【QAあり】INFORICH、3Q売上高は前年同期比+37%と順調 「mamaro」や「CheerSPOT」等、サービスのグローバルな拡大へ
FY2024 第3四半期 決算説明資料 目次
秋山広宣氏(以下、秋山):株式会社INFORICHの秋山です。本日もご参加いただきありがとうございます。今四半期もしっかりと約束を果たし、数字を達成できたのではないかと思っています。本日の説明会は、従来どおり橋本と2名で進めていきます。何卒よろしくお願いします。
本日のサマリーです。はじめに決算説明、続いて第3四半期業績ハイライト、第3四半期トピックスと進め、Appendixには触れずに質疑応答に入っていきます。
それでは、業績ハイライトをCFOの橋本より説明します。
決算説明資料サマリー : 【連結】3Q業績ハイライト
橋本祐樹氏(以下、橋本):橋本です。よろしくお願いします。サマリーとして、今四半期は過去最高数値を記録しました。
売上高は、第3四半期3ヶ月でYoY37パーセント増、累計でも39パーセント増と順調に成長しています。EBITDA・営業利益も順調に増加し、EBITDAのYoYは126パーセント増、営業利益は204パーセント増と、昨年を大幅に上回っています。
業績予想に対する進捗率も、非常に順調に推移しています。売上高については、昨年第3四半期時点の70パーセントに対して今四半期は75パーセントに達し、EBITDAは昨年60パーセントから75パーセント、営業利益は42パーセントから68パーセントと、好調に進捗率を伸ばした四半期となりました。
決算説明資料サマリー : M&A ハイライト
続いて、M&Aハイライトです。左側が第2四半期から連結開始しているオーストラリアの第3四半期実績、右側が第4四半期からPLを連結する台湾の主要KPIです。
オーストラリアの第3四半期実績では、売上高が9,500万円となっています。オーストラリアは日本と季節が真逆となるため、第3四半期は日本の第1四半期である1月・2月・3月と同じような季節環境です。そのため、レンタルが伸びづらい状況にありますが、レンタル数とユーザー数を着実に伸ばし、レンタル売上自体は増加しています。
設置台数については、前四半期の1,860台から2,000台まで増加し、レンタル数も前回の2万1,000回から約2万5,000回まで25パーセント超増加している状況です。
ARPR(レンタル平均利用料金)も、オーストラリアドルで10.7と順調に推移しています。
9月30日に、台湾でフランチャイズを運営していたChargeSpot Digital社の株式を取得し、グループインしています。今四半期はBSのみ連結です。
主要KPIについては、設置台数は約9,000台、レンタル回数が41万回、月間ユーザー数が約22万人と、非常に順調に成長している企業です。今後も成長継続が見込まれており、弊社の連結PLに貢献していくものと考えています。
決算説明資料サマリー : 中期経営計画の進捗
少し早いのですが、今年の振り返りと、2026年中期経営計画に向けた展望について少し触れておきます。
「『ChargeSPOT』国内」は非常に順調に成長しています。今四半期は他社サービスが撤退したニュースがありましたが、その運営を引き継ぎ、設置台数が4万5,000台を突破しました。第3四半期累計の売上高でも、YoY約40パーセント増と順調に進捗しています。
特に動きが大きかったのが、スライド中央の「『ChargeSPOT』海外」です。オーストラリアと台湾のM&Aを実施し、2026年に掲げた売上39億円、EBITDA4億円の確度を高められた第3四半期までの期間だったと思います。
第4四半期から連結する台湾については、台湾単体で年間EBITDA約5億円を見込んでいるため、そのような意味でも非常に確度が高まっている状況と考えています。フランチャイズも同様に、順調に増加しています。
右端のプラットフォーム事業については、後ほど秋山より詳細をご説明しますが、新規事業とサイネージの事業改革がともに順調に進捗しているものと考えています。
このような取り組みを続け、2026年、ひいては2030年のEBITDA150億円を確実に達成していきたいと考えています。
FY2024 3Q 業績ハイライト : 【連結】売上高・EBITDA・営業利益の推移(四半期)
ここから詳細に入っていきます。まず、四半期ごとの主要PLです。売上高については、オーストラリアの連結や国内の料金改定が寄与し、YoY37パーセント増と順調に進捗しています。
EBITDA・営業利益についても、それぞれYoY126パーセント増、204パーセント増と過去最高の数字です。加えて、EBITDAマージン・OPマージンも過去最高となり、2026年に掲げている年間のマージンに近い数字をこの四半期で記録しています。
FY2024 3Q 業績ハイライト : 【連結】損益計算書
PLのオーバービューになります。営業利益までは先ほどご説明したとおりですが、経常利益、当期純利益も過去最高となり、進捗率も非常に順調に推移しています。
