS REGZA社とその親会社Hisense社のテレビがあります。日本で売れているテレビのうち4台に1台はTVS REGZA社のもので、日本で1番売れています。Hisense社は世界第2位のシェアを持つテレビメーカーです。こちらのハイエンドモデルに当社のAIプロセッサーが入っています。
テレビのいろいろなコンテンツ、あるいは「Netflix」の映画でもよいのですが、それに対してAIがいろいろな判断をします。例えば背景をぼかして立体感をつけたり、スーパーレゾリューションといって解像度を上げて非常にきれいな絵を作ったり、ノイズを除去したりしています。
私は実は「REGZA」のテレビを買って自社の提供したAIのメリットを享受しているのですが、テレビのコンテンツとは思えないほど、美しくビビッドな体験ができますので、みなさまもぜひ買っていただきたいと思います。
A3000V2の特徴
山本:当社のAIプロセッサーは非常にスケーラブルで、マルチコアといって多重化することによって性能がどんどん上がっていきます。また「ONNX」というある層をサポートしており、そこでいろいろな、AIで使われている最新のフレームワーク、と言うと少し難しいですが、「TensorFlow」や「PyTorch」などが動きます。
また、当社の最も得意とするパワーマネジメント、つまり電力を下げる技術などが駆使されており、非常に少ないパワーで高い性能を発揮します。
生成AI時代に対応するA3000V2
山本:1つの特徴としては、FP4(Floating-Point 4-Bit)という機能があります。これは昨年NVIDIA社が発表した新しい技術です。
今NVIDIA社の「Blackwell」という新しいAIチップが量産に入ったことが非常に話題になっていますが、そこに採用された新しいFP4という技術を、当社がこのエッジ側のAIとして世界で初めて採用しています。
この技術によって、特に「ChatGPT」というモデルでの大幅な性能の向上、あるいはメモリのサイズの削減などが達成されています。
A3000V2 ターゲット分野
山本:これがライセンスできる先としては、スライドに記載したような、ドローン、車、高性能AIカメラシステム、コンシューマ、ロボティクスなどがあります。
DMP 次世代エッジAI推論チップ
山本:時間の関係でソフトウェア製品のページは割愛します。もしお時間があれば、後ほどご覧いただければと思います。
当社のAIの製品についてお話しします。実は一昨日、当社の決算発表の時に、次世代のエッジAIの推論チップを作っていることを発表しています。
エッジAI推論チップについては、おそらくなかなかご理解いただくのが難しいと思いますので、ご説明します。まずは、「エッジ」「AI」「推論」の3つの言葉を頭の中に入れていただければと思います。
クラウドAI vs. エッジAI
山本:まず、「推論」です。AIの活用には「学習」と「推論」の2つのフェーズがあります。
「学習」については、例えばNVIDIA社の「Blackwell」などは、大きなGPUと莫大な電力を使ってデータセンターで学習させます。
学習の対象はわかりやすい例を挙げると、車の自動運転です。これをコンピューターにすべて覚えさせます。AIを使い、いろいろな道路のシーンや信号、横断歩道などを覚え込ませて、それを1つのモデルとして自動運転モデルができます。
今の「ChatGPT」や、話題になっている「DeepSeek」などは、インターネットの情報をすべて入れてしまいます。したがって、今はもうインターネットのすべての情報はAIの中に入っています。
それを使って行うのが「推論」というものです。学習されたデータをもとに実際にAIが推論して動きます。例えば自動運転で、自動運転の学習されたモデルを車に載せると、車が自動で走り出します。あるいは「ChatGPT」が、インターネットの情報をもとにいろいろな受け答えをします。
このような使い方が推論です。スライドに記載したように、カメラや、スマートフォン、PC、そして車そのものも推論をするわけです。非常に用途が広いです。
そこでキーワードとなるのが、スライドに記載した「マルチモーダル」です。おそらくみなさまもAIをお使いになっていると思いますが、AIとはテキストでやり取りすると思います。ところが今のAIは、画像を理解することができます。AIに画像を入れると、例えば「コーヒーショップで30代の男性がコーヒーを飲んでいる」というテキストが出てくるわけです。
さらに、現在は動画も理解できるようになりました。AIに映画を入れて、シナリオを生成することもできます。あるいは「トランプ氏が演説している動画を作ってください」と言うと、トランプ氏にそっくりの人物の動画ができたり、映画もできてしまったりするような感じです。動画も入出力に使えますし、声によるやり取りもできます。
