*13:38JST ベルシス24 Research Memo(8):3つの重点施策を推進(1)
■中期経営計画
2. 3つの重点施策
ベルシステム24ホールディングス<6183>は中期経営計画における具体的戦略として、(1) 人材:総力4万人の最大活躍、(2) 型化:データ活用の高度化、(3) 共創:NEW BPO領域開拓、の3つを計画達成のための定性面での重点施策として掲げている。
(1) 人材:総力4万人の最大活躍
第1の重点施策として、海外も含めると4万人に達するグループ従業員が最大限に活躍できるように、成長機会の仕組み化と働く環境の次世代化を図る。そのために、完全在宅オペレーションへの進化と拡張、JOBマッチングによる個の能力最大化、全方位に多様で柔軟な働き方改革の促進などに取り組む。
具体的な取り組みの1つは、完全在宅オペレーションの推進だ。我が国では少子高齢化の進行により労働人口が減少傾向にあり、今後も労働者の確保が重要である。子育て中の主婦であっても完全在宅オペレーションによって、外出不要でワークライフバランスの充実が可能となり、同社にとっても優秀な人材の確保や人手不足の解消につながる。場所や時間の制約を超えて「お互い」が多様性と効率化を最適にする職場にすることで、在宅席数の3,000席から10,000席への増席を目指す。同社では、目標とする在宅席数の達成により、約7億円の増益効果があると見込んでいる。
今後も業容拡大を目指す同社にとっては、オペレーターの確保は重要課題の1つである。最近の技術進歩により、顧客へのサポート業務をコールセンター拠点以外の場所でも提供できるようになった。地方に住む人や、育児・介護と仕事を両立させたいといった時間や場所の制約がある人でも、コールセンター拠点に勤めるオペレーターと同レベルの業務が可能になっている。またコロナ禍をきっかけに、在宅勤務を希望するオペレーターが増えている。在宅コンタクトセンターは人材の確保と、どういう状況下でもセンターをクローズさせないというBCP(事業継続計画)対応を両立させるものである。同社の計画は、どのような非常時においても、社会インフラとしての役割を果たしたいとの考えに基づくものと言えるだろう。
もう1つの取り組みは、適性と仕事のマッチング強化である。同社の採用活動では、年間約3,000件に上る個別業務に合わせた採用を行っていることから、高度化する業務内容と応募者とのマッチングの難度が上がることなどにより、採用数の頭打ちが課題となっていた。そこで人材のパフォーマンスを最大化するAI設計と運用の先駆的企業である(株)DUMSCOと共同開発したAI予測モデルを活用し、最適なヒトと業務のマッチングを行う「業務マッチング型採用モデル」を構築した。このモデルによって、応募者と複数業務とのマッチングが可能となった。一部拠点での実証実験で、目標とする採用数増加、採用効率化(採用確度が増し、内定日数も短縮など)を達成できたため、全社規模での運用を開始する。この取り組みによって、長く働き続ける人材の発見、成果が出る業務配置の発見、感情による離職予兆の発見につなげ、採用効率化に加え、最適なJOBマッチングや離職防止を強化する。同社では採用の効率化によるコスト削減や、退職率の5~10%の低下を期待している。同社では、JOBマッチングの本格導入に伴い、中期経営計画の最終年度には約8億円の増益効果があると見込んでいる。
2024年2月期の実績としては、直雇用CM(同社が直接雇用するコミュニケーターで、派遣社員を除く)比率が上昇し、在宅コンタクトセンター席数も増加した。2024年2月期第4四半期の直雇用CM比率は79.9%と、前年同期比2.1ポイント上昇した。本格導入したJOBマッチングは、徐々に利用範囲を拡大しており、直雇用CM比率の向上に寄与し、今後はCMの定着率向上にも期待する。同様に、在宅コンタクトセンター席数は3,160席と、前年同期比240席、同8.2%の増加であった。
こうした在宅コンタクトセンターの積極的な推進とともに、これまで担ってきた知見を生かし、コンタクトセンター業務の在宅化に課題を抱える企業に対して、最適な在宅化のグランドデザイン設計や具体的なプロセスの策定を行う「在宅業務コンサルティングサービス」の提供を開始した。また、LGBTQ+(LGBTQ等の性的少数者)に関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援する任意団体work with Prideが策定した企業・団体等職場におけるLGBTQ+への取り組みの評価指標「PRIDE指標 2023」において、5年連続で最高位の「ゴールド」を受賞した。
さらに、D&Iに関する研修・コンサルティング、ダイバーシティ採用支援等を手がける(株)JobRainbowが実施する「D&Iアワード」において、最高評価の「BEST WORKPLACE」に3年連続で認定され、併せて認定企業のなかでもダイバーシティスコアが高く、ロールモデルになるような取り組みを行う企業に贈られる「D&Iアワード賞(大企業部門)」を受賞している。 同社グループは、多様なバックグラウンドを持つ従業員が、長期にわたり安心して勤務できる環境の創出に向けて、引き続き社内外の環境整備に取り組んでいく考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<HH>
