オービーシステム Research Memo(1):2024年3月期の売上高、営業利益、経常利益は過去最高

配信元:フィスコ
投稿:2024/08/02 13:51
*13:51JST オービーシステム Research Memo(1):2024年3月期の売上高、営業利益、経常利益は過去最高 ■要約

オービーシステム<5576>は、日立製作所<6501>グループ、三菱電機ソフトウエア(株)等を主要顧客として、金融事業、産業流通事業、社会公共事業、ITイノベーション事業の4つ事業領域でソフトウェアの設計・開発・保守等のシステムインテグレーションサービスを展開する独立系IT企業だ。自社製品「臨床検査システム/CLIP」「健診システム/MEX-Plus」も展開している。

1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の業績は、売上高6,896百万円(前期比11.9%増)、営業利益591百万円(同17.7%増)、経常利益632(同22.2%増)、当期純利益441百万円(同11.2%減)となり、売上高、営業利益、経常利益は過去最高を更新した。当期純利益も前期の税効果会計による特殊要因を除けば、実質的には過去最高となる。金融機関等のシステムのオープン化やDXの進展に伴うクラウド化等の需要拡大により各事業とも好調に推移した。特に電力託送システム案件等、電力ICT分野での受注増により社会公共事業が伸長した。旺盛な需要に対応するため開発人員の増員、パートナー企業への外注比率アップもあるが、システム開発単価に転嫁できており売上総利益率は前期比で0.8ポイント改善し増益を確保している。

2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高7,308百万円(前期比6.0%増)、営業利益600百万円(同1.5%増)、経常利益636百万円(同0.7%増)、当期純利益480百万円(同8.8%増)と増収増益の見通しだ。社会公共事業は前期に大きな受注があったため横ばい推移だが、引き続き金融機関等からの旺盛な需要が続く見通しである。数十年に及ぶ取引を通じた信頼関係により、日立製作所グループ、三菱電機ソフトウエアからの受注要請が膨らんでいるため、開発要員確保が最重要課題となっている。そのため、新卒採用者を52名と前期の2倍に増やし、教育・研修費用の上積み、外注費や人件費の増加等コストが先行するが、受注増や受注単価への転嫁で吸収する計画である。以上は単体での計画であり、2025年3月期からは、2024年4月に500百万円を投資して子会社化した(株)ヒューマン&テクノロジー(以下、H&T社)の売上高、のれんの償却も含めた損益が連結で加わる予定である。H&T社は業務系、組込み系のソフトウェア開発事業を展開しており、2023年9月期の売上高は242百万円、営業利益は45百万円であった。

3. 中期経営計画
2024年5月に単体の中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)を公表した。現在の実績から推計してオーガニックで年平均成長率8%を見込み、2027年3月の売上高は8,511百万円を目標とするが、さらに業務提携やM&A等の追加施策により、連結で100億円規模を目指す。損益については、売上純利益率を年間1%ずつアップし2027年3月期は売上純利益率20.0%、売上総利益1,705百万円、営業利益928百万円を目標とする。なお、連結の中期経営計画は策定中だ。業務システム開発力・人材の計画的な強化と特徴ある技術/ソリューションを保有する企業との業務提携を拡大し既存事業を拡大するとともに、広く協業できる企業との業務提携やM&Aにより新事業を創出・拡大する戦略だ。業務提携については、既に種を播いており、2024年4月にはAIと金融工学を活用した金融WEBサービス・プラットフォームを提供する(株)MILIZE(ミライズ)と、同社CLIPシリーズにAIを活用して臨床検査分野でのシステム操作をサポートする機能の実装を共同開発することをリリースした。また、2024年5月には韓国の(株)コリアファステックが展開するマイグレーション※1ソリューションシステム「Smart Conversion Suite」の日本における販売代理店・保守サービス提供契約を締結した。本システムは2007年のリリース以来200超の顧客の導入実績があり、日本におけるマイグレーション、モダナイゼーション※2事業分野におけるソリューション展開が期待できる。

※1 システムやデータを新しい環境(基盤)に移行すること。
※2 既存システムを最新技術で最適化し、ビジネスの効率化、拡大を図ること。


■Key Points
・2024年3月期の売上高、営業利益、経常利益は過去最高を更新
・2025年3月期も開発案件の需要増により増収増益を見込む
・業務提携やM&Aにより既存事業の拡大と新規事業の創出を図り、連結売上高100億円規模を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)

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