【QAあり】システムリサーチ、SIサービス、ソフトウエアアプロダクトの両事業が好調に推移 売上高は前年比11.7%と増収を継続

投稿:2024/11/20 17:00

目次

平山宏氏(以下、平山):代表取締役社長の平山です。本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。本日は、会社概要、2025年3月期第2四半期(中間期)業績、中期経営計画、サステナビリティ、ソリューション紹介、株主還元の順でご説明します。

最後に参考資料を記載していますのでご参照ください。

会社概要

会社概要です。設立は1981年3月です。東証プライム市場に上場しています。代表者は、創業者で代表取締役会長の山田と、代表取締役社長の平山です。資本金は5億5,015万円、連結従業員数は9月末時点で1,527名、平均年齢は33.8歳です。

連結子会社は1社です。詳しくは後ほどご説明します。主な株主構成は、山田敏行が15.61パーセント、日本マスタートラスト信託銀行が7.05パーセントとなっています。

事業所・営業拠点

事業所および営業拠点です。SI営業とシステム開発の主要拠点として、名古屋本社の他、東京と大阪に支店を構えています。プロダクトソリューションの営業拠点として、札幌、仙台、福岡にオフィスを構えています。

子会社事業の展開

子会社事業についてご紹介します。株式会社ソエルは障がい者支援を目的とした特例子会社です。障がい者就労移行支援事業を行う株式会社ウェルテクノスと、2012年に設立しました。

経営ビジョン

当社の経営ビジョンは「ビジネスに寄り添うITパートナー」です。お客さまの良き理解者となり、信頼に応えていけるITパートナーとして、ともに歩んでいきます。

主な取引先

主な取引先についてご説明します。トヨタグループでは、トヨタ自動車、トヨタシステムズ、豊田自動織機グループ、豊田通商グループ、デンソーなどがあります。全体の売上の約3割をトヨタグループが占めています。

その他エンドユーザーでは、ヤマト運輸グループ、日本通運、名港海運、大同特殊鋼、日本ガイシ、ダイフク、オークマ、朝日インテック、キーエンス、三菱電機インフォメーションネットワーク、パナソニック インフォメーションシステムズ、カゴメ、TOPPAN、ソフトバンク、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(ドン・キホーテ)などがあります。

コンピューターメーカーでは、富士通、日立製作所、日本アイ・ビー・エム、東芝デジタルソリューションズ、大手SIerでは、SCSK、コベルコシステム、伊藤忠テクノソリューションズ、TIS、日鉄ソリューションズ、NTTデータ東海です。コンサル系では、野村総合研究所、ビジネスブレイン太田昭和などがあります。

2025年3月期第2四半期(中間期)実績サマリー(連結)

2025年3月期第2四半期(中間期)業績についてご説明します。まずは、2025年3月期第2四半期(中間期)の実績サマリーです。

売上高は前年同期比11.7パーセント増の126億3,500万円でした。売上総利益は前年同期比8.8パーセント増の27億4,200万円、営業利益は前年同期比2.9パーセント増の12億2,100万円、経常利益は前年同期比2.4パーセント増の12億3,800万円、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比0.2パーセント増の9億円となりました。

2025年3月期第2四半期(中間期)売上(区分別)

売上高の内訳です。SIサービス業務は請負案件を中心に受注が増加しました。売上高は前年同期比18.4パーセント増の50億7,100万円となりました。

ソフトウエア開発業務は、多くのリピートオーダーを確保できたことにより、前年同期比7.0パーセント増の69億3,800万円となりました。

ソフトウエアプロダクトは、パッケージソフトの販売保守の増加で前年同期比18.9パーセント増の2億1,400万円となりました。

商品販売は前年同期比11.4パーセント増の2億2,000万円です。

WEBサービス等はEC支援サービスの流通金額が増加したことから、前年同期比13.6パーセント増の1億9,000万円となりました。

2025年3月期業績見通し (連結)

2025年3月期の業績見通しです。売上高は前期比14.5パーセント増の267億1,800万円と予想しています。営業利益は前期比14.0パーセント増、経常利益は前期比12.4パーセント増と見込んでいます。親会社株主に帰属する当期純利益は前期比11.6パーセント増の21億9,800万円と予想しています。

売上高(中間期・通期)の推移 (連結)

過去4年間の売上高の推移です。毎期10パーセント前後の増収を記録してきました。2024年3月期は過去最高の売上高を記録しています。

営業利益(中間期・通期)の推移 (連結)

過去4年間の営業利益の推移です。2024年3月期は営業利益も過去最高を記録しています。

中長期目標

中期経営計画についてご説明します。中長期目標として46期計画(2026年3月期)で売上高300億円、さらに中期目標として500億円、長期目標として1,000億円を目指しています。