FY2024 3Q 業績ハイライト : 【連結】売上内訳(四半期)
続いて売上内訳です。国内のレンタルからご説明します。7月1日から料金改定を実施し、レンタルあたりの平均利用単価が上昇しています。その影響でQoQでも16パーセント増と好調な数字を見せています。
ニュースでもかなり取り上げられたように、今年の夏は過去最高の暑さや豪雨の増加などマイナスの天候要因がありましたが、それを差し引いてもレンタル数は増加している状況です。
天気について少し詳細化しますと、今年の夏は過去最高の暑さを記録して人流に影響を与えたことに加え、7月の雨量が昨年比7倍、8月でも3倍と、非常に外部要因としては厳しい状況にありながらも、しっかり増加できた四半期となっています。
広告売上については、今四半期に大型の放映案件を獲得できたことで大きく増加しています。
海外のレンタルでは、オーストラリアの連結が大きく寄与し、YoYで28パーセント増、QoQでも7パーセント増と、順調に増加しています。
第2四半期で香港の天候影響についてお伝えしました。第3四半期も大型台風が中国・香港を直撃した影響で天候もかなり悪かったのですが、中国・香港を見ても微増という状況です。
フランチャイズ向け販売では、今四半期ではタイとシンガポール向けの導入・出荷が増加し、QoQで大きく増加しています。
FY2024 3Q 業績ハイライト : 【連結】費用内訳
続いて費用内訳です。こちらも売上高はYoYで大きく増えた一方、売上原価・販管費はそれぞれ増加率が抑えられています。売上が増加すればするほど利益率がよくなる構造を、今四半期もしっかりと見せられたのではないかと思います。
FY2024 3Q 業績ハイライト : 【連結】各KPIの推移
続いて各KPIの推移です。左上の月間レンタル数も、天候影響があったにもかかわらず過去最高の数字となっています。
右上の累計設置台数も順調に増加しています。今四半期から台湾の台数も追加しているため、大きく増加しているかたちとなっています。
左下の月間アクティブユーザーも過去最高となり、ダウンロード数も順調に伸びて1,100万回を突破しています。
FY2024 3Q 業績ハイライト : 【連結】台あたりエコノミクスの推移(オーストラリア・台湾除く)
1台あたりエコノミクスの推移です。こちらも売上が非常に順調に伸びています。一方で、コストは引き続きそこまで増えておらず、1台あたりの営業利益額と利益率が過去最高となっています。
FY2024 3Q 業績ハイライト : 連結貸借対照表
最後に貸借対照表です。主な部分のみ触れますが、冒頭からお伝えしている台湾の連結に伴い、のれんが大きく増加している状況です。その他についてはスライド記載のとおりです。
以上で業績の説明を終わります。
FY2024 3Q Topics : ChargeSPOTの新規設置/設置拡大
秋山:2026年、2030年に向けて順調に進捗していることを確認いただけたのではないかと思います。ここから第3四半期のトピックスを紹介します。
今期も、飲食などのチェーン店、鉄道、大型施設への設置を続けてきました。既存アカウントへの設置拡大も含め、第3四半期では国内設置は2,225台増えています。
インバウンドの需要も強い成田空港内でも13台の設置を行いました。渋谷のMIYASHITA PARK、スクランブルスクエア内のSHIBUYA SKY、新規オープンで話題のグラングリーン大阪などの大型施設にも順調に設置が進んでいます。
沖縄で展開しているモバイルバッテリーシェアリングサービス「充電GO!」の事業撤退に伴い、一部の設置先において「ChargeSPOT」への置き換えを実施しました。
「充電GO!」が市場を作ってきた沖縄県内ですが、バッテリーレンタルサービスを「ChargeSPOT」に置き換えてINFORICHがしっかり引き継ぎ、地元の方や観光客の方の利便性を保ち、さらに高められるよう取り組んでいきます。沖縄も着実に拡大中です。
FY2024 3Q Topics : ChargeSPOT 料金改定
料金改定に移ります。7月1日から国内の料金改定を行いました。内容はスライドのとおりで、30分以上1時間未満は330円です。また、各ステーションと呼んでいる部分が若干変わっています。
FY2024 3Q Topics : ChargeSPOT 料金改定
料金改定の結果についてです。改定前後を比較すると、ユーザーの平均料金が第2四半期の平均377円から432円と13パーセント増えています。
料金改定は今回を含めて5回目になりますが、過去の傾向から、料金改定後にユーザーのみなさまの利用時間がだんだん短縮化されていくのは予想内です。そのため、前回の4回目と比較しても、今後のARPRは徐々に下がっていくと予測しています。
しかし、料金改定後の月間アクティブユーザーは引き続き増加しています。先ほどもお伝えしたように、今年の夏は猛暑、大雨、地震、その後の南海トラフ巨大地震臨時情報などさまざまな影響があり、ユーザー数は控えめとなっていますが、堅調にご利用いただいています。
