アルフレッサHD、更なる企業価値向上を実現すべく、中長期的な事業戦略および財務・資本戦略を推進中
2025年3月期第2四半期(中間期)決算説明
荒川隆治氏(以下、荒川):こんにちは。アルフレッサ ホールディングス株式会社の荒川隆治です。平素より格別のご支援とご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
弊社は11月7日に2025年3月期第2四半期(中間期)の決算発表を行いました。
本日は、より多くの方にご視聴いただくため、ウェブライブ配信の形式で決算説明会を開催します。よろしくお願いします。
初めに副社長の岸田から2025年3月期第2四半期(中間期)決算について、次に私から主な取り組みと業績予想についてご説明します。
連結損益計算書
岸田誠一氏:こんにちは。アルフレッサ ホールディングス株式会社の岸田です。
まず、2025年3月期第2四半期(中間期)の連結損益からご説明します。
売上高は前年比2パーセント増収の1兆4,563億円、売上総利益は前年比3.1パーセント増加し1,023億円、売上比は7.03パーセントで前年より0.08ポイント改善しました。
販管費は前年比4.9パーセント増加の873億円、売上比は6パーセントで前年より0.17ポイントアップしました。
営業利益は前年比6.3パーセント減益の149億円、売上比は0.09ポイントダウンし、1.03パーセントとなりました。
経常利益は前年比5.8パーセント減益の162億円、中間純利益は前年比18.7パーセント増益の140億円となりました。
政策保有株式の縮減を推進する中で、投資有価証券の売却により特別利益が大幅に増加し、 中間純利益は当初予想を大きく上回ったため、2024年10月31日に連結業績予想の修正を発表しました。
2024年5月14日に発表した当初予想に対する達成率は、スライド一番右の列に記載のとおりとなりました。
配当については、配当方針DOE2.4パーセントに基づき、中間配当31円としました。
連結貸借対照表
貸借対照表についてご説明します。
2024年3月末と比較して、中ほどの資産合計は195億円増加し、1兆4,671億円でした。
主な増加要因として、資産の部では、投資有価証券の時価上昇などにより固定資産が156億円、流動資産が38億円増加したことが挙げられます。
一方、負債の部では、流動負債が66億円、固定負債が14億円の増加、純資産は114億円増加し4,913億円、自己資本比率は33.5パーセントとなりました。
連結キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の一部の支払いが期末日休日の影響で当期に繰り延べられたことなどにより、29億円増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは固定資産の取得等で84億円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払い67億円などにより、75億円の減少となりました。
この結果、キャッシュは128億円の減少、期末残高は2,046億円となりました。
医療用医薬品等卸売事業
セグメント別の営業損益についてご説明します。
まず、医療用医薬品等卸売事業の業績です。
売上高は前年比2.3パーセント増収の1兆2,965億円、売上総利益は5.3パーセント増加の758億円、売上比は5.85パーセントで前年から0.17ポイント改善しました。
販管費は8.5パーセント増加し631億円、売上比は4.87パーセントで前年から0.28ポイント アップしました。
結果、営業利益は8.2パーセント減益の126億円、売上比は0.98パーセントで前年から0.11ポイントダウンしました。
薬価改定によるマイナス影響はあったものの、市場が伸長し、中でも特許品・新薬創出加算品等の販売増加により前年比2.3パーセントの増収となりました。
また、売上総利益率改善に取り組んだ一方で、物流センターの高度化に向けた投資による減価償却費や物流経費、ベースアップに伴う人件費等の販管費増加により減益となりました。
カテゴリー別売上構成比
カテゴリー別の売上構成比はご覧のとおりです。
新薬創出加算品と特許品・その他を合わせると構成比が80.5パーセントとなります。前年に引き続き取り扱いが増加し、当社グループ内での構成比は3.9ポイント上がっています。
長期収載品は8.9パーセント、後発医薬品は10.6パーセントの売上構成比で、前年よりさらに低下しています。
セルフメディケーション卸売事業
