材料開発でのMI活用推進に向け、独自アプリ「RASIN」の正式運用を開始

配信元:PR TIMES
投稿:2024/12/20 14:48
2024年12月20日

 積水化学工業株式会社(代表取締役社長:加藤 敬太、以下「積水化学」)は、材料開発におけるマテリアルズ・インフォマティクス(以下「MI」)の推進に向け、独自のMIアプリ「RASIN」※の正式運用を開始しました。
 MIアプリ「RASIN」では、短期間で効率的に材料特性や知見を見出すことが可能なMI技術を研究開発者自身が活用し、材料開発の効率と質を向上させることができます。積水化学グループの材料開発分野の知見や実績を活かして、持続可能な社会を目指したデータ駆動型材料開発の基盤構築を目指します。

※RASIN(ラシン): R&D Accelerator for SEKISUI's Innovative Notionsの略で、本アプリが研究開発の羅針盤となることを意図しています。

1. 開発の背景
 MIとは、統計分析などを活用したインフォマティクスの手法により、材料開発を効率化する取り組みです。これまでの材料開発は、研究開発者の経験や勘に大きく依存し、実用化までに非常に長い時間と費用を要していました。一方で、市場では製品ライフサイクルの短命化、資源の制約などを起点として、材料開発への要求が多様化・高度化しており、世界的にMIへの取り組みが本格化しています。
 積水化学は、サステナブルな社会の実現と企業としての持続的な成長の両立を目指す「Vision 2030」実現に向けた施策の一環として、MI専門部署の支援によるMIを活用した革新的な材料開発に取り組んでいます。その成果として、さまざまな新材料の材料開発のスピード向上や高度化を実現してきました。また、MI専門部署以外の研究開発者を対象とした教育プログラムを提供し、各部署での自律的なMI活用や、全社での活用拡大に向けた取り組みを推進してきました。

積水化学グループでのMI活用イメージ


 今回開発した独自のMIアプリ「RASIN」は、これまでMI専門部署が蓄積してきた技術を、すべての研究開発者が活用できるようにしたものです。積水化学グループ内における「RASIN」の展開により、材料開発のさらなる効率化・高度化を進め、積水化学グループ全体でイノベーションの創出を加速します。
2.MIアプリ「RASIN」の特徴
1.完全内製で、プログラミング技術が不要なノーコードアプリ
 積水化学のMI専門部署が蓄積してきた解析ノウハウを集約し、プログラミング技術が不要なノーコードアプリとして開発しました。MI専門部署ではフィルム、複合材料や触媒分野など積水化学グループの材料開発領域でMI活用を進めており市場へ展開されている製品も数多くあります。この実績のある開発手法を、研究開発者が現場ですぐに活用することが可能になりました。

2.人材育成プログラムと連動した利用者教育
 MIアプリ「RASIN」を使ってMI技術を学ぶ新しい教育プログラムを導入しました。プログラミング教育にかかる時間を省き、MIの理論と実践を集中して学ぶことで、研究開発者は短期間で材料開発にMIを活用できるようになりました。

3.実践を通して学ぶことができるサポート体制
 材料開発でMIを活用する際に、専門家に相談し、解析結果や改善方法等を議論できる窓口を含めたサポート体制を構築しました。これにより、研究開発者のMI技術の深化・高度化を継続的に支援していきます。
3.今後の展開
 MIアプリ「RASIN」の活用を通してMI技術の理解を深めた研究開発者に向けたさらなる機能の導入や、より専門的なMI技術教育プログラムの提供を行い、積水化学グループのMI技術活用を一層進めていきます。
配信元: PR TIMES

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