*13:02JST 山田コンサル Research Memo(2):国内最大級の独立系コンサルティングファームで海外市場にも展開
■山田コンサルティンググループ<4792>の事業概要
1. 会社概要
同社グループは、現在同社及び子会社19社(うち、海外12社)で構成されており、2024年9月末時点で864名(総合コンサル職655名、専門コンサル職209名)のコンサルタントが在籍する国内最大級の独立系コンサルティングファームである。海外子会社は12社(シンガポール、インドネシア、中国、韓国、マレーシア、UAE、タイ、ベトナム、インド、米国、ケイマン)で人員は250名規模となっている。
2024年3月に子会社化したピナクル(出資比率70%)※1はM&Aアドバイザリー事業を国内外で展開しており、特にクロスボーダーM&A案件において、高度な専門性とノウハウを持っている。また、同年4月に完全子会社化したTakenaka Partners※2は、米国における日系企業向けのM&Aアドバイザリー事業を35年間にわたり展開してきた企業で、同社は2016年に業務提携契約を締結し日系企業の北米市場進出を支援してきた経緯があり、今回北米市場においてM&Aアドバイザリーサービスや経営コンサルティングサービスの事業を拡大すべく子会社化に至った。なお、各子会社の人員規模は10名程度となっている。
※1 株式取得額658百万円、のれん51百万円、M&A費用55百万円
※2 株式取得額7.8百万米ドル、のれん4.7百万米ドル(7年定額償却)、M&A費用278千米ドル
2. 沿革
1989年にファイナンシャル・プランナーの教育・研修及びファイナンシャルプランニングに関するコンサルティングを目的として、東京都文京区に(株)東京ファイナンシャルプランナーズ(現 山田コンサルティンググループ)を設立した。1995年に本社を東京都新宿区へ移転し、1997年には経営・財務・資金調達コンサルティング事業の立ち上げを目的として、ティー・エフ・ピーベンチャーキャピタル(山田ビジネスコンサルティング(株)に商号変更、2018年に吸収合併)を設立した。2000年には大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現 東京証券取引所(以下、東証)スタンダード市場)に株式を上場した。2010年に本社を東京都千代田区へ移転し、同商号を「山田コンサルティンググループ」に変更した。また、2016年にアジア地場の市場リサーチファームSpire Research and Consulting Pte Ltd.を子会社化し、海外でのコンサルティング事業を本格的にスタートさせた。2019年には東証市場第一部に市場変更し、2022年4月の東証市場再編成により東証プライム市場へと移行した。
3. 事業内容
同社グループは、様々な事業分野のコンサルタントが連携を取り合いながら、経営課題の解決のための提案から実現までワンストップのコンサルティングサービスを提供しており、事業セグメントはコンサルティング事業と投資事業の2つのセグメントで開示している。
(1) コンサルティング事業
コンサルティング事業では、経営コンサルティング事業、M&Aアドバイザリー事業、事業承継コンサルティング事業、不動産コンサルティング事業の4つの事業領域でサービスを展開している。
(a) 経営コンサルティング事業
経営コンサルティング事業では、企業の持続的成長を実現するために、経営戦略策定から業務プロセス改善まで経営課題解決を一貫してサポートする「持続的成長分野」、IT戦略立案・構想、実行計画、実行支援、実行後の業務定着化までのソリューションをワンストップで提供する「IT戦略&デジタル分野」、組織・人材に関する課題について専門的かつ総合的なソリューションを提供する「組織人事分野」、企業の持続的成長や中長期的な企業価値向上に向けたコーポレート・ガバナンスの取り組みを支援する「コーポレート・ガバナンス分野」のほか、事業再生に向けたスキームの構築から実行手続きまで総合的に支援する「事業再生分野」のコンサルティングサービスを提供している。
顧客獲得チャネルについては、全体の約7割がメガバンクや全国の地方銀行など金融機関からの紹介で占められており、同社の高いサービス品質が評価され継続的に紹介案件を獲得できている。
(b) M&Aアドバイザリー事業、事業承継コンサルティング事業、不動産コンサルティング事業
M&Aアドバイザリー事業では、売上高の約7割がFA(ファイナンシャルアドバイザリー)業務となり、残り約3割が仲介業務となる。顧客獲得チャネルは直接受注が7割超を占めており、残りは金融機関やプライベートエクイティファンド、弁護士・会計事務所からの紹介案件となる。また、事業承継コンサルティング事業は、大半が金融機関からの紹介案件で豊富な実績を持つ。売上規模はコンサルティング事業の1割弱と小さいものの経営者トップとの強い信頼関係が構築されるため、その後の経営コンサルティングやM&Aアドバイザリーの受注につながるケースが多く、同社にとっては重要な事業となる。不動産コンサルティング事業では、顧客が保有する不動産の調査・分析、有効活用の提案、売買・賃貸の仲介など多岐にわたるサービスを提供している。
(2) 投資事業
投資事業では、顧客企業の資本政策や事業承継等の課題解決の1つとして企業の株式に投資する未上場株式投資事業と、底地や共有持分となっている物件など次世代に承継する際に敬遠されがちな換金性の低い不動産に投資する不動産事業を行っている。いすれの事業もコンサルティング事業とシナジーがあり、他社と競合しない厳選した案件のみに投資することを基本方針としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 会社概要
