第一工業製薬は、研究開発の成果としてリチウムイオン電池の安全性と長寿命化を両立するポリマー電解質材料「エレクセル ACGシリーズ」を開発しました。
第一工業製薬(本社:京都市南区、代表取締役社長:山路直貴)はエネルギー分野に注力し、持続可能な社会の実現に向け新たな素材開発を進めています。このたび、研究開発の成果としてリチウムイオン電池の安全性と長寿命化を両立するポリマー電解質材料「エレクセル ACGシリーズ」を開発しました。
再生可能エネルギーの普及が社会的課題となる中、蓄電池技術への注目が高まっています。電池の大型化にともない安全性要求が増す一方で、従来の電池は可燃性の有機電解液(※1)を使用しているため、漏液などのリスクが存在していました。当社が開発したポリマー電解質(※2)材料「エレクセル ACGシリーズ」は、電解液をゲル化させることで漏液を防ぎます。また各部材の密着性(※3)向上にともなう機械強度(※4)の付与により、電池の安全性が大幅に向上します。
昨今、安全性が高いといわれる全固体電池(※5)の研究開発が進んでいますが、実用化には性能面で課題が残っています。そのため、リチウムイオン電池の安全性と性能向上に対する要求が高まっており、ポリマー電解質の需要は将来的に拡大すると予測されます。
エレクセルACGシリーズは、加熱処理によりゲル化が可能で、加熱前は流動性が保たれるため、既存のリチウムイオン電池の注液工程(※6)にそのまま適用できます(図1)。加熱処理後は、電池の高電圧化および長寿命化が可能となり、条件によっては寿命が従来の3倍以上に延びることが確認されています。すでに国内外のお客様にはサンプルワークを開始しており、一部ではスケールアップ評価に進んでいます。
また、より高い安全性が求められる用途へ向けて、電解液を含まない、いわゆるドライ系ポリマー電解質(※7)材料 「エレクセルTAシリーズ」の開発も並行して進めています。当社は、持続可能な社会の実現に向け技術革新に貢献し、2030年までに電解質分野において年間30億円の売上をめざします。
(図1)加熱処理前後の外観変化(電解液にポリマー電解質を2wt%添加)
[用語解説]
※1 可燃性の有機電解液:たとえばジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)などの有機溶媒にリチウム塩を溶解させたもの。
※2 ポリマー電解質:リチウムイオン電池やその他電池システムにおいて使用する固体またはゲル状の電解質のことで、ポリマー構造中にイオン伝導性を持たせたもの。
※3 密着性:一般的には二つの異なる物質や材料が接触しているときに、どれだけしっかりくっつくか、または接触面がどれだけ密に結合しているかを示す特性のこと。
※4 機械強度:物質や材料が外部の力や応力に対してどれだけ耐えられるかを示す特性のこと。例えば車載電池では耐振動・衝撃強度の高さが要求される。
※5 全固体電池:電解質が液体やゲルではなく、固体で構成される電池。固体電解質には一般的に酸化物、硫化物、リン酸塩などの無機材料が使用されるため、課題の一つとして、良好な界面形成が困難ということがある。
※6 注液工程:リチウムイオン電池など液体電解質を使用する電池の製造プロセスで行われる重要なステップのこと。この工程では、電池に電解液を注入する作業が含まれる。
※7 ドライ系ポリマー電解質:液体電解液を含まない状態でイオン伝導性を持つポリマー電解質のこと。
【問い合わせ先】
第一工業製薬株式会社 戦略統括部 広報IR部
https://www.dks-web.co.jp/
TEL.075-276-3027 E-mail: d-kouhou@dks-web.co.jp
〒601-8002 京都市南区東九条上殿田町48番2
第一工業製薬(本社:京都市南区、代表取締役社長:山路直貴)はエネルギー分野に注力し、持続可能な社会の実現に向け新たな素材開発を進めています。このたび、研究開発の成果としてリチウムイオン電池の安全性と長寿命化を両立するポリマー電解質材料「エレクセル ACGシリーズ」を開発しました。
再生可能エネルギーの普及が社会的課題となる中、蓄電池技術への注目が高まっています。電池の大型化にともない安全性要求が増す一方で、従来の電池は可燃性の有機電解液(※1)を使用しているため、漏液などのリスクが存在していました。当社が開発したポリマー電解質(※2)材料「エレクセル ACGシリーズ」は、電解液をゲル化させることで漏液を防ぎます。また各部材の密着性(※3)向上にともなう機械強度(※4)の付与により、電池の安全性が大幅に向上します。
昨今、安全性が高いといわれる全固体電池(※5)の研究開発が進んでいますが、実用化には性能面で課題が残っています。そのため、リチウムイオン電池の安全性と性能向上に対する要求が高まっており、ポリマー電解質の需要は将来的に拡大すると予測されます。
エレクセルACGシリーズは、加熱処理によりゲル化が可能で、加熱前は流動性が保たれるため、既存のリチウムイオン電池の注液工程(※6)にそのまま適用できます(図1)。加熱処理後は、電池の高電圧化および長寿命化が可能となり、条件によっては寿命が従来の3倍以上に延びることが確認されています。すでに国内外のお客様にはサンプルワークを開始しており、一部ではスケールアップ評価に進んでいます。
また、より高い安全性が求められる用途へ向けて、電解液を含まない、いわゆるドライ系ポリマー電解質(※7)材料 「エレクセルTAシリーズ」の開発も並行して進めています。当社は、持続可能な社会の実現に向け技術革新に貢献し、2030年までに電解質分野において年間30億円の売上をめざします。
(図1)加熱処理前後の外観変化(電解液にポリマー電解質を2wt%添加)
[用語解説]
※1 可燃性の有機電解液:たとえばジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)などの有機溶媒にリチウム塩を溶解させたもの。
※2 ポリマー電解質:リチウムイオン電池やその他電池システムにおいて使用する固体またはゲル状の電解質のことで、ポリマー構造中にイオン伝導性を持たせたもの。
※3 密着性:一般的には二つの異なる物質や材料が接触しているときに、どれだけしっかりくっつくか、または接触面がどれだけ密に結合しているかを示す特性のこと。
※4 機械強度:物質や材料が外部の力や応力に対してどれだけ耐えられるかを示す特性のこと。例えば車載電池では耐振動・衝撃強度の高さが要求される。
※5 全固体電池:電解質が液体やゲルではなく、固体で構成される電池。固体電解質には一般的に酸化物、硫化物、リン酸塩などの無機材料が使用されるため、課題の一つとして、良好な界面形成が困難ということがある。
※6 注液工程:リチウムイオン電池など液体電解質を使用する電池の製造プロセスで行われる重要なステップのこと。この工程では、電池に電解液を注入する作業が含まれる。
※7 ドライ系ポリマー電解質:液体電解液を含まない状態でイオン伝導性を持つポリマー電解質のこと。
【問い合わせ先】
第一工業製薬株式会社 戦略統括部 広報IR部
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