Next Vision 50th

「Next Vision 50th」では、5つの取り組みを進めています。

1つ目のテーマは「コア事業の拡大と高度化」です。当社のコア事業であるSIサービスにおいて、中部に加え関東・関西マーケットの優良顧客の獲得と得意分野の事業特化・ソリューションの拡充を図ります。

2つ目は「Next事業への挑戦」です。コア事業で培ったノウハウと知見を活かし、SIサービスに加え、次世代の中核事業となり得るビジネスの創出に挑戦します。

3つ目は「新たな価値を創造する技術力」です。社会課題や経営課題の解決をデジタル技術で実現するエンジニアリング力をデザインします。

4つ目は「人的資本とバックオフィスの強化」です。社内DXの推進とセキュリティの強化・ガバナンス向上・ブランディングと採用強化で組織拡大をバックアップします。

5つ目は「従業員エンゲージメントの深化」です。経営理念やビジョンを共有し、社員の連帯感を高め、会社と社員がともに成長できる仕組みを構築しドライブします。

中期(3ヵ年)経営計画 (連結売上高・連結営業利益)

連結売上高と連結営業利益の中期計画です。毎年10パーセント以上の伸びで、2027年3月期には連結売上高339億7,400万円、連結営業利益39億2,100万円を目指す計画です。

中期(3ヵ年)経営計画 (連結従業員数)

連結従業員数の中期計画です。前期、当期の4月1日時点の従業員数と、来期以降の計画です。従業員2,000名体制を目指します。

新社屋建設

社員の増加に伴い、働く環境の整備を図るべく、新社屋の建設を行っています。今年4月に第1開発センターを開設しました。さらに、収容人数500人規模の第2開発センターを来年夏の開設に向け建設中です。

サステナビリティにおける取り組み

サステナビリティについてご説明します。「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」「健康経営の取り組み」「DX時代の技術対応」「安心・安全・豊かな暮らしへの取り組み」の4つのカテゴリに分類して取り組んでいます。

数字で見る取組結果 (2024年3月末)

主な取組結果はスライドに記載のとおりです。女性役務者割合は8.9パーセント、女性の継続雇用割合は95.5パーセントです。育児休業取得率は女性100パーセント、男性66パーセントと全国平均を大きく上回っています。

平均残業時間は14.2時間、有給休暇取得率は82.4パーセントです。離職率は6.7パーセントです。離職率の業界平均は12.8パーセントですので、定着率は良いほうだと思います。

各種認定・認証(社外からの評価)

各種認定・認証は、スライドに記載のとおりです。DX認定事業者、情報セキュリティに関する各種認定の他、健康経営や働きやすい環境作りにも積極的に取り組んでいます。

SIサービスとソフトウエア開発

当社のソリューションをご紹介します。主力事業のSIサービスとソフトウエア開発についてご説明します。お客さまの経営課題に向き合い、顧客密着型で培った業務ノウハウと高い技術力で、ご満足いただけるサービスをご提供します。

カバーしている分野は、自動車関連、物流、流通、通信・制御、プラント・ライン制御などが得意です。ICT基盤などのインフラ構築、コンサルティング、ERP、ローコード開発といった分野のノウハウも、豊富に持ち合わせています。

SIサービスでは、システムのコンサルティング設計開発からテスト導入までを、一括で提供します。その後の運用保守、維持、メンテナンスをソフトウエア開発で請け負うことにより、システムのバージョンアップやリプレイスのリピートオーダーにつなげ、安定した収益を上げています。

SIサービスの主な開発実績①

SIサービスの開発実績の一部をご紹介します。大手自動車メーカーの全国販売店(ディーラー)向け商談見積、受発注管理システム、営業支援、顧客管理に関するシステムを開発しました。

また、大手宅配運送会社の荷物の配送の際に発行する伝票発行システムや、配送伝票の代理発行システム開発などの実績もあります。

SIサービスの主な開発実績②

大手物流メーカーでは、在庫管理や搬送制御機能も備えた物流センターの、入荷から出庫までの管理を自動化するシステムを開発しました。

また、大手製鉄メーカーでは、製鉄所での原材料受入から出荷まで、生産工程における設備・製造ラインの操業・品質を管理するシステムを開発しました。

その他、大手企業の基幹システムに数多く携わっています。

EC支援サービス

EC支援事業では、本格的なネットショップをWeb上で簡単に開業できる「イージーマイショップ」を、サブスクリプションサービスとして展開しています。2024年3月時点で「イージーマイショップ」の契約総数が1万件を超え、流通総額は約100億円となりました。

