“日本売り(=円売り)”の賞味期限は短い…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/10/28 11:34

◆ 今度は“円売り”再燃… - “153円後半”へ


先週末は一時“151.457円”へと値を落としたドル円でしたが、好内容の米経済指標を背景に「米利下げペース鈍化」への思惑は再燃しました。
また「トランプトレード」も継続しており、米10年債利回りが“上昇(→4.24%)”するにつれて、ドル円も“152.379円”へと幾分巻き戻され、先週末の取引を終えています。
ただここからダメを押したのが、「自公過半数割れ」・・・。

注目の衆院選は「与党敗北」に終わったことで、週明け東京タイムは「政局不安」への思惑から“日本売り(=円売り)”が進行しています。
こうしてドル円は“153.875円”へと駆け上がるなど、まさに“円全面安”の様相を呈しているのが実状といえます。

◆ テクニカル的には“もう一段の上値模索”を想定せざるを得ないが…?


“7/31高値(153.892円)”を上回るようなことがあると、テクニカル的には“7/30高値(155.214円)”まで主だった上値メドが見当たらないだけに、“155円回復”が現実味を帯びてくることになります。

ただこうなると政府・日銀も、さすがに「円売りは放置できない」へと傾斜する可能性が否めなくなってきます。
少なくともそうした思惑が台頭しやすい以上、“流れは上方向”ではありますが、“リスクは下方向”と見ざるを得ない…?

本日は主だったイベントが見当たりませんので、“もう一段の上値模索”は十分に想定されるところです。
ただ明日からは「主要な米経済指標」が相次ぎ、31日には「日銀会合」も控えています。
さらに来週5日の「米大統領選」まで踏まえれば、“一方向へのポジション形成”は極端に傾けづらいと見るのが妥当なところ…。
流れに逆らう格好にはなりますが、“急反落”を警戒し続けなければならない“神経質な上値模索”と考えたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

155.214(7/30高値)
155.000(大台)
154.453(+2σ)
154.000(大台)
153.892(7/31高値)
153.579(ピボットハイブレイクアウト)
153.182(10/23高値)
上値5:153.000(大台、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:152.833(10/24高値)
上値3:152.775(10/23~10/25の76.4%戻し)
上値2:152.654(ピボット1stレジスタンス)
上値1:152.523(10/23~10/25の61.8%戻し)
前営業日終値:152.331
下値1:152.000(大台)
下値2:151.781(週足・一目均衡表先行スパン上限、+1σ、ピボット1stサポート)
下値3:151.457(10/25安値、200日移動平均線)
下値4:151.362(日足・一目均衡表転換線)
下値5:151.128(10/22~10/23の76.4%押し、ピボット2ndサポート)
150.986(10/23安値、10/8~10/23の38.2%押し、10/15~10/23の50%押し、大台)
150.766(週足・一目均衡表基準線、月足・一目均衡表転換線、ピボットローブレイクアウト)
150.607(100日移動平均線)
150.493(10/22安値、10/15~10/23の61.8%押し)

《11:10》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想