先ほどフィジカルAIのお話をしましたが、最近では、AIが人間を介さずに直接ロボットを制御できるようになっています。AIが物をつかんだり、ヒューマノイドという人間の形をしたロボットがさまざまな作業を行ったりしています。
つまり、いろいろなメディア、媒体が増えていくことによって、推論の世界は爆発的に増えていきます。いろいろなデバイス、いろいろな用途で、いろいろな入出力を使って増えていきます。
市場のサイズ感で言うと、学習を1とすると、おそらく推論はその1,000倍もしくは1万倍程度大きな市場があります。
また、スライド下部にクラウドAI・エッジAIとあります。この違いですが、クラウドAIのほうは、データセンターなどで大きなコンピューターを使って処理します。エッジAIのほうは、スマートフォンやカメラなどのデバイスでAIを利用します。
エッジAIの利点と成長性
山本:スライドに、エッジAIの利点と成長性についてまとめました。
まずは、リアルタイム性です。遅延がなく、リアルタイムにその場で処理ができます。次に、低い通信コストです。カメラの画像などをすべてクラウドに送らなくてもよいため、低い通信コストで利用できます。
続いて、プライバシーとセキュリティです。カメラに写った画像のプライバシーが、そのカメラから出ることはありません。「30代のアジア人の女性」といった属性データしか出ていきませんし、顔の画像が出ることもありません。そのような意味で、プライバシーが守られます。
また、製造現場にたくさんのAIを分散しておくことができます。そのようなスケーラビリティもあります。
このようにエッジAIにはいろいろなメリットがあります。
DMP 次世代エッジAI推論チップ
山本:当社では、推論をエッジで行うAIのチップを開発しています。非常に大きな市場があり、2032年で10兆円以上と言われています。
当社はこの市場で、当社の先端的なAIプロセッサーと、我々のパートナーである台湾のiCatch Technology社のカメラ関係の技術を使い、非常に高品位の画像を使った精度の高いAIをエッジ側で実現していきます。
また、先ほどお話ししたNVIDIA社の新しい技術であるFP4を世界で初めて実装することによって、NVIDIA社製品で学習したものを動かすことについて非常に親和性が高くなっています。
現在の状況ですが、2026年初旬から決まっているお客さまが1社あり、量産が始まります。現在は、そのお客さまと製品の開発を進めているところです。
DMP エッジAI推論チップ
山本:エッジAI推論チップの応用範囲です。
エッジAI推論チップをモジュールやボードに載せたり、あるいは当社のAIソフトウェアと組み合わせたり、また、当社サービスと組み合わせたりして、OEM/ODM・SIer・商社を経由し、さまざまなマーケットセグメントに販売していくことを考えています。
DMP エッジAI推論チップのユースケース
山本:先ほども紹介しましたが、ドローンを使ったインフラの保守・点検の例を挙げています。ドローンは非常に速いスピードで飛ぶのですが、ここで必要なのは、非常に高い画像処理能力とエッジAIです。
つまり、ドローンの上で処理が行われるということです。画像を送らなくても、インターネットにつながっていない状況でも、リアルタイムで画像等を処理する能力が必要になります。
これによって通信量を大幅に抑えることができ、社会インフラの点検という非常に大きな課題を解決することができます。
こちらも、非常に重要なターゲットマーケットと考えています。
今後の取り組み
山本:最後になりますが、スライドには今後の取り組みをまとめています。当社は今後の取り組みとして、「Making the Image Intelligent」のパーパスのもと、ビジネスを加速していきます。
今後の取り組みの1つ目は、冒頭にご紹介したアミューズメント向けのチップについてです。こちらは、周辺ビジネスも取り込みながら、中長期的に安定的成長基盤として確保していきます。
2つ目は、半導体関連投資の強化です。昨今、半導体に対する大きな投資が、日本国内も含めて始まっています。
半導体業界における日本について見てみると、「失われた20年」と言われる空洞の時代があり、半導体の人材や能力がかなり落ちていると言われています。このような大規模なLSIを開発できる会社は、おそらく日本には4社しか残っていません。
