【IRアナリストレポート】メディカルシステムネットワーク（4350）

～薬局のネットワーク事業で業界No.1、地域薬局支援事業を拡大～

【ポイント】
・今2025年3月期の業績計画は、上期の実績を踏まえて下方修正された。今期の営業利益は30億円（前年度比-21.7％）に留まろう。診療報酬の改定は相対的に軽微であったが、処方箋枚数の減少、仕入価格の上昇、人件費の上昇、医薬品物流部門への投資などが負担となる。薬局支援事業は順調であるが、コスト増をカバーできない。

・来期は中期計画の最終4年目に当たるが、営業利益で40億円と増益に転換しよう。薬局支援3事業である医薬品ネットワーク事業、ジェネリック医薬品の製造販売事業、「つながる薬局」のデジタルシフト事業が寄与してくる。

・地域包括ケアの中で、「未病・予防－医療－介護」を支える「かかりつけ薬局」への対応で領域を広げている。中期4ヵ年計画では、地域薬局を支える3つの事業をリード役に成長を確実なものにしていく。独自の医薬品ネットワーク事業は、加盟件数が1万件を超えた。来期は1.2万件の加盟件数、業界シェア20％を目指している。流通の効率化とサービスの多様化が進展しよう。

・薬局のデジタルシフトをサポートするデジタルシフト事業は、「つながる薬局」のアプリをネットワーク加盟店以外にも拡大し、全国で2万店を目指す。9月末に導入店舗は5500店を突破した。月額課金のサブスク型で、サービスの高付加価値化に結び付けていく。LINE公式アカウントの友だち登録数を、今期で140万人、将来は1000万人を目指す。

・ジェネリック医薬品の製造販売は、既に薬局のネットワークがあるので、ここに良質の医薬品を効率よく提供していく。販売額ベースで年商100億円を目指す。供給の制約が影響しやや遅れているが、今後挽回を図っていく。

・これらの3事業での増益効果が見込め、地域薬局も単品単価をベースに交渉する仕組みを作り上げたので、一定の範囲で安定性を高めよう。薬局業界は厳しい環境にある中で、収益構造の転換が問われる。薬局支援事業が業績をリードするスピードが早まってくれば、株式市場での評価も高まってこよう。

目次
1．特色　薬局に独自のネットワークシステムを築く
2．強み　薬局のネットワークで圧倒的トップを確立
3．中期経営方針　新たなプラットフォームによる企業価値創造に向けて
4．当面の業績　来2026年3月期は増益に転換
5．企業評価　医薬品ネットワーク部門を柱とした連携効果に期待

メディカルシステムネットワーク <4350>

企業レーティング	Ｂ
株価 （2024年11月27日）	417円
時価総額	128億円 （30.64百万株）
PBR	0.80倍
ROE	8.2％
PER	9.7倍
配当利回り	2.9％

（百万円、円）

決算期	売上高	営業利益	経常利益	当期純利益	EPS	配当
2016.3	87715	3783	3860	1720	60.1	9.5
2017.3	88865	2113	2109	571	19.3	10.0
2018.3	93977	3163	3250	1022	34.5	10.0
2019.3	98232	1428	1501	462	15.3	10.0
2020.3	105241	1615	1560	-895	-29.5	10.0
2021.3	104257	3429	3479	2198	72.5	10.0
2022.3	106685	3852	4313	2394	79.4	12.0
2023.3	109551	3163	3355	1610	53.4	12.0
2024.3	115361	3832	3825	1860	61.9	12.0
2025.3（予）	122000	3000	3000	1250	42.8	12.0
2026.3（予）	128000	4000	4000	1900	65.0	14.0

（2024.9ベース）

総資産 69976百万円 純資産 15268百万円 自己資本比率 21.7％ BPS 520.3円

（注）ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。
　
企業レーティングの定義：当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A：良好である、B：一定の努力を要する、C：相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/medelikarusisutemuneltutowa%2dku202411.pdf

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