ドル円、一時154円台後半に上昇 FRBは完全にタカ派な利下げ姿勢にシフトした印象=NY為替概況
ドル円、一時154円台後半に上昇 FRBは完全にタカ派な利下げ姿勢にシフトした印象=NY為替概況
きょうのNY為替市場、午後のFOMCの結果を受けてドル買いが強まり、ドル円も154円台後半に一時上昇した。FOMCは大方の予想通りに0.25%の利下げを実施。ただ、注目のFOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)では、来年の利下げは2回のみを想定。1回なしは0回の予想も19名の委員のうち4名いた。
また、経済見通しでも、来年のPCEデフレータの見通しを従来の2.1%から2.5%に大きく上方修正している。FRBは完全にタカ派な利下げ姿勢にシフトした印象が強い。
その後のパウエル議長の会見でも「追加調整を検討する上で慎重姿勢を強める可能性。金利調整プロセスは新たな段階に入った」などと述べた一方、「政策はなおも有意に抑制的」とも述べていた。方向感は利下げではあるものの、慎重にアプローチして行く姿勢を滲ませている。今回のFOMCを受けて市場は1月の据え置き観測を強め、短期金融市場では1月の据え置きの確率を90%に高めている。
ユーロドルは1.03ドル台に急落。11月22日以来。再び21日線を下放れし、下向きの流れを加速させている。目先は11月22日の安値1.0335ドルが意識される。
ユーロの弱気な見方は根強い。FRBや英中銀は利下げに慎重になっている一方、ECBは追加利下げへの期待が高まっている状況。少なくとも3月までは毎回の理事会で利下げが実施されるとの見方も出ているようだ。
ポンドは対ドルでは下落したものの、対ユーロでは上昇。ただ、ポンド円はFOMCを受けて急速に下落した。一時195円台後半まで上昇していたものの、一気に200日線を割り込んでいる。本日のFOMCを受けて、日銀が明日の決定会合でサプライズ利上げを実施するのではとの観測から、対クロスで円高の動きが出ていたようだ。
ただ、ポンドについては根強いインフレの兆候が英中銀の不安材料になるとの見方が出ている。本日は11月の英消費者物価指数(CPI)が発表になっていたが、総合指数は前年比2.6%上昇し、前月の2.3%から加速。コア指数も上昇ペースを早めた。注目のサービスインフレは前年比5.0%と予想は下回ったものの、前回同様に5%台での推移が続いている。
英CPIの基調トレンドから、インフレは来年第1四半期も英中銀の目標である2%を上回り続け、第2四半期まで3%を超える軌道に乗っていることが示唆されているとの指摘も出ている。リーブズ英財務相の増税や高止まりするエネルギーコストが、短期的に物価上昇圧力を高める可能性が高いと警告した。
また、明日の英中銀の金融政策委員会(MPC)での据え置きをほぼ確定させたほか、短期金融市場では来年の利下げは2回までに織り込みを留めている状況。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
きょうのNY為替市場、午後のFOMCの結果を受けてドル買いが強まり、ドル円も154円台後半に一時上昇した。FOMCは大方の予想通りに0.25%の利下げを実施。ただ、注目のFOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)では、来年の利下げは2回のみを想定。1回なしは0回の予想も19名の委員のうち4名いた。
また、経済見通しでも、来年のPCEデフレータの見通しを従来の2.1%から2.5%に大きく上方修正している。FRBは完全にタカ派な利下げ姿勢にシフトした印象が強い。
その後のパウエル議長の会見でも「追加調整を検討する上で慎重姿勢を強める可能性。金利調整プロセスは新たな段階に入った」などと述べた一方、「政策はなおも有意に抑制的」とも述べていた。方向感は利下げではあるものの、慎重にアプローチして行く姿勢を滲ませている。今回のFOMCを受けて市場は1月の据え置き観測を強め、短期金融市場では1月の据え置きの確率を90%に高めている。
ユーロドルは1.03ドル台に急落。11月22日以来。再び21日線を下放れし、下向きの流れを加速させている。目先は11月22日の安値1.0335ドルが意識される。
ユーロの弱気な見方は根強い。FRBや英中銀は利下げに慎重になっている一方、ECBは追加利下げへの期待が高まっている状況。少なくとも3月までは毎回の理事会で利下げが実施されるとの見方も出ているようだ。
ポンドは対ドルでは下落したものの、対ユーロでは上昇。ただ、ポンド円はFOMCを受けて急速に下落した。一時195円台後半まで上昇していたものの、一気に200日線を割り込んでいる。本日のFOMCを受けて、日銀が明日の決定会合でサプライズ利上げを実施するのではとの観測から、対クロスで円高の動きが出ていたようだ。
ただ、ポンドについては根強いインフレの兆候が英中銀の不安材料になるとの見方が出ている。本日は11月の英消費者物価指数(CPI)が発表になっていたが、総合指数は前年比2.6%上昇し、前月の2.3%から加速。コア指数も上昇ペースを早めた。注目のサービスインフレは前年比5.0%と予想は下回ったものの、前回同様に5%台での推移が続いている。
英CPIの基調トレンドから、インフレは来年第1四半期も英中銀の目標である2%を上回り続け、第2四半期まで3%を超える軌道に乗っていることが示唆されているとの指摘も出ている。リーブズ英財務相の増税や高止まりするエネルギーコストが、短期的に物価上昇圧力を高める可能性が高いと警告した。
また、明日の英中銀の金融政策委員会(MPC)での据え置きをほぼ確定させたほか、短期金融市場では来年の利下げは2回までに織り込みを留めている状況。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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