そのうちの1社が当社です。あとは大手3社が残っていますが、この3社と当社の大きな違いは、当社はGPUやAIというコア技術を持っていることです。したがって、当社は自社開発した付加価値の高いコア技術の上に半導体を作っていきます。
他社についての名前は申し上げませんが、技術をライセンスしてきて作ることはできるのですが、ほとんど技術的には空洞化しています。当社では、自分の技術で非常に付加価値の高いビジネスを取り込めるという意味で、半導体ビジネスに強みがあります。
これを活かし、エッジAI推論チップをアミューズメント事業に続く長期的な成長の事業基盤としていくことが、当社の戦略です。
3つ目は、生成AIについてです。「ChatGPT」のような生成AIを、我々のソフトウェアの、例えば先進安全運転システム等に取り込むことによって、飛躍的に機能を強化していきます。これにより、競争力を高めていきます。
4つ目は、先ほどご紹介したAIロボットビジョン「Cambrian Vision System」です。こちらは当社がイギリスの会社から導入しているものですが、現在、シナジー効果のある他のロボット商材を日本で販売する計画を立てています。
今後は「Cambrian Vision System」だけではなく、周辺のロボット技術も合わせながら、お客さまに高い付加価値のソリューションを提供していきます。
5つ目は、本日はご紹介できなかったのですが、当社のソフトウェアのプラットフォームビジネス「ZIA MOVE」「ZIA SAFE」の推進です。自律走行ロボットの開発プラットフォーム、あるいは先進安全運転支援システムなどありますが、今後はそちらの技術も推進していく計画です。
ご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:クラウドAIとエッジAIについて
関本:クラウドAIとエッジAIのところで質問です。大規模なデータを入れるには大きなデータセンターで学習させることになる一方で、いざ端末レベルで使おうとすると、やはり御社のような小さいところで、ということでしょうか?
例えば、NVIDIA社の製品には大きなファンがついているため、あのような大きなものを載せるわけにもいかないと思います。そのようなところで、御社のエッジAIが使われるだろうということでしょうか?
山本:そうです。実は、世の中にはデータが非常にたくさんあります。毎日のように新しいデータが生まれてきています。
そのうちの40パーセントのデータが、監視カメラ、あるいはみなさまがスマートフォンで撮る動画です。そのようなデータが、あらゆる種類のデータの中の40パーセントを占めています。その40パーセントを、いかに効率よく処理するかが重要です。
今まで、監視カメラの画像はすべてを見ることはできないため、約98パーセントが捨てられていました。エッジAIでは、入ってきた画像を、AIがエッジでその場で解析していきます。例えば、「犯罪が起きている」「テロが起きている」「災害が起きている」など、すべてエッジAI側で処理できるようになります。
本当に小さいカメラですので、バッテリーや省電力で動いています。炎天下に置かれることもありますが、NVIDIA社の大きなものではすぐに熱でおかしくなってしまいます。そのため、当社製品のような低消費電力で高性能なチップを使って処理していくことが求められます。
質疑応答:エッジAI半導体分野でのビジネスモデルについて
関本:ビジネスモデルとしては、ライセンスをどこかに出しているのでしょうか? もしくは、御社でエッジAIのチップまで作って販売するようなかたちになりますか?
山本:当社でエッジAIのチップを作って販売します。アミューズメントチップと同じです。
質疑応答:エッジAI半導体開発の今後のスケジュールやプロセスについて
関本:エッジAIはこれから開発開始ということでしたが、今後のスケジュールやプロセスとしては、まずはエッジAIに組み込むための低消費電力というところで、パワーがあり小さくて使いやすいものを作っていくということでしょうか? お客さまはすでに見つけられているということですね?
山本:はい。お客さまはいらっしゃいます。
関本:まずは、そのお客さまに向けて販売していくというところが、この1年、2年のスケジュールになりますか?
山本:そうですね。来年度から量産に入り、同時に他のお客さまも立ち上げていきます。いくつかのキーのセグメントにお客さまを立ち上げていくかたちになると思います。
質疑応答:今後の対応能力について
関本:先ほどおっしゃったように、端末は無限とは言いませんが膨大な数があります。例えば、御社がメインプレイヤーになるとして、1社で対応できるのか、人材は足りるのかというところはどのようにお考えですか?
