今週のポイント
23日にBOC(カナダ中銀)の政策会合があります。市場では0.25%の利下げが行われるとの見方が大勢です。BOCの声明やマックレム総裁の会見とともに、会合の結果に米ドル/カナダドルとカナダドル/円が反応しそうです。
今週は豪州やNZの主要な経済指標の発表はありません。豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルについては、米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向に反応しやすいと考えられます。米長期金利が上昇を続ける場合、米ドル高が全般的に進んで、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは軟調に推移しそうです。
米国など主要国の株価動向にも注目です。18日の米株式市場では、ダウとS&P500が終値ベースで史上最高値を更新しました。主要国の株価が堅調に推移すれば、リスクオン(リスク選好)の動きが強まるとともに、ユーロ/円や豪ドル/円などのクロス円には上昇圧力が加わる可能性があります。
ただし、中東情勢には注意が必要です。中東情勢が一段と緊迫する場合、リスクオフ(リスク回避)の動きが強まるとともに、クロス円が下押しするかもしれません。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.09000NZドル~1.11500NZドル>
RBNZ(NZ中銀)は8月に0.25%、10月に0.50%の利下げを行いました(9月は政策会合なし)。市場では、次回11月27日のRBNZ会合で追加利下げが行われると予想されており、追加利下げ幅については10月の会合と同じく0.50%になるとの見方が有力です。
RBA(豪中銀)は23年11月に利上げを実施して以降、前回24年9月の会合まで7回連続で政策金利を据え置きました。ブロックRBA総裁は9月の会合後の会見で「データ次第で(利上げと利下げの)いずれの方向にも対応する用意がある」とし、利下げについては「短期的には見込んでいない」と述べました。市場では、RBAは政策金利を年内据え置くとの見方が有力です。
今週は豪州とNZの主要な経済指標の発表はなく、市場のRBAとRBNZの金融政策見通しが大きく変化することはなさそうです。RBAとRBNZの金融政策面からみれば、豪ドル/NZドルには上昇圧力が加わりやすいと考えられます。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.36000カナダドル~1.39500カナダドル>
23日にBOC(カナダ中銀)の政策会合が開かれます。この結果が米ドル/カナダドルの動向に影響を与えそうです。
BOCは6月・7月・9月の3会合連続で利下げを行いました(利下げ幅はいずれも0.25%)。
カナダの9月CPI(消費者物価指数)は前年比1.6%と、上昇率は8月の2.0%から鈍化し、BOCのインフレ目標レンジ(1~3%)の中間値である2%を下回りました。市場では23日の会合で追加利下げが行われると予想されており、利下げ幅はこれまでよりも拡大されて0.50%になるとの見方が大勢です。
BOCの声明や会合後に行われるマックレム総裁の会見にも注目です。これらによって次回12月11日の会合でも大幅な(例えば0.50%)利下げが行われるとの観測が市場で強まる場合、カナダドル安圧力となりそうです。
FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策については、市場では次回11月6-7日のFOMCで0.25%の利下げが行われるとの見方が大勢です。ベージュブックや米経済指標などでFRBの利下げ観測が強まらなければ、米ドル/カナダドルは1.39409カナダドル(8/5高値)に向かって上昇する可能性があります。
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