ドル円は157円台に伸び悩む 5月の米小売売上高がインフレ鈍化への期待示す=NY為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/06/19 05:51
ドル円は157円台に伸び悩む 5月の米小売売上高がインフレ鈍化への期待示す=NY為替概況

 きょうの為替市場は、NY時間に入ってドル売りが優勢となった。この日発表の5月の米小売売上高が前月比0.1%の増加と予想を下回り、前回分も増加から減少に下方修正された。インフレ鈍化への期待を示す内容で米国債利回りも低下したことから、ドル円も157円台に値を落としている。

 ただ、ドル円は上値追いが続いており、本日は158円台を回復。ドル自体に買いが見られているほか、根強い円安がドル円をサポートしている状況に変化はない。ただ、160円を試しそうな雰囲気まではまだないようだ。

 この日は複数のFOMC委員の発言が伝わっていた。経済指標次第の姿勢を強調し、それが予想通りの展開であれば、年内の利下げの可能性に言及。一方、利下げには忍耐強くあるべきとも述べており、慎重姿勢も滲ませていた。

 ユーロドルは1.07ドル台で上下動。一部からは、フランスの政治リスクでユーロの上値は重い一方、米英の利下げ観測によるドルやポンドの下落が下値をサポートし、ユーロは狭いレンジ内で不安定な動きを続ける可能性があるとの指摘が出ていた。

 右派のルペン氏率いる国民連合(RN)が政権を取るリスクは、同国の債務に対する懸念を呼び起こし、投資家は6月30日と7月7日に行われる選挙を前にユーロへのエクスポージャーを減らしているという。

 ポンドドルはNY時間に入って1.27ドル台まで買い戻されたものの上値の重い展開が続いている。ただ、全体的には方向感のない展開も見られ、次の材料待ちの雰囲気も強い。その意味では20日の英中銀の金融政策委員会(MPC)待ちということなのかもしれないが、その前に明日19日に英消費者物価指数(CPI)が予定されている。

 総合指数は前年比2.0%が見込まれ、インフレ目標到達が予想。コア指数も3.5%が見込まれ、なお高水準ではあるものの、前回からの鈍化が見込まれている。一方、サービス業は5.5%と前回から鈍化するものの、なお5%台での推移が見込まれている状況。

 市場は8月の英中銀の利下げ期待を50%程度の確率で織り込んでいるが、明日のCPIが予想を下回るようであれば、その期待値は上昇する可能性もありそうだ。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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