ドル円、一時156円を割り込む FOMCを受けた急速なドル高の調整=NY為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/12/21 06:50
ドル円、一時156円を割り込む FOMCを受けた急速なドル高の調整=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、本日はドル売りが強まり、ドル円も一時156円を割り込む場面も見られた。来週にクリスマス休暇を控える中、本日は今週のFOMCを受けた急速なドル高の調整が強まった。この日発表のPCEデフレータが予想を下回っていたことも、その動きに拍車をかけていたようだ。FOMCを受けたドルの反応は少し過剰との声も多く聞かれてはいた。

 ただ、ドルに対する期待は依然として根強い。2025年のドルは好調なパフォーマンスを示す可能性が高いとの見方がアナリストから出ている。ドルは向こう1年間、好調なパフォーマンスを示す可能性が高いと見ているようだ。

 トランプ氏の1期目の時はドル安が見られていたが、トランプ2.0では同じパフォーマンスを繰り返すことはないという。その理由は、米国債利回りが相対的に高いことや、他国と米国との成長サイクルのかい離など、様々な要因が当時とは異なると指摘。

 一方、米国と貿易を通じて密接に結びついている、あるいは世界貿易サイクルに依存している経済を持つ国および地域の通貨にとっては、見通しは厳しいものになるだろうとも述べた。

 ユーロドルは買い戻しの動きが強まり、一時1.04ドル台半ばまで買い戻される動きも見られた。本日の21日線が1.05ドルちょうど付近に来ているが、目先は21日線水準まで戻せるか注目される。

 ただ、ユーロドルに対する弱気な見方も根強い。向こう1年間にユーロは対ドルで下落し、パリティ(1.00ドル)に近づくとの予想も出ている。トランプ氏の大統領選勝利により、来年は米成長とインフレを押し上げる政策が実施されるとの見通しが強まっているが、この予想が裏付けられたとという。

 ポンドはNY時間に入って買い戻しが優勢となり、ポンドドルは一時1.26ドル台まで買い戻されていた。対ユーロでもポンドは上昇。ポンド買いの材料は特段見当たらないが、本日の市場は全体的に今週の急速な動きの調整が広がる中、前日の英金融政策委員会(MPC)を受けて急速に下落したポンドにも買戻しが入っていたのかもしれない。

 この日は11月の英小売売上高が発表になっていたが、前回の減少から増加に転じてはいたものの、予想は下回っていた。エコノミストは、英小売売上高の小幅増は、英経済を第4四半期の停滞またはそれ以下の状態から脱却させるには不十分かもしれないと警告している。11月の英小売売上高は0.2%増加し、10月の政府予算案発表前の減少からは反転した。

 重要なホリデーシーズンにとって好材料ではあるが、第4四半期を通して個人消費が減速しないためには、12月の大幅増が必要だとしている。そうでなければ、第4四半期の英GDPがマイナス成長となるリスクは依然残るという。なお、同エコノミストは現時点で、第4四半期の英経済はゼロ成長と予想している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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