【日本ケミコン】 業界初、サーバーの『液浸冷却』対応 アルミ電解コンデンサの開発に成功

配信元:PR TIMES
投稿:2024/11/01 17:18
データセンターの効率的な冷却技術として注目を集める『液浸冷却』に対応したアルミ電解コンデンサの開発に業界で初めて成功しました。生成AIなど使用電力と発熱が増加するサーバーに理想的な冷却方法です。


冷媒への浸漬試験のイメージ

日本ケミコン株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:上山 典男)は高効率なサーバー冷却手法である液浸冷却(Liquid Immersion Cooling)に対応した製品の開発に業界で初めて成功し、サンプル対応を開始いたしました。

昨今、生成AI技術の普及、製造業におけるDX推進、さらに自動車の自動運転インフラとしての活用などを背景に、次世代データセンターの拡大に期待が高まっています。
一方、既に市場投入されているAIサーバーでは、CPU/GPUの高性能化も相まって、従来のサーバーユニットとは桁違いの消費電力となっており、サーバーユニット個々の発熱が増大したことで、 データセンターでの冷却用空調電力需要が急拡大し、結果としてデータセンター全体の消費電力が増加しています。 データセンターのエネルギー消費量は増加傾向にあり、各国でのカーボンニュートラルの取り組みが進行する中、世界的な環境課題となっています。
生成AI分野で活用されるアルミ電解コンデンサ
データセンタで活用されるアルミ電解コンデンサについて紹介するコンテンツを公開しました。生成AI向けなど、データセンタは今後も大規模な増設が進み、くらしの中で重要な役割を果たします。
データセンタ内で数多くのアルミ電解コンデンサが使用されていることをご理解いただけますので、合わせてご覧ください。
https://www.chemi-con.co.jp/company/about/topics/ai.html

クラウドデータセンターのサーバーラックの消費電力は最大でも10kW程度であり、空冷方式が主流ですが、AIサーバー等HPC(High Performance Computing)用のサーバーラックでは20kW以上、 場合によっては100kWを超えます。そのため、冷却方式としてコールドプレートもしくは液浸による冷却が必須になりますが、コールドプレートではPUE(Power Usage Effective*1)の改善に限界があり、 最終的にはより理想的な液浸冷却への移行が必要とみられています。
一方、一般的なアルミ電解コンデンサを液浸した場合、封口ゴムの劣化を促進し、気密不良によって短寿命化することが確認されています。 アルミ電解コンデンサは、サーバー上では1次側平滑用から最後段のCPU/GPU駆動用まで多岐にわたって使用されており、液浸への対応が必要となります。
*1 PUE = (データセンター全体の消費電力量[kWh]) / (IT機器の消費電力量[kWh])
  一般的なデータセンターのPUEは2.0程度

当社は、封口ゴムを自社開発している強みを活かし、液浸冷却に対する気密耐性評価を実施、新規封口ゴムを開発しました(特許申請中)。また、大手冷媒メーカーにもご協力をいただき評価を継続しています。
既に、データセンター関連の一部のユーザー様で液浸冷却での評価をいただいていますが、車載市場、産機市場においても冷却は大きな課題と想定しており、ご要求に応じて試供させていただきます。
サンプル・量産時期
液浸評価用サンプル: 対応中
量産: 2025年度
液浸試験


液浸試験後の封口ゴム外観比較
液浸試験後の封口ゴム外観比較従来品は冷媒の浸透により封口ゴムが膨潤するとともに一部溶けている箇所がありますが、液浸対応品は変化がありません。

注) 試験前の外観は従来品と液浸対応品で同一であり、液浸対応品のみ例示




液浸試験での重量変化
液浸試験での重量変化冷媒の浸透度合いを評価する為の重量変化試験において、従来品は冷媒が内部に入り込むことで重量増加が認められますが、液浸対応品の重量変化はありません。




液浸試験での浸漬方法
液浸試験での浸漬方法基板に電子部品が実装された状態で直接冷媒に浸漬されます。



製品仕様
各シリーズの詳細な仕様につきましては、各シリーズのPDFでご確認いただけます。

日本ケミコン株式会社
アルミ電解コンデンサの世界シェアトップメーカーとして、車載・ICT・産業機器・家電などグローバルに展開するお客様に受動部品を提供しています。

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