米CPIにかけて“巻き戻し”に要警戒……!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/09/11 12:06

◆ 波乱となったのは「中川日銀審議委員発言」… - 再び“142円割れ


イベントを控えて様子見ムードが漂う中、昨日は米国債利回りが低下し、あらためて「日米金利差縮小」が意識されました。
また原油安から「インフレは一段と緩和」との思惑も誘い、主要通貨に対して“円買い”が進行しました。
この影響から一時“143.713円”へと上昇していたドル円は、“142円前半”へと下落しました。
さらに本日に入って飛び出した「中川日銀審議委員発言」を機に、“142円割れ(本稿執筆時安値は141.495円)”へとさらに値を落とすに至っています。

◆ ただ本命は「米国サイド」とあっては…?


こうして「日銀追加利上げ」が連想されたからですが、一方で本日テーマの本命は「米国(テレビ討論会&米CPI)」といえます。
そして「テレビ討論会」はまだ行われていますが、現時点で“サプライズ”がないとあっては、やはり本命は「米CPI」ということに・・・。

その結果を見るまでは、当然“動きづらい(様子見)”と見るのが自然です。
それでいて前記“円買い”進行というのは、“流動性低下に乗じた円買い”といえなくもない…?

ネックラインと見られた“8/5安値(141.688円)”を下回ったことは、テクニカル的には“もう一段の下値模索”が意識されてもおかしくないところです。
それでも現時点では“下値は限定的”と考えながら、その時を待ちたいところです。
「インフレは一段と緩和」との思惑は、まだ既定路線ではないのですから…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

144.920(20日移動平均線、ピボットハイブレイクアウト)
144.589(月足・一目均衡表基準線)
144.475(9/3~9/6の50%戻し、、100週移動平均線)
144.346(日足・一目均衡表転換線、ピボット2ndレジスタンス)
144.235(9/5高値)
144.020(9/6高値、大台)
143.793(9/9高値、9/3~9/6の38.2%戻し)
143.713(9/10高値)
143.487(9/9高値後の76.4%戻し)
上値5:143.400(ピボット1stレジスタンス)
上値4:143.297(9/9高値後の61.8%戻し)
上値3:143.144(9/9高値後の50%戻し、-1σ)
上値2:142.999(9/9高値後の38.2%戻し、大台)
上値1:142.801(9/9高値後の23.6%戻し)
前営業日終値:142.482
下値1:142.190(9/10安値)
下値2:141.943(9/9安値、大台)
下値3:141.877(ピボット1stサポート)
下値4:141.753(9/6安値)
下値5:141.688(8/5安値)
141.264(-2σ、ピボット2ndサポート)
141.157(週足・一目均衡表先行スパン下限)
141.000(大台)
140.790(1/2安値)
140.354(ピボットローブレイクアウト)
140.245(23/12/28安値)

《11:25》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想