第一建設工業、2期連続で増収増益を達成 大型繰越工事が順調に推移し、建築工事の売上高が前年比64%増と大きく伸長
決算概要(2024年3月期)
内田海基夫氏:第一建設工業株式会社、代表取締役社長の内田でございます。私から2024年3月期の決算概要と来期の業績予想、並びに当社の取り組みについてご説明いたします。
はじめに、2024年3月期の決算概要についてご説明申し上げます。
決算概要
2024年3月期においては、売上高は前期からの繰越工事の施工高が増加したことにより、前期比66億2,600万円増収の539億9,300万円(14.0パーセント増)となりました。
利益につきましては、売上高の増収等により営業利益が前期比2億300万円増益の37億7,200万円(5.7パーセント増)、経常利益が前期比2億1,300万円増益の40億9,600万円(5.5パーセント増)、当期純利益が前期比1億4,800万円増益の27億9,100万円(5.6パーセント増)となりました。
この結果、2期連続で増収増益を達成いたしました。
セグメント別売上高
セグメント別売上高でございますが、建設事業売上高は、前期からの繰越工事の施工高が増加したことにより、前期比64億5,900万円増収の529億7,500万円(13.9パーセント増)、不動産事業売上高は、新規に稼働しました賃貸用不動産の売上高が増加したことにより、前期比1億6,700万円増収の10億1,700万円(19.6パーセント増)となりました。
建設事業売上高の内訳につきましては、土木工事340億8,700万円(前期比2.6パーセント減)、建築工事が188億8,700万円(前期比64.0パーセント増)であります。
売上高構成比
売上高構成比についてご説明いたします。
売上高の部門別内訳は、土木工事63.1パーセント、建築工事35パーセント、不動産事業1.9パーセントであり、建設事業売上高の発注者別内訳は、鉄道工事73.3パーセント、一般民間工事20.5パーセント、官公庁工事6.2パーセントとなりました。
業績の推移
業績の推移につきましては、スライド上段左側の売上高において、2024年3月期は539億9,300万円であり、直近30年間で2021年3月期の549億5,200万円に次ぐ、過去2番目の高水準となりました。
また、各利益につきましては、慢性的な労働者不足や原材料価格の高止まり等により非常に厳しい状況が続いております。
貸借対照表(B/S)2024年3月末日現在
貸借対照表でございますが、流動資産は、期末施工高の増加による完成工事未収入金の増加や現金預金の増加等により、前期比32億5,200万円増加の468億1,600万円(7.5パーセント増)となりました。
固定資産は、投資有価証券の時価上昇による増加等により、前期比21億4,200万円増加の341億2,600万円(6.7パーセント増)となりました。
これにより資産合計は、前期比53億9,400万円増加の809億4,300万円(7.1パーセント増)となりました。
負債合計は、期末施工高の増加による工事未払金の増加等により、前期比25億6,700万円増加の116億400万円(28.4パーセント増)となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金の増加や当期純利益を主な要因として、前期比28億2,700万円増加の693億3,900万円(4.3パーセント増)となりました。
この結果、自己資本比率は前事業年度比2.3ポイント減少の85.7パーセントとなりました。
キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書でございますが、営業活動から得られた資金は、53億7,200万円となりました。これは、税引前当期純利益や減価償却費の非資金費用等による収入超過要因が、売上債権の増加等による支出超過要因を上回ったためであります。
投資活動により使用した資金は、22億6,700万円となりました。これは、賃貸用マンションの建設や大型保線用機械の老朽取替に伴う有形固定資産の取得による支出等によるものであります。
財務活動により使用した資金は、11億6,800万円となりました。これは、配当金の支払いや自己株式の取得による支出等によるものであります。
その結果、2024年3月期の現金及び現金同等物の期末残高は、2023年3月期より19億3,600万円増加し、180億2,100万円となりました。
株主還元の充実
株主還元については、スライドのグラフをご覧ください。
2024年3月期の配当につきましては、一株当たり50円から30円増配し、80円を予定しております。また、自己株式についても13億円を取得する予定となっており、配当性向55.9パーセント、総還元性向100パーセント以上を目指しております。