今回の料金改定では、「ChargeSPOT Pass」の料金は変えずに加入を促進しました。その結果、「ChargeSPOT Pass」の加入者数は15パーセント増加しています。「ChargeSPOT Pass」加入者のほうが、長期的に「ChargeSPOT」をご利用いただく傾向があることから、今後も「ChargeSPOT Pass」の加入促進に力を注いでいこうと考えています。
FY2024 3Q Topics : 広告販売拡充のための取り組み
続いて広告販売についてです。発表したように、2024年8月にSSP(Supply Side Platform)の開発が完了しました。また、年内に他社とDSP(Demand Side Platform)の接続とテストを実施しています。
これにより、他のデジタルサイネージにも繋ぎ込み、広告配信を人力ではなく自動で行えるようになります。今後さらに広告配信を加速させていきたいと思っています。
サイネージだけでなく、今年はスライド右側のような、DOTOWNやMMBP & Associatesなど色鮮やかなバッテリーのコラボレーション・デザインに取り組んできました。
MMBP & Associatesは、ルイ・ヴィトングループのライフスタイルなども手掛けるデザイナーのハンク氏が設立したブランドです。今回、我々のヨーロッパ展開にあたり、イギリスでハンク氏を紹介いただき、このような色鮮やかなデザインが実現しました。
さらに、得意とするヒップホップイベント「THE HOPE」での会場限定コラボレーション商品なども提供しました。
このように、サイネージだけでなくブランディング、また広告媒体としてバッテリー表面を活用し、今後も楽しくサービスを展開していきたいと思っています。
FY2024 3Q Topics : 台湾フランチャイズの子会社化
続いて台湾です。2019年から台湾フランチャイズとして新型コロナウイルスをともに乗り越え、共にがんばってきた仲間でもあるChargeSpot Digital社の株式を、9月30日に取得しました。
台湾は、月間レンタル41万回、ユーザー数22万人、設置台数9,000台まで成長しています。新型コロナウイルスを一緒に乗り越えたという意味では強いチームであり、今回の株式取得により我々にグループインすることで、海外展開を加速させる意図もありました。
ChargeSpot Digital社は2023年度には営業利益がすでに黒字化しており、今後の成長も見込まれる状況です。2026年に16億円、長期的には30億円まで売上が拡大すると想定しています。
FY2024 3Q Topics : フランチャイズ展開エリアでの設置拡大
続いてフランチャイズ展開エリアへの設置についてです。スライド左側がタイ、右側はシンガポールになります。タイとシンガポールともに7-Elevenへの設置が決まり、現在絶賛拡大中です。
タイは、2024年中に1,800ヶ所まで設置を増やす予定です。さらに、2025年には2,500ヶ所を目指し、7-Elevenとともに進んでいきます。
シンガポールでもすでに450ヶ所に設置しています。これにより、シンガポールでの設置台数は類似他社と比較してもトップとなりました。タイ・シンガポールともに国内シェア1位となっています。
日本で設置している企業に対しても、海外で設置を行う連携を今後も継続的に行い、各エリアでの設置を増やして市場シェアを高めていきたいと思っています。
例えば、タイにはバンコクだけでも8,000ヶ所の日系飲食店がありますが、このようなところには華僑ルートや現地ルートのみではなかなか参入が困難なため、各地にある日本のマーケットと華僑系ネットワークのダブルルートで、マーケット拡大を実現していくものです。
FY2024 3Q Topics : 海外展開の状況
続いて、海外展開の状況を世界地図でご覧いただきたいと思います。日本以外にも、これまで直営として中国本土・香港で運営を続けてきましたが、今回、濃い青で示している直営のエリアが増えました。
オーストラリアの「Ezycharge」ブランドに加え、台湾が直営となっています。香港では4,150台まで増えています。中国は、フランチャイズ展開を含めて引き続きR&Dのセンターとなっており、市場を理解する意味で実験的に5,330台を展開しています。
オーストラリアは「Ezycharge」が2,000台、台湾が9,000台となりました。フランチャイズでは、タイ、シンガポール、そしてマカオで展開済みです。ベトナムも展開準備を進めています。
イギリスの子会社の設置も完了し、ヨーロッパでの展開も検討を進めているところです。エリアとしても陸続きですし、隣国同士、ユーロスターで行くようなこともありますので、人流もしっかりと確保して展開していけると考えています。イギリスに子会社を設置することで、まずは時間差をなくし、現地とのコミュニケーションをスムーズに取っていきたいと思います。
FY2024 3Q Topics : 利便性向上のためのバッテリースタンドの新規開発・新機能搭載