セルフメディケーション卸売事業です。
売上高は前年比0.7パーセント減収の1,323億円、売上総利益は0.4パーセント増加の135億円、売上比は10.27パーセントで前年より0.12ポイントさらに改善しています。
販管費は、1.6%減少の118億円、売上比は8.96パーセントで前年から0.09ポイントダウンしました。その結果、営業利益は、17.7パーセント増益の17億円、売上比は1.3パーセントで前年より0.2ポイントアップしました。
市場がインバウンド需要に伴い成長する中で、採算重視の取引を継続、物流費を含む人件費等の上昇はあるものの、コストコントロールへの注力ならびに適正価格での販売への取り組みなどにより、増益となりました。
医薬品等製造事業
医薬品等製造事業です。
売上高は前年比3.8パーセント増収の270億円、売上総利益は8.5パーセント減少の61億円です。販管費は8.8パーセント減少の59億円で、営業利益は1億円となりました。
薬価改定の影響はあったものの、原薬および受託製造ならびに医療機器の売上伸長に加えて、販管費抑制に取り組んだことなどにより増収増益となりました。
医療関連事業(調剤薬局事業)
医療関連事業(調剤薬局事業)です。
売上高は前年比1パーセント増収の183億円、売上総利益は0.4パーセント減少の68億円、販管費は0.1パーセント増加の65億円、営業利益は2億円となりました。
市場伸長の影響により増収であった一方、仕入原価上昇などの影響により減益となりました。
以上が2025年3月期第2四半期(中間期)決算の概要です。
【事業戦略】事業ポートフォリオ拡大・変革のイメージ(売上高)
荒川:22-24中期経営計画、ならびにアルフレッサグループ中長期ビジョンの取り組み状況をご説明します。
スライドは、中長期ビジョンで示した事業ポートフォリオの拡大・変革のイメージです。本日は、主に2024年度上期に取り組んだ事例について、次ページ以降でいくつかご説明します。
成長事業:TSCS (トータルサプライチェーンサービス)の機能拡大(PMS・CRO事業)
まずは、事業戦略についてです。
成長事業として、トータルサプライチェーンサービスの機能拡大を推進しています。
そのような中で、2024年9月に、株式会社インテージヘルスケアさまが行うPMS・CRO事業に係る会社分割により設立された新会社である、アークメディカルソリューションズ株式会社の全株式を取得し、当社の子会社としました。
PMS・CROに関するリソースやノウハウが、当社グループのトータルサプライチェーンサービスにおける臨床開発、承認申請およびPMSの受託機能強化に大きく貢献するものと考えています。
成長事業:TSCS(トータルサプライチェーンサービス)の機能拡大(医薬品製造棟)
同じく、トータルサプライチェーンサービスの機能拡大についてです。
アルフレッサファーマ株式会社が、2026年4月の稼働を目指し、群馬工場の医薬品製造棟の着工を開始しました。低分子医薬品の製造能力増強や高薬理活性製剤の受託製造、無菌製剤の検査・包装・試験受託の本格的な取り組みに繋げます。
新規事業:再生医療におけるTSCS(トータルサプライチェーンサービス)の拡充
次に、再生医療におけるトータルサプライチェーンサービスについてです。
国内外のアライアンスパートナーと国内セルソースの調達から医療機関納入までの、一括運用の確立を目指しています。
そのような中、セルリソーシズ株式会社が、国立研究開発法人国立成育医療研究センターさまと商用利用可能なヒト(同種)体性幹細胞原料の供給に関する契約を締結しました。
マスターセルの製造に必要となるヒト(同種)体性幹細胞原料である胎盤、羊膜、臍帯などの胎児付属物の供給を受けることが可能になりました。
加えて、アルフレッサ株式会社が、株式会社ヘリオスさまとの業務提携基本契約と普通社債を引き受ける契約を締結しました。
株式会社ヘリオスさまの研究開発をサポートし、「再生医療サプライチェーン」の機能強化や取扱製品の拡充を推進し、両社の事業拡大を目指します。
新規事業:プロダクト・サービスを活用した「つなぐ活動」でサステナブルな社会へ(ワクチンぷらっと)
次に、プロダクトサービスを活用した「つなぐ活動」についてです。
アルフレッサグループは、患者様の医療アクセスの向上、医療機関の経営効率化、医療従事者の働き方改革、医師同士を繋ぐコミュニケーション、製薬企業のMRへ貢献する、さまざまなソリューションを提供しています。
2024年9月にアルフレッサ株式会社が、ワクチン供給最適化プラットフォーム「ワクチンぷらっと」を構築しました。