また、当社では創作品モール「あるる」を運営しています。スライドの右上の2次元コードから、ぜひ一度ご覧ください。

イリイソリューション (中小企業向け業務パッケージ)

イリイソリューションです。中小企業向けの業務パッケージソフトです。「Simplex」は、通販業に特化したパッケージソフトで、導入実績は約750社です。「CTIコネクテル」は電話対応を効率化するCTI・コールセンター向けのシステムです。導入実績は約1,700社です。

「WArm+(ウォームプラス)」は、顧客情報や利益管理を自由に設計できるCRMシステムです。導入実績は約5,000社です。

BIGシリーズの「BIG Neo」のラインアップは、スライドに記載のとおりです。現在約3,000社のお客さまにご愛用いただいています。

AIソリューション ドキュメントソリューション

AIソリューションとドキュメントソリューションです。「MODEWO」は、AIによるディープラーニングで画像判定を行います。製造ラインの不良検出や荷物の仕分け等、物流倉庫の自動化などにご利用いただけます。

「デジペーパー」は、手書きをテキストに変換し、電子サインを残したり、PDF帳票に直接書き入れたりすることができます。設備の点検設置工事など、現場の作業確認、報告業務でご利用いただけます。

AIソリューションの導入事例

AIソリューションの導入事例です。日本アイ・ビー・エム株式会社、ジェイアイ傷害火災保険株式会社と協業で、AIを活用した「スーツケース破損保険金自動支払サービス」の開発支援を行いました。

このサービスは、AIがスーツケースの損傷画像を解析し、破損を検知して保険金を自動送金するサービスです。これにより、人による確認が不要となり、保険金支払いが最短即日で可能となりました。

その他のソリューション

その他にも、他社との協業スキームでさまざまなソリューションをご用意しています。

株主還元

株主還元についてご説明します。株主さまへの配当は、当社の株式を長期的かつ安定的に保有していただくために、安定配当を基本方針としています。

また、株主還元の一層の拡充を図るべく、配当性向40パーセントを目標としていきます。

株価推移

上場以降の株価の推移は、スライドに記載のとおりです。先ほど確認したところ、1,500円手前でした。ROEは20.0パーセント、PBRは2.2倍、PERは10.7倍となっています。

参考資料(Appendix)として、当社の沿革、2025年3月期第2四半期の連結損益計算書、連結貸借対照表、連結キャッシュ・フロー、中期(3ヵ年)経営計画もご用意していますので、お時間がある時にご覧いただければ幸いです。

以上で、株式会社システムリサーチ2025年3月期第2四半期(中間期)決算説明を終了します。ご清聴、ありがとうございました。

質疑応答:営業利益率の低下要因について

質問者:増収増益ですばらしい決算だと思いますが、営業利益率は9.7パーセントと、前年同期に比べて0.8ポイントほどマイナスになっています。この主な要因は何でしょうか?

また、通期の営業利益率の目標は、11パーセント以上となっていますが、こちらに対しての対策と、平山社長の自信のほどをお聞かせください。

平山:中間期の計画は達成したものの、利益率が前期より少し落ちている要因として、一番大きいのは、新卒が増えていることです。年々少しずつ新卒の人数が増えているため、新卒の未稼働の部分が前期の利益率を下げていく傾向にあります。

もう1つの要因として、来期、再来期に向けた新卒採用活動をすでに始めており、そちらにかかる費用が予算を若干オーバーしていることが挙げられます。売り手市場であるため、採用もなかなか厳しくなっており、より優秀な人材を集めるためには、お金を採用活動費に回さなければならない状態です。

営業利益率が前期比で若干落ちているのは、今期入社している新卒の未稼働の部分と、来期や再来期に向けた新卒採用活動の経費が増加したためです。

また、通期で利益率をどのように挽回していくのかについてです。採用活動費は減らせる状態ではないため、少し予算をオーバーしてでも計画の人員採用数を獲得していこうと思っています。したがって、ここは変わりません。

ただし、現在の新入社員には半年教育を行いましたので、少しずつ現場に入ってきています。この新入社員の稼働が売上や利益につなげられれば、おのずと利益率は上がってくるのではないかと考えています。

私の自信については、ここで「ありません」とは言えないため、計画どおりがんばりたいと思っています。

質疑応答:従業員2,000名体制の到達確度について

質問者:新卒採用について、2024年4月の実績と2025年4月の計画について数字を教えてください。また、「2,000名体制を目指す」と力強いご発言がありましたが、こちらは実現可能なのかをお聞かせください。

平山:今期は、すでに136名の新入社員が入社しています。来期の採用活動はほぼ終盤になってきていますが、180名の新入社員を採用予定です。先月内定式を行った際は160名程度だったため、あと20名ほど未確定となっていますが、現在も採用活動を続けており、確実に180名獲得していきたいと思います。

