ABEJA、新晃工業に、AIとLLMを用いた設計サポートシステムを提供

配信元:PR TIMES
投稿:2024/09/30 18:17
~ ABEJA Platformを活用し、自社設計・技術データを検索、分析、深堀り、指南など多様な設計業務支援を実現 ~




 人とAIの協調により「ゆたかな世界を、実装する」株式会社ABEJA(本社:東京都港区、代表取締役CEO:岡田 陽介、以下「ABEJA」)は、このたび新晃工業株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長兼社長執行役員:末永 聡、以下「新晃工業」)におけるセントラル空調機の設計に関する業務効率の向上を目的とした新たなサポートシステム、「SINKO AI Design Link」を構築いたしました。
本システムの基盤には、ABEJA Platformと新晃工業が保有する設計や技術に関する膨大な既存データを活用し、検索のみならず設計の分析、深堀り、指南など多目的に活用することが可能となります。また自然言語を用いたチャット形式のUIの実装には、ABEJA Platformに搭載されている「ABEJA LLM Series」を利活用し、ユーザビリティの向上を実現します。
 今後、ABEJAと新晃工業は、「Human in the Loop」のアプローチで、新しい情報や知見を継続的に「SINKO AI Design Link」に取り込み、さらなる精度向上を図ってまいります。

背景・目的
 ABEJAは、「ゆたかな世界を、実装する」を経営理念とし、「ABEJA Platform」を基盤に顧客企業の基幹業務のプロセスを変革し、ビジネスの継続的な収益成長の実現に伴走する「デジタルプラットフォーム事業」を展開しています。2012年の創業時よりABEJA Platformの研究開発を進めており、これまで多種多様な業界・業態のデジタル変革をABEJA Platform上で実現してきました。ABEJAの事業モデルは、 ABEJA Platformを基盤とし、DXに必要な工程をフルマネジメントサービスで請け負うデジタル版のEMS(Electronics Manufacturing Service)です。顧客は、デジタル版EMSを採用することで、DXに必要な全工程に対応できる最先端の「製造機械」と「製造ノウハウ」を活用することが可能となります。これにより、自社で開発・維持するよりも迅速な実装が叶い、最新の技術を継続的に利用できるとともに、コストダウンとリスク回避、ケイパビリティの強化を実現できます。またABEJAは、2018年より生成AIの一つである大規模言語モデル(以下、「LLM」)における研究開発を進めており、2023年3月に「ABEJA LLM Series」をABEJA Platformに搭載し、現在、利用にあたっての戦略策定やビジネスプロセスの構築など、その周辺領域のサポートも含めて顧客企業に提供しております。デジタル版EMSである「ABEJA Platform」のニーズはより多様化しており、その適用領域は順調に拡大しております。

 新晃工業は、大型ビル・施設、工場・研究所、病院・学校などで使用されるセントラル空調機器の総合メーカーです。空調機器の設計・製造を専門とする中、顧客ごとに異なる要求に応じた製品を提供できる技術が求められ、設計業務がビジネスの価値を決める重要な業務プロセスの一つとなっています。
一方で、建物の要件に応じたカスタム性の高い製品の提供を強みとしてきたため標準化は難しく、ベテラン設計者にアドバイスの要請やレビューの依頼が集中し、人材育成の負担が増大している状況にありました。

 この課題解決にあたり、ABEJAは、新晃工業と連携し、ABEJA Platformを活用し、従来、属人的に行われていた設計業務に関する複雑な情報のデータ化を図り、LLMを活用したチャット形式のUIで、設計者が自然言語を用いて質問や情報要求を入力し引き出すことが可能となる新たなシステム「SINKO AI Design Link」を構築いたしました。本システムの構築にあたり、ABEJAと新晃工業は、社内のベテラン設計者が担ってきた設計業務に関するノウハウや知識、過去の案件情報、不具合情報などの情報を集約・データ化した上で、LLMを利活用し、検索にとどまらず設計に必要になる分析、深堀り、指南 などの機能を利便性高く活用できるよう実装しました。
 ABEJAと新晃工業は、「SINKO AI Design Link」により、本業務に費やしていたベテラン設計者の人的リソースの効率化、若手設計者の育成および業務精度の向上、そしてデータの一元管理による情報の社内活用を図り、設計品質の維持・改善およびお客様へのサービス向上を推進してまいります。