プロダクト関係についてご説明します。さまざまな新しいバッテリースタンドの開発を進めてきました。国内では、スライドの左側に記載のとおり、返却エラー時や、お借りいただく際に音が出るようになっています。返却し忘れを防ぐために、新たに音声の機能を追加しています。
海外での取り組みとして、新しいスタンド3種類をご紹介します。スライド左から2つ目は、クレジットカードのタッチ決済に対応したものです。こちらは、今回のオーストラリアのジョインに際して、「Ezycharge」がすでに展開している類似モデルを基にした開発となっています。これにより、携帯の充電がゼロになったとしても、カードタップで支払うことができます。
ユーザーのみなさまからもよくいただいていたニーズに、ようやくご回答できるものになったのではないかと思います。オーストラリアの利用率もますます上がったことも確認が取れていますので、QRコードと並走して、このような機能を付け加えました。
スライド左から3つ目は、タイや台湾のコンビニでの取り組みです。サイネージがついていないモデルになっています。タイや台湾のコンビニは、店舗のサイズが非常に小さいため、そのような場所にも置けるようになっています。カウンターの後ろに置いておき、店員の方に取ってもらうというオペレーションです。その場合、サイネージは必要なくなりますので、そのような工夫がすでに織り込まれたデザインになっています。
また、8スロットと、我々には今までなかった数量になっています。サイネージを作らないことで、製造単価を下げることにも寄与しています。
スライド右端は、香港の取り組みです。「Mapxus」の館内地図と連携したスタンドをショッピングモールで展開しています。携帯でQRコードをスキャンして利用しますので、例えば、大きなモールの中でどこまで行ったかわからなくなってしまって館内地図のある場所に戻ってくるということを防ぎます。また、ラストワンマイルまで連れて行ってデータをしっかりと獲得することもできます。
補足 : イギリス子会社の設立について
10月以降の発表で重要なものをご説明します。重複しますが、イギリスの子会社についてです。こちらをしっかり展開していきたいと考えておりますし、展開していけると判断しています。
ヨーロッパのSOMについては、スライド右側に記載のとおり、1.2億人と非常に大きな市場だと考えています。スピードをしっかり上げて展開していきます。
中期経営計画 : プラットフォームサービスへの進化
中期経営計画です。我々が中期経営計画を発表してしばらく経ちますが、スライドのピラミッドの中がどのようなものなのか、なかなか想像いただけなかったと思います。今期はそこをしっかりと埋めていけたのではないかと思っています。
スライドの左下へ向かう矢印のとおり、直営展開エリアの増加と新規設置による台数の増加により、順調に拡大しています。
ユーザーについても、スライド右下へ向かう矢印のとおり、新規設置と使いやすさの向上により、増加しています。
そして、スライドの図のブロックに重なるかたちで、プラットフォームサービスはさまざまに展開しています。
スライド図の4段目は、クロスボーダーです。香港の企業のサービスなど、まだ日本にないものを日本に、また、ベビーケアルームの「mamaro」などを海外にクロスボーダーしていきます。
「mamaro」については後ほど触れますが、先日発表したとおり、株式を取得し子会社化しました。
スライドの図の3段目は、ゲーミフィケーションです。第2四半期に実施したシンガポールでの「モンスターハンターNow」とのコラボレーションのように、ますます積み上げていく予定です。
スライドの図の2段目は、「ShareSPOT」です。日本国内でおそらく唯一、ソフトバンクのシェアリングサービス「HELLO CYCLING」と「ドコモ・バイクシェア」の両方を使うことができるプラットフォームになっています。他にも、傘、オフィス、そして今回株式取得した「mamaro」も使えるように、どんどんサービスを付け加えていきます。
スライドの図の1段目は、マーケティングソリューションです。unerryのビーコンは従来どおりですが、「ChargeSPOT」や「mamaro」のサイネージではSSP/DSPを開発し、ますます自動的に広告が対応できるようになりました。「NaviSPOT」と「CheerSPOT」についても、後ほどご説明します。
補足 : Trim株式会社の株式取得について 1/2
「mamaro」についてです。10月31日に、Trim社の株式を取得しました。Trim社が展開するサービスが「mamaro」というベビーケアルームです。1畳程度の個室で商業施設などに設置することで、性別問わずに利用できるベビーケアルームとなっています。
室内にはモニター、つまりサイネージがありますので、こちらも活用していくことができます。市場規模としては、国内SOMは6万2,000台を見込んでいます。現在の設置数は約600台です。まだまだ余地はあると考えており、展開を加速していきたいと思います。さらに、海外展開もあり得ると考えています。
