豪ドル/円、終値ベースで「100.000円」超えとなるか

著者:津田隆光
投稿:2024/09/27 10:11

注目の自民総裁選!市場は「高市氏勝利」を織り込む動き?

豪ドル/円・日足・複合チャート
豪ドル/円・日足・複合チャート出所:トラリピFX/CFDチャート

【注目ポイント】「100.000円」を上抜けブレークするか否か
【シナリオ①】同レート超えなら、「105.000円」付近までの上昇を想定
【シナリオ②】同レート超え未達(=上値抑制)なら、「95.000円」付近までの下落も
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「95.000~105.000円」
【注目材料】自民党総裁選


今月11日、直近安値となる「93.549円」まで下落した後、「下値固め」→「反発フロー」となっている豪ドル/円。もう一段の上値トライとなるのでしょうか。

上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりになりつつあること、2) 遅行スパンがローソク足を上抜ける“好転”(上図黄色丸印)になりつつあること、3) ローソク足が赤色雲(=先行スパン、抵抗帯)を上方ブレークしていること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなり、ADXが低位置での横這い推移となっている(上図赤色点線丸印)ことから、現在の豪ドル/円・日足チャートは、上昇トレンド序盤を示すチャート形状であると判断します。

その他では、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する“上昇バンドウォーク”になりつつあること、さらにはⅱ) BB・±2σラインが拡張する“エクスパンション”が示現しつつあることを合わせると、今後の豪ドル/円はトリガー次第では上昇モメンタムが強まる可能性も。


喫緊の注目ポイントは・・・200日MAをメドとし、同時に心理的な節目である「100.000円」(上図黄色矢印および黒色線)を上抜けブレークするか否か※。同レートについては、㋐ 直近高安レート(高値:109.329円[7/11]、安値:90.166円[8/5])を結んだFR(フィボナッチ・リトレースメント)・50.0%、いわゆる“半値戻し”水準と近似値であること、さらには㋑ 8月5日を一番底、そして9月11日を二番底とする「ダブルボトム」における“ネックライン”となっていることから、豪ドル/円にとって極めて重要な“分水嶺(ぶんすいれい)”と言えそうです。(※本稿執筆[27日午前8時過ぎ]時点では、一時的に100円台を突破しています。)

筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)


[シナリオ①]
この先、「100.000円」を終値ベースで上抜けブレークした場合は、「重要線超え」→「もう一段の上値切り上げ」のトリガーとなり得そうです。当該ケースでは、「遅行スパンの上放れ」や「上昇バンドウォークの継続」、また「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、7月22日に付けた高値水準である「105.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇を想定すべきでしょう。

[シナリオ②]
一方で、「100.000円」超え未達(=上値抑制)となった場合は、「上値抵抗圧力の強まり」→「下押し」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンの“好転フェイク(ダマし)”」や「SARの売りサインへの転換」、また「+DI>-DIの乖離縮小」なども伴いながら、BB・-1σラインをメドとする「95.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落となりそうです。


上記シナリオ①および②を概括すると、現下の豪ドル/円はもう一段の上値追いを模索しつつ、当面※は「95.000~105.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)

足もとでは、本日午後1時から投開票される自民党総裁選の結果が、円相場主体での豪ドル/円の相場動意となりそうです。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想