当社では、2024年度を初年度とする「中期経営計画 変革2028」を策定しております。その後、2024年5月に「資本コストと株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を策定いたしました。その取り組みの一環として、累進的な配当により株主還元を強化するとともに、配当性向50パーセント以上、総還元性向100パーセント以上を目標に5年間で約50億円以上の自己株式を取得することを予定しております。
引き続き、株主の皆様への利益還元と企業価値の最大化を目指し、取り組んでまいります。
通期 業績予想(2025年3月期)
続いて、来期の業績予想についてご説明いたします。
売上高は前期からの大型繰越工事の反動減により前期比7.4パーセント減の500億円と見込んでおります。営業利益につきましても、売上高の減少が影響し、営業利益は前期比7.2パーセント減の35億円、経常利益は前期比7.2パーセント減の38億円、当期純利益は6.9パーセント減の26億円を予想しております。
売上高の向上策として、新規顧客の開拓及び官公庁工事の拡大を目指してまいります。また、利益につきましては、今後も慢性的な労働者不足や原材料価格の高止まり等により非常に厳しい状況が続くものと思われますが、厳密な原価管理に取り組むとともに、働き方改革、DXの推進、コスト削減などを行い、利益の確保に努めてまいります。
そして、来期の配当金については、1株あたり80円を予定しており、株主の皆様の期待に応えられるよう全役員社員が一丸となって取り組んでまいります。
建設事業~技術開発への投資~
最後に、当社の取り組みについてご紹介いたします。
当社では、技術開発への投資を推進しています。当社が独自に開発した「D-flip(ディーフリップ)工法(任意深度定着型仮締切り工法)」は、河川内の橋脚工事における工期短縮・コストダウンが期待できる工法です。
また、この技術は特許を取得しているほか、国土交通省によって運営されるNETIS(新技術情報提供システム)に登録されており、本工法による事業領域拡大に取り組んでおります。
建設事業~工事の紹介~
完成工事及び現在施工中の主な工事については、スライドをご覧ください。
スライド左側が、民間工事で大規模集客施設を施工中の写真であり、右側が東日本旅客鉄道さまより受注しました鉄道関連の工事になります。
健康経営への取り組み
健康経営への取り組みについて、ご紹介いたします。
2021年4月、当社は社員が心身ともに健康で、働きがいに満ち、一人ひとりの能力が十分に発揮されている職場環境を目指すため「健康経営宣言」を制定し、社員とそのご家族の健康管理を経営課題と捉えて、健康経営の推進に努めております。
その一環として、社員の健康知識と意識を高め、自己管理を促すために動画を作成いたしました。この動画は、社員専用サイトで公開しており、全社員に周知しております。
さらに、社員の健康リテラシーを向上させるため、「日本健康マスター検定」の資格取得を奨励しております。この資格は日本医師会が監修しており、合格者には報奨金を支給する制度を導入しております。これにより、社員の資格取得への意欲を高めております。
また、健康障害のリスクが高い社員に対する対策として、生活習慣病の予防を目指しております。具体的には、「特定健康診査の受診率」「特定保健指導の実施率」「喫煙者の割合」「1日1時間以上歩く人の割合」に着目し、これらの目標を定めて取り組んでおります。
環境経営への取り組み
環境経営への取り組みについて、ご紹介いたします。
当社は、持続可能な社会の実現に向けて、2022年11月に「環境経営宣言」を行うとともに、「第一建設工業 環境計画 ~カーボンニュートラル・チャレンジ2050~ 」を策定し、環境経営の推進に努めております。
主な取り組みとしては、事業所照明のLED化、現場事務所での太陽光発電利用等に取り組んでおります。さらに、2022年7月にZEBプランナー制度、2023年7月にはZEHデベロッパー制度に登録し、ZEBおよびZEH-Mの普及に取り組んでおります。
また、自然共生社会の実現として、当社が管理する123台の大型保線用機械で使用する生分解性作動油を100パーセント導入しております。
地域共生活動
地域共生活動について、ご紹介いたします。
当社の研修センターの駅舎・踏切・線路等の屋外実習設備を活用して、JR東日本新潟支社さまと共催による視覚に障害のあるお客さまへの「鉄道施設体験会」を開催いたしました。
このような体験会を通じて、すべてのお客さまが安全・安心に鉄道をご利用いただけるよう今後も取り組んでまいります。
免責事項
本日のご説明は以上となります。今後とも変わらぬご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
関連銘柄
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