円相場が急落、日銀追加利上げ観測後退 ドル円一時157円台 英中銀は据え置き=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/12/19 21:46
円相場が急落、日銀追加利上げ観測後退 ドル円一時157円台 英中銀は据え置き=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、円相場が急落している。この日の日銀決定会合では大方の予想通り利上げが見送られた。一部には利上げ期待も残っていたことで円売りに反応。さらに円売りに火をつけたのが植田日銀総裁の会見だ。次回利上げについて明言しなかったことに市場は強く反応した。ドル円は155円台前半から買われ、ロンドン序盤には157.14近辺まで高値を伸ばした。植田総裁は1月会合までに支店長会議などである程度の情報を参考にする、総合判断にならざるを得ない、と歯切れ悪い発言内容。米次期政権の政策をめぐる不確実性大きい状況続く、来年の春闘などの情報も必要、などとして3月・4月以降となる印象を市場に与えた。ドル円急伸とともにクロス円も大幅高。ユーロ円は161円付近から163円台後半まで、ポンド円は195円台から199円手前水準まで買われた。ユーロドルは1.04台乗せ、ポンドドルは1.26台後半とクロス円に連れ高となった。続く英中銀の金融政策発表では、大方の予想通り金利が据え置かれた。ただ、票割れが6対3となり、3名が利下げを主張した。これを受けてポンド売りの反応が広がっている。ポンドドルは1.26台割れ、ポンド円は197円台へと反落。ユーロポンドは反発している。ただ、円安の強さと比較するとポンド売りの動きは限定的になっている。

 ドル円は156円台後半での取引。東京午前の154.44近辺を安値に、昼前の日銀の金利据え置きを受けて155円台に乗せた。注目の植田日銀総裁会見では、トランプ政策や賃金動向が不透明として明確な追加利上げ時期に言及せず。1月会合についても総合判断と言葉を濁した。市場では利上げ時期が先送りされたとして円売りを一段と強めた。ロンドン序盤には157.14近辺と7月以来のドル高・円安水準となった。その後も157円挟みに高止まりしている。

 ユーロドルは1.04付近での取引。東京朝方の1.0348近辺を安値に前日のドル高に調整が入った。ユーロ円急伸の影響もあり、ロンドン序盤には1.0422近辺に高値を伸ばした。ユーロ円はドル円とともに大幅上昇。東京午前の159.86近辺からロンドン序盤には163.67近辺まで高値を伸ばした。対ポンドではユーロ売りが先行も、英中銀の金利据え置き発表後には反転して買われている。この日は円相場主導の展開でユーロ相場は追随する動きに限定されている。

 ポンドドルは1.26付近での取引。東京朝方の1.2563近辺を安値に1.25台後半で揉み合いが続いた。ロンドン朝方からはにわかに買いが優勢となり、1.2667近辺まで高値を伸ばした。英中銀が大方の予想通り政策金利を4.75%に据え置いたが、票割れが据え置き6に対して利下げ3だったことで売りに反応、1.26台割れまで反落している。ポンド円は円売りの流れが強まっている。東京朝方の194.07近辺を安値に、ロンドン序盤には198.95近辺と199円台に迫った。その後は197円台に反落している。ユーロポンドは0.8222から0.8266で下に往って来い。下げ一服となったものの、水準的には年初来安値(ポンド高)水準が続いている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明 

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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