【IRアナリストレポート】コシダカホールディングス(2157)

著者:鈴木 行生
投稿:2024/07/26 10:42

~カラオケを超えて、新しいエンタメ・インフラ企業をめざす~

【ポイント】
・今2024年8月期のカラオケは極めて好調である。カラオケだけで、スピンオフ前のカーブスを含めた経常利益を抜いてこよう。これは画期的なことである。2019年8月期の経常利益は9562百万円であったが、当時は6割弱がカーブスの利益であった。カーブスをスピンオフする時、カーブスに依存しない体制を作ると宣言したが、それがコロナ禍を経て実現し、来期もピーク利益の更新が続こう。

・なぜカラオケで大幅に稼げるのか。それは、コロナ下にあって業界が弱る中で、果敢な出店を継続したことによる。前期末のカラオケ店620店中、25%の158店をこの3年半で出店した。これが需要回復局面で、従来の既存店と遜色ない収益を上げている。まねきねこの集客力の高さが光っており、来期は営業利益で100億円を超えてこよう。

・2つの戦略を遂行している。1つは、プライベート エンターテイメント ルーム(PER)の実現を加速させており、もう1つはシェア拡大のチャンスとして、果敢な出店をM&Aを含めて展開している。駅前繁華街への新規出店を軸に、50店(平均30~40ルーム)ペースでしっかり進めている。

・昨年、本社を渋谷の道玄坂に移した。新しいエンタメ・インフラ企業を目指して、新立地をベースにブランド戦略を遂行している。働き方改革も進めており、人材の採用と定着にも寄与してこよう。

・次の成長戦略として、カラオケルームでの楽しみ方に、新しいデジタル技術を持込み、新商品や新サービスを開発していく。DXによる新規事業として、バーチャルキャラクターになれるカラオケサービスも順次拡大しよう。海外事業はコロナ禍で苦戦を強いられたが、ようやく黒字化してきた。マレーシア、タイ、インドネシアを含めて、次第に加速しよう。これら3カ国の海外事業は、2年後には連結に入ってこよう。

・当社のカラオケの競争優位性は引き続き高い。「エンタメをインフラに」をビジョンに、「既存業種新業態」を軸に中長期的な成長を目指す。収益性は急ピッチで向上している。新しいコンテンツがヒットしてくれば、株式市場での評価も一段と高まってこよう。

目次
1.特色 「既存業種新業態」の余暇サービス提供企業
2.強み カラオケの首都圏展開で競争力を発揮
3.中期経営方針 カラオケからプライベートエンターテイメントへ
4.業務連携 アドバンテッジ アドバイザーズと提携し、成長を加速
5.当面の業績 本格回復が加速し、収益力が向上
6.企業評価 新たなエンタメの世界へ

コシダカホールディングス <2157>
企業レーティング
株価
(2024年7月25日)
941円
時価総額 774億円
(82.3百万株)
PBR 2.59倍
ROE 22.9%
PER 11.3倍
配当利回り 1.9%
総資産 60248百万円
純資産 29645百万円
自己資本比率 49.2%
BPS 363.6円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2017.8 55283 6146 6354 3255 43.6 9.0
2018.8 61771 7858 8207 4426 54.4 10.0
2019.8 65840 9507 9562 6226 76.6 12.0
2020.8 43303 1147 1699 -231 -2.8 12.0
2021.8 20791 -7628 -3092 -4144 -50.8 4.0
2022.8 37995 2205 5331 3643 44.7 8.0
2023.8 54629 7667 7767 7104 87.1 12.0
2024.8(予) 63000 9300 10000 6800 83.4 18.0
2025.8(予) 68000 10500 10200 7000 85.9 20.0

(2024.5ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは来期ベース。2018年5月末で1:4の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。カーブスを2020年2月末でスピンオフ(1:2.109の株式分割に相当)。

企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/kosidaka202407.pdf

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配信元: みんかぶ株式コラム

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