子ども関連のビジネス市場に関しては、少子化の影響を受けながらも成長していることについても、マクロの点においては触れておきたいと思います。中でも男性の育児参加も増えていますので、個人のニーズも高まっていくと見越して、株式取得を決議しました。
INFORICHのミッションは、「Bridging Beyond Borders 垣根を越えて、世界をつなぐ。」です。このミッションの下、垣根を越えて世界に橋架けをしていくという意味で、子育てに関するさまざまな障壁をTrim社と解消していきたいと考えています。
補足 : Trim株式会社の株式取得について 2/2
モバイルバッテリーのシェアリングサービスとベビーケアルームは、一見共通点がないように思えますが、実は類似点が多いと考えています。この点が、今回株式取得をした理由の1つとなっています。
まず、設置場所がかなり似通っています。基本的には人流が多く、滞留時間が長いことが共通しています。
利用者の年齢層も、基本的には近いと想定しています。この類似点により、「mamaro」の設置の増加という意味で、非常にシナジーを生み出していけると考えています。
加えて、相互ユーザーの認知向上が見込めます。例えば、「mamaro」と「ChargeSPOT」を両方置くことで、「ChargeSPOT」だけでは入りにくいところも「mamaro」から入っていけます。
逆に、「mamaro」が入っていないところに「ChargeSPOT」がある場合、そこにも「mamaro」を配置していくといったシナジーが想定できると思います。
また、「ChargeSPOT」の製造ノウハウももう1つのポイントです。「mamaro」のベビーケアルームはこれまで国内で製造を続けてきましたが、我々はすでに海外での製造ノウハウを持っているため、コストダウンを図ることができます。
なお、Trim社のP/Lへの連結は2025年度からを想定しています。
補足 : 「CheerSPOT」の開始について(1/2)
スライド29ページのマーケティングソリューションでご紹介した「CheerSPOT」についてご説明します。まずは、先週のカンファレンスで流した映像をご覧ください。
(動画流れる)
初めてご覧いただいた方がほとんどではないかと思いますが、INFORICHは、このサービスでより一層色付けをしていきたいと思っています。
私のバックグラウンドにも少し関係しているのですが、私は20代の頃、エンターテインメントの世界にいました。アーティストとファンの間にもっとブリッジを架けられるのではないか、もう少し距離を近づけることができるのではないかと考えたサービスです。
アーティスト側からの意見、また、ファン側からの意見を実現した1つのプラットフォームになっているのではないかと思います。
補足 : 「CheerSPOT」の開始について(2/2)
簡単にご説明すると、韓国などを中心に今、広告を自分で出して誕生日を祝うなど、ファン自らがお金を支払って大好きなアーティストを応援することが流行っています。10代、20代、また、応援するアーティストによっては30代、40代のファンの間でも比較的頻繁に行われており、このような市場は広告の部分だけでもすでに300億円を超えると理解しています。
しかしながら、使用している写真に事務所やプロダクション、音楽のレーベルから公認されていないものを使っているなどといった課題があります。こちらをオフィシャルなものにできないかと考え、今回、循環型の応援広告を発表しました。
今回の内容では、最安値で400円から購入できます。我々のサイネージは6分で一周しますので、その6分のうちの15秒を買って1週間放映すると400円になるということです。
さらに、これは広告代理店を一切介さずに、新しく作ったWebアプリで直接「ChargeSPOT」のサイネージを買えてしまうサービスです。日本では4万5,000台、世界では6万5,000台をすべて購入し、応援できるプラットフォームになったわけです。
今回のカンファレンスでも触れましたが、今までは「ChargeSPOT」の台数分だけがINFORICHの成長であると思われてきました。しかし、この「ChargeSPOT」のサイネージはもちろん、ここで先ほどのSSP/DSPが関わってきます。
このDSPの繋ぎ込みにより、我々の「ChargeSPOT」のサイネージだけでなく、例えばタクシーサイネージやヘアサロンサイネージ、街頭の大型のサイネージなど、街中のデジタルサイネージによりアーティストを応援できます。
さらに、スライド右側に記載のビジネスモデルのとおり、レベニューシェアを戻しますので、地域貢献にもなります。「ChargeSPOT」が設置してある場所にも、アーティスト事務所にも還元されます。
また、これを利活用いただくことで、アーティストの活動費用にもなります。このような循環型により、ファンにもアーティストにも喜んでいただけるという新たな世界を、ソフトウェアとサービスで展開していきたいと考えています。