概要
 「SINKO AI Design Link」は、新晃工業において属人化されてきた膨大な設計業務をABEJA Platform上でデータベース化し、検索のみならず設計の分析や深堀り、指南などの多様な機能と「ABEJA LLM Series」を融合させた革新的な設計サポートシステムです。
 「SINKO AI Design Link」の実装によって、従来暗黙知であったベテラン設計者の経験や勘の形式知化を実現でき、従来、ベテラン設計者が実行していた都度のアドバイスやレビューが簡略化されるため、ベテラン設計者の若手育成の負担が軽減するとともに若手設計者であっても高度な設計業務を担うことが可能となり、全体的な業務効率および品質が向上します。

 本システムの実装にあたり、ABEJAは、ミッションクリティカル領域でDXを推進してきたノウハウを生かし、過去の不具合や顧客からの要望に応えるためのメモなど「整備されていない」情報を戦略的に利活用し、従来属人的に取り扱われてきた膨大な情報をデータ化しています。具体的には、文書の構造や形式に関わらず、新晃工業が従来、設計業務に用いてきた手配書、仕様書、依頼伝票、基準書、設計指針など多岐にわたる既存文書を、顧客満足度の向上に直結するものの構造化が難しいクレームや設計注意点などの情報も包括した上でABEJA Platform上で統合し、新晃工業ならではの付加価値を創造するデータベースを構築しています。それにより、「SINKO AI Design Link」は、単なる情報検索のみならず、設計の分析や深堀り、指南など製品の改善や新商品開発にも寄与し、インテリジェントな総合支援を実現します。

 今後、ABEJAおよび新晃工業は、「SINKO AI Design Link」を利活用する業務プロセスにおいて、ABEJA Platformが採用している「Human in the Loop」のアプローチを用いてユーザーフィードバックを継続的に取り入れ、システムの推奨機能や回答生成ロジックを最適化させると同時に設計現場の最新トレンドや新技術に関する情報を適宜組み込み、さらなる精度向上を図ります。

 新晃工業は、本システムの実装が、設計部署における工数削減につながると見込んでいます。
ABEJAおよび新晃工業は、お客様へのサービス品質の向上を視野に、本システムを新晃工業の設計以外の部門にも適用することを検討してまいります。

 ABEJAは、引き続き幅広い業態・業界の企業に伴走し、人とAIの協調による産業構造の革新を推進します。


■新晃工業株式会社について
新晃工業は、「豊かな創造力と誇れる品質」を経営理念に掲げ、創業1950年よりセントラル空調機メーカーとして、大型ビル、産業用、更新工事、個別空調、データセンターなど、様々な大規模建築物に対する納入実績を積み上げてまいりました。また、中期経営計画「move.2027」では、事業のデジタル化によって新しい価値創出を目指すSSA(SINKO SCALABLE ARCHITECTURE)をもとにした基盤づくりを行っています。

本社:大阪市北区南森町1丁目4番5号
設立:1950年6月16日
代表者: 代表取締役社長兼社長執行役員:末永 聡
事業:空調機器の製造、販売
URL:https://www.sinko.co.jp

■株式会社ABEJAについて
ABEJAは、「ゆたかな世界を、実装する」を経営理念とし、「ABEJA Platform」を基盤に顧客企業の基幹業務のプロセスを変革し、ビジネスの継続的な収益成長の実現に伴走する「デジタルプラットフォーム事業」を展開しています。2012年の創業時よりABEJA Platformの研究開発を進めており、これまで多種多様な業界・業態の300社以上のデジタル変革をABEJA Platform上で実現してきました。また、「Human In the Loop」をはじめとする高度なノウハウやアプローチを用いて、デジタル変革に必要不可欠な「人とAIの協調」を実現し、戦略的かつ効率的に顧客の基幹業務を変革し、さらにはビジネスモデルの革新に取り組んでいます。

本社: 東京都港区三田一丁目1番14号 Bizflex麻布十番2階
設立: 2012年9月10日
代表者: 代表取締役CEO 岡田 陽介
事業: デジタルプラットフォーム事業
URL: https://abejainc.com
配信元: PR TIMES

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