*15:01JST インテリックス Research Memo(1):2025年5月期は増収増益見通し、主軸既存事業の収益性改善見込む
■要約
インテリックス<8940>は中古マンションをリノベーション(再生)してから販売するリノベーションマンションの先駆け的企業で累計販売戸数は2.7万件超と業界トップの実績を誇る。同マンションの販売を中心としたリノベーション事業と、1棟もの収益不動産物件の販売やアセットシェアリング事業(不動産小口化販売)、リースバック事業、ホテル事業等で構成されるソリューション事業を展開し、収益ポートフォリオの多様化と安定化に取り組んでいる。また、2021年から省エネリノベーション「ECOCUBE(以下、エコキューブ)」の販売を開始するなど、脱炭素社会に貢献しながら成長を目指す戦略を打ち出している。
1. 2024年5月期の業績概要
2024年5月期の連結業績は売上高で前期比3.6%増の42,702百万円、営業利益で同31.1%増の931百万円となった。売上高は、リノヴェックスマンションの販売件数が減少したものの販売単価上昇や内装工事の伸長を背景にリノベーション事業が同7.0%増となり、ソリューション事業の減収分をカバーした。一方、利益面ではリノヴェックスマンションの物件売却を優先したため売上総利益が同281百万円の減益となったものの、仲介手数料やその他経費を中心に販管費が同501百万円減少し増益要因となった。また、在庫圧縮による財務体質の強化に取り組んだ結果、自己資本比率も前期末の25.8%から29.1%に上昇した。
2. 2025年5月期の業績見通し
2025年5月期の連結業績は売上高で前期比5.4%増の45,011百万円、営業利益で同74.0%増の1,619百万円と2期連続の増収増益となる見通し。リノヴェックスマンション販売については前期比微増にとどまるが、アセットシェアリング事業の拡大や1棟もの収益不動産物件の売却が増収要因となる。利益面では、リノヴェックスマンションの利益率改善や好採算物件の販売により大幅増益を見込む。首都圏中古マンションの市況動向は、新築マンションの販売価格高騰もあって2023年6月以降13カ月連続で前年同月を上回るなど堅調に推移しており、同社は引き続き需給が良好なエリアをターゲットに仕入を積極的に進める方針だ。2025年5月期は良質な物件を積み上げ、2026年5月期以降の持続的成長につなげる1年と位置付けている。
3. 成長戦略
成長戦略として、「既存主軸事業の収益化」と「先行投資事業の拡充」に取り組んでいる。先行投資事業については省エネリノベーション「エコキューブ」の販売を差別化戦略として強化するほか、不動産売買・仲介事業者向けDXサービスFLIE(フリエ)事業の育成に注力する。FLIE事業に関しては、複数の大手不動産仲介会社による導入拡大が進んでおり、早ければ2025年5月期にも収益貢献するものと期待される。
4. 株主還元策
同社は株主還元方針として、従来は連結配当性向30%以上を目安に業績連動型の配当を実施してきたが、2025年5月期より、同基準に加えて下限配当額を20.0円に設定し、安定的な配当を行う方針を発表した。2025年5月期の1株当たり配当金は創立30周年記念配当14.0円を含めて前期比15.0円増配となる34.0円(配当性向30.4%)を予定している。
■Key Points
・2024年5月期はコスト削減効果により3期ぶりの増益に転じる
・2025年5月期は好採算物件の売却が寄与して連続増収増益へ
・「体質強化による収益拡大」「人的資本経営の推進」「新規事業の育成」に取り組む
・省エネリノベーション「エコキューブ」の普及による差別化を図り、FLIE事業の業容拡大による収益の安定性向上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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インテリックス<8940>は中古マンションをリノベーション(再生)してから販売するリノベーションマンションの先駆け的企業で累計販売戸数は2.7万件超と業界トップの実績を誇る。同マンションの販売を中心としたリノベーション事業と、1棟もの収益不動産物件の販売やアセットシェアリング事業(不動産小口化販売)、リースバック事業、ホテル事業等で構成されるソリューション事業を展開し、収益ポートフォリオの多様化と安定化に取り組んでいる。また、2021年から省エネリノベーション「ECOCUBE(以下、エコキューブ)」の販売を開始するなど、脱炭素社会に貢献しながら成長を目指す戦略を打ち出している。
1. 2024年5月期の業績概要
2024年5月期の連結業績は売上高で前期比3.6%増の42,702百万円、営業利益で同31.1%増の931百万円となった。売上高は、リノヴェックスマンションの販売件数が減少したものの販売単価上昇や内装工事の伸長を背景にリノベーション事業が同7.0%増となり、ソリューション事業の減収分をカバーした。一方、利益面ではリノヴェックスマンションの物件売却を優先したため売上総利益が同281百万円の減益となったものの、仲介手数料やその他経費を中心に販管費が同501百万円減少し増益要因となった。また、在庫圧縮による財務体質の強化に取り組んだ結果、自己資本比率も前期末の25.8%から29.1%に上昇した。
2. 2025年5月期の業績見通し
2025年5月期の連結業績は売上高で前期比5.4%増の45,011百万円、営業利益で同74.0%増の1,619百万円と2期連続の増収増益となる見通し。リノヴェックスマンション販売については前期比微増にとどまるが、アセットシェアリング事業の拡大や1棟もの収益不動産物件の売却が増収要因となる。利益面では、リノヴェックスマンションの利益率改善や好採算物件の販売により大幅増益を見込む。首都圏中古マンションの市況動向は、新築マンションの販売価格高騰もあって2023年6月以降13カ月連続で前年同月を上回るなど堅調に推移しており、同社は引き続き需給が良好なエリアをターゲットに仕入を積極的に進める方針だ。2025年5月期は良質な物件を積み上げ、2026年5月期以降の持続的成長につなげる1年と位置付けている。
3. 成長戦略
成長戦略として、「既存主軸事業の収益化」と「先行投資事業の拡充」に取り組んでいる。先行投資事業については省エネリノベーション「エコキューブ」の販売を差別化戦略として強化するほか、不動産売買・仲介事業者向けDXサービスFLIE(フリエ)事業の育成に注力する。FLIE事業に関しては、複数の大手不動産仲介会社による導入拡大が進んでおり、早ければ2025年5月期にも収益貢献するものと期待される。
4. 株主還元策
同社は株主還元方針として、従来は連結配当性向30%以上を目安に業績連動型の配当を実施してきたが、2025年5月期より、同基準に加えて下限配当額を20.0円に設定し、安定的な配当を行う方針を発表した。2025年5月期の1株当たり配当金は創立30周年記念配当14.0円を含めて前期比15.0円増配となる34.0円(配当性向30.4%)を予定している。
■Key Points
・2024年5月期はコスト削減効果により3期ぶりの増益に転じる
・2025年5月期は好採算物件の売却が寄与して連続増収増益へ
・「体質強化による収益拡大」「人的資本経営の推進」「新規事業の育成」に取り組む
・省エネリノベーション「エコキューブ」の普及による差別化を図り、FLIE事業の業容拡大による収益の安定性向上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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