医療機関の予約管理の負担軽減や接種希望者の利便性向上と、ワクチン接種機会の提供を通じて予防医療に貢献していきたいと考えています。
新規事業:ベンチャーキャピタル出資でプロダクト・サービスを活用した医療の課題解決へ
また、プロダクト・サービスを活用した医療の課題解決に向け、ヘルステック関連の投資実績が豊富なアーキタイプベンチャーズ合同会社さまが運営するArchetype Ventures3号投資事業有限責任組合さまと出資契約を締結しました。
今回の出資契約により、シナジー創出を目的としたスタートアップ企業と協業を進め、ヘルステック分野におけるプロダクト・サービスを活用した新規事業の開発や基盤事業の強化を加速していきます。
新規事業:医療用医薬品等卸売事業の機能活用による動物医療市場への進出検討
新規事業の一つとして掲げている医療周辺事業についてです。
2024年5月、当社と森久保CAメディカル株式会社さまは、業務提携契約から発展し、より強固な関係を構築するために資本提携を締結しました。
両社の持つブランド力に加え、医薬品等の販売・物流のネットワークやノウハウなどの経営資源を有効活用し、小動物医療の領域における商材の流通効率化および新規事業の検討を進めていきます。
【財務・資本戦略】株主還元の強化(配当金・自己株式取得)
財務・資本戦略についてです。
2023年5月に発表した中長期ビジョンにおいて、本中計期間中の3年間累計総還元性向は、100パーセントを計画しています。配当方針はDOE2.4パーセント以上、2024年度は年間63円を予定しています。なお、普通配当は21期連続の増配です。
自己株式については、最適資本構成を見据え、機動的に取得する方針です。2023年度の350億円に続き、2024年度は110億円の自己株式を取得することを発表しました。
【ESG戦略】ダイバーシティ推進に向けた取り組み(くるみん認定)
最後は、ESG戦略についてです。
まずは、ダイバーシティ推進に向けた取り組みについてご説明します。ご覧のスライドは、アルフレッサグループが取得している認定を示しています。直近では、アルフレッサ株式会社が「くるみん認定」を取得しました。
引き続き「アルフレッサグループダイバーシティ方針」に基づき、個人の能力を最大限発揮できる環境を整え、多様な人財がいきいきと働く職場環境づくりを進めていきます。
【ESG戦略】『環境保全への取り組み』を通じたサステナブル社会への貢献(ReMed)
次に、環境保全への取り組みについてご説明します。
アルフレッサ株式会社とアポクリート株式会社は、ノボ ノルディスク ファーマ株式会社さまが展開するリサイクルプロジェクト「ReMed-使用済み医療機器に、新たな使命を。-」 の試験運用に参画しています。
ReMedは、使用済みプレフィルド型ペン型注入器の収集とリサイクルを通じて、プラスチック廃棄物の削減に貢献する取り組みです。
アルフレッサグループは、本プロジェクトを通じてプラスチック廃棄物の削減に貢献していきます。
連結業績予想
2025年3月期の連結業績予想です。
連結業績予想と一部の事業セグメントの通期業績予想については、この第2四半期の業績を踏まえて、11月7日に修正を公表しています。
医療用医薬品等卸売事業
セグメント別のご説明をします。
医療用医薬品等卸売事業です。こちらは当初予想を変更していません。
セルフメディケーション卸売事業
セルフメディケーション卸売事業です。
2025年3月期は、売上高は前年比100.6パーセントの2,645億円、営業利益は前年比106.2パーセントの28億5,000万円、売上比は1.08パーセントです。
既存領域の高収益化とともにセルフプリベンション商品と専売メーカーの販売拡充等に注力し、引き続き利益とコストの管理を徹底することにより、増収増益を見込んでいます。
医薬品等製造事業
医薬品等製造事業です。
2025年3月期は、売上高は前年比103.1パーセントの544億円、営業利益は71.3パーセントの13億5,000万円、売上比は2.48パーセントです。
原薬製造および受託製造の増加等による増収を計画していますが、承継品の内製化に係る試験費用などの一時的な販管費等の増加により、減益を見込みます。
医療関連事業(調剤薬局事業)
最後のセグメントは、医療関連事業(調剤薬局事業)です。
こちらは当初予想を変更していません。
以上で当社からの決算説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。
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