また、「2,000名体制は現実的なのか」については、新卒採用を基本とし、中途採用で離職者等の数を補填していくことになります。こちらも若干の期ズレはあるかもしれませんが、近々での実現が可能だと考えています。できるだけ早く、2,000名体制を目指したいと思います。

質疑応答:下期のマーケットのイメージについて

質問者:取引先、事業区分別にそれぞれ、下期のマーケットのイメージを教えてください。例えば、「この事業が堅調だ」「トヨタグループが相変わらず堅調だ」など、そのあたりのニュアンスだけでもお聞かせください。

平山:主力であるトヨタ自動車も、下期は自動車販売店の統合見直しや、販売契約の仕方がサブスクに移行していく部分があります。それを踏まえた販売店の見直しの他、さまざまな新しい自動車ビジネスの仕組みの改革が生じるため、IT対応があります。

加えて、レガシーシステムがまだ多いです。これはトヨタだけではなく、私どもがお付き合いしている大手企業の多くが、非常に大きなレガシーシステムを抱えています。早くDXや最新のIT基盤に乗せていかなければならないという課題があり、その対応が多数残っている状況です。このようなユーザーの状況や営業スタッフの報告からも、下期のマーケットには仕事がたくさんあると認識しています。

質疑応答:社内外のリスクファクターについて

質問者:決算と見通しを拝見し、すばらしいと感じています。なかなかないとは思いますが、考えられる社内または社外のリスクファクターがあれば教えてください。

平山:まず社内的には、会社の方針は拡大志向です。従業員も、売上も、お客さまに対しても、地域的にも拡大志向できています。そのような意味で、スライドに記載の「Next Vision 50th」の「04」、「人的資本とバックオフィスの強化」に取り組んでいます。社内DXやセキュリティ強化、ガバナンス、ブランディングなど、このあたりのマネジメントは本当にしっかりと対応していかなければなりません。売上や利益先行にならないように、社内体制をきちんと築くことが重要ですので、着実に取り組んでいきたいと思います。

また、IT企業のため、セキュリティ面で乗っ取られてしまうなど、恥ずかしいことにならないようにします。ただし、あまり間接要員は増やしたくないため、現在はできるだけ効率的に、属人化にならないように強化しています。

社外的な面についてお話します。当面はどの企業も新しい技術を取り入れたIT投資意欲が旺盛です。AIやRPA、ロボット化、ペーパーレスなど、ご要望をたくさんお持ちですので、対応していかなければなりません。しかし、そのような新たな技術のIT基盤は、古いシステムの基盤には乗せることができません。

大手企業は古い基幹システムを使用しているところが多く、なかなか今の技術が乗せにくい基盤となっていますので、早く最新の基盤にしていきたいと考えています。その基盤の上に新しい技術を使ったシステムを乗せていくかたちになります。まずはレガシーシステムをリメイクする必要があり、それが何百本も残っているという状況は、どこの大手企業も同じだと思います。そのような課題があることから、当分マーケットは良好だと思います。

とはいえ、特にSIなど、我々の事業は労働集約型です。現在は急に起こることはないかと思いますが、何か世界的なショックが起きると、バブルの際に一度経験しているように、いったん仕事がなくなると、人が余剰になってしまいます。仕事がなくても毎月の給与を払っていかなければいけません。

このような労働集約型の人的な部分で、仕事がなくなった場合のリスクを常に考えています。「少し現金を溜めすぎではないか」と言われますが、これはバブルの時に一度、「いざという時はある程度の現金を持っておかなければ耐えきれなくなる」という体験をしているためです。

したがって、現在は少しでも労働集約型ではない次のビジネスとして、サブスクやコンサル、パッケージといったビジネスを模索し、挑戦していく取り組みを行っている最中です。

質問者:レガシーシステムがたくさん残っているということでしたが、なかなかオープン化できない理由は、お客さまのほうにあるのでしょうか? インターフェースが急に変わるとシステムがうまく稼働しなくなるなど、事情があれば教えてください。

平山:基幹で動いている部分が多いため、慎重に進めなければならないということに加え、基盤のサービスにも、クラウドにもさまざまな種類があります。そのうち、どれを選択するのかにもよるため、このあたりに慎重さが求められます。

また、1つのシステムに何百本といったプログラム数があります。まずは現状がどのようになっているのかを把握します。きちんとドキュメントが残っている会社もありますが、ほとんどはしっかりしたドキュメントが残っておらず、修正とバージョンアップを繰り返し行っているため、そのあたりの難しさもあると思います。

配信元: ログミーファイナンス

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