そして、繋ぎ込んでいくことによって、我々が「ChargeSPOT」ですでに展開しているエリアでは、世界同時多発がどこでもできてしまいます。日本だけではないビジネスを、この「CheerSPOT」でしっかり拡大していきたいと思います。
補足 : INFORICH カンファレンスの実施 / NaviSPOT / ソーラーパネル搭載モデル
この他にも、直近で発表した内容があります。先週の木曜日、「INFORICH CONFERENCE ExSPOT 2024」と題したカンファレンスを開催しました。450人にご参加いただき、おかげさまで無事に終えることができました。
こちらで発表したのが、スライド中央に記載した「NaviSPOT」です。先週末からさまざまなニュースで取り上げられています。我々の「ChargeSPOT」のハードウェアをさらに活かし、海外やインバウンドが非常に増えている日本で活用できるサービスとなっています。
カンファレンスの当日に発表しましたが、シンガポールのSBS TransitとMOUを締結し、年内に設置を開始します。
「NaviSPOT」では、多言語でのAIコンシェルジュが可能です。カメラとマイクがついており、タッチパネルで「新宿駅までどのようにして行きますか?」といった質問ができます。日本国内においてしっかりと展開していきたいと考えています。
スライド右端に記載のとおり、屋外に設置可能なソーラーパネル搭載型モデルも発表しました。このモデルはソーラーパネルのため電源が必要ありません。つまり、すべて太陽光によりバッテリーをチャージして展開します。ビーチや公園などにも設置していける、非常にエコなモデルです。
海外へのスピードをしっかり上げて、成長している状況だと自負しています。さらに今後は、「CheerSPOT」「NaviSPOT」などをはじめ、プラットフォーム事業もますます充実させていきます。
2026年は中期経営計画をしっかりと超えていきつつ約束を守り、2030年も圧倒的に達成していきます。まずは、約束どおり1個1個積み重ねていきたいと思います。
以上で、決算説明を終了します。ありがとうございました。
質疑応答:Trim社の経営について
司会者:「Trim社についてうかがいます。Trim社の経営については、今後どなたが行っていくのでしょうか? また、どのような方針で行っていく予定でしょうか?」というご質問です。
橋本:もともとTrim社の代表である長谷川さんに引き続き残っていただく予定です。当社から2名の取締役を派遣して事業拡大に取り組んでいこうと思っていますが、1名は私が入る予定です。もう1名は、設置営業に特化した者を入れるか、また別の文脈の者を入れるかを検討しているところです。
質疑応答:「mamaro」で起こりうる風評被害への対応について
司会者:「『mamaro』については、ルームの利用者ではない人がバッテリー交換の際などに立ち寄ることによるリスクからくる風評被害などがありうると考えています。センシティブな場所だと思いますが、何かしらの対応は必要ではないでしょうか?」というご質問です。
橋本:こちらは「mamaro」の運営会社であるTrim社側で非常にセンシティブに考えています。基本的に今までそのような事例がないということもありますが、アプリを通じてロック機能を開発するなど、いろいろなプロダクト側の開発も検討しているところです。なお、「mamaro」の内部に「ChargeSPOT」を置くことは想定しておりません。しかし、清掃などの管理のために人が立ち入る可能性はあるため、しっかりと対策していきます。
質疑応答:事業展開加速に伴う管理面の強化について
司会者:「事業展開の加速に伴う管理面の強化にはどのように取り組んでいますか?」というご質問です。
橋本:現在、特にグローバルに拡大が進んでいるため、いわゆるコーポレート側である管理部門の強化については、重点事項として、今期から来期、再来期にかけて確実に取り組んでいかなければならないと考えています。内部人材の成長だけではなく、専門性の高い外部人材の採用も必要だと考えており、日本に限らず、幅広くアジアの人材も含めた採用を進めていければと思っています。
秋山:海外について補足します。オーストラリアもそうですが、海外の株式取得については、実はINFORICHのグループ内で人材を強化していくためという背景もあります。
ご認識いただきたい点としては、海外でも展開してきたメンバー、または他社には、新型コロナウイルスを経験して生き残ってきた非常に強いチームが多く見られます。
そのような意味でも、我々がオーストラリアをチームインしたことや、台湾のケーススタディーも吸い上げられるメンバーが加わったことにより、今後我々がグローバル展開を加速するにあたって主力のメンバーとして活躍してもらえます。
このように海外のM&Aには、ビジネスを買うだけではなく、チーム強化という面も含まれていることを1点補足させていただけたらと思います。
質疑応答:「CheerSPOT」の成功事例について
司会者:「『CheerSPOT』は斬新なアイディアだと思いますが、世界的にどこかで成功事例はありますか?」というご質問です。
