「日銀12月利上げ」に向けた地ならしが行われない限り…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/11/21 11:08

◆ “リスク回避姿勢”は幾分緩んだが・・・ - 一時“155円後半”へ反発も


ラブロフ・露外相の打ち消し発言もあり、「ウクライナ情勢緊迫化」に伴う“リスク回避姿勢”は当初緩みました。
このためNYタイム序盤にかけてドル円は“155.883円”へと巻き戻されましたが、その後は再び上値を削っているのが実状といえます。
“156円台”に乗せるには至らなかったこともありますが、再び「ウクライナ情勢緊迫化」への思惑が台頭しているからです。

 『英国製ミサイル、ロシア国内に向けて発射』

前日の米国製ミサイルに続く報道に、マーケットは再び“リスク回避姿勢”に傾斜しているからです。
ただ前日の急落にて“免疫”ができているのに加えて、米10年債利回りが“高止まり(4.41%付近)”していることもあって、その歩みは“極めて緩やか”というのが実状となります。

◆ “リスク回避→円買い”VS“金利選好→ドル買い”の構図も、ただ・・・?


前記した米利回りの高止まりに関しては、「米20年債入札不調」という特殊要因もありました。
このため継続性に関しては“不透明”といわざるを得ず、その意味では“もう一段の下値模索”は十分に想定しておかなければならないところです。
ただ「米12月据え置き」に関しては短期金融市場で織り込みが進んでおり、また「クック/ボウマン両FRB理事」より“利下げペース鈍化”を示唆する発言も飛び出しています。
そうなると“リスク回避→円買い”VS“金利選好→ドル買い”となる中、前者に関しては“ドル買い”にもなる要因であるだけに・・・?

本日も「植田日銀総裁発言」が予定されていますので、「日銀12月利上げ」については要注目といえます。
ただそこで“地ならし”が行われることがなければ、“膠着(揺れ動き)”を想定しつつも、“下値の堅さ”を意識すべき局面と考えたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

157.097(7/23高値)
157.000(大台)
上値5:156.753(11/15高値)
上値4:156.637(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:156.393(+2σ)
上値2:156.000(大台、11/15~11/18の76.4%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値1:155.883(11/20高値)
前営業日終値:155.437
下値1:155.041(+1σ、大台)
下値2:154.884(11/19~11/20の38.2%押し)
下値3:154.685(日足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値4:154.529(11/20安値、11/19~11/20の50%押し)
下値5:154.267(11/19~11/20の61.8%押し)
154.000(大台)
153.929(ピボット2ndサポート)
153.843(11/18安値、11/8~11/15の61.8%押し水準)
153.623(20日移動平均線)
153.410(11/12安値)

《10:40》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想

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