Mimaki Research Memo(1):業績は好調に推移、上期で中期目標の営業利益率10%をクリア

配信元:フィスコ
投稿:2024/12/13 12:01
*12:01JST Mimaki Research Memo(1):業績は好調に推移、上期で中期目標の営業利益率10%をクリア ■要約

1. 産業用インクジェットプリンタや消耗品などをワンストップで製造販売
ミマキエンジニアリング<6638>は、産業用インクジェットプリンタやカッティングプロッタ、プリンタに使われるインクなどをワンストップで製造販売する開発型企業である。販売市場は、広告・看板などを製作するSG(サイングラフィックス)市場、工業製品や一般消費者向け小物類の加飾をするIP(インダストリアルプロダクツ)市場、生地や既製服を捺染するTA(テキスタイル・アパレル)市場の3つで、海外の売上高構成比が約70%とグローバルな事業展開を行っている。各市場の製品買い替えサイクルは4〜5年のため、各市場順番に新製品を投入することで毎期売上高を積み上げる収益構造になっている。産業プリント市場のデジタル化率は、SG市場では高まってきたものの、その他は依然5〜10%に過ぎず、成長のポテンシャルは非常に大きい。

2. インクなどケミカル分野を含む独自開発技術やヘッドの制御技術などに強み
同社の強みは、産業用プリンタで築いてきた独自の複合的技術基盤にある。なかでもインクは、「水と空気以外なら何にでもプリントできる」ことを目標に開発している。多種多様な素材にプリントできる高機能インクは、幅広い市場でインクジェットプリンタを展開するうえで大きな強みとなっているうえ、消耗品ビジネスとして安定収益をもたらしている。また、こうした様々なインクを吐出するプリントヘッド(以下、ヘッド)の制御技術も強みで、そのため同社はヘッドを自社製造しておらず、市場で供給されている多種のヘッドからニーズに応じて最適な調達を行っている。ほかにデジタル・オンデマンド生産方式による受注生産、多品種少量ニーズへのワンストップ対応、工場のスマート化を進めるFA(ファクトリーオートメーション)技術、グローバルでローカルな営業力なども強みである。

3. 2025年3月期第2四半期累計は業績が好調に推移、「Mimaki V10」目標の営業利益率10%をクリア
2025年3月期第2四半期累計の業績は、売上高が40,942百万円(前年同期比15.5%増)、営業利益が4,698百万円(同101.5%増)と絶好調だった。特にSG市場とIP市場が想定を大きく上回って進捗、為替のプラス影響や高コスト部材を使用した製品の販売がほぼ終結したこともあって、上期中に業績予想を2回上方修正、半期で過去最高の業績となった。また、中長期成長戦略「Mimaki V10」で目標にしていた2026年3月期営業利益率10%を早くもクリアした。同社は2025年3月期の業績見通しについて、売上高82,500百万円(前期比9.1%増)、営業利益8,250百万円(同50.5%増)と見込んでいる。上期好調の分だけ上方修正されているが、上期の勢いや為替の動向、新製品が好評なことなどを考えると、業績予想は保守的な印象を受ける。

4. 「Mimaki V10」目標は通期でも達成見込みのため、次期中期経営計画にも期待
「Mimaki V10」の達成に向け、2025年3月期のグループ経営方針を「進化する」と定め、そのためにも資本コストと株価を意識した経営を強化した。この結果、「Mimaki V10」目標の達成による収益改善は上期に営業利益率が10%台となったことで達成、在庫及び借入金の適正化による財務基盤の強化はキャッシュ・コンバージョン・サイクルが改善するなど着実に進展した。ほかにも将来成長実現に向けた戦略的な投資、企業価値向上に資する役員報酬制度の導入、株主還元方針に基づく安定的・継続的な配当、投資家との対話促進による資本コストの低減など一定の成果が得られた。ただし、通期でも「Mimaki V10」の目標達成が見込まれるため、新たなイノベーションへ向けて次期中期経営計画の検討に入ったようだ。次期中期経営計画にも期待したい。

■Key Points
・産業用インクジェットプリンタや機能性インクなどをワンストップで製造販売
・インクの開発技術やヘッドの制御技術、グローバルでローカルな営業力などに強み
・業績の好調を背景に中計目標の営業利益率10%を1年前倒して達成へ。次期中計も期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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配信元: フィスコ

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