~ワッツブランドを軸に、次なる事業高度化へ~
【ポイント】
・今2024年8月期の3Q累計は好調な回復をみせた。既存店のプラス、高額商品のウエイトアップ、円安対応商品の品揃え、ロードサイド店の雑貨の充実などが粗利益率の好転に寄与している。通期でも、会社計画を上回ってこよう。業績の回復テンポは早まっている。来2025年8月期についても、円安への対応力はついており、プロダクトミックスの的確な対応と店舗の効率化によって、増益を確保できよう。
・100円ショップは、海外からの商品調達が圧倒的なので、円安によって100円では提供できない商品が増加した。ワッツは均一価格を原則とするが、100円以外の高額商品で、顧客ニーズに合わせつつ、全体のバランスを図っている。
・高額商品の売上比率は、テナント店で上昇している。今期の3Qで約20%まで上がってきたが、来期はさらに高まろう。高額商品は粗利益の改善に貢献するが、在庫の金額も増えているので、商品の回転率には十分注意する必要がある。
・今後は、食品スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどに出店している委託販売型の店舗でも、100円以外の高額商品の品揃えが徐々に増えていくことになろう。業態としての差別化はできるので、インフレ時代の100円ショップは付加価値志向を高めながら、均一価格のミックスによる新たな業態にシフトしつつ、そのポジションを確保していくことができよう。
・プロダクトミックスで一定の粗利率をコントロールし、収益を確保していく。今後、1)為替が安定し、2)当社の100円ショップを中心としたハイブリッド戦略が効果を上げてくれば、売上の拡大と粗利率のアップが見込めるようになろう。今期のROEは5.6%となろうが、ROEで8%水準を確保するには営業利益で15億円はほしい。円安が急激に進行する中では、その対応が難しかったが、次第にこなれてきた面はある。
・今後の経営方針は、1)円安対応の実行、2)委託販売の一段の強化、3)ファッション雑貨事業との連携、4)海外卸売の拡大継続にある。小回りの利く店舗展開で優位性を発揮しつつ、事業の高度化に着手している。その進捗に注目したい。
目次
1.特色 規模では業界4位ながら、小回りがきく存在
2.強み 迅速な出退店と独自の店舗オペレーションで収益を確保
3.中期経営方針 ワッツブランドをベースに高付加価値化を推進
4.当面の業績 円安への対応に向け、グループ連携を強化
5.企業評価 収益源の集中を図る
企業レーティング | . |
---|---|
株価 (2024年7月16日) |
731円 |
時価総額 | 98億円 (13.458百万株) |
PBR | 0.78倍 |
ROE | 5.6% |
PER | 13.8倍 |
配当利回り | 2.1% |
総資本 | 27183百万円 |
純資産 | 12358百万円 |
自己資本比率 | 45.4% |
BPS | 938.9円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2014.8 | 43573 | 1784 | 1799 | 948 | 70.0 | 17.0 |
2015.8 | 44462 | 1257 | 1263 | 700 | 51.7 | 17.0 |
2016.8 | 46176 | 1205 | 1193 | 718 | 53.0 | 15.0 |
2017.8 | 47494 | 1209 | 1272 | 839 | 62.0 | 15.0 |
2018.8 | 49480 | 1000 | 1037 | 633 | 46.8 | 15.0 |
2019.8 | 51399 | 716 | 656 | 70 | 5.3 | 10.0 |
2020.8 | 52795 | 1768 | 1731 | 774 | 57.8 | 15.0 |
2021.8 | 50702 | 1669 | 1586 | 965 | 72.1 | 22.0 |
2022.8 | 58347 | 998 | 1148 | 781 | 57.8 | 15.0 |
2023.8 | 59309 | 621 | 648 | 250 | 18.5 | 15.0 |
2024.8(予) | 61000 | 1150 | 1150 | 700 | 52.8 | 15.0 |
2025.8(予) | 63000 | 1250 | 1200 | 720 | 54.7 | 15.0 |
(2024.5ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2014.8期の配当は、1部への変更記念配2円、2015.8期の配当は創業20周年の記念配2円を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/waltutu202407.pdf
関連銘柄
銘柄 | 株価 | 前日比 |
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663.0
(15:30)
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(-1.77%)
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