AIAI Research Memo(6):2024年3月期は計画を上回る大幅増収増益で着地。財務面に懸念材料はない

配信元:フィスコ
投稿:2024/06/12 12:56
*12:56JST AIAI Research Memo(6):2024年3月期は計画を上回る大幅増収増益で着地。財務面に懸念材料はない ■業績動向

1. 2024年3月期連結業績の概要
AIAIグループ<6557>の2024年3月期の連結業績は売上高が前期比9.2%増の11,818百万円、営業利益が同559.5%増の532百万円、経常利益が同111.8%増の875百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が353百万円(前期は506百万円の損失)だった。前回予想(2023年11月2日付修正値、売上高11,300百万円、営業利益350百万円、経常利益700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益200百万円で、期初予想に対して営業利益を150百万円、経常利益を350百万円それぞれ上方修正)を上回る大幅増収増益だった。期末時点のグループ合計施設数は5施設増加の109施設(AIAI NURSERYが2施設増加の86施設、AIAI PLUSが3施設増加の20施設、AIAI HOUSEが2施設、AIAI FACTORYが1施設)となった。期末時点のAIAI NURSERYの合計園児在籍数は2023年3月期末比314人増加の4,792人、充足率は2ポイント上昇して95%となった。

売上面では、新規施設として2023年4月1日付でAIAI NURSERYを5施設開設(うち1施設は定員数を拡大して移転)したほか、既存施設において園児数が順調に増加して充足率が上昇した。利益面は、保育士の処遇改善に伴う人件費増加などのコストアップ要因があったが、在籍数増加・充足率上昇効果に加えて、保育士の適正配置、施設運営や業務の効率化なども寄与した。売上総利益は前期比で28.9%増加し、売上総利益率は同2.3ポイント上昇して14.7%となった。販管費は同5.0%減少し、販管費比率は同1.5ポイント低下して10.2%となった。なお営業外収益では補助金収入を431百万円(2023年3月期は450百万円)計上した。また特別損失では減損損失(子会社AIAI Child Careの一部固定資産など)を363百万円(同549百万円)計上した。

なお四半期別に見ると、在籍数増加・充足率上昇効果によって増収基調であり、また売上高の増加に伴って売上原価率と販管費比率が低下傾向となっている。この結果、営業利益は2023年3月期第2四半期に33百万円の黒字に転換した後、営業黒字が定着した状況となっている。なお第1四半期は新規施設開設に伴って開園費用が発生するため一時的に売上原価率と販管費比率が上昇するが、2024年3月期第1四半期は前年同期との比較で、増収効果により売上原価率と販管費比率とも低下している。

2. 財務の状況
財務面で見ると、2024年3月期末の資産合計は前期末比85百万円減少して11,657百万円となった。主に現金及び預金が同362百万円増加した一方で、有形固定資産合計が同437百万円減少した。負債合計は同489百万円減少して9,911百万円となった。未払費用が同183百万円増加した一方で、有利子負債(長短借入金)残高が同803百万円減少して7,596百万円となったほか、繰延税金負債が同163百万円減少した。純資産合計は同404百万円増加して1,745百万円となった。資本剰余金が資本金からの振替や新株予約権行使により同185百万円増加したほか、利益剰余金が同353百万円増加した。この結果、自己資本比率は同3.6ポイント上昇して14.9%となった。

中長期的には利益積み上げと有利子負債削減によって財務基盤を強固にすることが課題となるものの、現在は成長過程にあることや、営業活動によるキャッシュ・フローが大幅に改善していることなどを勘案すれば、当面は財務面に特段の懸念材料はないと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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