本邦当局による為替介入への警戒感も高まりそう
【注目ポイント】「155.000円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「160.000円」付近までの上昇も視野に
【シナリオ②】同レート割れなら、「151.820円」付近までの下押しを想定
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「151.820~160.000円」
【留意点】本邦当局による為替介入実施の有無
先の米大統領選においてトランプ氏が勝利したことに伴う“トランプ・トレード”による米ドル買いフローが進展する中、14日のパウエルFRB議長によるタカ寄り発言が追い風となる形に。そんな中、足もとの米ドル/円は7月23日以来となる156円台を付ける動きとなっています。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方で推移していること、3) ローソク足の下方に青色雲(=先行スパン、サポート帯)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなり、ADXが右肩下がりでの推移(上図赤色点線丸印)となっていることから、現在の米ドル/円・日足チャートは、上昇トレンド継続を示すチャート形状であると判断します。
その他では、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する“上昇バンドウォーク”となっていること、またⅱ) BB・±2σラインが拡張する“エクスパンション”が示現しつつあることを加味すると、今後の米ドル/円はもう一段の上値トライとなる蓋然性(がいぜんせい)が高そうです。
これらを踏まえた上で、足もとで注目すべきポイントは・・・BB・+1σラインをメドとする「155.000円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
この先において、「155.000円」で下値サポートされた場合は、「上昇バンドウォークの継続」→「もう一段の上値追い」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンのさらなる上放れ」や「エクスパンションの進展」、また「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、心理的な節目である「160.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇も視野に入りそうです。ただし、この場合はその途中段階も含めて、本邦当局による為替介入への警戒感が高まりそうです。
[シナリオ②]
一方で、「155.000円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「上昇バンドウォーク崩れ」→「一旦の下押し」となる可能性も。当該ケースでは、「遅行スパンのローソク足への近接」や「SARの売りサインへの転換」、また「+DI>-DIの乖離縮小」なども伴いながら、200日MAをメドとする「151.820円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下押しを想定すべきでしょう。ただし、現状では青色雲が分厚い形状(=強い下値支持帯)となっているため、下値余地は限定的となりそうです。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下の米ドル/円はもう一段の上値追いを模索する相場付きとなる中、当面※は「151.820~160.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
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