山本:こちらの製品については、パートナー企業である台湾のiCatch Technology社と組んで開発を行っています。お互いが持つ半導体開発基盤をフルに活用し、非常に短期間でチップを開発しています。通常の約半分の開発期間でチップができるような体制を作っています。
したがって、他の用途向けに、例えば機能を絞ったもの、あるいは機能を増やしたもの、あるいはお客さまの特定用途に向けたものなど、さまざまなチップを非常にハイスピードで開発できる体制を作っています。
もちろんリソースの問題はありますが、他社に比べると2倍程度のスピードでチップを製造する体制を作っています。
質疑応答:競合状況について
関本:マーケットが非常に大きく、誰もが参入したがっているのではないかと思います。例えば、GPU技術はなかなかキャッチアップできない技術ですから、このようなビジネスをグローバルで行おうと考えている企業もあるかと思います。
そのような競争相手に対して、どれくらい先んじて取り組んでいくような市場環境であるのか、その競合状況はどのようなものになりますか?
山本:競合状況は、アメリカ、イスラエル等も含めて、海外のベンダーがこの分野に進出しています。ただし、非常に大事なのは、AIのモデル開発やトレーニングを含め、お客さまとはかなり密接に進めていかなければいけないところです。
そのような意味では、海外ベンダーに比べ当社のほうが、日本の市場に関しては圧倒的に優位です。もちろん台湾等の海外市場も取り込みを進めていきますが、現状では圧倒的に優位性が高いといえます。
また、当社のAI技術もさることながら、iCatch Technology社製のカメラ周辺技術は、世界最高峰のものを持っています。そのため、非常に高品位な画像を使ってAIを開発するという差別化ができています。
あるいは、当社はステレオビジョンという特殊なカメラのインターフェイスを備えており、そのような意味で、競争力のあるものを短期間で作ることができます。AIの市場は動きが早いです。半年経つと新しいAIが出てしまいます。
関本:そのとおりですね。
山本:これにいかに対応するかという、スピードが重要です。短期間で半導体を開発するという当社の強みを活かし、AIの新しい流れをキャッチアップしていくあたりが、おそらく当社の競争力になってくるのではないかと思っています。
関本:本当にこの1年で、「ChatGPT」でも新しいものがどんどん出てきています。
山本:そうです。来年にはガラッと変わっています。
関本:どんどんキャッチアップしていかなければいけないですし、専門の企業として取り組んでいくということですね。メーカーはメーカーで自分たちでも取り組み、協力もしながら進めていくような体制であることが理解できました。
質疑応答:エッジAI推論チップの採用先について
関本:個人投資家からも質問が届いています。「エッジAIがどこに採用されるのかについて、国内・海外、どのような分野など、言える範囲で教えてもらえますか?」というご質問です。
山本:それに関しては、まだ申し上げられません。申し訳ありません。
関本:ありがとうございます。販売を開始した後に「実はこれに載っていました」と、「REGZA」のテレビのような感じで知ることができればいいと思います。
山本:楽しみにしていただければと思います。
質疑応答:今後の回収見込みについて
関本:投資家から見た時に、どれだけ投資して、どれだけ回収していくのかは、大事な話だと思います。今回、研究開発費がかなり多額で5億3,000万円ということですが、こちらはどのように回収していくのでしょうか? 2026年1月からの売上はどのように立っていく予定でしょうか? 数値的なイメージなどあれば、ぜひうかがいたいです。
大澤剛氏(以下、大澤):リリースしているとおり、2026年3月期は1月くらいから立ち上がるため、フルイヤーとしては2027年3月期からということになります。
今決まっているお客さまは1つですが、先ほど申し上げたように、いろいろなアプリケーション向けの拡販に加え、iCatch Technology社との協業によってグローバル展開していくことで、収益を急速に立ち上げていく計画です。1年目はなかなか黒字化というわけにはいかないのですが、2年目からだいたい目処が見えるようなかたちで進めていきたいと思っています。
関本:2026年1月にリリースされ、1年目は2027年3月期ということになりますか?