秋山:結論からお伝えすると、このようなサービスをグローバルで展開しているのは我々だけではありません。日本国内においてもサイネージを一個人に販売するケースはすでに増えてきています。
ただし、大きな違いとしては、我々はすでに日本国内に4万5,000台、そして海外に6万5,000台あるということです。これにより、海外も含めて同時に展開できることがポイントです。
そしてもう1つは、400円から出稿できるということです。通常ではどれほど安くても4万円から5万円のスタートです。我々の「CheerSPOT」については、「ChargeSPOT」をお使いのユーザーさまと非常に年齢層が近く、10代後半から40代が中心です。
中学生や高校生など、置いてけぼりになってしまうマーケットが存在しています。しかし、400円からであれば、地方に住んでいてなかなかライブに行けなかったとしても、地元のコンビニから応援できます。そして、応援メッセージには自分の名前やペンネームも入るようになっています。
このように非常にユニークで、かゆいところに手が届くようなところをしっかりブラッシュアップして展開できる、新しいサービスではないかと思っています。
過去の「ChargeSPOT」のスタートも同様でした。バッテリーも借りるという行動もありました。ただ、ここを合わせることによって非常に利便性を高めることができました。
「CheerSPOT」も、もともと存在していたものですが、さらに使いやすく、そして大衆に届けやすい値段の設定、そして海外でも一気に展開できるということが、我々の特徴ではないかと思います。
今まで決して存在していなかったものではありません。しかしながら、そこをブラッシュアップして、多面的、そして量を持って展開していけるサービスとして育てていく決意です。
質疑応答:「CheerSPOT」の課題について
司会者:「『CheerSPOT』が成長するための課題やハードルにはどのようなことがありますか?」というご質問です。
秋山:やはりプラットフォームの構造です。「ChargeSPOT」もそうですが、我々が引き続きフォーカスしていくのはプラットフォーム事業だと思っています。ここに欠かせないのは、やはりIPコンテンツです。ここは我々も強いと自負しているため、パートナーとしっかり連携していきます。
また、このIPコンテンツが有名であれば有名であるほど、一気にスケールするきっかけになります。一方、コンテンツが弱いとなかなかスケールしないという可能性ももちろんあります。ここのパートナーシップを急いで構築していかなければならないと考えています。
そして日本国内だけでなく、同時並行で香港や台湾、シンガポールなどの各国、また日本においても、全国では有名ではなくても地方で有名なIPもあります。
例えば、地方や各エリアに「ゆるキャラ」があるように、全国ではメジャーではなくても地方で有名なものです。このように、日本以外で展開している7地域でもIPコンテンツとのパートナーシップを急いでいます。ここが1つの鍵になると思っています。
質疑応答:「CheerSPOT」が創出する数字について
司会者:「『CheerSPOT』を展開していくことで、サイネージ1台から創出される売上高や利益はどのように変化していくと考えておけばよいでしょうか? 定量的にご説明ください」というご質問です。
橋本:「CheerSPOT」を含め、サイネージではずっと「2桁億円を目指したい」とお話ししています。もともと「2026年度に8億円の売上」とお話ししてきましたが、この「CheerSPOT」の開始により、さらに強い数字で2桁億円を目指していきたいと考えています。
1台当たりの売上高で見ると、想定している2桁億円から割り返すと、バッテリーの売上の1割強を目指していく数値感かと思います。
先ほど秋山がご説明したとおり、現時点での応援広告の市場は300億円ぐらいと試算されており、まだ市場自体が育っていないと考えていますので、バッテリーレンタルと同じように、当社が市場を牽引していけるような意気込みで、この市場、事業ともに伸ばしていきたいと考えています。
質疑応答:「CheerSPOT」への芸能事務所からの反応について
司会者:「『CheerSPOT』の発表に際して、芸能事務所からの反応など、何か紹介できるものはありますでしょうか?」というご質問です。
秋山:日本国内においては、すでに前向きにご検討いただいているところがあります。すでに全国的にも知名度の高いアーティストの方々と発表当初から展開を検討しています。
また、「CheerSPOT」の展開は、「ChargeSPOT」を展開していない国でもDSPのつなぎこみによって可能になります。このサービスは、ハードは関係なくソフトウェアで展開していけるものです。そのため、そのような地域においても並行して展開しているところです。
質疑応答:「CheerSPOT」利用におけるモラル違反への対応について
司会者:「『CheerSPOT』はユーザーサイドでしっかりとしたモラルを持って利用してもらわなければならないと思います。モラルを逸脱した利用が起きた際のINFORICH側の対応として、どのような想定をしていますでしょうか?」というご質問です。
