*13:05JST サイバリンクス Research Memo(5):2024年12月期第2四半期は0.9%の営業減益だが計画を上回った
■サイバーリンクス<3683>の業績動向
1. 2024年12月期第2四半期の業績概要
2024年12月期第2四半期の連結業績は、売上高7,936百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益567百万円(同0.9%減)、経常利益570百万円(同3.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益333百万円(同132.6%増)となり、期初計画(営業利益406百万円)を上回った。前年同期に計上したモバイルネットワーク事業の減損損失(特別損失)がなくなり、親会社株主に帰属する四半期純利益は大幅増益となった。
営業利益が計画を上回ったのは、モバイルネットワーク事業の回復が大きい。主力の流通クラウド事業は概ね計画どおり推移した。一方で、重視している定常収入は、3,948百万円(同4.8%増)と順調に拡大し、対売上高比率は49.7%となった。またソフトウェア償却やM&Aに係るのれん償却などから、全体の減価償却費は464百万円(前年同期比69百万円増)となったが、これを吸収しての微減益であり、償却前営業利益は1,031百万円(同6.6%増)となっている点は注視する必要がある。
経常利益(前年同期比0.1億円減)の増減要因を分析すると、流通クラウド事業は1.1億円の減益となったが、内訳は原価増(主に開発体制強化による人員増、賃上げなどの待遇改善策)による減益0.5億円、「@rmsV6」リリースに伴うソフトウェア償却費増による減益0.5億円であった。販管費は中立(増減なし)であった。官公庁クラウド事業は0.5億円の減益となったが、主に工事案件の減少に伴う収入減による。トラスト事業では、「CloudCerts」の提供が拡大したことから増収となり、0.1億円の増益となった。モバイルネットワーク事業は、端末販売が好調であったことに加え、端末販売に係るインセンティブ収入が増加したことなどにより1.4億円の増益となった。また全社ベースでは、諸費用の増加により0.1億円の減益となった。
流通クラウド事業は定常収入が順調に増加して増収だが、新バージョン投入による償却負担増や、開発力強化のための人員増、賃上げ等により減益
2. 流通クラウド事業
セグメント売上高は前年同期比4.1%増の2,308百万円、定常収入は同4.7%増の1,956百万円、セグメント利益(経常利益、以下同)は同24.4%減の341百万円となった。定常収入を順調に積み上げたことから増収となった。一方で、「@rmsV6」リリースに伴うソフトウェア償却費増や、開発体制強化のための人員増、賃上げ等の待遇改善の実施による原価増によりセグメント利益は減益となった。
小売業向けEDIサービス「BXNOAH」などのサービス提供の拡大に加え、「@rms基幹」の中大規模顧客向けバージョンアップ開発が終了して「@rmsV6」をリリースした。すでに大手顧客3社から受注を獲得しており、同製品関連の売上高は下半期以降に順次拡大する計画だ。企業間連携プラットフォーム「C2Platform」では、商談支援サービスの卸売業界向けの取り組みを進め、(一社)日本加工食品卸協会や大手食品卸5社との実証実験が完了した。
また同社が重視するARR(Annual Recurring Revenue=各四半期末月の単月定常収入×12ヵ月)は、2024年6月で39.5億円となっており、2022年6月の36.0億円、2023年6月の37.8億円から着実に増加している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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1. 2024年12月期第2四半期の業績概要
2024年12月期第2四半期の連結業績は、売上高7,936百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益567百万円(同0.9%減)、経常利益570百万円(同3.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益333百万円(同132.6%増)となり、期初計画(営業利益406百万円)を上回った。前年同期に計上したモバイルネットワーク事業の減損損失(特別損失)がなくなり、親会社株主に帰属する四半期純利益は大幅増益となった。
営業利益が計画を上回ったのは、モバイルネットワーク事業の回復が大きい。主力の流通クラウド事業は概ね計画どおり推移した。一方で、重視している定常収入は、3,948百万円(同4.8%増)と順調に拡大し、対売上高比率は49.7%となった。またソフトウェア償却やM&Aに係るのれん償却などから、全体の減価償却費は464百万円(前年同期比69百万円増)となったが、これを吸収しての微減益であり、償却前営業利益は1,031百万円(同6.6%増)となっている点は注視する必要がある。
経常利益(前年同期比0.1億円減)の増減要因を分析すると、流通クラウド事業は1.1億円の減益となったが、内訳は原価増(主に開発体制強化による人員増、賃上げなどの待遇改善策)による減益0.5億円、「@rmsV6」リリースに伴うソフトウェア償却費増による減益0.5億円であった。販管費は中立(増減なし)であった。官公庁クラウド事業は0.5億円の減益となったが、主に工事案件の減少に伴う収入減による。トラスト事業では、「CloudCerts」の提供が拡大したことから増収となり、0.1億円の増益となった。モバイルネットワーク事業は、端末販売が好調であったことに加え、端末販売に係るインセンティブ収入が増加したことなどにより1.4億円の増益となった。また全社ベースでは、諸費用の増加により0.1億円の減益となった。
流通クラウド事業は定常収入が順調に増加して増収だが、新バージョン投入による償却負担増や、開発力強化のための人員増、賃上げ等により減益
2. 流通クラウド事業
セグメント売上高は前年同期比4.1%増の2,308百万円、定常収入は同4.7%増の1,956百万円、セグメント利益(経常利益、以下同)は同24.4%減の341百万円となった。定常収入を順調に積み上げたことから増収となった。一方で、「@rmsV6」リリースに伴うソフトウェア償却費増や、開発体制強化のための人員増、賃上げ等の待遇改善の実施による原価増によりセグメント利益は減益となった。
小売業向けEDIサービス「BXNOAH」などのサービス提供の拡大に加え、「@rms基幹」の中大規模顧客向けバージョンアップ開発が終了して「@rmsV6」をリリースした。すでに大手顧客3社から受注を獲得しており、同製品関連の売上高は下半期以降に順次拡大する計画だ。企業間連携プラットフォーム「C2Platform」では、商談支援サービスの卸売業界向けの取り組みを進め、(一社)日本加工食品卸協会や大手食品卸5社との実証実験が完了した。
また同社が重視するARR(Annual Recurring Revenue=各四半期末月の単月定常収入×12ヵ月)は、2024年6月で39.5億円となっており、2022年6月の36.0億円、2023年6月の37.8億円から着実に増加している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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