大澤:そうですね。2026年3月期は第4四半期分しかないため、2027年3月期がフルイヤーで貢献してくるという感じです。
関本:2027年3月期、2028年3月期と、どんどん増やしていければということですね。
大澤:そうです。おっしゃるとおりです。
関本:こちらに関しては、まずは実績があって見えてから展開していくのか、もしくは「採用したい」とお問い合わせが来ていたりするのか、どのようなイメージなのですか?
山本:実績を作ってからとなると時間がかかるため、並行で進めていきます。数に限界はありますが、お客さまをなるべく多く立ち上げていきます。シリアルに進めるのではなく、パラレルに進めていくかたちになります。
質疑応答:採用面の競争力やエンジニアの採用・育成について
関本:今後は人材が非常に重要になってくると思いますが、例えば採用面での競争力や、御社の技術力を支えるエンジニアの採用や育成については、どのようにお考えでしょうか?
大澤:先ほど山本が言ったとおり、半導体業界には20年の空洞化、停滞の時期があります。ただし、半導体のエンジニアはけっこう多くいます。したがって、そのような方たちに当社のエッジAI半導体の良さをアピールしながら、キーになる人材を採用していければと思っています。
質疑応答:強みや特徴について
飯村美樹氏(以下、飯村):「御社の強みや特徴について、一言で語れるような、記憶に残るようなもので教えてください」というご質問です。
山本:一言で言うのは非常に難しいのですが、先ほどご紹介したスライドの7ページに沿ってご説明します。
アルゴリズムとソフトウェアとハードウェアを一貫して手掛けるというのは、非常に難しいことです。NVIDIA社やIntel社などのアメリカの会社はこのスタイルですが、日本でこのようなかたちで取り組んでいる会社はほとんどありません。
例えばハードウェアを作る時に、最初の第1ステップのアルゴリズムというのがありますが、最適なハードを作る道筋をきちんとつけていくというのは、なかなかできないことです。
一言で言えるような話ではないのですが、お客さまが当社に来ると、目から鱗が落ちたような状態になります。
従来は、アルゴリズムの会社に行って議論し、次にそれを実装するソフトウェアの会社に行ってソフトを作り、その後、「さあ、できました」とハードウェアの会社に持っていくのですが、ハードウェアの会社からは「こんなものは作れない」とだいたい差し戻しになります。お客さまは各社の間を行き来することになり、なかなか収束しません。
当社であれば、朝からミーティングを始めて昼くらいになると、「もう全部できました」というかたちです。お客さまは非常に感動して帰られます。当社では、最終的に量産を見据えた設計が、お客さまの最初の要求から一気通貫でできます。
それをベースにGPUなどが作られており、これ自体は非常に競争力が高いものです。ドメインといいますか、お客さまのアプリケーションに最適化したものができてきているため、そこでの競争力も高くなっていますが、一言で説明するのはなかなか難しいです。
このような開発モデルが非常に強いということを、強調しておきたいと思います。
飯村:お客さまが驚かれるというくらいですから、大変珍しいということですよね。
山本:そうですね。
飯村:「一言で」ということでしたが、ぜひ、スライドの表のほうをしっかりと覚えていただければと思います。
質疑応答:配当・財務の戦略について
関本:事前にいただいたところも含めての質問です。成長企業に聞くのも難しいところなのですが、配当や財務の戦略についてはどのように考えていますか?