同社グループは、現在同社及び子会社19社(うち、海外12社)で構成されており、2024年9月末時点で864名(総合コンサル職655名、専門コンサル職209名)のコンサルタントが在籍する国内最大級の独立系コンサルティングファームである。海外子会社は12社(シンガポール、インドネシア、中国、韓国、マレーシア、UAE、タイ、ベトナム、インド、米国、ケイマン)で人員は250名規模となっている。
2024年3月に子会社化したピナクル(出資比率70%)※1はM&Aアドバイザリー事業を国内外で展開しており、特にクロスボーダーM&A案件において、高度な専門性とノウハウを持っている。また、同年4月に完全子会社化したTakenaka Partners※2は、米国における日系企業向けのM&Aアドバイザリー事業を35年間にわたり展開してきた企業で、同社は2016年に業務提携契約を締結し日系企業の北米市場進出を支援してきた経緯があり、今回北米市場においてM&Aアドバイザリーサービスや経営コンサルティングサービスの事業を拡大すべく子会社化に至った。なお、各子会社の人員規模は10名程度となっている。
※1 株式取得額658百万円、のれん51百万円、M&A費用55百万円
※2 株式取得額7.8百万米ドル、のれん4.7百万米ドル(7年定額償却)、M&A費用278千米ドル
2. 沿革
1989年にファイナンシャル・プランナーの教育・研修及びファイナンシャルプランニングに関するコンサルティングを目的として、東京都文京区に(株)東京ファイナンシャルプランナーズ(現 山田コンサルティンググループ)を設立した。1995年に本社を東京都新宿区へ移転し、1997年には経営・財務・資金調達コンサルティング事業の立ち上げを目的として、ティー・エフ・ピーベンチャーキャピタル(山田ビジネスコンサルティング(株)に商号変更、2018年に吸収合併)を設立した。2000年には大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現 東京証券取引所(以下、東証)スタンダード市場)に株式を上場した。2010年に本社を東京都千代田区へ移転し、同商号を「山田コンサルティンググループ」に変更した。また、2016年にアジア地場の市場リサーチファームSpire Research and Consulting Pte Ltd.を子会社化し、海外でのコンサルティング事業を本格的にスタートさせた。2019年には東証市場第一部に市場変更し、2022年4月の東証市場再編成により東証プライム市場へと移行した。
3. 事業内容
同社グループは、様々な事業分野のコンサルタントが連携を取り合いながら、経営課題の解決のための提案から実現までワンストップのコンサルティングサービスを提供しており、事業セグメントはコンサルティング事業と投資事業の2つのセグメントで開示している。
(1) コンサルティング事業
コンサルティング事業では、経営コンサルティング事業、M&Aアドバイザリー事業、事業承継コンサルティング事業、不動産コンサルティング事業の4つの事業領域でサービスを展開している。
(a) 経営コンサルティング事業
経営コンサルティング事業では、企業の持続的成長を実現するために、経営戦略策定から業務プロセス改善まで経営課題解決を一貫してサポートする「持続的成長分野」、IT戦略立案・構想、実行計画、実行支援、実行後の業務定着化までのソリューションをワンストップで提供する「IT戦略&デジタル分野」、組織・人材に関する課題について専門的かつ総合的なソリューションを提供する「組織人事分野」、企業の持続的成長や中長期的な企業価値向上に向けたコーポレート・ガバナンスの取り組みを支援する「コーポレート・ガバナンス分野」のほか、事業再生に向けたスキームの構築から実行手続きまで総合的に支援する「事業再生分野」のコンサルティングサービスを提供している。
顧客獲得チャネルについては、全体の約7割がメガバンクや全国の地方銀行など金融機関からの紹介で占められており、同社の高いサービス品質が評価され継続的に紹介案件を獲得できている。
(b) M&Aアドバイザリー事業、事業承継コンサルティング事業、不動産コンサルティング事業
M&Aアドバイザリー事業では、売上高の約7割がFA(ファイナンシャルアドバイザリー)業務となり、残り約3割が仲介業務となる。顧客獲得チャネルは直接受注が7割超を占めており、残りは金融機関やプライベートエクイティファンド、弁護士・会計事務所からの紹介案件となる。また、事業承継コンサルティング事業は、大半が金融機関からの紹介案件で豊富な実績を持つ。売上規模はコンサルティング事業の1割弱と小さいものの経営者トップとの強い信頼関係が構築されるため、その後の経営コンサルティングやM&Aアドバイザリーの受注につながるケースが多く、同社にとっては重要な事業となる。不動産コンサルティング事業では、顧客が保有する不動産の調査・分析、有効活用の提案、売買・賃貸の仲介など多岐にわたるサービスを提供している。
(2) 投資事業
投資事業では、顧客企業の資本政策や事業承継等の課題解決の1つとして企業の株式に投資する未上場株式投資事業と、底地や共有持分となっている物件など次世代に承継する際に敬遠されがちな換金性の低い不動産に投資する不動産事業を行っている。いすれの事業もコンサルティング事業とシナジーがあり、他社と競合しない厳選した案件のみに投資することを基本方針としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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