2. 3つの重点施策
ベルシステム24ホールディングス<6183>は中期経営計画における具体的戦略として、(1) 人材:総力4万人の最大活躍、(2) 型化:データ活用の高度化、(3) 共創:NEW BPO領域開拓、の3つを計画達成のための定性面での重点施策として掲げている。
(1) 人材:総力4万人の最大活躍
第1の重点施策として、海外も含めると4万人に達するグループ従業員が最大限に活躍できるように、成長機会の仕組み化と働く環境の次世代化を図る。そのために、完全在宅オペレーションへの進化と拡張、JOBマッチングによる個の能力最大化、全方位に多様で柔軟な働き方改革の促進などに取り組む。
具体的な取り組みの1つは、完全在宅オペレーションの推進だ。我が国では少子高齢化の進行により労働人口が減少傾向にあり、今後も労働者の確保が重要である。子育て中の主婦であっても完全在宅オペレーションによって、外出不要でワークライフバランスの充実が可能となり、同社にとっても優秀な人材の確保や人手不足の解消につながる。場所や時間の制約を超えて「お互い」が多様性と効率化を最適にする職場にすることで、在宅席数の3,000席から10,000席への増席を目指す。同社では、目標とする在宅席数の達成により、約7億円の増益効果があると見込んでいる。
今後も業容拡大を目指す同社にとっては、オペレーターの確保は重要課題の1つである。最近の技術進歩により、顧客へのサポート業務をコールセンター拠点以外の場所でも提供できるようになった。地方に住む人や、育児・介護と仕事を両立させたいといった時間や場所の制約がある人でも、コールセンター拠点に勤めるオペレーターと同レベルの業務が可能になっている。またコロナ禍をきっかけに、在宅勤務を希望するオペレーターが増えている。在宅コンタクトセンターは人材の確保と、どういう状況下でもセンターをクローズさせないというBCP(事業継続計画)対応を両立させるものである。同社の計画は、どのような非常時においても、社会インフラとしての役割を果たしたいとの考えに基づくものと言えるだろう。
もう1つの取り組みは、適性と仕事のマッチング強化である。同社の採用活動では、年間約3,000件に上る個別業務に合わせた採用を行っていることから、高度化する業務内容と応募者とのマッチングの難度が上がることなどにより、採用数の頭打ちが課題となっていた。そこで人材のパフォーマンスを最大化するAI設計と運用の先駆的企業である(株)DUMSCOと共同開発したAI予測モデルを活用し、最適なヒトと業務のマッチングを行う「業務マッチング型採用モデル」を構築した。このモデルによって、応募者と複数業務とのマッチングが可能となった。一部拠点での実証実験で、目標とする採用数増加、採用効率化(採用確度が増し、内定日数も短縮など)を達成できたため、全社規模での運用を開始する。この取り組みによって、長く働き続ける人材の発見、成果が出る業務配置の発見、感情による離職予兆の発見につなげ、採用効率化に加え、最適なJOBマッチングや離職防止を強化する。同社では採用の効率化によるコスト削減や、退職率の5~10%の低下を期待している。同社では、JOBマッチングの本格導入に伴い、中期経営計画の最終年度には約8億円の増益効果があると見込んでいる。
2024年2月期の実績としては、直雇用CM(同社が直接雇用するコミュニケーターで、派遣社員を除く)比率が上昇し、在宅コンタクトセンター席数も増加した。2024年2月期第4四半期の直雇用CM比率は79.9%と、前年同期比2.1ポイント上昇した。本格導入したJOBマッチングは、徐々に利用範囲を拡大しており、直雇用CM比率の向上に寄与し、今後はCMの定着率向上にも期待する。同様に、在宅コンタクトセンター席数は3,160席と、前年同期比240席、同8.2%の増加であった。
こうした在宅コンタクトセンターの積極的な推進とともに、これまで担ってきた知見を生かし、コンタクトセンター業務の在宅化に課題を抱える企業に対して、最適な在宅化のグランドデザイン設計や具体的なプロセスの策定を行う「在宅業務コンサルティングサービス」の提供を開始した。また、LGBTQ+(LGBTQ等の性的少数者)に関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援する任意団体work with Prideが策定した企業・団体等職場におけるLGBTQ+への取り組みの評価指標「PRIDE指標 2023」において、5年連続で最高位の「ゴールド」を受賞した。
さらに、D&Iに関する研修・コンサルティング、ダイバーシティ採用支援等を手がける(株)JobRainbowが実施する「D&Iアワード」において、最高評価の「BEST WORKPLACE」に3年連続で認定され、併せて認定企業のなかでもダイバーシティスコアが高く、ロールモデルになるような取り組みを行う企業に贈られる「D&Iアワード賞(大企業部門)」を受賞している。 同社グループは、多様なバックグラウンドを持つ従業員が、長期にわたり安心して勤務できる環境の創出に向けて、引き続き社内外の環境整備に取り組んでいく考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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