例えば、おそらく今回は、業績のところをアミューズメントのほうで回復されて、累損は解消されたと思います。数年前の配当についてもお話がありましたが、まさにAIなどは大きな投資が要るところだと思います。今一度、還元なのか投資なのか、このあたりのお考えを聞かせてください。
大澤:開発中のエッジAI半導体も含め、当社の属する業界は半導体・AI関連の業界であるため、やはり競争力のある製品がどうしても必要になってきます。その点も含め、今後の事業展開や開発投資、また運転資金というようなものを総合的に勘案し、利益配分については考えていきたいと思っています。
現時点では、株主還元をいつやるか、どの程度でやるかというところは未定ですが、引き続き事業の展開によっては検討していきたいと考えています。
質疑応答:費用のかけ方や投資規模について
関本:おそらくマーケットの規模感や、AIに対しての世の中の動き方を考えると、「5億円、10億円、赤字を掘ってでも投資したい」という会社がいくらでもあるのではと思っています。費用のかけ方や投資の規模感、御社の思いなどあればお聞かせください。
山本:半導体自体が非常にコストの高いものになっており、通常の半導体ですと10億円ではなく、30億円、50億円という桁の投資が必要になってきます。かつ投資の結果、成功する確率がまだ読み切れないというケースが多いですから、非常に難しいビジネスです。したがって、半導体自体から撤退していく企業もたくさんあります。
当社はこのビジネスをもう20年ほどやっており、それなりの実績があります。また、安く作るという観点でいくと、開発のプロセスにおいて、基盤技術を使って作っていくということができるようになってきているため、そこでコストが削減できます。
また、半導体の場合は動かないケースがあります。そこに対する開発段階における検証というのは非常に難しいのですが、当社はその検証に関しても、非常に高い技術と経験を持っています。
半導体を成功させる確率を高めることができており、開発リスクと投資効率、すべて含めて、なるべく成功率を高めるというところに、かなり注力してきています。これまでの実績はお客さまにも評価してもらっているため、あとはいかに開発費を低く抑えるかというところになります。そこについても、いろいろと工夫しています。
質疑応答:強みを活かす分野について
関本:そのあたりの競争というところでは、例えば名前を挙げられていたAppleなど、海外大手も投資したがっていると思います。その中で、御社の強みを活かしていく場合には、どのような分野になるのでしょうか?
山本:今おっしゃったような海外大手の企業は、どちらかというと汎用的なものを作っているケースが多いです。Qualcomm社やIntel社、AMD社、NVIDIA社もそうです。
先ほどもお話ししたように、当社は汎用的なものよりも、ドメインに特化した最適なものを作ります。実はアメリカでもその動きが非常に加速しており、例えばGoogle社やAmazon.com社、Meta社などが、自社のサービスに特化したLSIを作り始めています。
これをドメインスペシフィックと呼んでいますが、当社もドメインスペシフィックの、例えばロボティクスといったところで、競争力のあるものを作っていくビジネスモデルです。そこがおそらく、差別化の一番大きなところだと考えています。
関本:やはり個別のアプリケーション、端末・デバイスに合ったものを作っていくところが大事になるのでしょうか?
山本:そうですね。
質疑応答:エッジAI半導体の価格について
関本:「エッジAIの売上の見通しや目標を教えてください」というご質問です。難しい質問かと思いますので、私から方向性を変えてお聞きします。
NVIDIA社のGPUは1個7万円や10万円と高額です。エッジAIはいろいろと処理ができるものでしたら、けっこうお値段は高いものだと思います。おいくらくらいのものなのでしょうか? 回答が難しい場合は、「難しいです」で大丈夫です。
山本:難しい質問ですね。お客さまの数量によります、というのが模範解答になります。
関本:なるほど、もちろんそうですよね。
山本:ボリュームの大きさ、マーケットの大きさにもよりますが、そのような個別対応のところも含め、それなりに幅はあると考えていただいたほうがよいと思います。
山本氏からのご挨拶
山本:今後も「Making the Image Intelligent」というパーパスのもとに事業を推進し、日本の半導体業界・技術業界を引っ張っていきたいと思っています。ぜひよろしくお願いします。
当日に寄せられたその他の質問と回答
当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。
<質問1>
質問:ベトナムに拠点をおいた理由を教えてください。
回答:ベトナムには若く良質なIT人材が多く存在すること、国民性も勤勉でまじめであること等を総合的に判断し、研究開発拠点を設置しました。
<質問2>
質問:ロボット関連の販売で売れているものはどのような商品ですか?
回答:ロボティクス分野では、「Cambrian Vision System」、自動走行ロボット向けソフトウエアプラットフォーム「ZIA MOVE」等があります。
<質問3>
質問:通常は中期計画で新たな事業を公表し、年度計画にリソース等を織り込んで事業を展開していきますが、今期下方修正を出してまで、急に事業展開するに至った経緯を教えてください。
回答:エッジAIの市場規模、成長性および当社がこれまでGPU、AIプロセッサーの設計・開発・販売において培ってきた豊富な経験・知見、市場実績、競争優位性、さらには台湾iCatch Technology社との協業関係を活かすことで、アミューズメント事業に続く当社の長期的な事業基盤の確立、中期的な企業価値向上に資すると判断し、短期的な業績への影響も考慮した上で、機動的に意思決定したものです。
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