ナック Research Memo(5):新商品・サービスの開発・提供に注力し、2025年3月期は増収増益を見込む(2)

配信元:フィスコ
投稿:2024/07/17 15:45
*15:45JST ナック Research Memo(5):新商品・サービスの開発・提供に注力し、2025年3月期は増収増益を見込む(2) ■ナック<9788>の今後の見通し

2. セグメント別の見通し
(1) クリクラ事業
売上高は16,100百万円(前期比5.6%増)、営業利益は1,720百万円(同0.8%増)を見込む。浄水型ウォーターサーバーの需要が拡大し、顧客獲得競争が厳しさを増す環境の中で、積極的なWEB広告の出稿により商品認知度を高める活動を推進すると同時に、顧客数拡大に向けてショッピングモールなどでイベント営業を展開し、浄水型ウォーターサーバー「feel free(フィールフリー)」の販促活動を強化し、新規顧客獲得に注力する。また、同事業のシステムインフラである「CrePF(クリクラプラットフォーム)」の加盟店への導入を進め、宅配水業務における営業管理、伝票、精算事務の効率化による販売活動の効率化を図る。なお、次亜塩素酸水溶液「ZiACO(ジアコ)」は新型コロナウイルス感染症の5類移行の影響で売上は減少傾向にあるが、冬場のインフルエンザ対策等向け除菌・ウイルス除去効果だけでなく、消臭効果という商品特性をアピールすることで売上の回復を狙う。

(2) レンタル事業
売上高は17,800百万円(前期比1.9%増)、営業利益は1,810百万円(同13.3%増)を見込む。高齢化の進展のほか、共働き世帯やリモートワークの増加、感染症対策としての除菌意識の高まりを受けて、家事支援サービスや介護関連サービスの需要、市場規模の拡大が想定される。ダスキン事業においては、2018年8月よりダスキンとの資本提携契約に基づきケアサービス部門、ヘルスレント部門のさらなる出店(事業数拡大)を進め、シニア市場におけるサービス網を拡充する計画を推進している。5年間で110のサービス拠点を増設し、2024年3月期より投資回収フェーズに入っている。2023年11月にはダスキンとの間でさらなる事業拡大・成長のための新たな共同プロジェクトを発足した。現在はプロジェクトの詳細に関する協議が進行中で、同事業の成長に貢献する有力な施策となることに期待したい。ケアサービス部門では庭木の剪定、エアコンクリーニングなど、年間での定期的な利用が定着してきている。ヘルスレント部門でもサービスエリアの拡大に合わせて、一定のエリア内でのストックポイントの確保などを検討中だ。さらに、除菌意識の高まりを受けて空気清浄機やクリンネス商品の販売も強化している。ウィズ事業においては主要顧客である飲食店がインバウンド需要の追い風もあり、コロナ禍前の賑わいを取り戻しており順調に推移と見込まれる。同社は営業活動を強化し、さらなる売上増加を目指すなか、2024年5月には害虫駆除機「with」が2024年1月時点で累計出荷台数135,000台、継続率97.35%を突破したことを発表しており、害虫駆除に課題を抱える飲食店等に対して今後も積極的にアプローチする。アーネストにおいては、水際対策の支援事業関連の受注によりこれまでに取引関係を構築したホテル等に対し、ベッドメイキング等のインバウンド需要の対応を強化することで売上増加につなげる。また2023年6月に子会社化した(株)キャンズにおいては、2025年3月期より本格的に他事業と連携してシナジーを発揮し、受注・活動エリアを拡大する。

(3) 建築コンサルティング事業
売上高は9,000百万円(前期比59.0%増)、営業利益は1,350百万円(前期は28百万円の利益)を見込む。VR住宅展示場、無料会員サービス「D-mot」、太陽光発電、蓄電池、エコキュートなどDXやSDGsを推進する商品を展開するなか、IT導入補助金対象商品を活用した営業手法を強化し、販売数を拡大する計画だ。2024年3月期第4四半期に販売割合が増加したIT導入補助金対象商品については、審査完了まで時間を要するため、売上計上が2025年3月期にずれ込むことで伸長する見込みである。「D-mot」については、2023年9月に新たにDXを活用した集客、エンドユーザーへのエネルギーコスト抑制提案に関するコンテンツを追加搭載し、サービスを拡充した。追加コンテンツは、自社で環境と光熱費に配慮した住宅設計が可能となる「環境対応住宅サポート」、「メタバース展示場」、「HP作成キット」、SNSでの効果的な投稿により自社への問合せにつなげる「SNS分析サポート」の4つである。「D-mot」の導入推進により無料会員制度の入口を広げ、会員向けのアフターサポートも強化する計画だ。

そのほか、20年以上も中小工務店の安定的な収益化をサポートしてきた同社のオリジナル住宅開発システム「GRANDPIA system(グランピア システム)」を大幅にアップデートした「GRANDPIA ETERNAL(グランピア エターナル)」として2023年7月にリリースした。続けて同年9月には、中小工務店では内製化が難しいとされる「デザイン性が優れた企画住宅の画面データ」、「モデルハウスを建てずに受注につなげるDX活用接客スキル」などをパッケージ化したノウハウ商品「i-Style(アイスタイル)」をリリースするなど、新商品・サービスを開発、提供し続けている。住宅ネットワーク事業とスマートエネルギー事業を統合したナックハウスパートナーにおいては、両事業間のみならずコンサルティング部門とのシナジーを発揮し、省エネ関連商材の受注比率を向上させ、新商品・新サービスを開発する。

中小工務店においては、コスト低減、労働力確保、脱炭素に向けた関心が高まる消費者への新しい商品・サービス提案など、経営改善余地は大きく、7,000社の会員工務店に対してコンサルティングを行う同社への需要は、今後も一層高まるものと弊社では考えている。

(4) 住宅事業
売上高は10,900百万円(前期比15.4%増)、営業利益は320百万円(前期は27百万円の利益)を見込む。ケイディアイにおいては、用地仕入について従来の都内23区中心から東京郊外にまで対象を広げることで、不動産ソリューションを強化し、事業拡大を目指す。ジェイウッドではバリアフリー対策等で需要の高まる平屋や店舗・店舗併用住宅の受注強化に向けて営業活動を推進するほか、エースホームブランドの商品販売も加えることで受注数の増加を図る。北海道で展開するKUNIMOKU HOUSE事業では、高性能住宅や省エネ住宅等の商品ラインナップを充実させることで顧客獲得を目指す。

(5) 美容・健康事業
売上高は8,000百万円(前期比19.7%増)、営業利益は360百万円(同20.5%増)を見込む。JIMOSにおいては、「MACCHIA LABEL」をはじめとする各ブランドの主要製品の強化やリニューアルを行うほか、新商品・新カテゴリの開発による新規顧客獲得を図り、事業拡大を目指す。

ベルエアーでは、創立以来50年続けてきたサプリメント販売への原点回帰を掲げ、人生100年時代を見据えた販路拡大を推進するなか、商品リニューアルによる新規顧客獲得を図る。アップセールでは、通販事業の取扱商品拡充と積極的な商品開発・仕入により収益性向上を目指すほか、2024年2月に子会社化した巴ワイン・アンド・スピリッツとの連携によりシナジーを発揮して輸入ワインの直販に注力し、売上拡大を実現する。トレミーでは、医薬部外品等の積極的なODM提案により市場競争力を高め、利益率の向上を図るとともに、生産性を上げるための設備及び人的投資を行い、各事業との垂直連携強化によるグループシナジーの最大化を目指す。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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配信元: フィスコ

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