*17:06JST ナック Research Memo(6):2025年3月期は増収増益を計画も、中期経営計画に対しては減収減益(3)
■ナック<9788>の今後の見通し
3. 中期経営計画の進捗状況
同社は、2021年3月期から2025年3月期を最終年度とする5ヶ年の中期経営計画を推進している。目標として売上高75,000百万円、営業利益5,000百万円を掲げ、経営資源の再配置や財務体質の強化、積極的な投資の実行を施策とし、グループ全体の発展と成長を目指している。また、プライム市場上場維持基準の適合に向けて、会社認知度の向上、投資家への投資意欲の喚起を行う方針だ。最終年度となる2025年3月期について、当期の業績予想は売上高65,500百万円(中期経営計画の87.3%)、営業利益4,000百万円(同80.0%)と中期経営計画を下回るものの、前期比では増収増益を見込んでおり、2025年3月期業績予想の達成を目指し、各事業で計画している施策を遂行する。
セグメント別の状況としては、クリクラ事業は最終年度売上高20,000百万円、営業利益2,100百万円の計画に対して、売上高16,100百万円、営業利益1,720百万円の見込みとなり未達の予想となる。レンタル事業は売上高17,000百万円、営業利益2,000百万円の計画に対して売上高17,800百万円、営業利益1,810百万円と売上超過ながら利益は未達となる見込みだ。建築コンサルティング事業は売上高13,000百万円、営業利益1,600百万円の計画に対して売上高9,000百万円、営業利益1,350百万円と売上高・利益ともに未達となる見込みである。住宅事業は売上高11,000百万円、営業利益300百万円の計画に対し、売上高10,900百万円、営業利益320百万円とほぼ計画を達成する見込みである。美容・健康事業は売上高11,000百万円、営業利益500百万円の計画に対し、売上高8,000百万円、営業利益360百万円と売上高・利益ともに未達となる見込みである。
4. SDGsへの取り組み
同社では、重要課題(マテリアリティ)として、(1) 循環型社会の実現、(2) 脱炭素社会の実現、(3) 豊かで快適な暮らしの実現、(4) 働く人々の幸せづくり、(5) 地域との価値共創、(6) 企業統治・企業倫理の徹底、を設定している。特に環境面での取り組みに注力が見られることから、その一例を紹介する。
クリクラでは資源を節約し、繰り返し使用できるサステナブルなボトルを採用している。配送スタッフが水ボトルの配送時に使用済みボトルも一緒に回収し、回収された空ボトルは、世界レベルの衛生基準を誇るクリクラプラントで厳重な品質管理の下、検査・洗浄され、再利用される。家庭と工場をひと月に2回往復するクリクラの12リットルボトルは、約3年使用できる耐久性があり、500ミリリットルのペットボトル換算では約1,700本分のゴミ削減に値する。また、耐久性の問題でリユースができなくなったボトルも定規などの文房具などに作り替え、発展途上国や福祉施設への寄付を行っている。2024年4月には、ボールペンに再製品化したことを発表した。その他、クリクラ事業やダスキン事業、ウィズ事業では配送スタッフがアイドリングストップを心掛けている。グループ全体で登録されている車両は1,300台以上に上り、全車両で1日10分のアイドリング時間短縮により1年間でガソリン約60キロリットル、CO2排出量を約39トン削減できる。またクリクラ事業では積載スペースを拡げた配送専用の車両を開発し、配送効率を高め、車の走行距離短縮に貢献している。ダスキン事業はサービス自体がリユースを前提としたレンタルであり、事業の拡大が環境保全につながる。トレミーでは自社工場に大型太陽光パネルを設置しており、CO2削減量は年間約25トンに上る。
2021年9月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同も表明、TCFDコンソーシアムにも加盟しており、環境・気候問題を経営の観点から捉えて今後も取り組みを進めていく。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<HN>
3. 中期経営計画の進捗状況
同社は、2021年3月期から2025年3月期を最終年度とする5ヶ年の中期経営計画を推進している。目標として売上高75,000百万円、営業利益5,000百万円を掲げ、経営資源の再配置や財務体質の強化、積極的な投資の実行を施策とし、グループ全体の発展と成長を目指している。また、プライム市場上場維持基準の適合に向けて、会社認知度の向上、投資家への投資意欲の喚起を行う方針だ。最終年度となる2025年3月期について、当期の業績予想は売上高65,500百万円(中期経営計画の87.3%)、営業利益4,000百万円(同80.0%)と中期経営計画を下回るものの、前期比では増収増益を見込んでおり、2025年3月期業績予想の達成を目指し、各事業で計画している施策を遂行する。
セグメント別の状況としては、クリクラ事業は最終年度売上高20,000百万円、営業利益2,100百万円の計画に対して、売上高16,100百万円、営業利益1,720百万円の見込みとなり未達の予想となる。レンタル事業は売上高17,000百万円、営業利益2,000百万円の計画に対して売上高17,800百万円、営業利益1,810百万円と売上超過ながら利益は未達となる見込みだ。建築コンサルティング事業は売上高13,000百万円、営業利益1,600百万円の計画に対して売上高9,000百万円、営業利益1,350百万円と売上高・利益ともに未達となる見込みである。住宅事業は売上高11,000百万円、営業利益300百万円の計画に対し、売上高10,900百万円、営業利益320百万円とほぼ計画を達成する見込みである。美容・健康事業は売上高11,000百万円、営業利益500百万円の計画に対し、売上高8,000百万円、営業利益360百万円と売上高・利益ともに未達となる見込みである。
4. SDGsへの取り組み
同社では、重要課題(マテリアリティ)として、(1) 循環型社会の実現、(2) 脱炭素社会の実現、(3) 豊かで快適な暮らしの実現、(4) 働く人々の幸せづくり、(5) 地域との価値共創、(6) 企業統治・企業倫理の徹底、を設定している。特に環境面での取り組みに注力が見られることから、その一例を紹介する。
クリクラでは資源を節約し、繰り返し使用できるサステナブルなボトルを採用している。配送スタッフが水ボトルの配送時に使用済みボトルも一緒に回収し、回収された空ボトルは、世界レベルの衛生基準を誇るクリクラプラントで厳重な品質管理の下、検査・洗浄され、再利用される。家庭と工場をひと月に2回往復するクリクラの12リットルボトルは、約3年使用できる耐久性があり、500ミリリットルのペットボトル換算では約1,700本分のゴミ削減に値する。また、耐久性の問題でリユースができなくなったボトルも定規などの文房具などに作り替え、発展途上国や福祉施設への寄付を行っている。2024年4月には、ボールペンに再製品化したことを発表した。その他、クリクラ事業やダスキン事業、ウィズ事業では配送スタッフがアイドリングストップを心掛けている。グループ全体で登録されている車両は1,300台以上に上り、全車両で1日10分のアイドリング時間短縮により1年間でガソリン約60キロリットル、CO2排出量を約39トン削減できる。またクリクラ事業では積載スペースを拡げた配送専用の車両を開発し、配送効率を高め、車の走行距離短縮に貢献している。ダスキン事業はサービス自体がリユースを前提としたレンタルであり、事業の拡大が環境保全につながる。トレミーでは自社工場に大型太陽光パネルを設置しており、CO2削減量は年間約25トンに上る。
2021年9月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同も表明、TCFDコンソーシアムにも加盟しており、環境・気候問題を経営の観点から捉えて今後も取り組みを進めていく。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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