秋山:ご質問いただいた点については、すでに検討し尽くしてから今回の発表を行いました。もちろん放送できる内容が前提であり、ご自分の好きなものを勝手に投稿できるわけではありません。むしろ従来は、芸能事務所のアンオフィシャルなものになっていました。
我々は今回すべてオフィシャルで、各音楽事務所やレーベルなどと展開していきます。公認のテンプレートをいただき、それを例えばコンビニで確認して「内容的に問題ありません」となったものを展開していくことが前提です。
その上で、先ほど「自分のペンネームも入れられます」とお伝えしましたが、ここはもちろんKYCのチェックが入ります。不適切な言葉がペンネームになっていたら弾くオペレーションや機能が入っています。このように、モラルの前にしっかりとルールを作った状態で展開していきます。
みなさまが使い慣れてきたら徐々に機能を増やしていく予定ですが、いったんはそのようなルールを引いて問題が起きないように展開を開始していきます。
質疑応答:来期の見通しについて
司会者:「来期の考え方についてお聞かせください。日本の『ChargeSPOT』のビジネスは来期も順調に拡大し、利益成長を牽引していくように感じます。一方、日本の新規事業や海外は投資フェーズにあるように感じており、利益を押し下げる要因になるのか、それとも押し下げる要因にならない程度の投資になるのか、イメージを教えてください」というご質問です。
橋本:これはセグメント別に利益を出すことでご説明できると思います。期末ないし来期にはしっかりとセグメント別に利益を出していきたいと思いますが、まずは多くの既存事業が黒字、かつ伸びているという状況です。オーストラリアと台湾も非常にポテンシャルのあるところだと考えています。
したがって総論として、増収増益を実現できる可能性は高いと考えています。つまり「全体としての利益を押し下げる要因にはならない程度の投資」という、後者に該当するイメージを持っていただければと思います。
質疑応答:アメリカへの事業展開について
司会者:「海外展開についてうかがいます。アメリカへの展開についてはどのように考えていますか? あらためて方針を教えてください。また、その際に想定される競合があれば教えてください」というご質問です。
秋山:結論からお伝えすると、もちろん考えています。また、人流という意味においては、スライドの世界地図の「ChargeSPOT」のピンを置いているとおりです。
ただ、その中でも東海岸からスタートしていくのではないかと想定しています。地下鉄など、日本と似たような状況で人流がしっかりあるニューヨークやマンハッタンのようなところです。
逆に、車移動の多い西海岸エリアでは難航するのではないかと思っています。ラスベガスやニューヨーク、マイアミなどのようなところは人流も多く、バッテリーレンタルを使う習慣につながっていくのではないかと思います。
アメリカ展開となった場合、我々はすでに「ShareSPOT」も持っていますが、こちらを別の角度から見ていただくと、実はINFORICHの経済圏の拡大につながります。
そうすると、1個のマップでバッテリーだけではなく車もバイクも使えます。駅から500メートル、1メートル圏内には「ChargeSPOT」を、そうではない人たちはバイクシェア、カーシェアで20キロメートル、30キロメートル圏へと、1つの投資を中心に展開していけると思っています。
それまでにますます「ShareSPOT」も充実させて、このような機能も使いながら、アメリカという市場で展開していったらおもしろいのではないかと思います。
秋山氏からのご挨拶
秋山:本日は長時間ありがとうございました。触れましたとおり、第3四半期は盛りだくさんとなりました。今回の台湾のフランチャイズのM&Aは、海外展開のスピードを上げる人材の吸収でもあるとご認識いただけたらうれしいです。
「ChargeSPOT」は「借りる」と「返す」という2回のタッチポイントがあるサービスです。「CheerSPOT」そして「NaviSPOT」などを通じてサイネージもしっかり見ていただけるものし、次に何を展開するのかを考えています。
ハードウェアの側面からもそうですが、INFORICHはソフトウェアもハードウェアもサービスも、一挙に「ChargeSPOT」で展開してきました。これが我々のチームの強みだと思っています。
その意味では「CheerSPOT」という、ハードウェアを抜きにしても展開していける新たなサービスの発表により、INFORICHに対してまったく別の見方ができるようになった発表ではないかと思っています。
今後もINFORICHの各国の強いチームと従来のスピードを持って、新たなサービスとともに垣根を越えていくような吸収、拡大をしていきます。
今年度もしっかりと数字を作り上げて、またご報告できたらと思います。本日は誠にありがとうございました。
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